ケータイニュース.netの方でやってるスマートフォンスピードテストですが、最近意外と協力者が多くてたくさんデータが集まっています。
と言っても、なんだか夜中の3時とか早朝とかに狙ったように測定して速度アップを目論む(笑)ような人もいたりしますが、そういうところを除いてもおおざっぱに傾向が出ていて面白いので、最近の傾向をメモっといてみます。
まず、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの3社の速度を単純に比べると、KDDI>ソフトバンク>ドコモ、と言うのがおおざっぱな傾向。ただし、KDDI、ソフトバンクの二社は先ほど書いたような明らかな統計アップ狙いの怪しい計測が多いため(笑)、全体の平均速度そのものは直接重要な指標とは言えない気がします。
一方、時間帯別の速度についての統計も公開していますが、こちらを見ると面白い傾向が出てきます。
まずドコモですが、どんな時間であってもかなり安定した一定速度が出ています。ただし、その一定速度が他の二社を大きく下回っている。ここまで時間帯に影響されず安定した速度を出しているということは、何か結構特殊なことをやってるんじゃないかとさえ思えるほど。と言っても、時間を超えてトラフィックを平準化するような技術は存在しませんから、ドコモユーザの特性と言う面もあるのかもしれません。
KDDIは、ドコモとは真逆で、時間帯による速度差が非常に大きく出ています。速いときは他の二社を圧倒的に上回る速度だけど、遅いときはがっくり落ちる、みたいな。この業界にいるとよく見る、時間帯によるトラフィック量の推移グラフをきれいにひっくり返した形の速度分布になっていて面白いですね。
ソフトバンクがちょうどドコモとKDDIの中間くらいの傾向。時間帯による差もほどほどにあるけどKDDIほど顕著ではなく、上はそんなに速くもないけど下もそんなに遅くもならない、と言う感じ。なんか、ソフトバンクとKDDIが、事業者イメージ的に逆なのが面白いです。イメージ的に、ソフトバンクは品質差が激しいけどピークを攻めるけどKDDIはそこまで攻めきれず半端にドコモに追従して中間くらいの品質とスペックになっちゃう、みたいなイメージだったんですけど。
で、もう一つ公開していますが、iPhoneの時間帯別速度比較。ちょっと意外なんですが、こちらもKDDI>ソフトバンクになってます。いろんなところで言われていますが、KDDIのiPhoneは2GHzLTEしか使えないのでエリアも狭く速度も遅い、とされていて、ってことは、LTEがつかめる率も低いはず、つまり平均速度も落ちるはず、ってことなんですが、2GHz一本に注力しているソフトバンクよりも速かったりするのはちょっと不思議。
ただ、実は別に基地局数統計で、2GHzLTE局数を帯域幅別に集計中(まだ半分くらい)だったりするんですが、2GHzLTEでもKDDIの10MHz幅局数の比率が結構高いっぽいんですよね。ソフトバンクはせいぜい1%くらいなんですがKDDIは1割以上はある感じ。もうちょっと集計が進んだら公開しますが、KDDIのiPhoneでも75Mbpsなエリアは結構広がりつつあるような感じです。この辺が、エリアが狭くても速度自体を底上げしているかもしれません。
あとは、実際に測定すると表示されるんですが(ちょっとデータベース負荷高いので常時表示はしてませんが)、そのキャリア・その時間の詳細グラフを見ると、たとえばKDDI AndroidだとLTE対応と非対応で大きく二つの山ができていたりするのが見えたりします。まだ非対応が圧倒的に多いのですが、速度計測結果に関してはLTE対応端末の普及率と言うのも大きな要因になりそうです。買い替え需要が旺盛なiPhoneの場合はLTE対応率が高くなるので、iPhoneを持つKDDI・ソフトバンクの結果がドコモよりも高い、ということも考えられます。ドコモも、LTE対応率の低い昨年秋冬くらいの端末が買い替えられていくと、徐々に追いついていくんじゃないかなぁ、と言う感じ。
と言うことで、最近の速度測定結果の傾向についてでした。
