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小ネタ。電車とケータイの話。

と言っても、車内での通話で電磁波が云々なんて話ではなくて、ホームや電車内でWEBなど通信をするときの話です。特に、地下鉄の話。

電車にはたくさんの人が乗っていて、ほとんどの人がケータイを持っています。そんな中の多分1割くらいは、何か通信をしていることが多いでしょう。皆さんも、電車内でケータイをいじくって暇つぶしすることがあるのではないでしょうか。また、ホームで電車を待つ間にも、ケータイをいじくることがあったりするのではないでしょうか。

そんな時、こんな経験をしたことがありませんか?

地下鉄でトンネル内は圏外、駅が近づいてきて電波が復活して、さて通信しよう、と思ったら、アンテナマークはしっかり立っているのに全く通信できない。

地下鉄のホームでケータイをいじくっているとき、ホームに電車が入ってきた。ちょうどそのときにブラウザのリンクをクリックしたんだけど、なぜか通信できない。

そんなことねーよ、と言う人も多いかとは思いますが、あ、そういえば、と思い当たる人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

さて、前に、圏外の話でも書いたのですが、携帯電話は、エリアの中で大きく移動した場合、「自分はここにいますよ」とネットワークに教える機能を持っています。この通知をしないと、着信も出来ないし場合によってはその他のサービスもすべて使えません。この通知をしないことは「圏外」と同じことです。

一方、地下鉄と言うものを考えると、そこそこの距離、1km以上の距離をとって各駅が配置されています。そして、地下鉄は当然、出入り口を通して外のエリアと繋がっています。

このため、地下鉄の中の「ページングエリアID」は、その地下鉄の外のエリアと同じにしておかなければなりません。しかし、ページングエリアはそれほど大きくとるものではありません。ページングエリアの大きさは、そこで電源の入っている携帯電話機の数と反比例するように決めます。それは、ページング(呼び出し)の信号をページングエリアの中で共有するためです。携帯電話機が多すぎると、ページング信号だけで無線が逼迫してしまいます。と言うことは、人口の密集する都心部、地下鉄のある都心部では、ページングエリアはかなり小さく設計してあるわけです。

すると、隣の駅と「ページングエリアID」が異なる、と言う場合が非常に多くなります。東京都心で言えば8割9割は違っている、と言うくらい違っているかもしれません。

次に、携帯電話機の視点で見てみましょう。ある地下鉄駅のあるページングエリアID、ID-Aを見ていた携帯電話機。これが車両に乗ってトンネルに入ります。ある程度進むと、ID-Aが見えなくなります。ここで次のIDを探すわけですが、見つからなければ「圏外」になります。

さて、次の駅が近づいてきました。携帯電話機は一生懸命電波を測定し、次の駅のページングエリアID、ID-Bを見つけます。自分は、ID-Aにいるつもりなので、ID-Bの下にいる、と言うことをネットワークに伝えなければなりません。

そこで、ネットワークにアクセスし、無線回線を割り当ててもらって、その回線を使い「自分ID-Bに移りま~す」と通知して、回線を切断する、と言うことを行います。

これが、ある一台の携帯電話機に起こること。しかし、地下鉄車両の中には、実に何百人と言う人が乗っていて、そのほとんどがケータイを持っています。つまり、何百台と言う携帯電話が上記のような動作を一斉にしてしまうのです。

こうなるとネットワーク(基地局)は大変です。何せ、何百と言う「接続要求」が一斉に殺到するんです。通常、基地局は同時にさばける接続は50程度、高級機で200程度といわれていますから、何百となると、これはもう完全にこの処理だけでオーバーフローです。

さて、これで謎が解けてきました。そう、地下鉄に乗っていて駅に近づいてもすぐに通信できなかったり、駅で待っているとき車両が入ってくるとパケットが繋がりにくくなったりするのは、そのホームの基地局が上のような理由であっぷあっぷになっているから、ってことなんですね。

実際には、携帯電話の方式にいろいろと小細工がしてあって、たとえば一番単純には、「新しいIDが見えたら、そこから乱数秒待ってから位置登録しましょう」と言う仕組みが入っています。このため、位置登録のためのアクセスはある程度ばらつくので、基地局が完全にどんづまるようなことはまずありません。が、とはいえ、その他の通信の接続要求が届きにくくなると言うことは確実に起こります。

普通、WEBなどでパケット通信しているとき、実は結構こまめにチャネルの張り切りを繰り返しています。データが無ければ結構短い間隔(5秒とか)ですぐに無線チャネルをOFFにするんです。無線を効率よく使うために。つまり、WEBのあるページを見ていて、リンクをクリックしたときには大抵は新たに簡単な接続要求が走っています。しかし、上記のように接続要求処理が混雑していると、この接続要求の待ち時間も大きくなるため、少しの間通信が出来なくなったように見えるわけです。

と言うことで、地下鉄で駅ホームに電車が入ったときに、その一帯で通信が滞る理由についてのひとネタでした。

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1 Comment to “地下鉄駅ホームでパケットが繋がりにくくなるの話”

  1. […] で、これに加えて地下鉄特有の問題として位置登録輻輳も電車の入線のたびに起こります。地上駅であれば、駅の間のページングエリア境界でみんな一斉に位置登録を行うということは起こるわけですが、と言ってもアナログ現象である電波ですから、エリアが連続的であればある程度アナログ的にばらつきますが、地下は「一度完全圏外になる」「次に突然復帰する」というデジタル的なギャップがあるため、位置登録集中の効果は地上より非常に大きくなります。で、この位置登録輻輳のために一般のデータ接続への割り当てが先送りになったりして(一般的には位置登録などシステム上必須の接続はデータ接続などより優先処理されます)、溜まったデータがそのあとの時間帯にシフトしてトラフィックを底上げするわけで、トラフィックの増大による逼迫がより出やすくなっている、ということになります。 […]

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