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2019/10/1 10:37 · ニュースコメント · 1 comment

ドコモとJR東海、200km/h以上で走行する新幹線との5G無線通信実験に成功
28GHzでここまでやったのは確かに世界初でしょうねえ。いやー、ようやるわ、って感じです(笑)。5Gってフレームの構成はLTEからさほど変わってないんですよね。なので、いろんなフィードバックだとか判断可能なタイミングだとかはせいぜい1ミリ秒のオーダー。一方、200km/h=56m/s、おおよそ60m/sとすると、周波数2GHzなら波長相当の距離を走るのに2.5ミリ秒。フェージングだのなんだのの伝播環境の変化はおおむね波長オーダーの距離変化で起こるので、2.5ミリ秒での変化ならなんとか1ミリ秒のオーダーの制御で成立させられます。しかし、これが28GHzとなると、波長オーダーの通過にかかる時間が0.18ミリ秒です。さすがに一桁違うとほぼ制御不能になると思ってよいと思います。システム的なプロアクティブな制御が難しいとなると、ここはもう、個別要素的なリアクティブな対処を積み上げていくしかないわけです。もちろん一番は、可能な限りアンテナ見通しを確保する基地局配置、それと、多素子アンテナ。実効受信面積を広げて「統計的に受信する」ことで制御限界以下の擾乱を打ち消してしまうわけです。いや、こんな話をしてると思い出すのが、PHSなんですね。後期のPHSは、割と新幹線でも普通に使えるようになっていました。ですが、PHS周波数はほぼ2GHz帯、に対して、PHSの制御オーダーは10ミリ秒です。つまり、2.5ミリ秒オーダーの擾乱に対して制御可能オーダーが一桁ずれてます。2GHzのPHSで新幹線に乗るのと28GHzの5Gで新幹線に乗るのはほぼ同じ関係なんですね。その時PHSでやってたのは、新幹線沿い見通しにアンテナを大量に立てて端末は空間ダイバシティはもちろん時間ダイバシティ、周波数ダイバシティも組み合わせた実質8素子アンテナでの豪華な受信をフルに使っていた状態だったはずです。あれでさえも「うわー変態だー」って思ってたくらいなわけで、今回のドコモ実験にもそこはかとなく変態の香りを感じている今日この頃です(笑)。

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2019/10/1 10:37 · ニュースコメント · 1 comment
NFV
2019/9/4 10:00 · 技術動向, 技術解説 · 1 comment

楽天が携帯電話網構築で導入することで話題になっているNFV。Network Function Virtualizationの略らしいですが、これが一体なんなのか、という点と、私がちょっと疑問に思っている点を軽く紹介。

NFVのキモは、ネットワークの機能を仮想化することです。読んで字のごとし。ではここでいうネットワークの機能とは何でしょうか。

これはNFVのプラットフォームごとにいろんな考え方があるので一概にこれだとは言い切れませんが、スイッチ、ルータといった基礎的なネットワーク要素から、DNS、DHCP、NATといった応用的なネットワーク要素までをおおよそ含んでいるように見えます。

具体的にどのように仮想化するのか、というと、ざっくりというと、物理基盤の上に仮想基盤を動かしてネットワーク機能に特化したバーチャルマシンを作って動かす、という感じ。バーチャルマシン自体も汎用OSだったりするパターンもあったり、バーチャルマシンがネットワーク装置をそのままエミュレートしているようなパターンもあったり、なので、これまた一概に言えませんが、共通しているのは「物理的な計算リソースを仮想化して間接的に使う」ということです。

そんなもん何十年前からあった話や、とツッコミが入りそうですが、いや、実のところ、その通りなんですよ。ネットワークの仮想化自体は、20年前の技術でもちょっとしたノウハウさえあれば素人でもなんとか一つ二つは組み上げることができた程度のものなんです。オープンソースのスイッチ・ルータエミュレータだのDHCPだのDNSだのは仮想基盤の上で動くものができて久しいですし。

