いや、ちょっと気になることが少し前にあってですね。
うちのすぐ近所にある個人病院なんですが、もちろんgoogleマップにはちゃんと表示されてたんですよ。長い間。
それが先日、病院名をモジったものすごい侮辱言葉で表示されてたんです。googleマップだけ。内容を見ても、24時間営業休日無し、とか表示されてて。あんまりなので間違いの報告をしたら、しばらくしてから、病院名だけは直ったんですけどね。
確実にイタズラなんですよ。それを、検証もしないでさらっと地図に載せちゃうgoogle。大丈夫ですか、と。
「利用者が参加してシステムをブラッシュアップしていきます」って思想はいいと思います。少なくとも、システムの黎明期にあっては、それよりもいいやり方はめったにないと思います。でも、googleほどインフラ化したシステムが、「みんなで編集」の窓口を鍵もかけずに開けっ放しにするのはどうかと思うんです。イタズラで侮辱語に書き換えられようとしている、一目でも目を通せば、それが明らかにおかしいと分かるのに、そうなっていない。要するに、人間の目を通していないってことなんです。
いちいち人間が判断するなんていう古臭いことをするのはナンセンスだ、って言う人も多いと思います。でも、「一流企業としての社会的責任」ってのを、もう少し自覚して欲しいんです。これはなにもgoogleだけの話じゃなくて、新興のネット企業全般に言えることですけど。ちょっと前にはevernoteが社員がファイル内容を勝手に読めるよとか規約を変えようとして猛反発を受けたり某学習塾運営の中高生向けSNS社員が個人情報を使って個人攻撃をしていたりして閉鎖したりとか。社会的な責任の欠如っていう文脈では、必ず「悪意の人」あるいは「浅慮の人」が関わってくる。そういう人を止められるのは、AIじゃなく人です。
なんでもかんでも集合知とAIに丸投げのgoogleは、社会的インフラとして信用にたる企業なのか。今は少なくともそうではないな、と、私は件の事件を通じて思ったのです。いわんや、google製AIに車を運転させるなんてとんでもない。
社会的インフラになりたがりながらも社会的責任や道義を放り出して、さて、googleは何になりたいんだろうね、というお話なのでした。
