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とある大きなイベントでの話、と言うことで、お便りをいただきました。その人はなんでもソフトバンクの「優先携帯電話」を持ってそこに行ったそうですが、無線が輻輳して全く使えなかったそうです。同じくドコモ、auも優先電話を持っていて、そちらは問題なくつながったのに、と。優先電話をわざわざ持って行ったのにつながらないのは納得がいかない、どういう理由があるんでしょうか、と言うご質問。

いやぁ、私もソフトバンクを貶すのは大好きなのでこういうネタには食いついちゃいますが、なんというか、こればっかりは運ですよね。この場合はたまたまソフトバンクでした、ってことで。とはいえ、そもそもどうしてそんなことになるんや!と言うご立腹には何らかのお答えを用意しましょうということで本日のネタ。

まず、無線における優先電話ってのがなんなのかっていう話を軽くおさらいしておくと、前にも似たようなことを書きましたが、基本的には「優先的につないであげる電話」ではなく、「他の電話に接続禁止の信号を送っているときも優先電話は無視できる」と言う仕組み。なので、「他の電話が接続禁止」と言うのが前提条件になります。

これでどうして「優先」になるのか。話は簡単で、他の電話は接続禁止信号を受けているので接続しません。接続しないということは、その分無線容量や回線容量に空きができます。なので、接続禁止信号を無視できる優先電話はその空きを使って通信できます、と言う仕組みになっているわけです。

そもそも無線だと、最初に「今から発信しますよ」と言う信号が出るのですが、その信号自体が無線容量を食いつぶします。なので、たとえば固定電話のように交換機で優先電話からの発信を優先的に受け入れる処理と言うことをするだけでは不足で、他の電話がその「今から発信しますよ」信号を送らなく(送りにくく)してあげる、と言うことで差をつけるしかないわけです(もちろん携帯電話でも交換機で優先非優先処理は行っていますが)。

こう考えると、「優先電話」でも接続できなくなってしまうケースがあることに気が付きます。

一つ目。混雑しているのに接続禁止(規制)がかからなかった場合。これは完全にオペレーションのミスですが、普通の電話に対して規制がかかっていなければ、優先電話と普通の電話の差は(ほぼ)ありません。普通の電話の使用で無線が非常に混雑してしまえば、優先電話と言えども、無線信号を送ることさえできずに立ち往生します。冒頭の質問者のケースでは、きっとこれが起こっていたものと思われます。

二つ目。規制はかかっていたものの、やっぱり無線が混雑してしまった場合。規制がかかったとしても、規制がかかる前からつながっていた回線は切れるまで規制対象とならないため、無線の使用は続きます。また、規制がかかった後も、たとえば、同じような優先端末が大量に通信を始めれば、同じように無線は混雑するでしょう。なかなか起こらないとは思いますが、こういったケースでも優先電話がつながらない、と言うことが起こります。

そのほかにもいろんなケースがあるでしょうが、こんな感じで、その時・場所によっては、やっぱりどうしてもつながらないケースと言うのは出てきます。それが起こらないように調整するのがオペレーションの腕の見せ所ですが、こればっかりは天気予報と同レベルの不確実さのある現象を先読みする、と言うスキルが必要なわけで、まぁ時には失敗はするよね、と言うことなんですよね。ってことで、「運が悪かったですね」と言う結論になるわけで。

一方で、たぶんどこのキャリアも持っていると思うんですが、あるエリアで突発的にトラフィックが増えたりした場合に自動で規制がかかるような仕組みがあったりするんですが、この自動規制がどういうトラフィックの変動のときに発動するのか、と言うアルゴリズムに関しては、キャリア独自の技術力と言う面もあるとは思います。ただ、やっぱりイベント会場とかだと、事前に予測して何時ごろにどのくらいの規制をかけよう、と言う様に計画するはずなので、イベント情報の取りこぼしがあったり予測を間違えたりなんていう単純なミスでどこのキャリアも同じようなことをやらかす可能性はありそうです。

と言うことで、なぜ優先電話なのにつながらないなんていうことが起こるのか、と言うお話でした。

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2012/11/8 10:00 · 品質動向 · 6 comments

いや、自分でやっといてなんですが、例の局数まとめの数字見てるとKDDIのLTEエリアがすごいことになってそうな局数で、ちょっと期待してて、でようやくエリアマップが公開されたっぽいので見てみました、っていう話なんですが。

私が、エリアを確認するときに主にリファレンスとして使っているのが、私の実家。もちろん身元バレはいやなので公開しませんが、2000年代前半はドコモmovaとウィルコムPHSしか入っていない場所で、FOMA?au?何それ?みたいな場所だったので、各キャリアがどのくらい本気でカバーしに行ってるかが良くわかる場所なんですよね。

