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2010/12/25 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

モバイルの利便性向上を追求、トラフィック分散のために固定事業者と組む
組むも何も、固定事業者であるイーアクセスと経営統合したんじゃなかったんでしたっけ(苦笑)。イーモバイルが受けているのは、利便性云々よりも、「契約すればPCが4万円引き」ってとこなんですよね。なんで、機種によってはタダでPCが手に入る。自宅にインターネット回線を持たない人が、回線契約のついでにPCがタダ同然で手に入る、ってんだから売れているんですよね。なので「多分、その9割以上は固定回線を持っているはずだ。」と言う見通しはおおはずれだと思います。わざわざ工期も料金もかかる固定BB回線を引いている可能性のほうが低いはず。むしろ、「WiFiで自宅機器すべて共有できるので固定BBの手間や料金が不要ですよ」、と売り場では喧伝しているわけですから、固定と組んでトラフィックを逃がす、と言う目論みは、ちょっと無理があるように思います。要するに、自ら最繁時間を集中化するような売り方(固定代替訴求)をしているんですから。かといって、売り方を買えればとたんに売れなくなるんでしょうけど。売り方とトラフィックに関しては痛し痒しと言ったところでしょうか。

イー・モバイル、Android 2.2搭載で通話もできる「Pocket WiFi S」
どこからどう見てもスマートフォンそのものなのに「Pocket WiFiの後継機です」と言い張る姿がかっこよすぎ。なんつーか、ふつーに、ローエンドのAndroidスマートフォンですよね。まぁ、Pocket WiFiって言う製品自体に、発展性がないですからね、その機能性を考えると。となると、発展させた後継機を出そうと思ったらおかしな方向に行くのも分かります。ただ、この手のモバイルルータが(スマートフォンのテザリングではなくて)一定の支持を受けるのは、やっぱり「手軽さ」なんですよ。メカニカルスイッチ一つで即座につながる、即座にWiFiエリア化する、ってところ。それを考えると、この製品、思いつくだけで「メカキーでレジュームする」「タッチパネルでロックを解除する」「ウィジェットでテザリングを開始する」「誤操作しないよう操作ロックをかける」と言う手順が必要です。加えて、テザリング中は必要のないソフト(OSや常駐ソフト)も走っているので、ハード的にルータ機能だけを実現していた旧来ルータに比べれば消費電力の無駄も多いはず。ちょっと、これを「モバイルルータです」と売るのは厳しいですね。まぁそういうありえないような売り方だからこそ、他社スマートフォンと競合せずに変な売れ方をするのかも知れませんが。

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2010/12/25 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

野村総研、モバイル市場はスマートフォンでV字回復と予測
モバイル市場が縮小してきた背景には、端末の分割払い、あるいはそれに類する分割相当割引による端末買い替え期間の拡大と、そもそも、新しい端末に買い換える動機付けとなるような新しいサービスが登場しなかったことにあると考えられます。そのように考えると、端末買い替えの動機付けとして、全く新しいUIを提供するスマートフォンは、大きな転換要因となるのは事実だといえます。

実際、ある程度ケータイに詳しい人の間では、スマートフォンが日本で流行るとは言われていませんでした。その理由が、当初のスマートフォンの定義付けにもよるものだと考えられます。当初、スマートフォンは、PCと同じWEBサイトを閲覧でき、PCと同じように自由にアプリケーションをインストールし、PCと同じようなカスタマイズ性を持った高機能電話機とされていたからです。

実に、このすべてが既存の「ケータイ」で実現できていたことなんですよね。しかも、スマートフォンよりはるかに簡単に。待ち受け画面にさまざまなアプリを貼り付けてカスタマイズしたりメニューやフォントを総入れ替えしたり、あるいは何万と言う公式アプリと何十万と言う非公式MIDPアプリから好きなものを選べる状況で、大抵の要求はアプリを自力で探して満たすことが出来る。WEBサイト閲覧にしても、フルブラウザで多くのスマートフォンさえ対応していないFLASHにも対応している。はっきり言って、機能の面では既存ケータイの優位は明らかだったんです。

