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2010/12/23 10:00 · 技術解説

さて、前々回前回をお読みいただいているという前提で話をいきなり始めさせていただきます。

L2接続型でもL3接続型でもないというタイプのMVNOがあります。それが「再版型」。有名なところでは、ディズニーモバイルがこの再販型です。その他、音声サービスを提供しているタイプのMVNOのほとんどは再版型でしょう。

再版型は、単なる「販売代理とブランド付け替え」です。販売代理しておきながら、貸し出し元キャリア(以下MNO)のショップにさらに販売代理をしてもらっていたりもするので、どっちが代理だか分からないようなものも多かったりします。また、ブランドの付け替えさえあいまいなものも多かったりします。

こういったものは、実際には手を入れるのは「端末の外装プリント」と「プリインストールアプリ」くらいだったりします。ちょっと手の込んだもので「専用メールドメイン」とか「専用公式トップ」を追加していたりしますが、こういったものは、MVNOの仕組みを考える上では枝葉のレベル。基本的に「再版型」は、MNOのケータイサービスをそのまま別の名前で売っているだけです。

パケット接続先や、ネットワークの経路などは、MNO自身のケータイサービスと同じものを使うのが基本で、大規模なMNOなら専用サーバを立てるくらいはしますが、サーバ自体はMNOの使っているものをコピーしたもの(ただしドメインが違う、とか)だったりします。このため、WEB閲覧・課金代行やメールの通知と言った基本サービスは提供できますが、これを大きく逸脱・拡張するものは作れません。たとえば、端末に直接グローバルアドレスを割り当てる、と言うようなことは再販型では出来ません(L3接続型、L2接続型なら何とか可能)。

また、基本的に「再販」なので、MVNOが提供できる料金プランはMNOがやっている一般向けあるいは法人向けの既存プランをベースとしたものとなります。大口なのでいくらか割引が入って、その分、MVNO料金プランを安くするか、MNOとほぼ同じプランにする代わりブランド分だけマージンをとるか、と言う程度の裁量しかないと言ってもそれほど遠くないでしょう。一般MNOユーザがもらえる程度の通話明細くらいはもらえますが、それに対してはMNOが決めた料金を黙って支払うのが基本。後はその通話明細からMVNO加入者にどのように課金するかと言う程度の自由度です。

ただ、なんといってもお手軽。だって、インターネット接続さえいらないんですから。端末メーカの人と話して端末にプリントやアプリを入れて専用化粧箱に入れてもらって、ってのと、MNOと話して基本料と通信料の契約を結んで、開通手続きとかなんとかについてワークフローを作って、後はお店を開いて売るだけ。要するに、一般的にケータイショップをやっているような会社なら出来ちゃうレベルです。

と言うことで、大きく分けて、MVNOには3タイプあるということ、で、それぞれのMVNOに求められる資質は、

L2接続型 → 回線事業者レベル
L3接続型 → インターネットプロバイダレベル
再版型 → ケータイショップレベル

と言う感じでざっくりとまとめられると思います。今のところ、L2接続型は、私の知る限りは日本通信しかやっていないと思います。一方、L3接続型はそれこそ雨後のたけのこのごとく何十と湧き出ていて、ここまで来たらどうやって市場をシェアするんだろうと不思議に思えるレベル。再版型でキャリアから独立した商売をやっているのは、J:COMとかが有名かな?それ以外はなんだかだで親MNOの販売網に乗っかった商売が多いし。

と言うことで、3回に渡ってMVNOの方式の解説をして見ました。その他、疑問点などあればお気軽にメールください。でわ~。

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2010/12/23 10:00 · 技術解説 · 1 comment
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1 Comment to “MVNO (3. 再販型)”

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