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2012/3/13 12:00 · サービス解説

先日の、ソフトバンクWi-Fiスポット乱立のお話、思った通りというか思ってた20倍くらいの反響をいただいたので、一問一答形式で補足してみたいと思います。

Q. 通信障害は本当に起こるの?どのように起こるの?

A. こればかりは「わかりません」としか言いようがありません。しかし、APが密集すればするほどリスクは上がります。しかも加速的に。どのような現象が起こるのかは身を以て体験しています。とあるおっきな会議でドキュメント共有のためにWi-Fiを使っているのですが、かなりの頻度で「Wi-Fiストーム」とでもいうべき事象が発生します。ホテルの同じ階、10~30m間隔くらいで、合計10くらいの別々の分科会が一斉に行われるのですが、それぞれの分科会でWi-Fi APを設置するため、盛大に干渉します。会議開始時間帯はまずIPの割り当てがもらえないくらいの輻輳。その後、IPが運よくもらえても全く会議サーバに到達できない時間が2~3時間は続きます。面白いことに、Wi-Fi APを会議室の入口に置いた時より奥深くに置いた時の方が状況は悪化します。これは、干渉の主な源が会議室全体に散らばった各端末であるのに対して、干渉のチェックをする最後の砦であるAP自身が、部屋の外から来る干渉と部屋の中の干渉を同じレベルでチェックできるかどうかというのが重要になっているようなんです(前に書いた、端末が送信直前にAPに「ここ本当に空いてる?」とたずねる仕組み)。要するに「隠れ端末問題」です。だから、APの出力を絞るだけでは解決しません。主な干渉発生源は端末であるため、APはその端末と同程度の信号として外の状況をしっかりキャッチしてあげる(ほかのAPに干渉を与える可能性のある自分の配下の端末を水際で止めてあげる)、ということが必要なんです。だから、出入口のところで完璧に遮断する(APの電波も端末の電波も一切出ない)ようにするか、逆に出入口ギリギリのところにAPを置いて、外の状況をしっかり把握しつつ、外に対して自分をしっかりアピールしなきゃならない。ただそれをやると、結局は密集効果のために他のAPの送信機会や、2.4GコードレスやBluetoothのチャネルをじゃんじゃん潰すことになるわけですけど。結局は、きちんと設計し、最小限のAP数で効率よくカバーしろ、というところに落ち着くわけですけど。

Q. APは本当に密集しているの?

A. これも、ソフトバンク自身と商店主以外は「わかりません」としか言えません。ただ、件のローラー作戦跡地風の駅前は確認できていませんが、今日の朝、試しにAndroidのWi-Fiアナライザーアプリを通勤中に使ってみたところ、職場近くの駅前で駅を出た瞬間に「0001Softbank」が数えきれないほど画面を埋め尽くしました。歩きながらだったので数えきれてないですが、少なくとも20はあったと思います。同じ場所でau-WiFiは3つだったので、まさに圧倒的。だけどね、KDDIさんにも言いたいんだけど、オープンな場所で同じサービスのそこそこのレベルのAPが三つも見えてるってこと自体が結構おかしなことですからね、勘違いしないで下さいよ。あくまで「LAN」なんですから。自社が免許を持っているわけでもない帯域で、オープン空間に漏れて他者に干渉を与えるなんてのは、「通信事業者」に許されたことじゃないはずなんです。三つならいいとかじゃなくて、三つであれ同じ場所で複数のAPが見えていることは解決すべき問題と考えるべきなんです。解決できないんならそんなコントロールできない技術を事業者サービスとして使うな。

Q. 密集しているのはどこ?
A. すみません、業界の人が見れば「あぁ、あの会社の関係者ね」とバレバレになる駅名なので伏せさせてください(苦笑)。だた、http://advance2.pmx.proatlas.net/x5123229/search.php?c=35/41/53.753,139/42/44.935←この地図で東京都内かその周辺の適当な駅を選んで拡大してもらえれば大体状況はわかると思います。だいたいの干渉半径とされる100m以内にいくつあるんだよ、という状態なのがよくわかると思います。あと、上にも書いたKDDIの方も→http://300.wi2.co.jp/area/1/au_area/?clon=139.7314330&clat=35.6652557&ap_id=67377&forward=map&postKey=8ac1b1a1a7a6d81e1852dbfc46c6abc6←こっちも、駅によってはかなりひどいことになっていて、ソフトバンクのWi-Fiと合わせれば、干渉はシャレにならないレベルのはず。特に、わざわざ同じ店に別のAPおいてたりするのは、もうアホかと。せめて両社話し合ってマルチSSID化しろよと言いたい。激戦地の置き方なんて、単にお互い邪魔したいだけなんじゃないかとさえ思えますよ。周りの一般人のAPを巻き込んだ壮絶な自爆大会。こういうのを見ると、むやみにWi-Fiに頼らず増やさず、黙々と自社帯域の整備に精を出すドコモが非常に紳士的で誠実な会社に思えてきます。