もちろん、その後、FOMAもプラスエリアで入るようになって(でも居間の床に置くと圏外になるけど→レピータ入れてもらいました)、それからしばらくしてauも入るようになって(こちらはとりあえず床においても大丈夫)、ウィルコムが入らなくなって(オイ)、ソフトバンクは未だにエリア端が2km先をうろうろしてて、っていう状況で、まぁこのイメージが私の中の各社のエリアの実力そのものなんですが、そこを基準にしてLTEを見てみますと、っていう話になるわけで。

ドコモLTEは、実家の最寄の役所(市役所支所=5km先)さえもカバーしてなくて、完全にアウト。一番近いエリア端が7km先です。これはひどい。ソフトバンクは、4G(AXGP)の方が実家から1kmくらいのところに端っこ、4G LTEが2km先のところに端っこがある感じでいずれも支所はちゃんとカバーしてます。なんだかだでソフトバンクはとりあえず持ってるロケーションのところまでは頑張って攻めてるってことですね。ウィルコムPHSロケーションにもちゃんとAXGPが建ってるみたい(でも実家まで届いてないけど)。ドコモ弱。

問題のKDDI。マップ見たら、3Gと全く同じでした(拡大してみると申し訳程度に端っこが30メートル縮んで見える、くらい)。拡大予定とかじゃなくて現況エリア内。本当の端っこは実家から数km山奥に入ったところにあるので、たぶん居間の床においても大丈夫。800MHz使ってるからとはいえ、これはちょっとすごいことになってるみたいです。さらに免許情報見ると、800MHzのLTE基地局はほぼ全部10MHz幅(75Mbps対応)だからうちの実家も75Mbpsエリアってことなんですけど(まぁその「ほぼ」から外すのが我が実家クオリティなんですが)。とにかくKDDIの本気っぷりが怖いです。ソフトバンクがこれ以上広がる可能性は薄いし(3Gさえ来てないし)、ドコモもなんだか全然やる気ないみたいだし、どうやらLTEはKDDIを選ぶしかないですわこれ。

ってことで、私の中のLTEエリアの実力は、KDDI>ソフトバンク>>>>>>>>>>>ドコモです。ドコモ、なんか不真面目すぎじゃない?ちびちびと850MHz帯のLTE局建てたりしてるみたいだけど、これはなんというか・・・丸2年近く先んじていてこれってのは、もはや怠慢以外の何を疑えばいいのかわからんです。

とりあえず遊び&緊急回線用のスマホは次もKDDIで安泰ですかな。っていうか実家のブロードバンド回線もLTEにしちゃえ(今は何度も断られたところをゴネて無理やり引っ張ったADSLで1Mbps未満)。なんだかだでフィーチャーフォンがドコモ以外選びようがないのでメインはドコモを使うしかないんですが、それにしても、各キャリアのエリアに対する真剣さが昔とまるっきり逆転しちゃってる感じがするんですよねぇ。ってことで各キャリアLTEエリアの私的実力見極め個人的メモでした。

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2012/11/8 10:00 · 品質動向 · 6 comments

SIMフリー版のiPhone5が買えるようになったんですが、どうやら、「2GHzの3Gだけ」と言うよくわからん縛りがあったりするようです。これに関して、「850MHz(Band5)帯でドコモの800帯はカバーできてるけどなんで?」と言うご質問と、「LTEも2GHzが対応してるのになんで?」と言うご質問をいただいています。憶測交じりで解説。

800MHz帯は世界中で大人気の帯域なので、あらゆる国でいろんな使い方がされています。日本も例外とならず、米国とほぼ同じような使い方をしています。で、米国で使われている「Band5」と言うのがあるのですが、これが実は、ドコモが使っている「Band19」をすっぽりとカバーしているため、Band5対応の端末はドコモ帯域に完全に対応しています。

しかしここから非常にややこしい話なのですが、実は、帯域のMHzの数字が同じでも、実はそのまま使えるというものではありません。こればかりは本当に理不尽でわかりにくい仕組みなのですが、端末が動作できるかどうかは、MHzの数字ではなく、バンド番号(上でいう5とか19)で決まっています。

なぜこんなことになっているのかと言うと、実は、バンド番号ごとに別々の端末テスト規定があるからです。たとえば、同じく850MHz近辺の送受信ができる端末を作ったとしても、最終的には「Band5用テスト」だけをパスしたものは、Band5でしか動作せず、Band19では動作してはいけないという決まりがあるのです。

なので、この端末の場合は、最終試験で、Band5のテストとBand19のテストを両方パスして各国の公的機関に認定をもらわなければなりません。たとえば、単に二つ分のテストをパスさせるための準備やらお布施やらがもったいないというだけの理由で、Band5だけのテストで済ませちゃえ、と言う理由でのBand19非対応もあり得てしまうんです。

