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CDMA版iPhone 4、日本でも発売となるか?–キーになるのはキャリアとメーカーの関係
iPhoneがNTTドコモとKDDIから発売される可能性を考察–米国は複数事業者からの販売が現実に
VerizonがiPhoneで大反撃を開始、その後、国内メディアの興味は、auでの発売の実現性にシフトしつつあるように思えますが、これに関して。

まず技術的な問題はバンドですね。Verizonは850MHz帯をメインに使っていますが、これはauがメインにしている国内800MHz帯とは基本的には互換性がありません。下の記事中では新800MHz帯が重なっている、となっていますが、単に重なっているだけではダメで、日本国内独特のさまざまな電波法に基づく規定を満たしていないといけません。逆に、米国独自の規定があるために、安易に周波数を広げる(デュプレクサ特性を変える)と、米国の各種保護規定を満たせなくなる可能性もあります(と言うか可能性はかなり高いです)。

また、下の記事中で「1900と2GHzは近いので親和性が高い」と考察されていますが、これは完全なマチガイ。完全に重なってでもいない限り、周波数帯が近いことは逆に害悪です。上下間離隔がぜんぜん違いますし、そもそも、記事中の表を見てもわかるとおり、上りと下りがかぶっちゃってます。同じ無線デバイスでは原理的に対応できません。その意味では、一応auの新800が包含している850帯のほうがまだ親和性が高く、近いけどぜんぜん重なっていない1900と2GHz帯の共存はかなり難しくなります。少なくとも、ハードウェアの分離が必要です。

ただ、日本を含む何十カ国でローミングが可能、と言うようなスペックになっているので、どこかグローバルバンドに対応していると考えるのが自然で、となると、アメリカの田舎バンドである850や日本の田舎バンドである800ではなく、グローバルバンドの2GHzに対応している可能性が高いといえます。これは1900と近いからではなく、ローミングのためにあえて1系統無線機を追加していると考えるのが自然です。一方完全に重なっているとはいえローカル規定がぜんぜん違う850同士は、Appleがあえて日本の田舎バンドに対応するという決断をしない限りあくまでVerizonローカル仕様のままでしょう。

さてその前提で考えると、果たして、2GHzでしか動かないiPhoneをKDDIと言う会社が受け入れるか、と言う点です。KDDIはドコモにも劣らない旧体質の会社で、ちょっとでも品質の看板に傷がつく可能性があれば排除に走る体質(IS01のバージョンアップを早々に断念したことからもその体質が伺われます、ソフトバンクなら多少もっさり化しても機能を削るなりして断行していたんじゃないかなぁ)。ドコモがiPhoneを門前払い(?)にしたのもiPhoneの無線品質が酷すぎたからだとまことしやかに言われていますが、「無線機としてびみょー」「2GHzエリアでしか使えない」と言う端末を、同じくらい排斥主義のKDDIが受け入れられるか、ってことですね。「プライドを捨て商売のために受け入れる」「インフラ屋としてのプライドを守るために見送る」、どっちの決断をするか、これはKDDIと言う会社が今後どういう念持をもって市場に臨むか、どれだけ本気で「巻き返し」に取り組めるか、と言うことを測り、KDDIの浮沈を占う良い機会となるかもしれません。

万一KDDIがこの「決断」を下せるとしたら、KDDIと言う会社にとって大転換であるばかりでなく、日本のモバイル市場が大転換を迎えることになるかもしれません。

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2 Comments to “ニュース解説[CDMA版iPhone 4、日本でも発売となるか?]”

  1. junk33

    社長交代が体質改善に繋がれば英断もあるかもしれませんね

  2. […] This post was mentioned on Twitter by カネダ, SHIHOMMATSU Kazuhisa, ari, Satoru Ohguchi, PAOPAO and others. PAOPAO said: ミーもそう思ったなう。 RT @keitai_phs: auのローミングインは新800で対応してるはずだけど。つか超絶レアバンドなCDMA2100を積んでくる方がナイと思うけど。 RT: @wnyanjp: CDMA版iPhone、日本で… http://wnyan.jp/415 […]

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