Q. 個人が設置したAPでも同じことが起こるのでは?

A. その通りです。ただし、個人が設置する分には、せいぜい1局、それが近所で相互干渉して一度に5~6局見えて、品質が悪いなぁ、ということになりますが、そこにソフトバンク等がさらに5~6局も「無駄に加える」わけです。数店舗のカバーならどこかに一局建てれば済む話を、片っ端から置くことで、「無駄に汚している」わけです。別に、Wi-Fi自体が悪いとは言いませんが、環境に配慮した代案があるのにそれをしない、というところに困っています。ただでさえ汚れて汚い2.4Gですがそれを使わざるを得ない人は多いのだから、無用なAP設置で汚さないでくださいということなんです。上にも書いた通り、通信事業者という圧倒的通信強者が個人という弱者を数で圧倒する状況が問題なんですよ。無線LANは無線免許を持たない個人が宅内無線システムを作れる事実上唯一の方法であって、個人こそが自由に設置できる環境であるべきなんです。だから、「環境に悪いから自粛しよう」なんてことを個人が考えるのはおかしなことなんです。個人がそんなことを気にせずに自由に使える環境を守ることが、専用の無線帯域免許を与えられた通信事業者の責務であるはずです。

Q. 誰が迷惑をこうむるの?

A. 私です(笑)。まだ私の家の近所では侵略は部分的ですが、あの調子で増やされてはいずれ私の家も環境汚染にさらされることになるので、先に記事にしました。一般論的には、その近所でWi-Fiを使っている人、2.4Gコードレスを使っている人、Bluetoothを使っている人、などなど、2.4G関連機器すべてです。単にそこにあるだけでは大した問題ではないのですが、上にも書いた通り、偶発的に起こる「ストーム状態」が一番恐ろしいところで、お互いにあまりよく見えない端末どうしが、相手が見えないからとりあえず送信してみる、というのを一斉に繰り返して、チャネルが一気に食いつぶされてしまう状態です。こうなるとWi-Fiに限らず2.4G機器が一斉に影響を受けます。これは、どんなきっかけで起こるか分かりませんし、端末が2台3台でも起こらないとは限りません。AP乱造は、そのストームを「ものすごく起こりやすい状態にする」ことです。

Q. マンションなども相当な密度だけど大丈夫?

A. 場合によってはやばいと思います。ただ、「床」というのはかなり強力な遮蔽物です。なので、Wi-Fiの電波は、横方向は扉や窓や壁を抜けて結構飛びますが、上下方向はかなり通らないです。私も自宅の1F~2F間の接続は相当苦労しました。回折も弱いため、基本的に、窓の目の前に反射物(たとえば隣接マンションの壁)とかがない限り、上下階の干渉はかなり弱るはず。一方、たとえコンクリート造でも、比較的薄い壁や窓やベランダや共用廊下を伝って同一階には結構伝わってしまうようです。と言っても、鉄筋造であればそんなに届かないはずなので、ワンルームばかりの巨大マンションとかでなければそうそう厳しいことにはならないかなぁ、と。ただし、窓からソフトバンクのAPの干渉波が10、20の単位で吹き込んでいたりすると全く無意味ですけど(苦笑)。

Q. 結局ソフトバンクに限らずこの問題は起こるということ?

A. Exactly(その通りでございます). スマホのブームもあって猫も杓子もWi-Fiって感じの風潮、ちょっとやだなーと思ってたんです。なので、我が家は、スマホ以外は5GHzに避難しました。2.4Gは着々と汚染が進んでいます。これはもう、みんながWi-Fiを使う権利を持っているので仕方がないこと。なのですが、ソフトバンクは、電気通信事業者として自分がコントロールできる、しなくちゃならないはずのAPを、干渉無視で設置しまくっている、そこが問題なんです。今はソフトバンクが顕著ですが、当然、APを増やし続けているKDDIにもこれは強くお願いしたい。2.4Gを汚すな、と。今のところ、KDDIに関しては、マルチSSIDでグループ内APを集約したりなどの自助努力が多少みられるのであまりやり玉に挙げていませんが、と言っても、一部の駅前などでは結構無計画に密集している例があります。某近郊駅前のauショップ前の路上では高いレベルで見えているのに全くIP割り当てがもらえないという末期症状が出ていました。まぁそれはその付近にソフトバンクのAPが4~50個ほどあった(後で地図で確認)という最悪環境でもあったからなんでしょうけど。

Q. 通信しなければ問題は発生しない?

A. はい、「全く通信をしない」ならOK。ただ、Wi-FiをONにしたまま通り過ぎるだけで、自動的に通信をします。それは、「自分こういうものっすけど」とか「IPもらっていいっすか、今こんなIP持ってますけど」とか、そういう、裏でこっそりやるレベルの通信。だから、Wi-FiをONにしているだけで、結構な数の無線機会を消費してしまっています。それが、AP(のMACアドレス)が変わるたびにやるわけですから、近距離に密集していれば、頻度も相当に上がります。そしてそれをやるたびに、端末からの電波が届く範囲すべて(一般に100mと言われています)の他の端末やAPに影響を与えるわけですから、たとえば100m範囲に30台でも密集していれば、そのお互いの影響は推して知るべし、と言うしかないですね。

