前回:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [06]
自家発電の燃料がやばい局舎が出てきたという話が出てきている。こんなに長時間停電しっぱなしってなかなかないからなぁ。
とりあえず近くの局舎の予備燃料を持って行こうと検討しているみたいだけど、暗くて道路の状況が分からないので出発できないみたい。現地からの情報だと、とにかく道がちゃんとあるのか分からないというレベルで被害が出ているらしい。
東京から向かうにも高速道路も使えないとか言ってるけど。
東北道は全面通行止めとかなんとか。壊れたのか、単に規制しているだけなのかまだよく分からないけど。でも、すごい範囲に被害があるみたいだから、どっか壊れててもおかしくない。
岩手と宮城がものすごくゆれたらしいけど、福島とか茨城も被害が大きいらしい。ネットで見れる震度分布だとそんなでもなさそうだったんだけど。なので、常磐道とかも使えないみたいよ。
とりあえずネットワークは(悪い意味で)落ち着いてきたみたいだけど、これから早朝の経営陣への説明のための復旧プラン作成とかに入るとのこと。運用部門と建設部門と技術部門で。って、技術部門いないし。
現状把握さえまだ不完全なのに、復旧プラン作れって言われても、ねぇ。
ずーっと作業してた、地図塗り塗り作業の結果が会議室の机どけて広げられてる。休憩中にかこつけて覗きにいってみる。
岩手の沿岸の街があるっぽいところが点々と黒塗りにされてて、宮城も同じ感じ。黒塗りは原因不明の消失ってこと。
あちこちで飛び飛びのまとまった単位が青塗りされてる。これはどうやら、地震で通信線が断絶したところみたい。
宮城とか岩手だけでなく、山形とか秋田にも結構落ちてるエリアがある。
あと、東北全県のほとんどのエリアに停電によるバッテリ切れマーク(赤塗り)が散らばってる。
要するに東北のケータイは全滅ってことですか。ほんとですか。
もちろん、ある程度悲観的な基準でつけているので、まだサービスを継続できているエリアも中にはあるみたいだけど、このままではいずれこのエリアマップに塗られたとおりに通信孤立地域が発生しちゃうことになるんだろうなー。
混雑時間帯も過ぎてきたので、とりあえず呼量監視チームはしばらく仮眠を取ってくださいとの指示。
ってことで、運用の人用の仮眠室へGO。
人数分の毛布がねぇwww死ぬwww
毛布出てきた。よかった。災害対策用パントリーにいっぱい貯蔵されてた。乾パンとかもいっぱいあったけど、それ引っ張り出すほどじゃないよね。あ、そういえば晩御飯食べ損ねた。おなかすいた。
それではおやすみなさいー。
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