じゃあなんで今頃になってNFVが注目されるようになったのか。これは逆説的に、私がNFVを懐疑的に見てしまう理由になってしまうんですが。

単純に、性能です。

計算機の物理的な計算リソースの性能が桁違いに向上し、どうやらいろんな仮想ネットワーク要素を同時に動かしても何とかなるレベルになってきたところでNFVという話題が盛り上がって、主要なネットワークベンダもNFV製品をどんどんとリリースし始めた、というのが昨今の状況なんですね。

でね、私が懐疑的なのは、「そこまで計算性能上がってないだろ」ってことなんです。もう少し具体的に言うと、「1コア単位の性能」でみると、ハイエンドのスイッチやルータをエミュレートするにはまるで足元にも及ばないってことなんです。仮想化すると、最終的にはパケットバイパケットで「どのCPUコアが処理するか」が決まってきます。つまり、一つのパケットを同時に1コアしか処理できないんです。そんなもん瞬時の話やん、って思うかもしれませんが、例えば一般的なハイエンドのスイッチ製品、基本的にパケット転送を専用のハードウェアで処理していますが、何らかの理由で(スイッチ内部に搭載している)CPUのコアで処理しなければならなくなると、その処理性能は百分の一以下に落ちるんです。別にスイッチ製品だからと言ってボロCPUを使っているわけはなくて、1コアあたりの性能でいえば最新サーバ製品にさほど劣るものではありません。仮想化しているオーバーヘッドを無視したとしても、CPUでのパケット処理ってのは、ちょっと無理があるんじゃね、ってのが私の印象なんです。

いや、実のところ、ごくごく普通の企業向け製品であれば、全然問題ないと思うんです。そもそもから言えば、そういう「ハイエンドのスイッチ製品」なんて企業向けで使うわけないですもん。じゃあ、ハイエンドのスイッチ製品を使うのってどんな人? ・・・はい、ご名答。通信キャリアやデータセンター屋さんです。そういう人たちは、NFVをちょっとかじっては去っていきます。彼らの求める処理性能を一ミリも満たせませんから。もちろん、DHCPやDNSやFWなどの「もともとCPUで処理していた機能」に関してはガンガンNFV化しているようですが、それを言ったらデータセンター屋さんなんて「マシンを仮想化してナンボ」のプロですからね、やって当たり前のところをやってるだけ、NFVなんていう大層なお題目を掲げたりなんてしてないわけです。

ということで、楽天の言う「オールNFV化」みたいなのに、すごく疑問を持ってしまうんですね。そもそもeNB/EPC関連ノードなんて仮想ノード以外の製品をいまさら探すほうが難しいくらいですし、じゃあそんな大層なお題目を掲げてNFV化するのはまさかネットワークインフラ部分? えー、いくらなんでもそんなん無理やろ、なんて思っちゃうわけです。

何はともあれ、NFVと一言で言っても、「NFV化に適していない部分」ってのはまだまだ残っていて、不適部分を無理にNFV化するとコスパすっごい悪いよ、っていうお話なのでした。

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2019/9/4 10:00 · 技術動向, 技術解説 · 1 comment

