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2011/3/18 10:00 · 技術解説

FDMAについて語ってみるのが本日の技術解説。もう、FDMAなんて解説するところが無いよ、って感じなんですが、ほら、なんとなく稼いで起きたいじゃない、技術解説のインデックス数を(苦笑)。

FDMAは、周波数分割多重アクセスの略字で、複数の利用者を周波数を離すことで分離する、と言うただそれだけの方式です。

これで終わってしまってもいいくらいなのですが、ちょっとだけ噛み砕いて説明を続けます。以前、搬送波に関する解説でも書いたように、「搬送波」と言うのは、ある中心周波数とその周りに広がったオマケからなっています。実際にはこの周りについたオマケこそが「データ」であり、中心周波数そのものは単にそのデータをどこにおくか、と言う意味しか持ちません。

なので、ある信号を受信するときは、まずその信号から中心周波数と言う余計な情報を取り除く必要があります。これは単純には、受信した信号にあらかじめ知っている「送信者の中心周波数」を同調させてみてぴったり合うやつの周辺だけを切り出す、と言うことをします(検波と言います)。

このようなものなので、ある中心周波数に対して、一定以上離れた場所にある他の搬送波は、この「ぴったり合わせる」と言う処理中に脱落します。と言うことは、中心周波数を別々にし、それぞれを一定以上離して置く、と言うことで、複数の信号を分離することが出来ます。これが、FDMAです。無線通信の世界では最も原始的な分離手法の一つです。

この一番好例は、ラジオ・テレビ放送。ラジオやテレビで通常「チャンネル」と言われているのは、この複数の搬送波の一つ一つのことです。テレビのチャンネルを切り替えると、検波する周波数が切り替わります。その周波数の周辺だけを拾い上げてデータを復元すると、テレビの画像や音声が載っている、と言う仕組みです。これは、デジタル放送になっても原則同じ。単に載っているデータがデジタルになっているのと、搬送波の幅がむちゃくちゃ広くなっている(広げ方にも違いがあるけど)くらいしか差がありません。

通信・携帯電話の世界でも、FDMAは最も早くから使われていた技術です。たとえば、古いGSMやPDC、PHSなどではそもそもセル同士を異なる周波数でたくさん重ねて、それぞれに対してアクセスするユーザを分離していました。GSMやPDCではそれぞれの周波数用に送受信機を配置する方法で、PHSは一つの送受信機が相手ごとに周波数に次々に切り替えながら、と言う違いはありますが、基本的には、通信の最初又は途中で何らかのトリガーがあったときに「この周波数を使うんですよ」と知らせるようなやり方でユーザ同士を周波数軸上で分離します。

「周波数をぴったり合わせる」と言う処理は、無線通信の最も基本的な構成要素なので、これが無い無線機器は(一部例外はありますが)まずありません。なので、この基本操作で勝手に分離してくれるFDMAは、無線通信の登場と同時に誕生した概念と言うこともできます。もちろん、このための特別な仕組みも最小限に済みますので、実装は非常に簡単です。

ただし、FDMAの利点はその点だけ。FDMAでは、隣と分離するためには「ある程度離れた」と言う条件が必須になってしまいます。「無線周波数」と言うアナログ現象はどうしても周囲に漏れ出してしまうからです。つまり、FDMAで分離する周波数同士にどうしても一定の隙間が空いてしまいます。FDMAのみだと1端末1周波数なので、多数の端末を収容するにはたくさんの周波数が必要で、それぞれが「隙間」を要求します。結果、同じ周波数帯域幅があったら、収容できる人数は理論的な限界値を大きく下回ってしまうのです。

このため、デジタル処理技術の向上で「時間による分割(TDMA)」ができるようになると、端末の区別にはTDMAが主に使われるようになりました。さらに周波数拡散を組み合わせ、非常に広い帯域を隙間無く搬送波で埋め、CDMA/TDMAで端末を区別する、と言う手法で容量が大幅に向上しています。

こんなわけでFDMAと言う個別技術は通信の世界ではほとんど使われなくなりましたが、一方、最新の方式ではFDMAとは言わないまでも、別周波数へのハンドオーバを指示する、と言う形で一つの周波数にユーザが偏り過ぎないようにと言う形で、周波数の多様性を活用しているため、FDMA的概念が全く消えたというわけでもないようです。

また、OFDMAと言うFDMAと名前のよく似た方式が高速大容量化では主流です。別ページでも簡単に解説しましたが、OFDMAはFDMAのように搬送波を別にするということはせず、一つの搬送波の中に特殊な処理で擬似FDMA搬送波をぎっしり詰め込むということをします。その擬似FDMA信号によって端末を区別するので、周波数軸上に異なる相手先を配置するという意味では、FDMAの遠い子孫といえるかもしれませんが、これらの擬似FDMA搬送波は個別に取り出して検波することは出来ないため、FDMAとは互換性はありません。

と言うことで、搬送波を利用する無線通信の基礎に基づく方式であるFDMAについて、でした。

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2011/3/18 10:00 · 技術解説 · (No comments)
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