しかし、意外なことが起こったのは、スマートフォンを自称するiPhoneが、いわゆるそれまで一般の「スマートフォン」とは全く逆のことをやったところから。アプリは公式からしか落とせない、ブラウザもお仕着せブラウザのみ、待ち受けのカスタマイズはアイコンの並べ替えだけ、と言うように、徹底的に機能を削り、その代わり、タッチオンリーでどこまで「説明無しで」使えるか、と言うUIのブラッシュアップに注力しました。

結果この試みは大成功し、それとともに、スマートフォンの定義が根底からひっくり返りました。つまり「ケータイよりカンタンで直感的なUI」がスマートフォンの代名詞になってきたのです。「スマート」の定義も、単に「賢い電話機がドキュメントもアプリも何でも解釈できる」と言う意味から、「賢い電話機がユーザの操作上の不便をカバーしてくれる」と言う意味に近くなっているように思います。

こうなると、Windows Mobileなどの古いスマートフォンは、もはや「古典的スマートフォン」と呼びなおさなければならないと言えます。古典的スマートフォンはまさに「PC的自由度と煩雑性」の同居であったのに対して、現代スマートフォンは「シンプルと統一とある程度の自由」がそのテーマといえます。iPhoneに対する後発であるAndroidも、完全に同じ方向を目指していますし、Windows MobileでさえWindows Phoneと言う形で自由度を制限してUIの統一を図ったタイプへとシフトしようとしています。

要するに、iPhoneは、物理学における量子力学登場的な役割を果たしたと言えます。スマートフォンの定義に大きな転換点を作ったわけです。しかし、だからと言って古典物理学が不要にならなかったように、古典的スマートフォンもまだ需要はあると私は考えます。ただし、その古典的スマートフォンの需要は全く増えていません。つまり、「スマートフォンは日本で流行るか?」と言う命題に対して、「(古典的)スマートフォンは依然として流行っていない」と答えることも可能だと考えます。個人的には、この古典的スマートフォンが完全に見捨てられた状況は、あまり好ましくないなぁ、なんて思っています。

と言うことで、現代スマートフォンの「新登場」とその隆盛でモバイル市場は再び活性化している、と言うのが、スマートフォンで市場が再活性と言うニュースのキモなのかなぁ、と。決して、古いタイプの何でもできるぞーなスマートフォンが突然市場に受け入れられたというわけではないということです。結局、市場が求めているのは今も変わらず「誰かにお仕着せしてもらえるサービス」なんだよー、とコメントしておきたいと私は思うのです。

と言うことで、スマートフォンによる市場回復についての一言でした。

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割り込みエントリー。総務省が、iPhoneのフィルタリングについて問題にしているという話。

フィルタリングに関しては、法で事実上対応を必須とされてしまっていて、これはどんな弱小キャリアであっても加入者が少なくてもフィルタリング装置を設置しなければならないことになっています。フィルタリング装置ってそんなに安いものでもないし、お金のいっぱいあるキャリアなら楽かと言うとそんなことはなくて、フィルタリング装置のライセンス料が「1加入者いくら」のことが多いため、キャリアにとっては結構な負担だったりします。

「1接続セッションいくら」ではなくて加入者あたりいくら、と言う課金と言うのが、大変なんですよね。この辺、実質日本のフィルタリングシステムを独占している某社の決めた体系に従うしかないと言うこともあってキャリアも文句を言えない部分はあるんですが、その辺もいろいろ怪しいウワサはあったりなかったり。

で、iPhoneに関しては、ソフトバンクがそもそもiPhone向け接続ポイントをフィルタリング装置のないネットワークに収容している(らしい)と言うのが問題で、他社のようにネットワークで一律フィルタリング出来るような仕組みが無いことが論点です。決してiPhoneを狙い撃ちなんていう意図は無くて、どっちかと言うとソフトバンクの対応を求めているという話。

