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そういえばありましたね、プッシュトーク(某記事コメントより)。と言うことで、今日は単なる懐かしい話。

Push To Talk(PTT)ってのが、流行りました。一時期。大昔にやっていたこのサイトのの前身の前身くらいのサイトで一度書いた記憶がありますが、あれって、一時は「ケータイでトランシーバ」みたいにものすごく勘違いして話が広まったんですよね。ケータイの電話機同士が直接トランシーバで通話するから通話料が無料なんだぞ、みたいな感じで。

実体は、電話機のPTTボタンを押している間に話すとそれが通話先に伝わり、ボタンを放すと相手の話していることを聞くモードに戻る、的な、なんと言うか、普通の電話みたいに耳にはりつけっぱなりで使うというよりは、古いトランシーバのような使い方、ってだけなんですよね。だからどこかの海外記事で「トランシーバ」って書かれてそれをそのまま翻訳した日本の記事で「携帯でトランシーバが実現するPTTがホット」みたいに書かれて、一部に変な誤解が広まっちゃった感じでした。

もちろんご利益はあって、普通の通話だと回線交換チャネルをずっと占有するので、時間に応じた料金がかかりますが、PTTはパケットチャネルを使ったアプリケーションの一種。なので、相手とはずっとセッションを張りっぱなしにでき、話したときだけパケット課金されるので(日本では1通話いくらの課金でしたが)、会話量は少ないけど長時間やり取りが続く、みたいな使い方に最適。また、多人数への同報もできることも特徴。

要するにトランシーバに近い使い方で、何かの作業をしながら時々指示や報告をリアルタイムで全員に伝える、みたいな用途には確かにちょうどよかったんです。

しかし日本では全然鳴かず飛ばずで終わり。ってのはやっぱりそういうユースケースを完全に読み違えていたからなんでしょうね。日本でのサービス、ドコモもauも、明らかに「グループ会話」って言うカテゴリでサービス開始。あくまで「会話」と位置づけていたので、会話に絞ったUIや端末になっていました。

でも上で書いたとおり、長い間張りっぱなしで時々指示が来る、みたいな使い方がPTTが真髄を発揮する場面。「会話(コンバセーション)」ではなく「呼びかけ(コール)」がPTTの本来の使い方だと思うんですね。仲良しグループで他愛もない会話をする、そんな用途に、発言権の取り合いになるPTTを使うのは明らかに相性が悪い。だけど、マイクロ波アンテナ工事現場で「A側アンテナ電源上げます」みたいな一言の「呼びかけ」をするにはちょうど良い、そう思いませんか?

「離れた場所で」「何らかの共同作業をしている」と言う状況が、PTTが活躍する一番の場所。もちろん、PTTはそれに特化した端末を用意すべきで、折りたたみ端末に押しにくいサイドボタンで、なんてのは論外、やはり無骨で耐衝撃性の強い端末を腰にぶら下げ、騒音下でも聞こえる大出力スピーカを備え、分厚い手袋をつけていても押せる大きなPTTボタン、そういうものにしておかなきゃならない。

で、離れた場所で共同作業っていうと、私なんかが最初に思いつくのは、先ほど書いたように長距離マイクロ波の工事とか、長距離通信路の工事とか。うん、通信インフラ屋なんですね。通信インフラ屋と言えばドコモにKDDIに。お前らまず自分で使えよ、と(笑)。

まぁどっちにしろ、そういう用途に対しても他の手段が充実しすぎていたため、流行は一過性で終わったということですね。いろいろ試してみるのは良いんですけど、やっぱり需要の矛先を間違えるとせっかくの機能が無駄になるわけで、もう少し考えればよかったのになぁと言う一言でした。

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