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2015/9/16 10:30 · 事業考察

一応書いておこうと思うのです。

首相発言の件。

まあ、次の選挙をにらんだ支持率カチ上げ発言だとは思うんですけど、首相がこう言ったら総務省も考えなきゃならないんで、何かするんでしょうね。

と言っても、原則として、携帯電話の利用料の決定権は事業者にありますし、法的にそれを縛るようなことは今の事業法ではできません。事業法を改正すればまたなんとかなるのかもしれませんが、「通信の自由化」とは全く逆行する法改正になるわけで、この二十年の苦労はなんだったのってことになりかねません。

現状、通信事業者同士が不公平にならないよう、と言う意味での料金の規制は存在します。いわゆる「接続料金とその根拠の公開」、支配的事業者は接続料金を公開のこと、というアレです。これは、後発事業者が不利にならないように、適正な価格でネットワークの貸し出しを受けることができるように、と言う意味の規制です。

しかし今回の首相発言は、「エンドユーザの料金が高すぎる」という意味です。設備利用と使用料金の公平性ではなく、「ユーザ感覚に照らして適正な価格にせよ」という、なんともふわふわした指示なんですよね。公平のものさしになる基準が存在しないんです。

例えば、「携帯電話事業者は利益がゼロ円になるよう料金を下げろ」ってのが、一番極端な基準ですね。エンドユーザとしては、提供者が利ざやを取っていることが一番ムカつくはずですから。これは、事業者が他の事業者に設備を貸し出す基準とかなり近い基準です。投資・運用にかかる費用に必要最小限の利益を上乗せしたものを接続料とせよ、というのが接続料の指針になっているので、このレベルのガイドラインが作られる可能性はゼロではありません。

しかし、そうなると、ドコモが圧倒的に有利になります。単純に考えて、現在、MVNO向け接続料で、ドコモを1とすると、KDDIが1.3倍くらい、ソフトバンクは3倍です。これが最低限の設備費用で、ユーザ料金をここまで下げろってことになったら、極端なことを言うと、基本料と通信料合計でドコモは1000円、auは1300円、ソフトバンクは3000円、ってことになっちゃいます。競争もクソもありませんよね、これじゃあ。

過度な利益を積み上げるべきではない、ってのは分かるんですけど、一方、通信事業は何年も先のことに投資しなきゃならないっていう事情もあって、積みあがった利益の結構な部分は将来投資に回っています。前にも書きましたが、高い周波数や5Gなどの新技術はセル半径が小さくなるので、投資額は従来の携帯電話システムの数倍に膨れ上がる可能性があります。今すでに、新しく割り当てられた3.5GHzの投資が始まっているはずで、過去の「安く作れたネットワーク」と未来の「結構高額なネットワーク」の差額が巨額の利益として見えている状態だと私は考えています(未来投資の部分はまだ償却が始まってないので損益計算上は費用になってない状態)。

とか何とか考えると、単純に「値下げしろ」じゃあ何も動かせないと思うんですよね。もしやるとしたら、例えば、「一年、二年経つと減ったり無くなったりする期間限定の割引はやめろ(一旦適用した割引は原則永年にしろ)」とか、「値下げの障壁になってるインセンティブをなくせ」とか、そんな感じかなあ、なんて思います。それでも、「初年度ゼロ円」につられてフォトフレーム買って翌年度から知らぬ間に高額の基本料を払ってた、なんていう事態は防げるので、まずはこの辺で十分だと思うんですけど、どうでしょ。

以上、首相問題発言(笑)についてでした。

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2015/9/16 10:30 · 事業考察 · (No comments)
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