一方で、無線LANを経由して直接インターネットに抜ける通信はフィルタリング対象に出来ない問題について、クライアントでの対応を求める、なんていうニュースも出ていたりしますが、携帯電話であっても公衆無線LANなどで直接インターネットに抜ける通信は「法規制の対象外」と言うことで総務省では整理がついているようです。

しかしこうなると、そもそものフィルタリング法の意味が怪しくなってくるんですよね。ケータイで簡単に違法なサイトや犯罪に巻き込まれる危険性のあるサイトにアクセスできてしまうのを何とかしましょう、と言うのが目的のはずなのに、無線LAN経由ならべつにいーよ、と整理する根拠が分からないし、逆にそれもダメ、と止めるとなると、すべての端末メーカにフィルタリングソフトの導入を義務付けることになる。じゃぁ、PCは?ちょっと小さいPCは?PC型のAndroid端末は?スマートフォンの大きさのWindows PCは?と線引きをする基準があいまいになる。どうしようもなくなるんですね。ってことで、事実上、フィルタリング提供必須の対象は「携帯電話事業者」になるわけです。

上記携帯電話の原則提供(17条)でだめなら、提供義務(18条)でISP事業者を押さえれば何とかなる可能性はありますが、それでも問題はあります。たとえば、自宅の無線LANなら、自分でISPのフィルタリングに加入できるので問題ありませんが、公衆無線LAN、その中でも、相互ローミングしている場合や、あるいは、個人のBB回線を公衆無線LANとして使ってしまう(FON)ようなものは、18条の対象であっても提供義務を果たせていないものがあります。FON提携というとこれまたソフトバンクで、FON利用のソフトバンクWi-Fiスポットは特に携帯電話・スマートフォン向けサービスなのにフィルタリングを(求められても)提供できていない違法状態。

上記のようなパターンでは、そもそも論として技術や契約上、提供不可能なんですが、となると、法(に基づく判断基準)自体に何か問題があると考える必要さえ出てきます。あるいは、その法を厳格にしたいのであれば、上記のようなパターンに関するネットワーク構成・機能・義務に関して、事業法の立場から何らかのガイドラインを定める必要があります。はっきり言って、ソフトバンクのFONやフェムトは、この辺の事業法上のグレーゾーンそのもので、事業法がはっきりしないからこういった隙間につけこまれるし、事業法的な基準しかない上にフィルタリング法を作るから、フィルタリング法も抜け穴だらけになるわけです。

この辺は、総務省があらかじめこういった可能性が出てくることを机上で出し切れなかったことが問題だと私は思っています。世論だのどっかの事業者からの押し込みだのに押されて不完全な議論で結論を出す、と言うことが、総務省には結構あります。FONやフェムトの問題も、かなり昔からこういった「事業法上のグレー性」を指摘する声はあるし、何かの意見募集でもそういった点を懸念する声がかなり昔からあったと記憶していますが、検討せずに放置した結果、ルールが出来る前になし崩しでサービスを始めちゃった。昔なら、行儀の良い事業者ばかりで「総務省がまだ検討していない」と言うステータスなら「じゃぁもう少し待とう」と言う人ばかりでしたが、今じゃぁ「総務省が未検討?じゃぁ今が始めるチャンスだ」という事業者が増えてきているんですよね。そういった事業者のモラルに関する感度も、総務省は低すぎなんですよね。と言って、そういったインモラルな事業者に対して勝手なことをするなと顔を真っ赤にして怒ったりするんですけど。

ってことで、総務省は、iPhoneだのソフトバンクだのを目の敵(?)にするまえに、今までの検討の甘さを反省するところから始めるべきだと思います。だって、もうどうしようもないんですよ、始まっちゃったサービスに関しては。ソフトバンクを擁護するつもりもありませんが、とはいえ、こういった規制や基準に関しては、「決まらないうちにやったもん勝ち」がもはや正論なんです。特定業者への利益誘導ではなく本気で安全な通信環境を実現したいと思っているなら、もっと本気で取り組まないと。この辺を決めている部局の人ももっと増やさないと。あの程度の人数じゃぜんぜん足りませんよ。

