4Gの次の5Gって話がすでに出始めています。これがどんなものになるのか、って話。
実はまだ5Gの明確な要件はまとまってないんですが、大体いろんな会社がどんなものになるかを想定してそこに向かって技術展示を始めているのが今の状況ですね。Wireless Japanとかでも結構出てました。
ポイントは、今のLTE-Aではカバーしきれない需要を拾い上げるための技術、というところになりそうです。今のLTEでカバーできないのはどんなところか?というと、例えば、Gbpsをはるかに超える高速通信とか、1ms以下の超低遅延とか、M2M向けの超多数接続&超低電力、という辺りをどの開発者も狙っているみたいですね。
それが具体的にどんなインターフェースを生むのか?という点については、残念ながらまだ予測できません。ただ、なんとなくですが、「超高周波の活用」と「超短時間バースト」あたりがキーになりそうな感じです。
ただね、実のところ、こういった需要ってどのくらいあるの?という疑問がわくんですよ。
いや、需要があるのはわかってるんです。今後、5Gのシナリオで描かれている需要はアホみたいに増えるだろうことはわかってるんですよ。ただ、それを現実に落としたときの「5Gの」需要があるかどうか、ってことなんです。
超高周波活用。これは、セル半径が著しく小さくなることを意味します。
超短時間バースト。これも、セル半径に強い制約をかけます。
超低電力という点でも、行き着く先では有効セルを狭くせざるを得なくなるでしょう。
セルが小さくなる。否応無くセルが小さくなっちゃうんです、5Gでは。そうすると誰が困るって、ぶっちゃけ、通信事業者ですよね。設計が大変なのはもとより、セルが小さいのにM2M的な超ロングテールの需要をカバーしなきゃならない=カバレッジホールを許容できないシステム、局数(=ロケーション数)は指数的に増えていきます。
にもかかわらず、収益への貢献は小さい。残っているフロンティア=超ロングテールの領域は、要するに「LTEを使うほどじゃないんだけど」って領域。月額100円なら払ってもいいけど月額5000円はありえない、って領域が取り残されているわけです。従来よりも指数関数的に増大する基地局にかかるコストと、月額100円程度のロングテールの獲得、天秤にかけて、まともな事業者なら投資しませんって。だったら、LTE-Aの束ねるキャリア数を増やして「超高速」の部分だけを突出させ、月額数万円を出せるレベルのヘビーユーザを囲い込んでいったほうがはるかに効率的なんです。あるいは、そんなヘビーユーザがたむろしているような場所だけ限定的に5G投資する、とか。
てな感じで、私は5Gに関してはあまり期待していないというか、絵に描いた餅感をどうしてもぬぐえないのですが、過去にもLTEに対して似たようなことを言った記憶があるので、ぜひともこのコラムを「最強の逆予想」としてがんばってくださいね~>メーカ、事業者諸氏