実際にはもう少しめいどい話がBand5とBand19にはあって、実はこの二つのバンド、テスト規定のパス基準が違います。Band19の方が思いっきり厳しい規定になっています(日本の電波法規定がものすごく厳しいからなんですが;そもそも似たような帯域なのに日本向けのバンド番号が独立しているものが多いのもこの理由)。しかもBand19なんて世界でドコモしか使っていません。なので、Band19をパスさせるってのは、どうせドコモで使われることがないんならできればサボりたいネタの一つなんですね。もちろん、知っている人は知っていると思いますが、Band5とBand19の両対応端末を作る場合の特例的な緩和措置があるので、規定そのものの厳しい基準を通さなきゃならないってほどでもないんですが、それでもめんどいものはめんどい、ってことです。iPhoneみたいに莫大な数が売れちゃう端末ともなると、それをサボれば1台3円のコストダウンだったとしても大変な利益寄与ですから、やっぱりそっちに向いちゃうんじゃないかと思います。

とかなんとかいう、非常に細かい話もあって、同じ800帯なのにサポートできてないなんて話もあるんですが、まぁこれもあと1年もすればデバイス価格がぐーんと下がってあっさりとサポートするようになると思います。今ははっきり言ってLTE対応デバイスは売り手市場で高止まりしてるんですよね。この辺が落ち着けば、たぶん。

さてもう一つ、バンド的には対応しているはずの2GHz帯で、なぜかドコモのLTEが使えない話なんですが、普通に考えれば、ドコモがiPhoneからの接続を弾いている、と言うことになるかと思います。めんどくさいですから。たとえば、単にXi端末でない端末IDからの接続はLTEからデタッチさせちゃうなんてのは簡単。ただ、iOSの新しい版だとつながるなんていうウワサもあるみたいですが、iOSのアップデートだけで治るのであれば、ドコモは弾いたりしてないけどiPhone側が対応してなかっただけ、と言うことも考えられます。

と言うことで、ドコモ網でのiPhone利用に関するお話でした。

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2012/10/17 10:00 · 事業考察, 品質動向 · 4 comments

先日のLTE展開プランのアップデートの図が思いのほか好評だったのですが、毎回作るのがめんどくさいのでスクリプトで自動で作るようにしました。

下記がその図です。

LTEエリア

一応毎日更新ですが、免許情報が更新される月3回くらいしか情報は反映されないと思います。

一応このエントリから常時最新情報画像を参照していますので、参考にどうぞ。

[追記]面グラフなら面積比例にした方がよくね?と言うご意見いただき、面積比例に直しました。

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2012/10/17 10:00 · 事業考察, 品質動向 · 4 comments
2012/8/21 10:00 · 事業考察, 品質動向 · (No comments)

ドコモの障害が増えていますね。なぜ障害が増えているか、という点については、障害が表面化する仕組みを考えてみればいいと思います。要するに、前に書いた通信事業における障害に対する考え方について辺りをおさらいしてみるといい感じかもしれません。

まず、「表面化する障害」とは何か、と言うことを考えています。障害が起こったとき、仮にどんな小さな障害でも出た瞬間に公表しなければならない、なんてことにはなっていません。と言うか、もしそんなことをしてしまうと、キャリアの障害情報ページはあっという間にぎっしりと埋まってしまいます。どんなに品質の良い機器を使っても、何しろ全国区の通信キャリアの使う機器数は膨大ですから、仮に障害率(ダウン率)1ppmだったとしても、毎日何十個という機器故障情報が障害リストを埋めてしまうことになります。

そんなわけで、実際には、加入者への影響度で公表有無を決めているようです。と言っても、各社の詳しい内規まではわかりませんが、一つの重要な基準として、「総務省への報告義務のある事故」の基準値があります。これが、「3万 以上 かつ 継続時間 2時間 以上」となっています。大体、各社ともおおむねこの基準かこの基準よりちょっと厳しいくらいの基準で、障害の公表有無を決めているようです。

ポイントは、「影響人数」と「継続時間」というところ。特に、「継続時間」については重要で、たとえば、機器故障でスタンバイ系に切り替わるときに1秒だけ影響があった、こういう場合は、障害とは言えませんね。つまり、どんなにドでかい障害であろうと、短期間で終息すればそれは障害発生と言えない、とさえ言えます。

これが、要するに対策至上主義の原典。起こってもいい。起こってから復旧までを極限まで短くせよ。

さて一方、ドコモやKDDIが採用しているのは、予防絶対主義。起こしてはならない、という考え方です。ただ、ここで短絡的に「予防絶対主義だから何かが起こってしまうと長期化してしまう」と結論してしまうのは、ちょっと違うと感じる方も多いでしょう。すなわち、「予防絶対主義と対策至上主義は両立しうるのではないか」と言う命題です。