ってことで、安易に特定業者に依存してしまうフィルタリングを考える前に、不正利用や危険利用や公衆安全を脅かす可能性のあるようなネットワークが出来てしまう可能性をまず検討・対策し、それでもどうしてもダメならフィルタリングに頼る、と言うようにきちんと「規制のかけ方の順番」を守ってほしいなぁ、と言うひとりごとでした。

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2010/12/20 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

WiMAX、3G、Wi-Fiを使い分ける定額通信サービス
auのアレを使った法人向けサービスかなーと思ったら記事中に「1台の端末でWiMAX、3G(CDMA)、公衆無線LAN(Wi-Fi)の三つを使い分けることができる法人向け定額データ通信サービス」と書いてあってびっくり。なんですとー、と思って実際にケイオプティコムのビジネスモバイルページを見に行ったら、やっぱりauのDATA03/04で。???と思ってよく見たら、やっぱりしっかりと「WiFiアダプタは別途用意してください」と書いてあって。要するに記事が間違ってたわけですが、こういう、サービスのあり方自体に影響のある間違いはやめて欲しいですね。PCのアプリレベルで連携できるか、同じ端末に入っていてドライバレベルで連携できるか、と言うのは極めて大きな使用感の違いにつながるんですよ。と言うことで、トリプルモード端末、早く出ないかなー。ついでに言えば、バッテリも内蔵しててスイッチ一つでCDMA/WiMAXデュアルなモバイルルータにもなるのが希望。出たら100%買っちゃうぜ。

アイ・オー、データ通信端末を装着できるモバイルルーター
DATA01対応のモバイルルータキターーーー!!!!!・・・と思ったら、動作するのはCDMA回線のみですって。まぁ、中身はどうもUSBハブったCDMAモデムとWiMAXアダプタでドライバで騙してデュアル動作させているだけっぽいという超変則デバイスなので、一般のベンダが対応するのは難しいですよね。どうしてドライバで騙すところまで気合で作りこんでPCからは単なるイーサネットアダプタに見えるように作らなかったのか。そうでなくとも、「騙す部分」のドライバのソースコードくらい提供してあげれば、デュアル動作するルータに仕上げることも出来たと思うんです。イーモバとかは結構積極的に提供しているんじゃないかなぁ(実際はHuaweiとかが協力してるんだろうけど)。auのユーザ満足度No.1宣言とはなんだったのか。ユーザってのは、直接の顧客だけじゃないんですけどね。こういう、自社製品をより便利にしてくれる機器を開発する第三者も広い意味で「ユーザ」なんですけど、そういう視点を持てる企業とサービスは成長するし、持てない会社は没落するってことなんですよねぇ。とはいえ、CDMAだけとはいえ動作するのはちょっと良いですね。CDMAもそんなに遅いものでもないし。それだけに1.5万円は・・・ギリギリ悩むところだなぁ。もう少し悩みます。その間に安くなるかデュアル動作対応したりすれば言うことなし、ってことで。

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2010/12/20 10:00 · ニュース解説 · 1 comment
2010/12/19 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

「ひかりTV」対応のHDD内蔵ダブルチューナー「IS1050」レンタル提供開始
この手の特定の放送を見るために特化したSTBでHDDを内蔵することが増えてきていますが、私はあまり筋がよくないなぁ、と思っています。いや、一般のレコーダで連携録画できないことを考えればずいぶん便利なんですが、何がよくないかって、HDDが固定されてるってこと。まずHDDの容量なんてあっという間に陳腐化します。我が家にも当時としては最先端だった250GB HDDのBDレコーダがありますが、お話にならないほど容量が足りない。これが500になってもたいした違いはないと思います。かろうじて、BDにムーブできるので我が家は運用できていますが、それも出来ないSTB、しかもSTBであるゆえに買い替えも出来ないし選択肢もない、これは、全く使い物にならないと私は思います。STBで録画対応するのなら、他社互換の外付けHDDがベストなんじゃないかと。もちろん内蔵HDDを否定はしません、しかしそこに加えて外に書き出す仕組みがないと、ちょっと見るのをサボるとあっという間に運用不可能な事態に陥ってしまいますよ。えぇ、サボるんですけどね、私。

