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2011/11/2 10:00 · 技術動向

WiFiオフロードはもはや各社喫緊の課題であり、もちろんWiFiスポットそのものの干渉をどうするかと言う問題はあるものの、それとは別に、どうWiFiを使われ易くするか、と言う問題が大きく立ちはだかっているように聞きます。

前にも似たようなテーマで書いたかもしれませんが、これはもう、どうしてもオフロードしたいという動機のある事業者側がいろんな仕掛けを作りこんでいかなければなりません。そんな中で、技術的に出来るかもしれないネタを漫然とぶちまけて今日の話はおしまいにします(無責任)。

WiFiオフロードをすることに対しての最大の難関は、「ユーザ」です。何しろ、ユーザがWiFiをOFFにしちゃう。これが最大の敵であるわけで、言ってみれば、ユーザを洗脳してコントロールしてしまえば全て解決します。しかし、ここではそういった野暮ったい解決策を封印した上で、何か出来ないかを考えて見ます。

まず、ユーザがWiFiをOFFにする最大の理由は、バッテリ消費です。WiFiは、リンク状態では基本的にかなりの頻度で無線回路を開いて非同期で飛んでくる無線パケットを監視しなければなりません。また、リンクしていない状態でも、APを見つけたらなるべく早く接続するために、やはり結構な頻度で無線回線を開いて監視をしています。

前にも書きましたが、無線回路は、受信のためだけに電源を入れるだけでもかなりの電力を消費します。WiFiをONにするとバッテリの減りが極端に早くなるのは、もはやどうしようもないことです。

これをどうにかする方法。まず、無線LANに繋がっていない場所でONにしたままでも消費電力が大きくならない方法、これについては、サーチ頻度を下げる、くらいしか解決策はありません。むしろ、無線LANが見えない場所でならサーチ頻度さえ下げればそこそこ効果のある省電力が可能です。

しかしもう一歩踏み込みます。いくらそのような策を講じても、ユーザが「WiFiがONだと電力食うよね」と感じていることは覆せず、ONにしてもらえないわけです。であれば、「WiFi APがありそうな場所では勝手にONになる」「なさそうな場所では勝手にOFFになる」みたいなことが出来れば、ユーザがONだOFFだを意識しなくてもよくなります。むしろこれが出来れば「ユーザによる強制WiFi OFFをソフト的に封じる」くらいのことさえ考えられるわけです。

そういうことはどうすれば出来るでしょうか。ある場所にWiFiがあるかどうかを知る、これには、たとえばGPSで位置を確認し、その位置と、端末がローカルに持っている「WiFiスポットデータベース」とを照合し、近づいていたら勝手にWiFiをONにする、なんていうソリューションが考えられます。これは実に簡単。

ただしこの方法でも、結局は「GPSで確認」と言う電力消費があります。GPSも、WiFiに劣らず電力を食います。それはもちろん「受信のために無線機をONにするから」です。このGPS方式は一つの解決策ではありますが、ではさらにそのGPSさえ封印してみましょう。

他に端末に残っているのは、と言うと、そう、3Gなどの携帯電話回線ですね。そして都合の言いことに、携帯電話回線の方は、待ち受けのためにどっちにしろ数秒に一回のペースで無線機をONにして呼び出し情報を確認するということを必ず行っています。さらには、基地局のカバーエリアをまたいで移動した場合はさらにたくさんの情報受信を自動で行います。

つまり、「移動したら自動で確認する」が、携帯電話システムに自ずから備わっているわけです。これを使わない手はありません。

要するにこうです。WiFiスポットのある付近の基地局から送信している、端末への常時通知情報(報知情報)に、何らかの形で「近くに対応したWiFiスポットがあるぞ」と言う情報を乗せておきます。端末は通常時はWiFiはOFFです。端末が移動して捕捉している基地局が変わった場合、端末は自動でその基地局が送信している報知情報をチェックします。そこにもし「WiFiあり」と言う情報があれば、即座にWiFiをONにするわけです。

もちろん携帯電話の基地局のカバーエリアのほうがWiFiよりもはるかに広いので、実際には見えない位置からWiFiがONになってしまうきらいはあります。しかし、少なくとも「こういう仕組みです」と説明して、ユーザに自動WiFiを受け入れてもらえる可能性は高いでしょう。あるいは、基地局から「あるぞ」信号を受けたらその段階でさらにGPS測位を行って確度を上げる、と言う二段階アプローチもあるでしょう。

さて、相当な無茶を書いていることは自覚しているんですが、しかし、実は、WCDMAにも、CDMA2000にも、実は既に標準の中に「他の無線システムが近くにあるよ」と通知する方式が定義されています。実際、デュアルシステム対応端末などが、WCDMAとLTEの間、CDMA2000とLTEの間、などなどを行き来するためにこの情報が使われています。この仕組み、それぞれシステムごとに対応状況は違うのですが、大雑把に「WCDMA、CDMA2000、GPRS、GSM、LTE、WiMAX」あたりが対応されています。

はい、その通り。WiFi、入ってないんです。当然、WiFiのための情報コンテナを改めて標準で定義しなければなりません。しかし、既に自分とは全く関係ない他のシステムが近くにあるよ、と教える仕組みが備えられているわけですから、これを単にWiFiに拡張すればいいんです。あるいは、既存のコンテナで絶対に使わないであろうものを無理やりWiFiに読み替える、なんていうことも不可能ではないでしょう(端末は特注になりますが)。

と言うことで、こういう解決策もあるよ、と言いつつ、案外端末自前測位+自前データベースによるON/OFFが一番手っ取り早かったりするかも、なんて思ってたりするわけですが、今日は(技術的に)どうやったらWiFiが使われ易くなるかを考えてみました。でわ。

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2011/11/2 10:00 · 技術動向 · 1 comment
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1 Comment to “WiFiオフロードを実現する仕組みはあるか?”

  1. […] http://wnyan.jp/2678 37:SIM無しさん:2011/11/28(月) 18:34:50.56 ID:dCJJqKsU:37 […]

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