すごい斬新な意見を見たので、感動の勢い任せに。実は全然斬新でもなんでも無いのかも知れないけど。
いや、「なぜスマートフォンは本体価格が安いのか」と言う文脈で、ほら、私みたいにどっぷりと汚い考えに漬かりきったヨゴレコメント屋的には、どうせスマートフォンを売りたい、売れているという雰囲気を醸成したいキャリア連中がインセをたんまり乗せてるからだろ、なんてコメントしちゃうわけですが、ピュアな意見を目の当たりにして衝撃。
スマートフォンって、ボタンとか稼動部とかが全く無いから、部品点数も少なく組み立て工数も格段に少ないから安いんじゃない?と言うご意見がありまして。目からウロコ。確かにそうかもしんない。
加えて、構成する部品そのものも一般化・標準化された品物ばかりだしOSやソフトは汎用品をちょっといじくるくらいだし、そうしたら嫌でも安くなりますよねぇ、って話ですよ。
世の中スマートフォン!!って叫んでるのは、実は、スマートフォンが「本当に安い」からなんじゃないかと改めて気がつきまして。遅すぎるという突っ込み禁止。
いや、実際に買う人が安く得られるのは、それは実際にキャリアがインセをがっぽり乗せてるというのは否定は出来ないんですが、インセを乗せてでもやっぱりスマートフォンを主流にしたいのは、スマートフォンのほうが安く、キャリアとしては販売費用の大幅削減、メーカとしては部品や開発費の大幅削減と外注化拡大、などなど、提供する側にダイレクトにメリットが大きいからじゃないかと思ったんですよ。
だって、純粋なキャリアにとっては、スマートフォンなんて流行らないでほしいはずなんですよ、本当は。垂直統合の網の外にあるためにたいした追加料金を払うわけでもなくネットワークトラフィックだけは量産してくれるマシンですよ。提供されるアプリに対してトラフィックを抑制するための設計指針とか統制が適用できないし。
だけど、キャリアが販売者として、その初期費用を販売費用として負担しているとして、しかもスマートフォンのハードウェアの原価自体がフィーチャーフォンに比べて格安だとすれば、まず販売費用(仕入れ費用)を抑制できるという直接の恩恵がある。一方、ネットワークが混雑したら適宜速度制限でもかけてやればいい。と考えると、販売費用削減の効果は無視できないほど大きいような気がするんです。
で、私が前から言っていた、「ちゃんとボタンのついたスマートフォン」「いちいち画面を見ないとロック解除も出来ないんじゃなく折りたたみ機構など物理的にポータビリティを確保してくれるスマートフォン」「目をつぶってても操作できるスマートフォン」、こういったスマートフォンは、上記のスマートフォンだからこそのコスト削減効果を台無しにするわけですよ。ボタンや稼動部が無いから格安なのに、それをつけてどうするよ、と言うのが向こうの言い分ですよ。
だから私の欲しいスマートフォンが出なくて、私はしぶしぶフィーチャーフォンに里帰りせざるを得なかったわけかぁ、なんて思って。と言う感じで、妙な納得感を得つつ、いやでも、そうやってあっちの都合だけでどいつもこいつもiPhoneもどきになるのは、やっぱりつまらないですよねぇ。まぁこういう事情があるのなら、「後発スマートフォンメーカが発想力の無いバカぞろい」なのではなく「実情の恩恵が強すぎて脱却できないだけ」と言う、まぁまだ世界は救いようがあるなぁということで。なんだこの偉そうな言い様は。
と言うことで今日は目からうろこが落ちましたの一言でした。でわ。