前回:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [11]
明るくなってからの現地からの報告が自分のところまで漏れ聞こえてきました。
明るくなっても、結局近くまで近寄れさえしない場所がたくさんあるとのこと。一応、車で回れる限り回ってみたけど、3台で手分けして6時から9時までの三時間で現認できたのは目指したうち半数程度とのこと。
そのうち停波しちゃってるやつについてチェックするも、即座に再起動できた局はゼロ。電気がないバッテリも燃料もない、線が切れてるかどうかも確認できない・・・厳しい・・・。
さらに避難所視察班からの報告もあって。
避難所の雰囲気は落ち着いているそうだけど、やっぱり、いつ携帯電話が復帰するのかと聞かれまくったらしい。あとは、充電器がないかという問い合わせ多数。さすがに配るほどの持ち合わせを持って歩いていなかったので要望だけ聞いて次に行かざるを得なかったそうだけど。
移動局による応急エリア化と充電器の配布(というか車での充電サービス)が必要です。
じゃぁ忙しいんでまたあとで。
30局ほど地図描画完了。
放送来た。
”夜を徹しての作業を行っているみなさん、大変お疲れ様です。現在の復旧状況をお知らせいたします。
”先ほど、関東・東北に置いて続けておりました、携帯電話の発信規制が全解除されました。これまで非常事態ということでお客様に大変なご不便をおかけしていましたが、これで非常事態から一つの区切りです。
”東北における停電や通信線の断線はまだ継続しており、多くの基地局が再立ち上げ不可という困難な状況はまだ続いていますが、ここからが正念場です。一刻も早く、被災地に元通りの通信を届けるべく頑張りましょう
以上社長の放送をお送りしました。
後3局でうちの局舎マッピングは終わりー。
続き:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [13]