T-Mobile deploys LTE for offshore workers in Gulf of Mexico
海カバーが熱い! T-Mobileがメキシコ湾をLTEでがっつりカバーする計画を発表しました。油田掘削施設とかを活用するみたいです。海は障害物がなくてどこまでも電波が届くからとてもカバーしやすい……なんてことはなくて、海面反射が結構めんどくさいらしいですよ。凪の日と荒れた日で伝播プロファイルがコロッと変わるし、もちろん潮の満ち引きで超長周期のフェージングも起こる。これをまともに使えるレベルできっちりカバーするのは相当に高度な技術が必要です。まあ、実際はまともに使えるレベルできっちり、とまではやらずに、何となく電波が届いていて「無いよりマシ」程度になればいいなあ、というところで手を打つんでしょうけど。ただ、今回の発表した計画のすごいところは、そのカバーエリア。六万平方マイル以上ですって。なじみの単位に変換すると15.5万平方キロメートル。日本の国土が38万平方キロメートルですから、日本国土の半分に近い面積。おそらく日本の携帯電話カバーエリア全体を上回るはずです。それだけの巨大なエリアがポンと出現するというのは、世界の携帯電話史でもちょっとしたマイルストンになるんじゃないでしょうか。まあ、本当に実現すれば、ですけど。記事中でT-Mobileの人が、T-Mobileは今後はこんな感じでちょっとマニアックなエリアカバーを作っていきたい、みたいなことを言っています。いや、本当のインフラ競争って、そういうもんですよね。みんながみんな同じエリアを同じ厚みでカバーしたら、そりゃ単なる料金競争だのキャッシュバック競争だのになりますよ。お役所も一枚噛んでるらしい『僻地エリアの鉄塔共用』なんてのは、競争の観点では愚策も愚策。単なるインフラ屋土管屋に落ちぶれることが決定しているキャリアが目指さなきゃならないのは「多少高コストでもうちにしかないエリア」のはずなんです。そうじゃなきゃ、競争キャリアにほぼ平等に周波数を割り振る意味がないですもん。みんなが同じエリアをカバーするんなら、幹事キャリア一社に全周波数割り当ててほかのキャリアが局単位MVNOとして借り受けすればいいわけですから。ってことで、例えば日本の主要フェリー航路を完全カバー! なんていう面白キャリアが今後出てきてくれるといいなあなんて言うお話。

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KDDIとソフトバンク、地方での5G基地局を共有へ
いや実際、KDDI、ソフトバンク、楽天が生き残る道はこれしかないでしょ。5Gだと基地局自体がセンターノードと分散ノードに分割可能で、その間のインターフェースが標準化されている上、多対多の接続も考慮に入っているわけで、現地にばら撒く分散ノードが各社のセンターノードとリンクしてそれぞれの事業者の周波数で電波を出す、っていうことが可能なんですよね。つまり、各社が各社の都合でロケーションを確保して分散ノードを置き、契約に従って他社センターノードとリンクして電波を出す、ってことが可能。5Gの割当周波数は一部を除いて全社共通バンドなので、バンド内でのシフトだけで対応可能だし、最近の無線機は出力可能なベースバンド幅の合計も格段に上がっているので、三社分のベースバンドを受け取って全部RFに吹くくらいのことはできそうな気がします。なので実現性はかなり高いし、楽天辺りが独りで大法螺を吹くならまだしも、比較的お堅いKDDIが中心的に回しているのなら、「non NTTインフラ連合」が本当に成立するんじゃないかなー、なんて思います。まあもっと言うと、今は上のレイヤ、googleやappleなどのOTTがほぼインフラただ乗り状態でキャリアの市場を食い荒らしている状態なので、東西、Nコム、ドコモも加えた「ローレイヤインフラ連合」でも作らないと、GAFA辺りに対抗して生き残ることはできないんじゃないかなー、なんて思ってますが。

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2019/6/17 15:33 · ニュースコメント · 1 comment