Q. こういう話だと、スマホテザリングやモバイルルータも危ないんじゃないの?

A. Exactly(その通りでございます:その2). ただし、モバイルルータなどは、比較的移動しながら使うことが多いため、まだ空間的な確率的分散を望めるような気がします。同じ理由で、特急電車やバスなどに設置したWi-Fiも原則常時移動なのでストームの引き金を引く確率は下がります。しかし、モバイルルータなどが引き金を引くよりも、駅前の密集APのせいでそれがまともに使えなくなることの方が問題と私は考えます。上にも書いた通り、個人のスマホでのテザリングやモバイルルータがいろんな場所で便利に使えるようにあるためにも、一つの事業者が責任を持って設計できる範囲では、出来るだけ無用なAPを置かないように努力すべきなんです。ソフトバンクのAPは全く無関係の人が好き勝手においているわけではなく、ソフトバンクモバイル株式会社という会社がその唯一社の責任の上で置いているものです。代理店がやってるとか提携先がやってるとかいうのは言い訳にはなりません。そういった非常識な代理店や提携先を制裁するという手段があるんですから。ところでソフトバンクのスマホってテザリングできませんでしたよね。ソフトバンク以外はできますよね。迷惑をこうむってるのはソフトバンク以外のスマホユーザだけですね。何か意味がありますかね。きっとありませんね(笑)。

[追記]
そうそう、忘れてました。twitterとかでコメント飛ばしてもらってる中にとても建設的な、というか、たぶんそれが解だよなぁ、というご意見があって。各社が共同で、ケータイ向けWi-Fi整備をする会社を設立して、そこが全部代行整備し、MVNO的にサービスをすればいい、というご意見。たぶん、これが最も良い解だと思うんですよね。要するにJMCIA(旧トン協)方式ですよね。3G/4Gの帯域を節約したいのはみな同じモチベーションなんだから、みんなで整備すればいいじゃない、ってこと。少なくとも、知識ゼロの代理店バイト君がばらまくよりはよほどましな整備をしてくれるはずですよ。問題は、AP数を宣伝に使いたいとかいう根本的にあほな事業者の存在なんですけどねぇ。AP数が多いってのは、それだけ自社網が貧弱なんだって宣伝してるんだ、くらいの認識が一般に根付けばいいんですけど・・・(苦笑)。

[もいっこ追記]
AP数そのものは無関係では、というご指摘もあったのですが、問題は、一つのAPの配下で管理されている端末と管理されていない端末の比率です。全端末が一つのAP下で管理されていれば、「ここほんとに空いてる?」「大丈夫っすよ」がほぼ完ぺきに成り立つんですが、そのAPが知らないAPの下でやり取りされているけどそのAP関係者に干渉を与えうる端末の存在が増えれば増えるほど、この「開いてる?「大丈夫」の有効性が下がっていって、衝突→ストーム、ということが起こりやすくなるんです。密集していればしているほど、同じ数の端末でもバラバラのAPに収容されてしまう様になるため、一つのAPが管理できる干渉ドメインがどんどん小さくなって(だけど無線の届いちゃう距離はほとんど変わらない)、APによる干渉回避の有効性がどんどん下がっていくということなんです。この辺はちょっと説明不足でした。あともう一つは、やっぱりビーコンの占める割合がバカにならないほどになってきていると思います。新宿とか丸の内とか、もうビーコンが帯域の半分くらい食ってんじゃね?ってくらいのAP数ですよ。やばいと思います。まぁ私の家はそんなところにないから知ったこっちゃないんですけど。でも、私の家の近所の商店街とかでそれをやられる可能性をこの間の目撃で感じてしまったので、というお話。

ということで、補足としては長すぎる補足でした。

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2012/3/13 12:00 · サービス解説 · 4 comments
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4 Comments to “先日のソフトバンクへのお願いの件の補足”

  1. […] 先日のソフトバンクへのお願いの件の補足 | 無線にゃん: 先日のソフトバンクへのお願いの件の補足 | 無線にゃん […]

  2. hgsdrk

    NTTグループでは、各NTTグループ会社がそれぞれ公衆WLANサービスを提供しているけど、インフラ設置については、まさしく干渉対策も含めて、NTT-BP(ブロードバンドプラットフォーム)が一括してマルチSSIDで設置してますな。docomo WI-FIについても、設置はNTT-BP。

  3. wnyan

    > hgsdrkさん
    そういえばそうですね。マジでNTTグループはカッコイイですね。Japanの礼節と信頼性の象徴です。

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