出来うる限り完璧に予防する。同時に、何かが起きた時にも素早く復旧する技術を磨く。これは両立しそうに思えます。

結論から言うと、これは両立しないんですね。

なぜかと言うと、それは予防絶対主義の「障害時の初動対応」にあります。予防絶対主義の原典には「一度起こした障害を繰り返してはならない」というありがたい言葉が記されています。なので、万一の障害が起こった場合、その障害を繰り返さないための対応がまず最優先されるのです。すなわち、「調査のための現状保存」。

障害が起こりました。まずどのノードの障害かを突き止めます。次にそのノードの保守ベンダに連絡を入れ、調査のためのログ取りの準備をします。場合によっては現地に行く必要さえあるかもしれません。この間にたとえば「復旧のためにリセットしていいか」とベンダに聞いて、ベンダがダメーと返答したりなど無駄な時間を過ごします。ベンダがようやくログ取りをはじめ、必要なログがすべて取得出来たらようやく、リセットや電源入れ直しなどの対応を始めます。この間、おそらく1時間以上。下手すりゃ数時間です。[追記]実際の切り分けなんてやってないしログ取りなんて一瞬だろ、と言うご指摘をいただきましたが、一番時間がかかるのが、ログ取りを開始できるまでの手続きと手順です。実際に商用で運用されている装置に対してベンダがアクセスするためには膨大な儀式が必要なのです。入局作業ともなればなおさら。それが、この「無駄時間」の大半だったりします。

要するに、予防絶対主義を貫く限りは、障害に対する初動対応が「次の障害を起こさないための対策」で数時間遅れてしまう。となると、上の公表基準、報告基準であるところの「障害継続時間」が長時間化してしまうわけですね。

で、数年前まではこれでよかったんです。なぜなら、システムは比較的シンプルで、「手におえる」レベルだったから。数年に一度の大障害を糧に信頼性をグングン向上させられるシステムだったから。しかし、前にも書いた通り、新しい時代になり、いろんなシステムが複雑に絡み合い、もはや全体の把握は人間の手におえるレベルを超え始めています。システム自体が生き物のように毎日姿を変える、と言うと言い過ぎかもしれませんが、IPベースでアダプタビリティ・スケーラビリティが向上しているがために、ブラックボックス化した動作の機微がシステム全体にバタフライ効果的インパクトを与えうるものになってきています。大昔にやってたサイトで「フルIP化はシステム挙動をカオティックにするから嫌いだ」なんてことを書いた覚えがありますが、まさにそういったことが起こりつつあるというわけです。

なので、いくら予防を徹底しても、毎日のように新しい障害要因が生まれてくるわけです。もちろんその新しい障害要因のほとんどは日の目を見ずに潰されるわけですが、それをすり抜けたものが障害として花開くわけで、その新しい障害には対策できずに大障害として長時間継続を許してしまうのが、予防絶対主義、と言うことなのかなぁ、と思うわけです。

と言うことで、まぁとある筋から、なぜドコモやKDDIの障害は長時間化しやすいのか、なんていう与太話を聞いてこんな記事を書いてみたりしました。それでわ。

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2012/8/21 10:00 · 事業考察, 品質動向 · (No comments)
2012/3/31 16:30 · 品質動向 · 1 comment

行ってみました。行ったのは昨日なのでぜんぜん速報じゃないですけど。ドコモとauしか試せてないですが、どちらもすごく快適です。

駅から出るとき、ドコモ端末では一度アンテナ表示がゼロになるような挙動がありました。セルとしては駅構内セルとはまったく分割してあるようですね。

auのARROWS ZでYoutubeを見ながら突入してみましたが、まったく途切れなく、むしろトンネルを出る前キャッシュが満杯になってしまうくらい。

トンネル内であんまりに快適だったので、速度計測してみました。

ドコモはアプリ計測、auはflash計測サイト利用。平日通勤ラッシュ時間で、乗車状況はつり革にありつけない人が各車両2割くらい、という乗車率。

駒込→西ヶ原
ドコモ: 1.90Mbps
au: 2.84Mbps

西ヶ原→王子
ドコモ: 2.00Mbps
au: 3.62Mbps

王子→王子神谷
ドコモ: 1.43Mbps
au: 2.95Mbps

王子神谷→志茂
ドコモ: 2.34Mbps
au: 4.89Mbps

志茂→赤羽岩淵
ドコモ: 2.50Mbps
au: 3.16Mbps

なんだか、下手に屋外で使うよりよほど快適。巨大な反射物が高速移動しているという最悪の伝播条件でこのパフォーマンスはすばらしい。このトンネル内で使えることにみんな気づき始めたらまた変わってくるでしょうが、とりあえず、トンネル内だからと我慢させられるような問題は今のところは起こってなさそうで何よりです。

