本人確認はスマホでオーケー、ブロックチェーンで印鑑と免許証は不要
私が古い人間だからかもしれませんが、どうにもブロックチェーンには懐疑的にならざるを得ない。いや、仕掛け・仕組みは十分に理解しているつもりなんですけど、それって、セキュアに保護されたDBよりも本当にいいものなの? ……と。いや、「セキュアに保護」ってところが難しいことは分かっていますけどね、それでも、今は割と上手くいってるし、今後もどこかでたちどころに破綻するようなリスクがあるようにも見えないじゃないですか。一方、ブロックチェーンって、単にDBの代わりとして(単一ノード内で)使うなら、単に証明作業にやたら時間がかかるだけのシステムになりかねないし、閉域網でやってもそれは似たようなもん。じゃあ今のところ一番はやっている広域網(インターネット)でブロックチェーンを張り巡らせる方式は、っていうと、どこかの誰かの都合で瞬時に破綻するリスクを抱えてるわけですよ。たとえば、名前解決にDNSを使っているブロックチェーンなら、各国に何台かあるルートDNSサーバがクラックされたらおしまい。特定ポートを使っているブロックチェーンなら、インターネットエクスチェンジがクラックされてポートがブロックされたらおしまい。「自分で最大限にセキュアに保護しつつ履歴管理もできるオンプレミスDB」と、「確かに信頼はできそうだけど誰がどのレベルまできっちり保護しているか分からないインターネットの中核ノード」、心情的にどちらが信頼できるか、ってことなんですよね。後者のほうが信頼できる、って言うなら、それはいずれは「ただ乗り理論」を呼びます。以前は増え続けるトラフィックを運ぶ努力をする伝送系事業者に対するコンテンツ屋でしたが、今度は、セキュリティを保つ努力をする中枢ノード事業者に対するセキュリティ屋の対立。セキュリティ屋さんが、ブロックチェーンにセキュリティを依存するのは、究極的にはセキュリティを他人に丸投げしてるに過ぎないと思うんです。私は、そんなものは信用できないなあ。ってだけのお話。
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Written by wnyan
ケータイニュース.net
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