違約金1000円案に見る総務省の議論の危うさ
”総務省の職員は自分たちの給料を消費者によるアンケートで決められた場合、それを納得して、受け入れるのだろうか”
ほんとこれ(笑)。ケータイの料金はいくらがいいですか? 1. 0円 2. 1000円 3. 10000円なんてアンケートやって、1以外を選ぶ消費者なんているわけが無いじゃん(一部のドMを除き)。危ういというよりも、頭がおかしい。アンケート項目にいろいろ条件がつくのかもしれないけどさ、別に試算してる月額料金との関係で総務省が出してる1500円と166円の差、つまり、月々のプランが今より1300円くらい高額になるけど解約料金が9500から1000円になります、なんて条件を出してるとは到底思えないわけですよ。えっ、1300円も高くなるくらいなら9500円のままでいいよ、解約なんてめったにするもんじゃなし、って普通思いますからね。いやもうほんと、根拠ゼロってのが偽らざる印象なわけですよ。たとえば、借地借家法と同様に定期契約がある場合は3ヶ月前の通告が必要(言い換えれば3か月分の解約金が必要)っていう話なら、すごくよく分かるんですよ。賃貸もたいていが2年契約ですしね、いまや携帯電話回線って住所以上に個人と強く結びついているものですから、賃貸住宅と同様に厳しく規定しましょう、っていう論理で、解約金の上限は基本料3か月分、なんて指標をしめすんならすごく分かる、共感します。でも「アンケートとってみたらみんな1000円がいいって言ったから」って、なんじゃそりゃ。ほんと、法林さんの言葉をそのまま借りるなら、解約金に限らずこの件については総務省の暴走が目に余る。市場、法律、技術、あらゆることに精通したエリート集団じゃないの? 総務省の官僚って。市場無視、法的根拠無し、技術軽視で進められる今の議論が正しいとは全く思えません。ほんとさ、さっき例に出したばっかで申し訳ないけど、「限られた資源」を国が民間に信託して扱わせるって意味で言えば、国土を信託してる不動産取引関連法制と全く同じにそろえるだけでいいんじゃないの? なんかほんと、この件に関しては総務省官僚の視野の狭さが酷すぎる。

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2019/6/17 15:33 · ニュースコメント · 1 comment

Sprint CTO: No apologies for network, which suffered from years of underinvestment
もう売られると分かったらガチコメント来たー(笑)。最近のSprintのネットワーク障害の原因は「(CTOにはコントロール不能な)投資抑制のせいです」ですって。遠まわしどころかかなりダイレクトに親会社=ソフトバンクの技術軽視姿勢を批判していますね。要するに、Sprintの「業績V字回復」は、単に必要なところにコストをかけずに利益額だけを追求していたってことです。ストック型ビジネスってのはこれができるから、素性の悪い会社でも儲けを出せるんですよね。必要なコストをかけなかったとしても、それは単に「見えないリスク」として会社の内側に積みあがるだけで、ユーザから見ればサービスの質の低下としてはなかなか見えてきません。しかしあるとき、リスク許容値を超えた瞬間に爆弾のようにあちこちで爆発し、コツコツと支払い続けたユーザはそのときになって裏切られたと気がつくわけです。でもたいていは、そうなる前にユーザの払ったお金をちゅーちゅー吸い上げた親会社はその会社を叩き売って逃げてるわけですね。まあ別にビジネスのルールを破ってるわけじゃないのでいいんですけど。でもユーザが自衛措置としてやっぱり「多少高くても馬鹿正直な会社」を選ぶべき理由の一つだとは思うんですよね。

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分離プランは楽天に“不利”――米国シンクタンクから見た日本の通信行政
引用:「結果として技術革新や顧客対応がないがしろとなり、「お上」に何でもお伺いを立てる受け身の姿勢になってしまう」。わははは。もうなっちゃってますよね(笑)。少なくとも3キャリアは毎日総務省の課長クラスの人の顔色伺いしてますから(笑)。その結果が利用者置いてけぼりってのは、まさに指摘のとおり。「不正な表示や勧誘をしっかり取り締まれる仕組みを作る」だけでいいのに、それ以外に、法文化されない「報告書」程度の内容でキャリアが右往左往しているのが日本の通信行政です。いや、だから、今回しっかり法文化したこと自体を私は評価してるんですよ? それ以外の、消費者の目に全く触れないいろんな不文律のせいで支配的キャリアが高コスト体質になって携帯料金が高止まりしてることがこれで解消されるんなら、ね。前にも書きましたがお役所の何気ない一言のせいでアホみたいに高額の独自開発システムを作って結局ほとんど使われもせず除却もできず死蔵資産になってる例がいくらでもありますからね。そういうのが山ほどあるから、見た目上は莫大な利益を上げてるキャリアに実は現金がほとんどない、なんていうヘンテコなことが起こってるわけです。まあ、そういう独自システムの開発で飯食ってる国内ベンダの命綱ってところもあるんでしょうけど。というわけでね、楽天に不利かっていうと、当面はそうはならないです。楽天が「支配的キャリア」に指定されるまでは分離プランの義務はかかりませんから。で、支配的キャリアに指定するかどうかはお役所の胸先三寸。「我々の施策で競争が加速して楽天がこんなに成長しました!」っていう結果が出るまでは、指定しないと思います(笑)。