以上レポでした。

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2012/3/31 16:30 · 品質動向 · 1 comment
2012/3/13 12:00 · サービス解説 · 4 comments

先日の、ソフトバンクWi-Fiスポット乱立のお話、思った通りというか思ってた20倍くらいの反響をいただいたので、一問一答形式で補足してみたいと思います。

Q. 通信障害は本当に起こるの?どのように起こるの?

A. こればかりは「わかりません」としか言いようがありません。しかし、APが密集すればするほどリスクは上がります。しかも加速的に。どのような現象が起こるのかは身を以て体験しています。とあるおっきな会議でドキュメント共有のためにWi-Fiを使っているのですが、かなりの頻度で「Wi-Fiストーム」とでもいうべき事象が発生します。ホテルの同じ階、10~30m間隔くらいで、合計10くらいの別々の分科会が一斉に行われるのですが、それぞれの分科会でWi-Fi APを設置するため、盛大に干渉します。会議開始時間帯はまずIPの割り当てがもらえないくらいの輻輳。その後、IPが運よくもらえても全く会議サーバに到達できない時間が2~3時間は続きます。面白いことに、Wi-Fi APを会議室の入口に置いた時より奥深くに置いた時の方が状況は悪化します。これは、干渉の主な源が会議室全体に散らばった各端末であるのに対して、干渉のチェックをする最後の砦であるAP自身が、部屋の外から来る干渉と部屋の中の干渉を同じレベルでチェックできるかどうかというのが重要になっているようなんです(前に書いた、端末が送信直前にAPに「ここ本当に空いてる?」とたずねる仕組み)。要するに「隠れ端末問題」です。だから、APの出力を絞るだけでは解決しません。主な干渉発生源は端末であるため、APはその端末と同程度の信号として外の状況をしっかりキャッチしてあげる(ほかのAPに干渉を与える可能性のある自分の配下の端末を水際で止めてあげる)、ということが必要なんです。だから、出入口のところで完璧に遮断する(APの電波も端末の電波も一切出ない)ようにするか、逆に出入口ギリギリのところにAPを置いて、外の状況をしっかり把握しつつ、外に対して自分をしっかりアピールしなきゃならない。ただそれをやると、結局は密集効果のために他のAPの送信機会や、2.4GコードレスやBluetoothのチャネルをじゃんじゃん潰すことになるわけですけど。結局は、きちんと設計し、最小限のAP数で効率よくカバーしろ、というところに落ち着くわけですけど。

Q. APは本当に密集しているの?

A. これも、ソフトバンク自身と商店主以外は「わかりません」としか言えません。ただ、件のローラー作戦跡地風の駅前は確認できていませんが、今日の朝、試しにAndroidのWi-Fiアナライザーアプリを通勤中に使ってみたところ、職場近くの駅前で駅を出た瞬間に「0001Softbank」が数えきれないほど画面を埋め尽くしました。歩きながらだったので数えきれてないですが、少なくとも20はあったと思います。同じ場所でau-WiFiは3つだったので、まさに圧倒的。だけどね、KDDIさんにも言いたいんだけど、オープンな場所で同じサービスのそこそこのレベルのAPが三つも見えてるってこと自体が結構おかしなことですからね、勘違いしないで下さいよ。あくまで「LAN」なんですから。自社が免許を持っているわけでもない帯域で、オープン空間に漏れて他者に干渉を与えるなんてのは、「通信事業者」に許されたことじゃないはずなんです。三つならいいとかじゃなくて、三つであれ同じ場所で複数のAPが見えていることは解決すべき問題と考えるべきなんです。解決できないんならそんなコントロールできない技術を事業者サービスとして使うな。

Q. 密集しているのはどこ?
A. すみません、業界の人が見れば「あぁ、あの会社の関係者ね」とバレバレになる駅名なので伏せさせてください(苦笑)。だた、http://advance2.pmx.proatlas.net/x5123229/search.php?c=35/41/53.753,139/42/44.935←この地図で東京都内かその周辺の適当な駅を選んで拡大してもらえれば大体状況はわかると思います。だいたいの干渉半径とされる100m以内にいくつあるんだよ、という状態なのがよくわかると思います。あと、上にも書いたKDDIの方も→http://300.wi2.co.jp/area/1/au_area/?clon=139.7314330&clat=35.6652557&ap_id=67377&forward=map&postKey=8ac1b1a1a7a6d81e1852dbfc46c6abc6←こっちも、駅によってはかなりひどいことになっていて、ソフトバンクのWi-Fiと合わせれば、干渉はシャレにならないレベルのはず。特に、わざわざ同じ店に別のAPおいてたりするのは、もうアホかと。せめて両社話し合ってマルチSSID化しろよと言いたい。激戦地の置き方なんて、単にお互い邪魔したいだけなんじゃないかとさえ思えますよ。周りの一般人のAPを巻き込んだ壮絶な自爆大会。こういうのを見ると、むやみにWi-Fiに頼らず増やさず、黙々と自社帯域の整備に精を出すドコモが非常に紳士的で誠実な会社に思えてきます。

