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2012/8/6 10:00 · ニュース解説, 技術解説

アイサットフォンと電波天文の干渉という問題について、結論として「電波望遠鏡の近くで使わないように」ということに落ち着いていますが、衛星って広く電波が降ってきているものなのに近くで使わないだけでOKなんですか、と言う質問をいただいていました。ちょっと回答が遅くなってしまいましたが、今日は簡単に。

アイサットフォンはインマルサットを使った電話サービスの一つ。なので、基本的に従来のインマルサットの周波数帯を使います。

で、もともとインマルサットは、地上局は固定や船舶がメイン、また、移動局でも指向性が高いアンテナを持ち、非常に限られた使用者しかいないようなものなので問題視されていませんでしたが、アイサットフォンのように指向性の低いアンテナで個人が自由に持ち歩けるようなタイプとなってしまうと、電波望遠鏡の近くでの干渉が問題になってきたのではないかと思われます。

ここで、なぜ「近くだけ」問題になるのか、と言うと、周波数配置がポイント。インマルサットの周波数は、地上→衛星の周波数バンドと衛星→地上の周波数バンドのうち、地上→衛星のバンドが電波天文学用バンドに非常に近いんです。逆に、衛星→地上は非常に広い範囲に強い電波をばらまくことになってしまうので、電波天文学用バンドから離れた方のバンドを使う様にした、と言うのが真相だったかもしれません(情報不明瞭)。

となると、地上→衛星バンドが電波天文学に干渉することになります。つまり、地上移動局が発する電波。もちろん地上移動局だって不要発射を十分に抑えるようにフィルターを持っていますが、それでも(電波天文学的には)結構大きなレベルの不要発射を出してしまいます。

電波望遠鏡は言ってみれば巨大なパラボラアンテナなんですが(なので古い衛星通信用アンテナを流用したりもする)、いくらパラボラと言っても、周辺からの漏れ込みをゼロにするということはできません。パラボラ面の横から受信素子に直接入っていくような電波もあるでしょうし、ななめ方向にも割と強いゲインを持つサイドローブを持っていたりもします。そういうところにアイサットフォン端末がいて、これが衛星に向かって電波を発射すると、電波望遠鏡にも影響を与えてしまうことになります。具体的には、背景ノイズレベルが上がってしまい、観測解像度が下がってしまうわけです。

ってことで、アイサットフォンは電波望遠鏡の近くで使っちゃだめですよ、ってことになります。日本で大きな電波天文台と言うと、まず何を置いても野辺山ですね。あと、確か山口と茨城に割と大きいやつ、岩手水沢+小笠原父島+鹿児島薩摩川内+石垣島のVLBIあたりが大きな観測所です。ってことで、この近くに行くときは、出来ればアイサットフォンは電源OFFでよろしく。

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