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2011/9/21 10:00 · サービス解説, 事業考察

メールで頂いた疑問についての話です。頂いた質問の趣旨は以下のとおり。

イオンSIMを使っているが、ある場所で圏外となるため、エリア要望を出そうと思った。サービスのページでは「エリアはドコモのページで確認しろ」となっているためドコモのページで確認してみるとエリア内。なので、そこからエリア要望をドコモに送付したら、ドコモから「イオンSIMの人の要望は受け付けていません、提供元の日本通信にどうぞ」と門前払い。インフラ整備はドコモがやっているはずなのに、ドコモが受け付けないのはおかしいのではないか。

と言う感じ。ドコモのエリアのことをドコモに問い合わせて何が悪い、って事なんですが。

この話、二つの面での謎解きが出来そうです。一つが「事業者としての責任分界点」、もう一つが「顧客サービス」。

まず、責任分界点の話。要するに、MVNOとしてサービスをする事業者と、そのMVNOにネットワークを貸すMNO事業者の間で、どのように責任を分担しているか、と言う話です。

MNOは、MVNOに対してネットワーク機能の一部を貸すことを責任として負っています。ですから、ネットワーク、つまり、回線やエリアに関しては、MVNOに対して説明する責任を負っているわけです。しかし、MNOはMVNOの加入者に対しては何も責任を負っていません。MVNO加入者に対しては、MVNO事業者が窓口となる責任を負っているわけです。

このような責任の分界になっている理由の一つは、MNO事業者と末端加入者との間に契約関係が無いからです。エリアの確認となると、当然ながら、その加入者がどのエリアでどのように移動した結果なのか、と言う点も確認する必要が出てくることがあります。しかし、MNOは末端加入者のそういった情報を自由に扱ってよいという許諾をもらっていないので、やりたくても出来ません。

ですから、この場合は、契約関係のあるMVNOが窓口となり、MVNOが加入者の代わりにMNOに対して調査することを許諾し、MNOが調査した結果をMVNOに伝えて、最終的に末端契約者に情報が提供される、と言う形式を取るしかないわけです。

MVNOがMVNOであり単なる代理店ではない理由はこういったことにあります。MVNOはMNOに対して自分の顧客の情報を一切開示する必要が無いのです。開示しなければならないのは、自分が借り受けるネットワークに対して接続するであろう端末の情報だけ。MVNOは責任を持ってその端末と加入者の情報を管理し、それらを契約で保護することが必要なわけです。

と言うことで、もしドコモが直接の問い合わせに対して答えてしまうと、MVNOに対する越権行為になります。契約関係なしで調査を行うと個人情報保護法違反になる可能性さえあります。と言うことで、ドコモ的には「やりたくてもやれない」と言うのが答え。

それからもう一つ、顧客サービス的な視点で考えると、たとえばドコモは、エリアの不満に対して48時間以内の駆けつけサービスを行っています。これは、ドコモの加入者に対する特別サービスです。ドコモの加入者以外の人にはそういったサービスを行いません。

そして、MVNO加入者は当然ドコモの加入者ではありません。そして、ドコモから見れば、MVNOは立派な「競合事業者」です。MVNOとは、MNOも含めて公平に競争することが前提で作られた制度ですから、当然です。競合事業者の満足度向上のために自社のリソースを消費するかというと、それはありえません。ドコモがソフトバンク加入者に対してエリア調査をしてあげるようなものと同じ話です。たとえネットワーク自体は同じものとしても、タテマエ上は「別の通信網による別の通信サービス」なんですよね。本当は「ドコモのネットワークを使っています」なんて書いちゃうこともよろしくない、と言うレベルのもののはず。なんせ競合事業者のインフラの評判にただ乗りしようってんですから。

そんなわけで、ドコモとしては、ライバル会社に手を貸してあげるなんてもってのほか。一方、大切な顧客であるMVNO(日本通信)様から問い合わせがあれば、そりゃもう手取り足取りサポートします。「顧客である日本通信」と「競合である日本通信」をきっちりと割り切る必要がある、と言うことですね。

と言うことで、イオンSIMのサービス利用者がドコモに問い合わせをしても冷たくあしらわれるのも、道理と言えば道理なんですね。とはいえ、そこで逆にドコモとして暖かく対応することで、ドコモのイメージアップにつなげ、ドコモネットワーク利用のMVNO利用者の満足度を上げる、と言う間接的な満足度アップにつなげるという芽もあるのに、もったいないなぁ、と思う気持ちも無きにしも非ず。と言うことでMVNO加入者へのドコモの対応についてでした。

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