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 ニュースでは、「分離プラン義務化」ばかりが取り上げられていますが、私は、分離プラン義務化はなーんにも今の各社の事業に影響はないと思います。だって、現時点で各社とも分離してるもん。というより、見かけのプランの安さを売り込むために積極的に分離してますよね。で、文脈によって「端末代コミ」(「分割支払いサポート割引コミ」)と「端末代抜き」を使い分けて表示し、プランも安い! 端末も安い! って見せ方をしていますからね。

 それよりもこの法案の一番のキモは、「代理店(契約取次店)の届出制」です。この制度さえきっちり運用されるなら他は全くのザル法でいいです(笑)。

 普通の人は、詐欺的な表示でだまされて契約したとき、詐欺犯はケータイ会社だ、と考えます。だから、クレームは当然ケータイ会社に殺到します。

 でも、実態は違うんですよね。詐欺的な表示を率先してしているのは、代理店です。キャリアから課せられたルールを無視して詐欺的な勧誘をしているのは、代理店なんです。実のところ、詐欺的商売で名高いソフトバンクでさえ、かなり厳しく細かいところまで違反表示をしないよう指導していて、違反したら最悪代理店契約打ち切りくらいの対応をしています。それでも、代理店は「バレなければいい」の精神で積極的に違反表示をしています。民間企業に過ぎないキャリアには、全国に何千とある代理店を取り締まることは不可能なんです。特に、NTT系に多いのですが、直接の代理店の下に二次・三次代理店がついているケースがあり、こうした二次・三次代理店はほぼ無法地帯です。

 店頭であからさまな詐欺的表示をするなんてのは可愛いほうです。私が実体験したまたは聞いたことのある三次代理店の手口にはこんなものがあります。

・(訪問してきて)この地域の電柱がすべて交換されることになり、固定回線の切り替えが必要になりましたので、ご了承のサインをお願いしております。
 (実際はフレッツの勧誘、サインするのはフレッツの契約書)

・お使いの固定回線がサービス終了となりますので切り替えのお願いです。
 (実際はフレッツry)

・(auひかり使っている人に)お使いの固定回線の新プランのご紹介です。
 (実際はフレッツry)

・この地域のケーブルテレビ提供会社が変わりますので切り替えのお願いです。
 (実際はフレッツry)

 NTTの勧誘であるとも名乗らないし代理店名も当然名乗りません。下手すると、今使っているサービス会社の社名を堂々と名乗ります。怪しげな浄水器売りつけてるほうがよほどホワイトに見えるくらいの真っ黒代理店が跋扈しています。

 で、分離販売云々に戻るんですが、もし通信と端末の分離をやったとしても、店頭でそのように表示しなければ何も意味がありません。実際、キャリアがいくらちゃんと分離表示してねってお願いしても、代理店は言うことを聞きません。で、これが法で義務化されたとしても、「どうせ御上に怒られるのはうちじゃなくてキャリアだし」になるのは目に見えています。

 だからこそ、今回の改正での一番の目玉は「代理店の登録義務」と、「違反した場合は代理店が直接お咎めを受けること」なんです。法案では、(支配的事業者の)代理店に関しては問答無用で罰則を適用可能になっています。つまり、上で挙げたような勧誘があった場合は、通報すれば警察が動くってことです(笑)。すばらしい。

 ってことでね、もう私は(いろんな人から聞いた話を総合して)悪徳代理店こそが日本の通信事業の競争環境を破壊している犯人だと確信していたので、今回の改正案は諸手を挙げて賛成なのです。悪徳代理店が駆除されて、そういった悪徳代理店から間接的にコスト的な被害を受けていたキャリアが正常な価格競争に動く。これを期待したいところです。

 ですよね、メガキャリア三社さん?

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