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2010/12/19 10:00 · ニュース解説 · 1 comment
2010/12/18 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

GoogleのFTTHプロジェクト、試験対象コミュニティの選考に遅れ
あら、この一連のニュース、チェックしてなかった。そうなんですよねー、意味不明な意見広告を出したり政治家を焚きつけたりなんていう口先だけの活動じゃなくて、こうやってきちんと行動を起こし、実績を見せれば、まだ信頼できるんですけどね。「NTT以外は光回線を整備しちゃダメ」なんていう法律は無いんだから、やりたいと思えばやれば良いじゃん、ってこと。NTTは税金で取得した資産を使えるから公正じゃないとか騒ぐのも筋がおかしくて、つまりそれは「ソフトバンクは株式で他人から調達した資金でインフラを作れるから公正じゃない」って言っているのと同じくらいおかしなことなのよ。NTTは国営時代に税金で整備された分をすべて資本に換算して、それに相当する分を株式の形できちんと国に返しているんです。もう清算済み。国がその株式を市場で処分しないから現金の形にならないだけで、時価で言えば何十倍にもして返納しているのと同じなんです。その上で、「NTT自身の信用」で増資した資本を元手に将来のための投資を行って、今のインフラがある。この辺、勘違いしている人多いんだよね。

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2010/12/18 10:00 · ニュース解説 · 1 comment
2010/12/15 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

リンケージ、1400mAhバッテリー内蔵のACアダプター
んー、大きさは85×55×20mm、重さは81g、持ち歩くACアダプタとしては少し大きいですよね。今、持ち歩きように超小型のUSB給電型アダプタを所有しているわけですが、これが25g。ざっくりと3倍、大きさもちょっとしたケータイ並み、なわけで、持ち歩き用にはちょっと厳しいかもしれません。うーん、鞄のオーガナイザを見直して、持ち歩き機器のサイズの見直しを全面的にやってみるかなぁ。しかしエネループで交換しながら充電し続けられる環境も捨てがたいんだよなぁ。

先行するApp Store、20万超のアプリが公開
登録数20万件以上、事実上世界最大のアプリ市場となったApp Store。やはりプラットフォーム商売は先行逃げ切りが一番有利な戦法で、後から追う側はまず差別化を考えるしかない、と言うことで、大きく先行したiPhoneがやはり世界的には一番有利なプラットフォームと言えそうです。Androidがここに食い込むのはかなり難しいんじゃないでしょうか、いくら機種の魅力があっても。多種展開はアプリ市場では不利にしか働かないですし。プラットフォームとして先行していたはずのWindows Mobileは、マイクロソフトの戦略眼の無さで惨憺たる状況で、まぁあれだけアプリ開発の敷居を上げていては、そりゃ無理ですって。移動電話と言うプラットフォームではドコモ先行逃げ切り、フィーチャーフォンコンテンツでもiモードがほぼ先行逃げ切り、スマートフォンではiPhoneが先行逃げ切りの気配、さて、次のプラットフォーム商売のネタはどこでしょうか。それが分かれば大もうけできるわけですが。ご意見募集中(笑)。

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2010/12/15 10:00 · ニュース解説 · 1 comment

ソフトバンクが光の道はA案かB案か、なんていう広告を大量に出しています。WEB広告くらいかと思ったら、TVCMまで出しています。ここまで必死にやるには、裏には相当困っていることが起きているんだろうなぁ、と言うところで、いろいろな情報もでてきたので、簡単にまとめ。

まず、ソフトバンクの言っている「A案」「B案」について。A案は光が5000円で地方切捨て、整備も遅い、といい、B案は光が1000円ちょいで地方も全部整備で整備も早い、と広告しています。まずどう考えてもこの二つが比較になっていない、と言うことに気づきます。

