そういえば、ベンダファイナンスって言う手がありましたね。銀行からは6000億引っ張る、と明言していますが、ベンダからの借り入れについては何も述べてない以上、この可能性を除外するわけにはいきませんでした。
実質的に、ベンダが持っている全信用余力と同等の余力が生まれるわけですから、超巨大ベンダがバックについていれば、数兆円を手当てして全国カバーも非現実的とは言えません。
ただし。ベンダファイナンスの上限は基地局の装置・設備・工事費まで。一番の問題と指摘したロケーション確保コストは、銀行から引っ張った現金の中で何とかしなきゃなりません。また、ベンダファイナンスだと(契約にもよりますが)減価償却としてキャッシュフローをプラスにできる部分が返済と相殺されて消える、あるいはマイナスになるため、収益がうまく伸びないと瞬く間にキャッシュクライシス→信用収縮→資金引き上げ、なんてことにもなりかねません。
どっちにしろ、今の時代に携帯インフラ事業に乗り出すのは茨の道。楽天グループ自体が安定的にキャッシュフロー1000億くらいを出せる会社ならまだ分かるんですが、キャッシュフローの大半を銀行事業に頼っている状況ですから、実質的にキャッシュの純増は毎年数百億円の前半くらい。これを全部携帯インフラ事業にぶち込んでも足りるかどうか、じゃないかなあ、と思うところなのです。
