小ネタ。「iPhoneのモデムチップがMDM6610で、auのHIGH SPEED対応のARROWS ZがMDM6600で、後継チップ使っているはずのiPhoneがHIGH SPEED対応していないのは納得いかない」(意訳)とのことです。
すみません、正直、チップ屋のラインナップポリシーは分からないんですが、Qualcommに関しては、数字が大きければ単純に機能が多いというものでもなかった気がします。最初にデモンストレーション的な意味で全部いりスペシャルチップ出して、機能削ってコストを安くした版を後から出す、ってこともあった気がする。
ので、ひょっとすると、6610はHIGH SPEED (Rev.B)対応を削った版かもしんないですね。Rev.Bって結構でかいバージョンアップだから回路規模もかなり大きくて、それ削るだけで全然コストが違う、なんてことは十分にあるかも。受信帯域幅が3倍なのでアナログ回路にも大きな影響がありそうだし。あるいは、6600に対してRev.Bを削って空いたダイ容量(?)にUMTSを入れた、とかかも。
よくわかんないですが、6610が単純に6600の機能アップ版と言うものでもなさそうなので、UMTS対応&機能限定版か、あるいは、アナログ回路部分のコスト削減のために機能をOFFにしてあるか、って感じかなぁ、と。
ついでに小ネタその2。「iPhone4Sのau版で○が出て速度が遅くなるのは一体何?回避方法はないの?」と言うご質問。
なんなんでしょうね、あれ(笑)。いや、多分1xに落ちてるんだろうって言う話は処々で出ていて、まぁ多分その通りなんでしょうけど、「1x」って表示しないで「○」ってところが、微妙な笑いを誘います。
で、1xってのは回線交換ベースのシステムで、と言ってももちろんパケット通信(的な)システムも持っていて、その最大速度が一応144kbpsなので、速度がかなり制限されてしまう、と言うのはその通り。
なんですが、噂になっているほどの高確率で出るようなものじゃないと思うんですけど。ってのが、私も、iPhone4Sと全く同じ無線構成、つまり2GHzと新800MHzしか対応していないEVOを常用していて、1xになっていることってほとんど無いんです。
1x表示を見るのは、地下鉄でトンネル内の圏外状態におちて、その後次の駅が見えてきたときに数秒間だけ1x表示が出ます。その後、すぐに3G表示に変わって、普通の3G通信が出来るんですよね。それ以外の場所で1x表示を見たことが無い。
ただ、この地下鉄のとき、1x表示になった瞬間にブラウザのリンクをクリックしたりすると、もちろん1xで通信が始まるんですが、この通信が終わって落ち着く(つまり休止状態=ドーマントになる)まで、1x表示を引っ張る傾向があります。1xからEVDOへのアクティブ状態での遷移ってのはあまりうまく出来ないのかも(出来ることもたまにあるので)。一応違う搬送波なので、周波数間ハンドオーバになり、つまり、別周波数メジャメントって言うめんどくさい動作が必要になるので、確かに1xがアクティブに通信中は遷移しにくいのかも知れません。
でもなぜiPhoneでは噂になるほどこれがおきているのか。不思議です。多分、ですが、一応、完全なTDMAのEVDOと違って、1xは拡散方式なので拡散利得があり、その分わずかながらEVDOよりエリアが広いことが考えられます。そこにきて、iPhone4Sでもおそらくデスグリップ問題は存在します、筐体がアンテナである以上は確実に。今回はダイバシティ受信でデスグリップ問題の顕在化を回避するようになっていますが、パイロット信号(待ち受け信号)を受信するときはダイバシティは働かないはずなので、このデスグリップで受信感度が劣化し、結果としてわずかに優位な1xを掴んじゃうケースが増えているのかも。←大嘘書いてるかもしれないのでご注意。
と言うことで小ネタ二連発でした。
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