Q. 個人が設置したAPでも同じことが起こるのでは?

A. その通りです。ただし、個人が設置する分には、せいぜい1局、それが近所で相互干渉して一度に5~6局見えて、品質が悪いなぁ、ということになりますが、そこにソフトバンク等がさらに5~6局も「無駄に加える」わけです。数店舗のカバーならどこかに一局建てれば済む話を、片っ端から置くことで、「無駄に汚している」わけです。別に、Wi-Fi自体が悪いとは言いませんが、環境に配慮した代案があるのにそれをしない、というところに困っています。ただでさえ汚れて汚い2.4Gですがそれを使わざるを得ない人は多いのだから、無用なAP設置で汚さないでくださいということなんです。上にも書いた通り、通信事業者という圧倒的通信強者が個人という弱者を数で圧倒する状況が問題なんですよ。無線LANは無線免許を持たない個人が宅内無線システムを作れる事実上唯一の方法であって、個人こそが自由に設置できる環境であるべきなんです。だから、「環境に悪いから自粛しよう」なんてことを個人が考えるのはおかしなことなんです。個人がそんなことを気にせずに自由に使える環境を守ることが、専用の無線帯域免許を与えられた通信事業者の責務であるはずです。

Q. 誰が迷惑をこうむるの?

A. 私です(笑)。まだ私の家の近所では侵略は部分的ですが、あの調子で増やされてはいずれ私の家も環境汚染にさらされることになるので、先に記事にしました。一般論的には、その近所でWi-Fiを使っている人、2.4Gコードレスを使っている人、Bluetoothを使っている人、などなど、2.4G関連機器すべてです。単にそこにあるだけでは大した問題ではないのですが、上にも書いた通り、偶発的に起こる「ストーム状態」が一番恐ろしいところで、お互いにあまりよく見えない端末どうしが、相手が見えないからとりあえず送信してみる、というのを一斉に繰り返して、チャネルが一気に食いつぶされてしまう状態です。こうなるとWi-Fiに限らず2.4G機器が一斉に影響を受けます。これは、どんなきっかけで起こるか分かりませんし、端末が2台3台でも起こらないとは限りません。AP乱造は、そのストームを「ものすごく起こりやすい状態にする」ことです。

Q. マンションなども相当な密度だけど大丈夫?

A. 場合によってはやばいと思います。ただ、「床」というのはかなり強力な遮蔽物です。なので、Wi-Fiの電波は、横方向は扉や窓や壁を抜けて結構飛びますが、上下方向はかなり通らないです。私も自宅の1F~2F間の接続は相当苦労しました。回折も弱いため、基本的に、窓の目の前に反射物(たとえば隣接マンションの壁)とかがない限り、上下階の干渉はかなり弱るはず。一方、たとえコンクリート造でも、比較的薄い壁や窓やベランダや共用廊下を伝って同一階には結構伝わってしまうようです。と言っても、鉄筋造であればそんなに届かないはずなので、ワンルームばかりの巨大マンションとかでなければそうそう厳しいことにはならないかなぁ、と。ただし、窓からソフトバンクのAPの干渉波が10、20の単位で吹き込んでいたりすると全く無意味ですけど(苦笑)。

Q. 結局ソフトバンクに限らずこの問題は起こるということ?

A. Exactly(その通りでございます). スマホのブームもあって猫も杓子もWi-Fiって感じの風潮、ちょっとやだなーと思ってたんです。なので、我が家は、スマホ以外は5GHzに避難しました。2.4Gは着々と汚染が進んでいます。これはもう、みんながWi-Fiを使う権利を持っているので仕方がないこと。なのですが、ソフトバンクは、電気通信事業者として自分がコントロールできる、しなくちゃならないはずのAPを、干渉無視で設置しまくっている、そこが問題なんです。今はソフトバンクが顕著ですが、当然、APを増やし続けているKDDIにもこれは強くお願いしたい。2.4Gを汚すな、と。今のところ、KDDIに関しては、マルチSSIDでグループ内APを集約したりなどの自助努力が多少みられるのであまりやり玉に挙げていませんが、と言っても、一部の駅前などでは結構無計画に密集している例があります。某近郊駅前のauショップ前の路上では高いレベルで見えているのに全くIP割り当てがもらえないという末期症状が出ていました。まぁそれはその付近にソフトバンクのAPが4~50個ほどあった(後で地図で確認)という最悪環境でもあったからなんでしょうけど。