だって、この情報だけでは、B案以外に選択肢が無いじゃないですか。それ以外に全く差が無く、この条件だけしかないのであれば、だれが考えてもB案になります。しかし国はA案を選択し、ソフトバンク以外のすべての事業者がA案に同意している。これはおかしなことです。

その根本的な理由は、B案は実現不可能な案であるから、と言うところです。ソフトバンクの投票サイトでも、なぜかA案に10%あまりの票が入っているんです。これは本来ありえないことで、それでも10%の人は、「何かおかしいぞ」と気づいているということです。

なぜB案が実現不可能なのか。それは、ソフトバンクが提出した「B案の提案書」と、NTTの提出した「光網の維持費に関する資料」を見れば分かることなのですが、簡単にまとめると、次のようになっています。

整備投資額 NTT 3.8兆円 ソフトバンク 3.1兆円 (7000億円過小見積もり)
設備保全費 NTT 3400億円/年 ソフトバンク 840億円/年 (2500億円過小見積もり)
減価償却費 NTT 3670億円/年 ソフトバンク 2370億円/年 (1300億円過小見積もり)
管理コスト NTT 2850億円/年 ソフトバンク 990億円/年 (1860億円過小見積もり)
その他省略

その他、おかしな点はさまざまあるわけですが、とりあえず一つずつ解説します。

設備投資額、その主な部分である工事費ですが、ソフトバンクは、「エリアごとに一斉工事を行うことで大幅な工事費削減か可能」と言います。これは、以前ニュースコメントでも触れたとおり、それが非現実的であることは明らかです。

工事と言うものが、事業者の都合で一方的にできるものであればそれも可能ですが、実際には、施工業者、納入業者、地権者、そして加入者のすべての都合が合わなければなりません。そして、ソフトバンクが以前出していた試算では、3件/日の工事ペースであれば日本の通信施工業者の全能力で間に合うとしていながら、工事費の見積もり試算シートでは5件/日でやるので工事費は削減できる、などと完全に自己矛盾した仮定を立てていたりします。

もちろん、何より大きいのが、加入者、地権者の都合の調整で、あるエリア内のすべての加入者・地権者の都合が一斉に都合が付けられるということは絶対にありえません。前にも書きましたが、私の近所でわずか4軒のガス管工事の日程調整に6ヶ月かかりました。ソフトバンクの「一斉工事」の前提は5件/日、これが出来るのは移動や足場などの準備・撤去にかかる時間が徹底的に削減できた場合、つまり実質隣接した区画の個宅と地権者が同時にそれぞれ5軒都合が合うことが必要で、さらにこれを365日休まずに続けなければなりません。これが実現できるのは天文学的低確率です。NTTは「仮にそれが出来たとしてもまだ7000億円過小だ」としています。

次に大きな問題が、設備保全費です。この場合、架線や電柱や基礎、そして加入者宅内配線などが事故や経年劣化などで損なわれたときにそれを修繕する費用。NTTは3400億円近くかかると言っているのにソフトバンクは840億で済むと主張し、またその主張の根拠は全くゼロです。単に「弊社ならこれが出来る」と言っているだけ。今まで何十年も架空線と電柱を維持してきたNTTと、その経験が全く「ゼロ」のソフトバンク、どちらのほうが正しい試算を出せるかは、言うまでもないでしょう。勘違いしないで欲しいのは、ソフトバンクがやっている直収電話やADSL、あの架空線も、修繕して費用を出しているのはNTTです。ソフトバンクは1円も出していませんし、修繕のためにどんな工事をするのかさえほとんど知らないというレベルのはずなんです。

そしてこの設備保全費、個人的には、NTTの試算も甘いのではないかと思っています。何しろ、光ファイバが本格的に普及し始めてまだ数年。いわゆる「バスタブ曲線」の底がまだ見えていない状態です。実際に空中に架線した光ファイバの故障率がどのような曲線を描くのか、実はNTTでさえ知らない可能性があります。となると、仕様どおりに「20年の平均故障期間」で見積もっている可能性もあります。しかし、空中架線は光ファイバにとっては過酷な条件です。特に地震や台風の多い日本はシビアな環境です。実は故障率は大きくうわぶれするのではないかと私は思っています。

