移動体通信の新規格LTE開始まで秒読み―中国は独自規格で世界制圧狙う(1)
いろいろと勉強不足の目立つ記事。TD-LTEを独自技術と言い切っているのがいくらなんでも。何度でも書きますが、TD-LTEはLTEのTDD版と言う以上の違いはなく、同じEPC(Evolved Packet Core)を共有でき、低いレイヤの制御信号以外はほとんどの制御メッセージ定義・制御方式が共通です。LTE-TDD≠TD-LTEと言う可能性?については、ChinaMobileが上海でやったのが「TD-LTE」なら、LTE-TDD=TD-LTEです、と断言できます。ほどほどに関わってますので(笑)。中国ばかりがクローズアップされますが、TDD版はFDD版にはない多くの利点があるため、中国よりも欧州・米国での導入のほうが早いのではないかと言うくらい、欧米陣がTD-LTEを積極的に開発しています。RFが違うのは仕方がありませんが、LTEのTDD+FDDの端末を作るのはW-CDMAとWLANを同居させるよりははるかに簡単です。何より、チップ最大手のQualcommやSamsungなどはベースバンドチップは全ラインナップでTDD+FDDデュアルにする方針と聞きます。インフラ的にも、同じEPCにTDDシステムとFDDシステムが同時にぶら下がっても問題の起こらないアーキテクチャになっています。「中国が世界標準化を狙っている」なんてのはいくらなんでも情報が遅すぎ、出所こそ中国ですがTDD版の利点に気づいた欧米勢が標準化を済ませ中国を差し置いて早くも活用の道を具体化している段階です。アメリカでWiMAX帯域がTD-LTE向けに売りに出されたとか言うニュースさえ読んでいないのかな?投資情報屋としてそれはどうよ。
総務省周波数WGの700M/900MHz帯再編議論、オークション推進意見はほとんど出ず
まぁ、だまってりゃただで帯域が貰えちゃうんだから、そりゃそうですよね。こういうのこそ官僚主導で強引に決めなきゃならない話のはずなんだけど、そういう方向でやっぱり遠慮みたいなものがあるのが、惜しいなぁ。どっちにしろ今回オークション導入はいくらなんでも拙速に過ぎるのは間違いないんですけど。もう一つ残念なのが、700帯、900帯それぞれの中でペアを作る方針。国際割り当てに近いってのは分かるんですが、700帯なんて、国際に合わせたらせっかくの空き地にかなり無駄が出ますよ。結局日本オリジナル割り当てになって国際競争力なくなるのが目に見えてる。だったら、周波数離隔が十分に取れて国際割り当ての1.9G/2.1Gと同じ構成になり、それらと同程度のコストで同程度の性能の出せる700+900ペアの方がずっといいと思ってたんですけどねぇ。ドコモだけはこの利点に気づいていたっぽいのに、引っ込めちゃったのかなぁ。

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