Q. 通信しなければ問題は発生しない?

A. はい、「全く通信をしない」ならOK。ただ、Wi-FiをONにしたまま通り過ぎるだけで、自動的に通信をします。それは、「自分こういうものっすけど」とか「IPもらっていいっすか、今こんなIP持ってますけど」とか、そういう、裏でこっそりやるレベルの通信。だから、Wi-FiをONにしているだけで、結構な数の無線機会を消費してしまっています。それが、AP(のMACアドレス)が変わるたびにやるわけですから、近距離に密集していれば、頻度も相当に上がります。そしてそれをやるたびに、端末からの電波が届く範囲すべて(一般に100mと言われています)の他の端末やAPに影響を与えるわけですから、たとえば100m範囲に30台でも密集していれば、そのお互いの影響は推して知るべし、と言うしかないですね。

Q. こういう話だと、スマホテザリングやモバイルルータも危ないんじゃないの?

A. Exactly(その通りでございます:その2). ただし、モバイルルータなどは、比較的移動しながら使うことが多いため、まだ空間的な確率的分散を望めるような気がします。同じ理由で、特急電車やバスなどに設置したWi-Fiも原則常時移動なのでストームの引き金を引く確率は下がります。しかし、モバイルルータなどが引き金を引くよりも、駅前の密集APのせいでそれがまともに使えなくなることの方が問題と私は考えます。上にも書いた通り、個人のスマホでのテザリングやモバイルルータがいろんな場所で便利に使えるようにあるためにも、一つの事業者が責任を持って設計できる範囲では、出来るだけ無用なAPを置かないように努力すべきなんです。ソフトバンクのAPは全く無関係の人が好き勝手においているわけではなく、ソフトバンクモバイル株式会社という会社がその唯一社の責任の上で置いているものです。代理店がやってるとか提携先がやってるとかいうのは言い訳にはなりません。そういった非常識な代理店や提携先を制裁するという手段があるんですから。ところでソフトバンクのスマホってテザリングできませんでしたよね。ソフトバンク以外はできますよね。迷惑をこうむってるのはソフトバンク以外のスマホユーザだけですね。何か意味がありますかね。きっとありませんね(笑)。

[追記]
そうそう、忘れてました。twitterとかでコメント飛ばしてもらってる中にとても建設的な、というか、たぶんそれが解だよなぁ、というご意見があって。各社が共同で、ケータイ向けWi-Fi整備をする会社を設立して、そこが全部代行整備し、MVNO的にサービスをすればいい、というご意見。たぶん、これが最も良い解だと思うんですよね。要するにJMCIA(旧トン協)方式ですよね。3G/4Gの帯域を節約したいのはみな同じモチベーションなんだから、みんなで整備すればいいじゃない、ってこと。少なくとも、知識ゼロの代理店バイト君がばらまくよりはよほどましな整備をしてくれるはずですよ。問題は、AP数を宣伝に使いたいとかいう根本的にあほな事業者の存在なんですけどねぇ。AP数が多いってのは、それだけ自社網が貧弱なんだって宣伝してるんだ、くらいの認識が一般に根付けばいいんですけど・・・(苦笑)。

[もいっこ追記]
AP数そのものは無関係では、というご指摘もあったのですが、問題は、一つのAPの配下で管理されている端末と管理されていない端末の比率です。全端末が一つのAP下で管理されていれば、「ここほんとに空いてる?」「大丈夫っすよ」がほぼ完ぺきに成り立つんですが、そのAPが知らないAPの下でやり取りされているけどそのAP関係者に干渉を与えうる端末の存在が増えれば増えるほど、この「開いてる?「大丈夫」の有効性が下がっていって、衝突→ストーム、ということが起こりやすくなるんです。密集していればしているほど、同じ数の端末でもバラバラのAPに収容されてしまう様になるため、一つのAPが管理できる干渉ドメインがどんどん小さくなって(だけど無線の届いちゃう距離はほとんど変わらない)、APによる干渉回避の有効性がどんどん下がっていくということなんです。この辺はちょっと説明不足でした。あともう一つは、やっぱりビーコンの占める割合がバカにならないほどになってきていると思います。新宿とか丸の内とか、もうビーコンが帯域の半分くらい食ってんじゃね?ってくらいのAP数ですよ。やばいと思います。まぁ私の家はそんなところにないから知ったこっちゃないんですけど。でも、私の家の近所の商店街とかでそれをやられる可能性をこの間の目撃で感じてしまったので、というお話。

ということで、補足としては長すぎる補足でした。

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2012/3/13 12:00 · サービス解説 · 4 comments
2012/3/13 10:00 · サービス解説 · 6 comments

今日は、端末の再利用についてのご質問について。いや、詳しい人は私なんぞよりよほど詳しいのですが、一方で、質問をお寄せくださる方も結構たくさんいますので、ここらで一度まとめておきたいと思います。

