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割り込みエントリー。総務省が、iPhoneのフィルタリングについて問題にしているという話。

フィルタリングに関しては、法で事実上対応を必須とされてしまっていて、これはどんな弱小キャリアであっても加入者が少なくてもフィルタリング装置を設置しなければならないことになっています。フィルタリング装置ってそんなに安いものでもないし、お金のいっぱいあるキャリアなら楽かと言うとそんなことはなくて、フィルタリング装置のライセンス料が「1加入者いくら」のことが多いため、キャリアにとっては結構な負担だったりします。

「1接続セッションいくら」ではなくて加入者あたりいくら、と言う課金と言うのが、大変なんですよね。この辺、実質日本のフィルタリングシステムを独占している某社の決めた体系に従うしかないと言うこともあってキャリアも文句を言えない部分はあるんですが、その辺もいろいろ怪しいウワサはあったりなかったり。

で、iPhoneに関しては、ソフトバンクがそもそもiPhone向け接続ポイントをフィルタリング装置のないネットワークに収容している(らしい)と言うのが問題で、他社のようにネットワークで一律フィルタリング出来るような仕組みが無いことが論点です。決してiPhoneを狙い撃ちなんていう意図は無くて、どっちかと言うとソフトバンクの対応を求めているという話。

一方で、無線LANを経由して直接インターネットに抜ける通信はフィルタリング対象に出来ない問題について、クライアントでの対応を求める、なんていうニュースも出ていたりしますが、携帯電話であっても公衆無線LANなどで直接インターネットに抜ける通信は「法規制の対象外」と言うことで総務省では整理がついているようです。

しかしこうなると、そもそものフィルタリング法の意味が怪しくなってくるんですよね。ケータイで簡単に違法なサイトや犯罪に巻き込まれる危険性のあるサイトにアクセスできてしまうのを何とかしましょう、と言うのが目的のはずなのに、無線LAN経由ならべつにいーよ、と整理する根拠が分からないし、逆にそれもダメ、と止めるとなると、すべての端末メーカにフィルタリングソフトの導入を義務付けることになる。じゃぁ、PCは?ちょっと小さいPCは?PC型のAndroid端末は?スマートフォンの大きさのWindows PCは?と線引きをする基準があいまいになる。どうしようもなくなるんですね。ってことで、事実上、フィルタリング提供必須の対象は「携帯電話事業者」になるわけです。

上記携帯電話の原則提供(17条)でだめなら、提供義務(18条)でISP事業者を押さえれば何とかなる可能性はありますが、それでも問題はあります。たとえば、自宅の無線LANなら、自分でISPのフィルタリングに加入できるので問題ありませんが、公衆無線LAN、その中でも、相互ローミングしている場合や、あるいは、個人のBB回線を公衆無線LANとして使ってしまう(FON)ようなものは、18条の対象であっても提供義務を果たせていないものがあります。FON提携というとこれまたソフトバンクで、FON利用のソフトバンクWi-Fiスポットは特に携帯電話・スマートフォン向けサービスなのにフィルタリングを(求められても)提供できていない違法状態。

上記のようなパターンでは、そもそも論として技術や契約上、提供不可能なんですが、となると、法(に基づく判断基準)自体に何か問題があると考える必要さえ出てきます。あるいは、その法を厳格にしたいのであれば、上記のようなパターンに関するネットワーク構成・機能・義務に関して、事業法の立場から何らかのガイドラインを定める必要があります。はっきり言って、ソフトバンクのFONやフェムトは、この辺の事業法上のグレーゾーンそのもので、事業法がはっきりしないからこういった隙間につけこまれるし、事業法的な基準しかない上にフィルタリング法を作るから、フィルタリング法も抜け穴だらけになるわけです。

この辺は、総務省があらかじめこういった可能性が出てくることを机上で出し切れなかったことが問題だと私は思っています。世論だのどっかの事業者からの押し込みだのに押されて不完全な議論で結論を出す、と言うことが、総務省には結構あります。FONやフェムトの問題も、かなり昔からこういった「事業法上のグレー性」を指摘する声はあるし、何かの意見募集でもそういった点を懸念する声がかなり昔からあったと記憶していますが、検討せずに放置した結果、ルールが出来る前になし崩しでサービスを始めちゃった。昔なら、行儀の良い事業者ばかりで「総務省がまだ検討していない」と言うステータスなら「じゃぁもう少し待とう」と言う人ばかりでしたが、今じゃぁ「総務省が未検討?じゃぁ今が始めるチャンスだ」という事業者が増えてきているんですよね。そういった事業者のモラルに関する感度も、総務省は低すぎなんですよね。と言って、そういったインモラルな事業者に対して勝手なことをするなと顔を真っ赤にして怒ったりするんですけど。

ってことで、総務省は、iPhoneだのソフトバンクだのを目の敵(?)にするまえに、今までの検討の甘さを反省するところから始めるべきだと思います。だって、もうどうしようもないんですよ、始まっちゃったサービスに関しては。ソフトバンクを擁護するつもりもありませんが、とはいえ、こういった規制や基準に関しては、「決まらないうちにやったもん勝ち」がもはや正論なんです。特定業者への利益誘導ではなく本気で安全な通信環境を実現したいと思っているなら、もっと本気で取り組まないと。この辺を決めている部局の人ももっと増やさないと。あの程度の人数じゃぜんぜん足りませんよ。

ってことで、安易に特定業者に依存してしまうフィルタリングを考える前に、不正利用や危険利用や公衆安全を脅かす可能性のあるようなネットワークが出来てしまう可能性をまず検討・対策し、それでもどうしてもダメならフィルタリングに頼る、と言うようにきちんと「規制のかけ方の順番」を守ってほしいなぁ、と言うひとりごとでした。

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1 Comment to “フィルタリングと総務省の後手後手対応”

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