前回:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [05]
引き続き、消えた基地局追跡作業。
6、7、8局目も局舎全断判定。行方不明になった時刻は16時頃だから、バッテリ切れじゃないんだろうと思うんだけど・・・。判定時刻基準で言えば「停電による局舎ブラックアウト」が原因と断定できるんだけど、実際のログは16時前に切れてるからなぁ。津波?んなアホな。
9局目に手をつけまーす。その前にちょっと休憩。トイレ。
トイレに行くついでに監視室のNHKをちょっと見てきたんだけど、なんかおかしい。行方不明者の桁が増えてる。テロップに9000人とか書いてあった気がする。さっき見たときは500人とかそのくらいだった気がするのに。
あと、海岸線が燃え盛っているヘリ中継映像。気仙沼って書いてあったけど。気仙沼ってどこだっけ。震源の仙台から近いんだっけ。
あー引きこもって対応してるからすっごい情報難民だ。
11時半~。もうすぐ9局目チェック終わり。
10局目チェック終わり。だんだん要領がよくなってきましたよ。結局、9局目、10局目の判定は「バッテリ切れ」。停電復旧を待つリストにぶち込みます。
結局、10局だけのチェックに2時間もかかってるよ。ありえない。そりゃアホみたいに応援が欲しいとか言うわけだ。
気にしてなかったけど、さっき対応説明会第二弾が開催されてさらに増員されてる。既に30人くらいいるんじゃないかな、この対応しているだけで。
そういえば埼玉南部の呼量監視の方、一応裏ウィンドウ開いて時々見てたけど、呼量はずっと変わらず。安定しているといえば聞こえは良いけど、それでもまだ6割規制が入ってるんだよなぁ。帰宅困難者がいっぱいだから当面回線は輻輳するだろうなぁ。
ってことで10局終わったよの報告をしに行ったら、とりあえず行方不明500局はすべて担当割り振り済みだから追加はなし、しばらく呼量監視をしながら休憩してて、とのこと。
日付が変わりましたー。
続き:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [07]