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2010/10/7 10:00 · 事業考察

イーモバイルは、100円PCを始めた頃からきわめて安定した高い純増数を維持していて、加入者の数字を見た限りは安定した事業を営んでいるように見えます。

その一方、今年には産業活力再生特措法に基づいてイーアクセスとの経営統合を申請しています。これは資金ショートによる実質破綻と言う言い方もできます。もちろん破綻は言いすぎとしても、当初用意した現金をPC代金肩代わりでジャブジャブと使っていたわけで、タイミング的にはちょうど現金が尽きる頃ではありました。

実質的には、ソフトバンクと同じく「100%回収保証つき」の出費ではあったのですが、「貸付+割賦回収」と言う形をとらず「100%肩代わり+通信料回収」と言う形であったため、ソフトバンクのように「債権」と言う形の収入がバランスシートの左肩に乗らず、調達も持ち出しもままならなくなったものと思われます。

この辺は財務モデルと販売モデルの連携の詰めが甘かったといわざるを得ませんが、とはいえ、当初用意した現金をめいいっぱいに使って300万にも及ぶ加入者を得たことは評価できると思います。市場へのエントリー戦略としては、「いかにコストを加入者に変換できるか」が鍵で、コストばかりかかって加入者が取れないようなヘボ経営者もいることも考えれば、当初資金1000億で300万加入(1加入3万円程度)の変換率は上出来ではないでしょうか。

しかし問題は、この豊かな加入者資源(マーケット)を活かすコンテンツ(商品)が無いということ。単に加入者から通信料をもらうだけの商売は通信技術トレンドの変化に飲まれいずれ破綻してしまいます。加入者=マーケットと言うことを意識し、それを活かした新たな戦略を立てなければ、LTEやWiMAXなどの高速通信が一般的になってくると加入者漸減の時代に突入してしまう恐れもあります。

イーモバイルがこれを生き抜くには二つの方法があると思っています。一つは、徹底的に土管屋になりきってしまうということ。特にソフトバンクとの提携はそれを体現していますが、インフラ資源の足りない他社に補助的に網を貸し出す、と言うコバンザメ戦略は、今からでも十分に成り立つと思います。要するに、周波数帯域の切り売りです。

この戦略を成功させるには、もちろん十分なインフラ投資も必要ですが、他社が安価に利用できる無線モジュールも必要になってきます。簡単に携帯電話機に組み込める単一モジュール(要するにW-SIMみたいなもの)を提供したり、イーモバイルバンドに対応したRFチップの紹介や、イーモバイルバンド対応製品をテストするためのテストハウスの立ち上げなど、周波数が違うことを埋め合わせるさまざまな工夫が必要になってくるはずです。

もう一つの戦略は、自社マーケットの二周目需要を狙うこと。そもそもイーモバイルは、格安PCを目当てに加入する人が多かったわけですから、現在の加入者に格安PC販売「二周目」を提供していく。最初のPCを引き取り新しいPCを無料かそれに近い価格で販売し、その販売益(の回収を兼ねた通信料)で食っていく。

PC格安販売目当ての顧客は2年後により高速なサービスに逃げ出してしまう恐れがある、というのが問題なら、通信方式を売るというよりは、PCそのものを繰り返し格安で提供し続けると言うモデルのほうがまだ目があるような気がします。可能なら、提供するPCはすべてHSDPAモジュール内蔵PCでPCと契約を意味のある結合にしてしまうのがよりよいでしょう。永久に最新PCをレンタルし続けるモデル、と言った方が早いかもしれません。

いずれにせよ、既に飽和状態の「ケータイ」への食い込みは難しく、早めに音声系は切り捨ててしまって何か「別の商品」にくっついていくコバンザメ作戦が、イーモバイルに求められているのではないかと思います。

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2010/10/7 10:00 · 事業考察 · (No comments)
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