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2011/2/4 10:00 · 技術解説

さて先日、ドコモ・KDDIのLTE計画に関する一言を書いたところ、LTE-CDMA2000の連携がそもそも存在することにびっくりしたというようなコメントをお寄せいただき、今回はLTEと他システムの連携のお話。

と言っても話は簡単で、LTEは最後発のシステムでもあり、さまざまなシステムへのマイグレーションパスを提供するという観点から、さまざまなシステムへのハンドオーバをサポートしています。

さまざまとは言っても基本的には携帯電話(セルラー)型システムが対象。つまり、GSM、GPRS、WCDMA-CS、WCDMA-PS、CDMA2000-1x、CDMA2000-EVDO、この辺がサポートされている範囲です。

この中で、システムを二つに分けます。一つのグループは、GSM、WCDMA-CS、CDMA2000-1x、もう一つのグループはGPRS、WCDMA-PS、CDMA2000-EVDOです。このわけ方、ぴんと来る方はすぐに分かるかと思いますが、前者が「回線交換ベースのシステム」、後者が「パケット交換ベースのシステム」となっています。そして、原則、回線交換システムへのハンドオーバは「音声とSMS」だけが対象、パケットシステムへのハンドオーバは「データ通信」だけが対象となっています。

LTEはもちろんパケット交換型のシステムなので、音声とSMSのハンドオーバと言われてもなんじゃそりゃと言われるかもしれませんが、LTEはその基本仕様のうちにVoIP音声サービスを包含しています。無線上の仕様からしてVoIPを明確に区別するような仕組みになっているわけです。

またそれとは別に、VoIPが仕様に載っているといっても広域のVoIPサービスが一般的に利用可能になるまでにはまだ多くの時間がかかることもあり、LTE上での音声発着信を音声に対応したシステムに瞬間的に肩代わりさせる、と言う技術も取り入れられています。LTE-VoIPから音声システムへのハンドオーバを「SRVCC」、LTE上の音声を音声システムに肩代わりさせることを「CSFB」と呼んでいます。


↑音声着信をLTE上で実現する仕組み

一方、データ通信へのハンドオーバはシンプルで、LTEを切って相手のパケットチャネルを立ち上げる、それだけです。このとき、LTEと他システムの間の後ろのネットワークも連携していて、接続セッションの受け渡しがシステム間で行われます。細かい話になりますが、このデータ通信のハンドオーバにも厳密には二つ方式があり、一つはハンドオーバコマンドを受信したらすぐにLTEを切って指定されたシステムをサーチして再接続するタイプと、LTEの上で相手システムとのハンドオーバ手順を終わらせてしまってから瞬時に切り替える方式があります。前者がリダイレクション方式、後者がアクティブハンドオーバ方式、と言うように呼ばれています。

で、先ほど書いたとおり、CSFB/SRVCCは、GSM、WCDMA-CS、CDMA2000-1xとの間でできるようになっており、データHOはGPRS、WCDMA-PS、CDMA2000-EVDOとの間でできる用の作られています。ちなみにドコモのLTE/WCDMA端末は、LTE→WCDMA-PSのアクティブハンドオーバに対応しているようです。

多くのLTEとWCDMAとGSM/GPRSのトリプルモードチップ(開発中含む)では、LTEからWCDMA、GSMへのCSFBと、LTEからWCDMA、GPRSへのアクティブハンドオーバに対応しているため、今後出てくるLTEとUMTSのデュアルモード端末はほとんどがこの機能を備えると思って良いでしょう。一方、CDMA2000系はマイナーでもあるため、パケットはリダイレクション式しか対応しないなどの微妙な制限があったりするようです。

ただいずれにしても、LTEから古い規格へのサービスの連続性はかなりきめ細かくサポートされているため、現状の世界中のほとんどのモバイル事業者がスムーズにLTEを展開できるようになっています。LTEエリア内ではLTEシングル待ち受け、CSFBで音声をサポートし、LTEエリア外に出るときはパケット通信を古い方式に簡単にスイッチできるため、利用者サービスにはほぼ影響なしで自然にLTEを始められるわけです。

この、3GPP系(UMTS)と3GPP2系(CDMA2000)の両方にスムーズな切替方式を提供する、と言うのは、LTEの大きな特長の一つといえます。一部独自方式でWiMAXへのシームレスハンドオーバなども研究されているようですが、いずれこれもLTE標準に取り込まれることになるかもしれませんね。以上、LTEと他システムの連携の話でした。

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2011/2/4 10:00 · 技術解説 · 5 comments
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5 Comments to “LTE (4.他システム連携篇)”

  1. […] This post was mentioned on Twitter by DJ okamOTO, 無線にゃん. 無線にゃん said: [LTE (4.他システム連携篇)] http://wnyan.jp/623 ◆さて先日、ドコモ・KDDIのLTE計画に関する一言を書いたところ、LTE-CDMA2000の連携がそもそも存在することにびっくりしたというようなコメントをお寄せいた… […]

  2. […] LTEは、他の通信方式とは根本的に違っています。というのは、LTEのシステム連携の話で書いたことが関係しています。 […]

  3. […] これは、ちょっと前に書いた、LTEと旧システムの連携方式の一つです。で、そんな中でも、KDDIが「超速いよ」と自慢しているとかで、質問がたくさん来ているようで。 […]

  4. […] LTEの他システム連携の話で書いた通り、LTEでは、旧来の方式との連携機能を大きな特徴の一つとしています。しかし、こういった方式では、LTEだけにそんなしくみを入れこんでもダメで、旧方式の方にもそれを受け入れる素地が無きゃできない、と言うのは直観的にもっともな話で、質問者さんの疑問につながるのも当然と言えば当然です。 […]

  5. […] 普通に考えれば確かにその通りなのですが、そもそもLTEと旧システムが連携しているということを考えるとちょっと問題が複雑になってきます。 […]

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