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2012/10/18 10:00 · 事業考察, 技術動向

ドコモが100Mbps超のLTEを始めますよ、と言うアナウンスがあったことについて、「これっていったい何モノ?」と言うご質問をいただきました。もうわかってる人は死ぬほどわかってる話だとは思いますが、ふつーの生活をしているといきなり3倍ですと言われてもにわかに信じられないのも仕方がないわけで、今日はこれを平易に解説してみたいと思います。

ドコモが現在、大半のエリアでサービスしているのが、37.5Mbpsと表記される速度でのサービス。で、一部エリアで75Mbpsでますよーと言っていますが、まぁたいていの人はこのエリアに当たることはほとんどないと思います。おおざっぱに言って、37.5Mbpsがドコモのサービスのベースです。

さてここでXi=LTEの仕組み。LTEは、もちろん携帯と同じく電波を使ったサービスです。で、ざっくりと言うと、電波を使ったサービスでは、「電波を使う量」で、その最大通信速度がほぼ決まってきます。※良くわかっている人向け: それ以外のアンテナ数やチャネル構成が等しいとして。

で、電波を使う量の単位が、「Hz(ヘルツ)」。これをどのくらい使うかで通信速度が変わってきます。ちょっと余談になりますが、昔は、1Hz=1bpsくらいが相場でした。なので、100万Hz(1MHz)を使うと1Mbpsの通信速度と言うのが相場。だったのですが、最近はこれがものすごく改善して、1Hzで数bps出るような仕組みが作られています。LTEも大体この仲間。

で、ドコモでは、今、LTEで「5MHz」を使ったエリアを多くの場所で展開しています。この5MHzで出せる最大速度が、37.5Mbps。ここまで書けばほぼ答えですね。

LTEは、使う電波の量を柔軟に変えられるということも大きな特徴の一つ。最小で1.3MHzから、最大で20MHz (さらにもっと多くも将来は可能)を使って、しかもそれが同じキャリアで混在して使うことができます。なので、ドコモも、多くは5MHzを使っていますが、一部のエリアで、10MHzを使ったサービスをしていて、このエリアが75Mbpsエリアと言うわけです。となれば、15MHzを使えば、これが自然に112.5Mbpsになることは想像通り。

さて、こうなると、「じゃぁなんで全部のエリアで15MHzとか20MHzとかを最初から使わないのか」と言う質問が出てくると思います。これに関しては、電波についてもう一つ踏み込んで考えなければなりません。

電波は、国が許可してキャリアに割り当てます。ですので、無尽蔵に使えるわけではありません。新しい方式であるLTEですが、各キャリアは、古い方式でもらっていた電波を再利用してLTEを開始しています。

ところが、古い方式(3G)とLTEは、同じ場所で同じ電波を使ってはいけません(LTE同士でも基本的には同じ電波を使ってはいけません)。たとえば、ドコモは、バンド1と言う場所に、20MHzのカタマリを持っていて、これを5MHz毎に細切れにして使っています。3Gは、1エリアで5MHz単位で使う方式だからです。

仮に、20MHzの中の5MHzの小カタマリに、1、2、3、4と名前を付けます。3Gでは、小カタマリが一個あれば全国をカバーできます。なので、たとえば、全国で小カタマリ1を使うとします。ところが、小カタマリ一個でたくさんのユーザを捌こうとするとものすごく混雑してしまうことがあります(人口の多い場所などで)。このため、混雑したところから、小カタマリ2を使う様になります。で、さらに混雑すると小カタマリ3、それでもだめなら4まで使う、と言う様に。

さてドコモは、現在、このバンド1でLTEを開始しています。一方、このバンド1は、ドコモ3Gのメインバンドでもあるため、多くの場所で、小カタマリの1~3まで使っちゃってます。ってことは、LTEでエリアを作るために使えるのは、ほぼ小カタマリ4だけと言う状態です。

なので、ドコモはほとんどのエリアで小カタマリ一個分すなわち5MHzのサービスを行っているわけです。で、3Gで使っている小カタマリが2個で済んでいる地域(つまり人口が少ない場所など空いているエリア)では、LTEで小カタマリ2個を消費して10MHz=75Mbpsのサービスを行っています。

今回15MHz=112.5Mbpsのサービスを行うということは、LTEで小カタマリを3個使うということです。こうなると、ちょっとした人口の地域でも難しくなります。要するに、3Gで小カタマリ一個だけで通信を全部捌ける地域でしか、LTEに小カタマリ三つを使えないからです。

とはいえ、やっぱり競争上の理由で最大スペックは飾らないといけない、ってことで、とにかくできそうなところだけなんとかかんとか3Gの使用を1小カタマリに縮小統一して(LTEで3小カタマリ使うには、その周囲の電波が届きそうな結構広い範囲で3Gを1小カタマリにしておかないと電波がぶつかります)、LTEに3小カタマリを振り分けていったという感じですね。なので、112.5Mbpsサービスのエリアは本当にピンポイントになってしまっているわけです。

と言うのが、ドコモがいきなり3倍になった理由と、それでもなぜかほとんどのエリアで使えない理由。今後、3GのユーザがLTEにどんどん機種変していって3Gの「小カタマリ消費」が減っていけば、徐々に75Mbps、112.5Mbpsのエリアが広がっていくでしょうが、それにはもうちょっと時間がかかるでしょうね。でわ。

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2012/10/18 10:00 · 事業考察, 技術動向 · 3 comments
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3 Comments to “ドコモの3倍速サービスと電波の使い方の話”

  1. voxy_1031

    いつも記事を興味深く拝見しています。
    上記の記事ですが、ドコモの112.5MbpsでのLTE運用は、20MHzの帯域幅を持つバンド1(2GHz)ではなくて、15MHz幅のバンド21(1.5GHz)でなされると理解しています。バンド21は2014年4月1日までは東名阪では5MHz幅しか使えませんが、東名阪以外の地域では15MHz幅がフルに使えて、そこをすべてLTEに割り当てるはずです。つまりW-CDMAとの共存はないわけで、112.5Mbpsの件への回答としては、上記の説明とちょっと違うと思いますがいかがでしょうか。

  2. wnyan

    > voxy_1031さん
    そういえば地方では1.5Gの15Mが解禁されてるんでしたね。おそらくそれと2Gの15M化を並行してやっていくと思います(逆に2Gはまだ手がついてないみたいですけど)。今回の端末は1.5Gを積んでいるのかな?と言うのがちょっと良くわからなかったので、とりあえず2Gのみ前提で話を作ってみました。ただ、1.5Gが大都市部で使えない理由も、広く見れば「古い方式とのバッティング」ってことで、話の筋は同じなので一つご勘弁を。

  3. voxy_1031

    wnyanさん
    コメントありがとうございます。2GHzはFOMAユーザーのトラフィックをさばくために、人口の少ない地方であっても10MHzでの運用は当分続くと見ています。やっぱり基幹バンドなので。LTEは1.5GHzを使ってまず東名阪以外で100Mbps→112.5Mbpsと進めると思います。あと、東名阪が2014年4月1日まで5MHz幅に制限されている理由はディジタルMCAが使用されているからなので、「古い方式とのバッティング」とは違うのかなと。いずれにしても冬モデルのLTE端末は、1.5GHzを確実に積んでいると思います。来春の112.5Mbps対応は端末のカテゴリーがCat.4になるので別扱いだと思いますが。

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