先日、iPhoneに関してKDDIとAppleの思惑について書いたところ、やっぱり多かった反響は、Appleの思惑を満たすのであればKDDIよりドコモが適切ではないか、と言うものです。
もちろんそのとおりで、おそらく何も無いところから日本の4つの3Gキャリアの中から一社を選べといわれれば、誰だってドコモを選ぶと思います。
おそらくAppleだって、まずはドコモに持ちかけたはずです。あえてシェアの低い事業者を選ぶ、なんていう戦略をとっていたとは思えないので。たとえば最大マーケットの米国では、当然のように2頭の一角AT&Tを選び、次いでVerizonを追加。2大事業者をがっちり押さえているわけですから、日本でだってドコモに売って欲しいはずです。
ただ、当時の交渉の結果、ドコモとは折り合わず、ソフトバンクに売ることにしました。と言う状況から、今度は日本で次のキャリアを選ぼうと思ったとき、やはりドコモがいいなぁ、と思うのが当然だと思います。同じWCDMAなら認証の取り直しとかなんとか言う面倒な話も必要ないですしね。
ただ、一度は折り合わなかったドコモとの交渉、そう簡単に妥結はしなさそうだなぁなんて思ってたら、一方で、iPhoneで蹴散らして瀕死のKDDIが起き上がって仲間になりたそうにこっちをみているわけですよ、きっと。あ、そういえばKDDIもLTEやるらしいし、ちょっと調べたらKDDIのほうがLTE投資計画がでかいぞ、よし、まずはコイツを押さえとこう。・・・と思っても不思議ではありません。
要するに、Apple的なネットワーク拡大戦略の一端にKDDIが引っかかった、と言う状況だと思うんですね、KDDIから出るとするなら。一方、Appleは、何も販売キャリアを限定する必要は無いのですから、さらにドコモから売っても良いんですよ。
AppleがKDDIから出したい理由としてはこんなのが考えられる、と言うのに加え、実は、それよりも強い理由を、ドコモに対して持っているはずだ、と私は考えています。
だから、今度のiPhoneが、ソフトバンク、KDDIだけじゃなくドコモから出てもおかしくないと思うんです。結局そこは、ドコモがそこまでして自社垂直統合を破壊しかねないiPhoneを欲しがっているかどうか、そこだけだと思います。なんだかだでドコモはまだ順調ですから、急ぐ理由はなく、KDDIが販売数的に成功し、収益的にも成功しているのを見てからでも遅くない、と考えていてもおかしくないとも思います。
と言うことで、次のiPhoneについては、本命→ソフトバンク&au体制、対抗→ソフトバンクのみ体制維持、穴→ソフトバンク&au&ドコモ三社同時発売!、大穴→auのみ体制へ転換ソフトバンク涙目、って感じで考えています。あくまで、ドコモから出る可能性もある、と。と言うことでiPhoneに絡む思惑の補足でした。