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2010/12/22 10:00 · 技術解説

さて、前回をお読みいただいているという前提で話をいきなり始めさせていただきます。

L2接続と対比する(?)方式として、L3接続と言うのがあります。このL3接続方式でも細かくいろいろとやり方はあったりするのですが、大雑把に言うと、接続点がIPアドレスでお互いに対向していて、利用者のIPパケットはそれぞれのIPノードをルータとしてホップしていくようなタイプです。

L3接続の場合、無線ネットワークの中を通ったユーザパケットは接続点に出る前にIPヘッダを引っぺがされて裸にされ、ルーティング情報を書き換えられてパケットを再構成され、接続点のルータからMVNOのルータへと引き渡されます。受け取ったMVNOから見れば、貸し出し元キャリア(以下MNO)ネットワークに所属するあるIPアドレスからのIPパケットのインターネットへの中継を手渡されているだけに見えるわけです。そのため、MVNOは、そのIPパケットを通常のルータ経由でインターネットに放り出すだけが仕事になります。

L2接続の場合は途中でIP化されているといったもそれはあくまでトンネルとしてのIP化であり、実際の中身は無線上のデータそのものですが、L3では、無線上を通ったIPパケットもMVNO網に出る前に一旦解体されます。そのため、厳密に無線上のトラフィックを計測することは出来ません。そのわずかな誤差分も込みで接続点で「○万円で○Mbps」と言う貸し方をするので、MNOは自分の損にならないよう、誤差の上限でトラフィックを見込むことになります。結果、おそらく1%以下の誤差でしょうが、MVNOが料金的に不利になる要素が生じます。

また、IPアドレスの割当法にも違いがあり、原則として、IPアドレスの割当はMNOのネットワークの割当装置が行うことになります。そのため、MVNOは自分でIPアドレスを厳密に管理することは出来ません。ここにもいくつか方式はあるのですが、いずれにせよ、IPアドレスの所属はMNOのネットワークになります。

この接続をどのように実現するのかと言うと、基本的に、接続点は通常のルータ対ルータの接続で、IPのルーティングを設定してあるだけです。認証についてはいくつか方法が考えられますが、代表的なものを二つ紹介します。

一つは、MNOネットワーク内の一般向け認証装置と、MVNO事業者の持つ認証装置の間に認証代理インターフェースを持つもの。MNOネットワーク内の認証装置が、ユーザ端末から認証パケットをもらったとき、そのユーザIDのドメイン(レルム)から、そのユーザがどのMVNOに属しているのかを知り、認証パケットを代理でMVNOの認証サーバに転送します。MVNO認証サーバはそのパケットで認証を行い、結果の中に割当IPアドレス候補を入れるなどして返答します。認証サーバはそのIPアドレスを自分が持っていて、かつ、他のユーザが使っていないことを確認してから、ユーザにIPアドレスを割り当てます。

もう一つの方式は、MNOネットワークの認証サーバ自身が仮想的にもう一つのドメインを持つ方法。あらかじめMVNOからすべてのMVNOユーザのID+キー+割当IPアドレス帯域を受け取って認証サーバに登録しておきます。接続時には、ユーザからの認証パケットに含まれるユーザID+ドメインとキーで直接認証を行い、自分でIPアドレスを選択して割当を行います。この方式の場合は、MNOとMVNOの間で認証代理インターフェースが必要ありません。

いずれの方式でも、MNOネットワーク内のIP関連装置には、MVNOから受け取ったIPアドレス帯域のルーティングがあらかじめ設定されている必要があるため、MVNOが自由にIPアドレスを増減させることは出来ません。一つ目の方法ではある程度割り当てるIPアドレスの指定まで出来ますが、二つ目の方法では今どのIPアドレスがだれに割り当てられているのか、と言う情報さえ知ることが出来ないことになります(そういった情報は月ごとなどの清算のときにログをまとめてもらうしかない、と言う感じ)。

その代わり、L3接続は、とにかくお手軽です。なんとなれば、MVNOは装置としては単にL3ルータだけ持っていれば良いからです。IPアドレスだけどこかから借りてきて、ユーザIDとキーを加入者受付時に割り当て、すべてMNOに丸投げしてしまえばMVNOの出来上がり。元々プロバイダをやっている業者なら、何の苦労も無くL3接続型MVNOに参入できます。ドコモ、イーモバイル、UQの回線を使ったMVNOがプロバイダ屋を中心に乱立しているのも、ほぼすべてこのお手軽接続タイプです。

と言うことで、次回最終回、「再版型とまとめ」に続きます。

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2010/12/22 10:00 · 技術解説 · 1 comment
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1 Comment to “MVNO (2. L3接続型)”

  1. […] This post was mentioned on Twitter by たくのん, 無線にゃん. 無線にゃん said: MVNO (2. L3接続型) http://wnyan.jp/209 […]

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