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2011/9/22 10:00 · ニュース解説

申請はmmbiの1社、V-Highマルチメディア放送のソフト事業者と言うニュースに関して、マルチメディア放送も実はつまずきかけているんじゃないでしょうか、と言うご質問をいただきました。

実際、ソフト事業者として合計8社の枠を設定して募集したにもかかわらず、応募したのはハード事業者のmmbiだけと言う結果、これは市場の熱がすっかり冷めてしまったんじゃないかと言う見方をしてしまうのも仕方がありません。

これにはいくつかの理由が考えられます。まず、本当にマルチメディア放送がビジネスになりうるのか、まだ全く見通しが立たない現時点で参入に踏み切れないからではないか、と言うもの。最も保守的な見解として。

そりゃ、(携帯電話の周波数のように)確実に金になると分かっているのなら、必至で枠を取りにいきますが、このソフト事業はまだ誰も踏み込んだことの無い領域。どちらかと言えば携帯電話のコンテンツプロバイダに近いところ。ある日、「iモードと言う情報を有料で配信するシステムを作るので、コンテンツ作りたい人集まってくださーい」と突然誰かが言い始めて、おっ、そりゃ儲かりそうだ、と飛びつけるかどうかです。iモードに対応した機器がまだ世の中に一台も出ていない段階で。

しかもマルチメディア放送の事業者は一応認可事業、だめそうだからやーめた、ってことを簡単にやっていいものではありません(ケンカ上等で平気でやっちゃう人もいますけど)。なので余計に及び腰にならざるを得ないでしょう。

一方、うがった見方をすれば、mmbiの方式、ISDB-Tmmのシステム的な部分をよくよく調査した結果、こんなの商売になるか、とそっぽを向かれた可能性もなきにしもあらず。そもそも、なんだかだでISDB-Tmmって、現行のデジタルテレビ放送そのままなんですよね。ちょっといじくってるけど、やれることはほぼ現行そのまま。MPEG動画のキャスティングと限定された型のファイルのキャスティングだけ。地上波と全く同じ。じゃぁ、普通の地上波でやってもいいじゃん、と。むしろ、地上波と競合する分、それに勝てるコンテンツを作らなきゃならない、そんなの無理じゃん、と。

選定当初から、私は「純IP放送」のMediaFLOと「動画限定放送」のISDB-Tmmを比べ、後者は現行テレビの再生産に過ぎず、新たなサービスを行うなら当然前者、「無線を使ったIP放送と言う新しいメディア」を興すべきだ、と主張していたわけですが、結局当局の判断は後者。その結果が、結局はハード事業者とソフト事業者が同一人物で独占という、現行テレビ放送の再生産にしかならなかったわけで。もちろんこのシステム的な理由で参入が少なかったのかどうかには疑問が残るものの、MediaFLOが当選していればまた状況は違ったんじゃないかなぁ、と思わざるを得ないんですよね。

ともかく、まずはmmbi自身による放送サービスのビジネス性と、携帯電話へのデバイスの搭載がどの程度になるのかを見極めるというフェーズが当分続くのかなぁ、というのがマルチメディア放送の現状。ドコモが肩入れしているとはいえ、ここまで肩透かしな募集結果が出ると、ちょっと今後が気になる状況なわけですが、まずはサービス開始を待ちたいところです。それでは。

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2011/9/22 10:00 · ニュース解説 · (No comments)
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