端末の再利用、と言うのは、たとえば友達が機種変更して、余った古い端末をもらって使いたい、そういう利用のこと。中古をショップで回収した行く末とかそういうのも興味深いですが、ひとまずそっち方向の話は置いておいて。単純に、「どんな組み合わせなら再利用できるのか」というのが、なかなか即座に調べられる範囲では調べきれないくらい複雑なことになっていたりするようです。

ってことで、例によってざっくりと表にまとめてみます。

元SIM 新SIM
ドコモ KDDI ソフトバンク イーモバイル
ドコモ × ○※1 ○※2
KDDI × △※3 × ×
ソフトバンク ×※4 × △※7 ×※4
イーモバイル △※5 × △※6
※1 2011年以降の端末、ショップでロック解除が必要
※2 2011年以降の端末、ショップでロック解除が必要、エリアによっては使用不可
※3 ショップでロック解除が必要
※4 ごく一部の端末のみ可、ショップでロック解除が必要
※5 2011年以降の端末、エリアによっては使用不可
※6 2011年以降の端末、共有バンドがないので全エリアで使えない可能性あり
※7 一般端末、iPhone、Android、DisneyMobile、データ契約、ウルトラスピード契約、4G契約、などなどのカテゴリをまたいだ再利用は不可

左側が、端末を使っていた古い会社、上側が、持ち込んで使いたい会社です。左の会社で使っていた端末に、上側の会社のSIMを挿して使おうとするとどうなるか、ということです。

まず、全体的な傾向としては、「同じ会社の端末ならそのまま使える」「違う会社の端末として使おうとするとエリアが限定されるなどの不都合が多い」ということになります。なので、まずは、違う会社の端末として再利用するのは、よほどの事情がない限りやめた方が良いかと思います。表中では、通話可否だけを気にしていますが、原則的に、会社を乗り換えると、iモードなどの情報サービスも一切使えなくなりますし、パケット定額も適用されなくなります(パケット料金が「PC接続利用」相当になります=ドコモ→8,190円、ソフトバンク→∞円)。

というデメリットもありつつ、会社を超えて再利用できる可能性が高いのが、ドコモ。ドコモが日本で発売している端末のほとんどが、1.7G(イーモバイルと同じバンド)、2G(ソフトバンクと同じバンド)に対応しているはずなので、案外、イーモバエリアでもソフトバンクエリアでもそん色なく使える可能性が高いと言えます。また、ドコモは原則全端末のロック解除に応じる姿勢なので、ドコモショップで解除処理さえしてもらえば、ソフトバクでもイーモバイルでも使うことができます。KDDIは後述。

ソフトバンクは、1~2機種だけ対応すると発表していますが、結局それだけ。それ以外の端末は、ロック解除ができないため、他の会社のSIMを入れても動作しません。ソフトバンクのお古は基本的にソフトバンクでしか使えないと思った方が無難です。[追記] あと、一般契約のSIMでiPhoneを使ったり、iPhone契約で一般端末を使うこともNGとなっています。

イーモバイルは、2011年以降はすべて(2010年発売分も一部)、ロックなしとなっているため、ドコモ、ソフトバンクのどちらのSIMを入れても動作するようになっているようです。ただし、イーモバイルの持っているバンドは1.7GHz帯で、イーモバイル以外ではドコモしか使っていません。純粋にイーモバイル向けに作られたものであれば、ドコモ(のごく一部のエリア)でしか動かないと思った方がよいでしょう。しかし、イーモバイルが海外端末をカスタマイズして売っているものの中には、結構2GHz対応した端末が多いですから、スペックを確認して2GHz対応となっているものであれば、ドコモでもソフトバンクでも十分なエリアで使える、と言えます。

最後にKDDI(au)ですが、この一社だけは方式が違うため、他社と端末を取り換えて使うことはできません。ごくごくまれに、ドコモ・ソフトバンク・イーモバイルの方式とKDDIの方式の両方に対応した端末がありますが(iPhone4Sなど)、日本でKDDIが発売しているものではそういったものについてもロックをかけているため、取り換えて使うことはできません。また、KDDIだけは、電話番号単位で端末にロックをかけているため、同じKDDI同士でも、ショップで解除手続きをしないと中古を取り換えて使うことはできません。一番面倒な会社です。

ということで、なるべく変な用語を使わずにまとめてみましたが、まだわかりにくい点などありましたら遠慮なくご指摘くださいませ。それでは。

[追記]
ソフトバンクの再利用制限がめちゃくちゃきついという情報提供いただきました。そこまで厳しくなってんの?もうさすがに「○」とはかけないレベルですね、そこまできついと。ってことで、修正しました。もう、その内容まで確認したくもないので、「カテゴリをまたぐと全滅です」って感じで。

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2012/3/13 10:00 · サービス解説 · 6 comments