スマートフォン 表示
メールフォームでよろづ質問受付中
スマートフォン速度統計への人柱ご協力をお願いします。
2011/12/27 10:00 · ニュース解説

iOS 5.0.1で気になるバッテリ駆動時間は伸びたか?という記事に関して、「緊急地震速報を切るだけでバッテリ持続が大幅に伸びたと書いてあるが、緊急地震速報の本来の仕組み上は影響がないはずでは」というご質問をいただきました。

えーと、しょっぱなから種明かししますが、記事で扱っているのは、ソフトバンク版のiPhoneですね。ソフトバンクのネットワークはダイナミックな緊急地震速報に対応していないみたいです。つまり、無線チャネル的には、緊急地震速報を常時送信している状態。単に、地震がないときは空っぽにしてあるだけで、無線チャネルは開きっぱなし。なので、それに対応する端末も、緊急地震速報用のチャネルを常時受信しています(常時といってももちろん一定間隔の間欠受信ですけど)。

というような話はこちらの記事の追記で軽く触れているのですが、緊急地震速報を実現する仕組みであるCBSシステムというのは元々は全員で同じ情報を一斉受信するための仕組みで、受信設定してある端末は、このチャネルがある状態では常時見ていること、というのが本来の動作なんですね。

ただこれではあまりにバッテリ持ちが悪い。一方、このチャネルが設定されているかどうかというのは別の報知情報という同じく一斉送信情報の中に含まれていて、だったらこの報知情報の中のCBSのON/OFFをダイナミックに変えてやればいいじゃない、というのがドコモのアプローチ。報知情報がダイナミックに変わるときは自動的にページング(呼び出し)が出ることになっているので、通常の待ち受け状態の端末でもその変化を知ることができ、ゆえにバッテリ持ちに一切影響なく緊急地震速報を実現できるということになります。さらに、ドコモでは最近は新しいETWSを採用していて、これは上記報知情報に直接地震速報を載せるタイプのため、CBS用のチャネルを見に行く必要さえなく速報性が大幅に高まっています。

一方、auのCDMA2000では、BCSMSというSMSの強化版のような方式を採用しています。もともと、CDMA2000のページングチャネルというのは、なんだかいろんな下り向け情報を載せられるようにできていて、実は通常SMSもページングチャネルで送れるようになっているみたいです(いろいろ調べてみた結果)。まぁそれは余談としても、BCSMSもSMSと同じようにページングでトリガをかけるので、やはり通常の待ち受け状態と全く同じ状態で緊急地震速報を待ち受けることができ、バッテリへの影響は皆無です。

そんなわけで、標準仕様をうまく組み合わせてバッテリ影響を回避したドコモや、標準上バッテリ影響が皆無のCDMA2000を使うauに比べ、ソフトバンクは「標準の流用としての緊急地震速報」を本当に標準のままで使っているために、機能をONにしておくだけで何倍もの無線電力を使っていることになります。

消費電力の話でも書いた通り、無線機の消費電力というのはおそらく密度でいえば携帯電話機の中では断トツ、それが、頑張って頑張って受信タイミングを超短くして低消費電力化したのがページングチャネルの間欠受信というシステムなんですが、CBSの常時受信なんてのはそんな努力を根底からぶっ壊すようなシステムなわけで、そりゃこれをON/OFFするだけで消費電力はあほみたいに違ってきます。

ということで件の記事での低消費電力化、緊急地震速報をOFFにする、という対策はソフトバンク版だけに有効な対策なのでご注意。au版は緊急地震速報をOFFにしてもバッテリ持ちは変わりませんのでOFFにしないようにしてください(au版ってそもそもOFFにできないのかな?)。

tweet TWEET

[Tweet]

2011/12/27 10:00 · ニュース解説 · 1 comment
Written by


ケータイニュース.net
当サイトのニュースチェック用情報収集ポータルをコメント機能付きで開放中。

1 Comment to “iPhoneのバッテリ駆動時間対策に関するご注意(?)”

  1. […] iPhoneのバッテリ駆動時間対策に関するご注意(?) | 無線にゃん、やはり通常の待ち受け状態と全く同じ状態で緊急地震速報を待ち受けることができ、バッテリへの影響は皆無です。 そんなわけで、標準仕様をうまく組み合わせてバッテリ影響を回避したドコモや、標準上バッテリ影響が皆無のCDMA2000を使うauに比べ、ソフトバンクは「標準の流用としての緊急地震速報」を本当に標…はてなブックマークより […]

コメントをどうぞ

※ 次のタグが使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA