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2012/3/30 10:00 · 事業考察, 技術動向

質問、というか記事希望があったもので、とりあえずドコモ関係のサービス終焉に関するお話二題。

その1。マイエリア終了について。始めてからわずか三年でのサービス終了となりました。

マイエリアとは、言わずと知れた「フェムトセル」。フェムトセルという言葉の定義はちょっといろいろと異論があるかもしれませんが、基本的には「ユーザ回線を借用した超小型の携帯電話システム基地局」と言ってしまいます。ポイントは「ユーザ回線の借用」で、仮に同じ超小型基地局であっても、ユーザ回線を使わない場合はあえてフェムトと呼ばない、という頑固者もいたりするようです。まぁどっちでもいいんですけど。

基本的にドコモの「マイエリア」は、エリア補完目的ではなく、フェムトセル特有の特徴を活かした単独のサービス。もちろんエリア補完目的に使うこともできますが、十分にエリアである場合でも、申し込めば設置してもらえる、そういうタイプのサービスです。となると問題になるのが、干渉です。

もともとエリアである場所に新たにフェムトセルを打った場合、同じ周波数ペアを使う屋外のセルに対する干渉になります。特に問題が、端末から基地局への上り向けの電波。前の記事にも書いた通り、いくら端末~フェムトセルが近くても、フェムトセルそのもののアンテナゲインと受信感度がさほど高くない以上、端末はそれ相応の電力で送信しなければなりませんし、特に家の中で電波の通りの悪い場所に行った場合などは、それを乗り越えるために端末が大きな電力で送信した電波が、屋外の一般局に大きな干渉波として入射します。

こればかりはいくら設計しても避けられない問題。ドコモフェムトセルでは定期的に周囲の下り電波を受信して、自身の周波数や送信電力を自律調整したりと、対策はしていたようですが、それでも、ユーザ申告ベースでいくらでも増えうるわけで、それこそちりも積もればの要領で干渉が増えていくことになるわけです。いつまでも申し込みを受け付けていてはいずれ破たんに向かうわけで、ここでとりあえず「誰でも申し込めるサービス」としては終了、ということになったのでしょうね。

また、LTEの問題もあります。ドコモはメインバンドの2GHzからLTE化していく計画。となると、市中に邪魔になる2GHzの他の基地局が多ければ多いほど、LTE化が遅れるわけです。このまま受け付けて、どうしようもないほどびっしりとマイエリアだらけになってしまっては、LTEどころじゃなくなる、というような事情もあったのではないかと勝手に思っています。

まぁ、実際には全然売れてなかったみたいですけどね(苦笑)。制限厳しいし有料だし。単にあんまりに売れないサービスだからやめた、ってだけな気もします(笑)。

ちなみに、他社のフェムトは。KDDIの方は、どうやら、2GHz帯のどこかをフェムト専用に確保してやってるようです。加えて、オプションサービスではなく、エリア申告時にKDDIが判断してレピータやマクロエリア調整ではどうしようもない時だけ使う、みたいな感じで徹底して既存エリアへの影響を除外しているようです。ソフトバンクは、とりあえずは数稼ぎで何万局もばらまいちゃったというのはご存じのとおり。もちろん屋外と共用の周波数なので、収拾は大変でしょうね。これがあるばっかりにLTEが始められない、なんていう情けない事態も起こりうるかも。少なくとも、ネットワークに対して良い影響を与えているとは思えません。

以上、マイエリア終了について。

その2。ついでに、ドコモのmova終了について。

mova、すなわちPDCサービスの最後の灯が、間もなく消えます。もし可能だったらmova端末一台もって停波の瞬間でも見たかったところですが、残念ながら随分前にデュアルネットワークは解約しちゃって。うーん、なんとなく残しておけばよかった。でも当時は本当に貧乏だったんだよなぁ(苦笑)。

今考えれば、PDCというのは、日本の事業者にとっては重荷にしかならないシステムでしたね。もちろん、日本の異常な人口分布やお粗末な周波数事情には非常に合致したシステムで、当時としてはある意味でその選択肢しかなかったのかもしれません。より粗密に強い方式(CDMA)と、周波数割り当ての大幅な整理など環境が整った結果、PDCはWCDMAなど後進に道を譲るしかないということになります。まぁそもそも、PDCネットワークを作れる会社が日本企業だけだし、数が出ないので装置価格も高騰必至なので、仮に延命しようとしても高コストに苦しむことになるでしょうね。

海外では、まだGSMがまったく問題なく現役だったりするわけですが、やっぱり装置もネットワークも安い、というのが大きいですね。互換性も非常に高く、端末もWCDMA対応であればまず間違いなくGSMも対応しているし、GSMだけの端末ならおもちゃくらいの原価で作れちゃったりするわけで、ローミング目的としてGSMはあまりに便利すぎます。今後、すべての国でWCDMAやLTEになりGSMが同じように消えるのか、と考えると、なんとなくそれはなさそうな気がします。途上国とかだと、一度GSMでエリアを作ったらそれこそ腐って朽ち落ちるまでそれを使い、一部の需要の多い地域だけを3GやLTEで、みたいな考え方が多いようです。GSMなら保守も安そうだし。

という話はともかく、これで、日本の第二世代はすべて終了となります。PHSや2.5世代を勘定に入れなければ。ある程度の国土と人口がある一国の中で第二世代が完全終了した例は、たぶんこれが初めてになるんじゃないでしょうか。というか、日本ほどめまぐるしくサービス終了と全端末巻き取り、みたいなことを繰り返している国も珍しいように感じます。アナログはともかく、デジタル化してからはあまりそういうことはほかの国では起こっていないイメージ。なんつーか、日本人の先見性の無さをすごく表している好例のような気がします(苦笑)。まぁ、新し物好き、っていう側面もあるんでしょうけど。

ってことで、もうすぐPDC終了です。長らく日本の通信を支えた技術に最後のお別れをしましょう。そういえば私の実家は最近になってもPDCレベルまでエリアが充実してないなぁ。まだ居間にいるとWCDMA圏外になることがあるんですけど。

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2012/3/30 10:00 · 事業考察, 技術動向 · 1 comment
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