いやいやいやちょっとびびって思わず筆を執ったわけだけど。
Starlink衛星でスマホと通信とかないわー。いや、出来たら超ロマン砲なんだけど、ちょっと容易には信じがたいなー、と。
どこの周波数使うかわかりませんが、既存スマホでも使えるとか言ってるので、よく飛ぶ700MHzとか、だーれもつかってない1.5GHzとかその辺を使うんじゃないかと思うんですよね。で、Starlinkの衛星は低いものでも500km。だとすると、700MHzで140dB以上、1.5GHzだと150dBの損失ですよ。自由空間損失だけで。あと、スマホはスマホ自身が結構大きな損失源で、向きによっては平気で10dBとかやられます。150dB以上の損失があるパスに、高々200mW (23dBm)の電力で信号押し込んで受信できますかって話ですよ。衛星側での受信電力-120dBm以下ですよ。受信機液体窒素で冷やしてんのかって話ですよ。
楽天のスペースモバイルはまだぎりぎり納得感あったんですよ。当初「そんなん無理やろ」と思って調べてみたら、20m四方とかのクソでかいアンテナを飛ばすんですっていう話で、なるほどー、となったわけです。ギガヘルツ帯の電波に対して20m四方ですからね、利得40dBとかいってもおかしくない。波長に対して縦横それぞれ100倍のサイズですからね。
でもStarlinkの衛星ちっちゃいやん。めっちゃちいさい。一回の打ち上げで40機とか飛ばせるレベルでちっちゃい。電力も利得も全然足りません。むりむりむーりのかたつむり。混乱中。
でもサービス開始がだいぶ先っぽいので、もしかするとこれからスペースモバイルみたいなクソでかいアンテナ付き衛星を打ち上げ始めるとかって話かもしれません。正直、SpaceXの開発速度、課題解決のスピードは異常ですからね、ありえないとも言えないし、逆に、そう考えた方が腑に落ちるくらいです。でもそのレベルで巨大衛星をSpaceXが上げまくったら、夜空は大変なことになりそうです(苦笑)。
どっちにしろ続報早く欲しいですね。
starlink gen2衛星の打ち上げによりスマホとの直接通信が可能になるということで、昨年t-mobileで話題になりましたが各国に展開が開始されましたね。t-mobileもそろそろサービスインするんでしょうか?
で、KDDIは「2024年をめどに開始する。当初はSMSなどメッセージの送受信から開始し、音声通話やデータ通信にも対応していく。」
「auのLTEスマホがすでに利用している周波数帯(ミッドバンド。プラチナバンドではなくグローバルバンド)を使うため、スマホ側はハードウェア・ソフトウェアともに特別な対応は不要で、そのまま利用できるようになるとしている。」ということですから、本当ならば驚きですね。
1.6GHz 高度1414kmのGlobalstarがiPhoneで通信できるくらいなので、技術的に通信できないことはないんでしょうけれども、どれだけのスループットが出るのか私も疑問に思います。
私はイリジウム小型端末(INREACH)を山間部で使ってますが、SMSですら送受信にかなり時間かかってて快適とはいえず、コストもかかるのでこういう新しい衛星技術には期待してます。
やっぱり距離がありすぎですね、低軌道とはいえ。
かといって今から巨大なアンテナを上げるのは今ですら天文活動に影響を与えてますからねぇ。
例えばですけど、コンステレーション衛星群を高度にリンクさせて一つの巨大なアンテナとして見立てることは難しいですかね?んで、それぞれの衛星が発する電波の位相を変えてビームホーミングさせてみたりとか…
それともうひとつ気になったことが。
スマホとStarlinkが直接通信できるなら僻地対策とかでStarlinkをバックホール回線とするやつ、あれは無くなってしまうのかな?
直接通信できるならわざわざ僻地に基地局建てる必要ないし。
直接通信はスループットが出ないでしょうから、バックホールは当面は無くならないんじゃないんですかねえ
あれから1年、Starlink直接通信の年内実用化が公言されるようになってきました。既存の周波数の免許書き換え?で対応できるそうなので、衛星側によほどのブレイクスルーがあったのでしょうか………。お手すきの際に解説、よろしくお願いいたします。