減価償却費もほぼ同じ話で、ソフトバンクは機器の耐用年数を過大に見積もっています。一般的には6年、特に陳腐化や故障の少ない機器で9年といわれる通信機器の世界で、強引に13年に引き伸ばして試算しているため、非常に甘い数字になっています。実際には、交換局内はともかく、過酷な環境の個宅装置は耐用年数はかなり短くなると考えられます。自宅に13年も同じ光ルータが鎮座しているという状況のほうが想像が難しいですよね。

最後に管理コスト。これには、回線の管理、特に、固定ナンバーポータビリティや局間引越しなどに関わる加入者番号管理などが大きなコストがかかっているわけですが、ソフトバンクは「弊社実績です」と回線あたりのコストを過小に見積もっています。ソフトバンクは、今までに一度たりとも、NTTのような管理をやったことがありません。すべてNTTまかせです。日本の固定電話番号は原則すべてNTTが管理し、事業者間移管や局間移管や収容変更などすべてNTTがやっています。NTTにこういったもろもろの面倒な作業をすべて押し付け、その上でかかっていた費用がソフトバンクのいう「弊社実績」になります。全く試算の根拠が間違っているわけです。

このようにして、何千億円もの費用を無視して築き上げた「案B」ですから、もしこれを現実にしてしまったら、当然、毎年何千億円もの赤字が出てしまいます。これを補填するのは、当然「国」、そして「納税者」です。そして一番得をするのは、ただ同然で光回線を借り放題の事業者です。

しかし、それにしてもなぜソフトバンクが、WEB広告どころかTV広告まで打ってソフトバンクの「架空の案」を推し進めようとするのか。これには私なりの推論があります。

ソフトバンクの案の一番の肝は、光の整備期限でも貸し出し価格でもありません。一番の肝は、「メタル線の全廃」です。現状の電話サービスとADSLサービスを提供している線をすべて廃止することに一番こだわっています。ここに特にこだわっているところから、ソフトバンクの目的が透けて見えます。

ソフトバンクは、今、ADSLの加入者を大量に抱えています。そのため、日本中のNTT局舎にADSL収容装置を設置しています。もし、メタル線が全廃と決まれば、ADSLもすべて廃止です。廃止費用・移行費用は新しいアクセス会社が負担することになっています(ソフトバンク案では)。

となるとどうなるか。ソフトバンクは1円も出さずに、ADSLサービスをやめることが出来ます。つまり、ソフトバンクの最大の目的は、「だれにも文句を言われず1円も出さずにADSLをやめたい」と言うことなのではないか、と言うのが私の考えです。

実は、Yahoo!BBに入っている知り合いから、おかしな話を聞き始めました。それは、「11月ごろから突然、Yahoo!BBの光への乗りかえ勧誘が増えた」と言うのです。一社や二社ではなく、十社近くのYahoo!BB代理店から電話があり、「工事費も無料にするし料金などの条件はすべて引き継ぐので光に乗りかえて欲しい」と営業されたというのです。

光に乗りかえても料金もほぼ引き継ぐという条件から考えれば、増収のための営業ではありません。ではなぜこういう営業を行っているのか。それはもう、ADSLを止めたいということしか考えられません。この話を聞いたときにいろいろなものが一気につながったわけです。

そう、ソフトバンクのADSLの局舎装置、そろそろ耐用期限になるんです。ソフトバンクの言う「13年」だとしても、ここ3~4年の間に耐用期限が来てしまう。これが、とにかく初期の獲得攻勢のために日本中の局舎にばら撒いた装置すべてに到来してしまう。ADSLの初期の過大投資に伴う累積損失は大変なもので会計操作で消えてはいますが実質は赤字のまんまだったと聞きますが、要するにそれと同じものが「もう一巡」来てしまうわけです。

ADSLのサービスを継続する限り、どんなに利用者の少ない地域であっても設備の更改をしないわけにはいきません。よほどの事情がない限り、事業者側から一方的に回線を切断すると言うことはできないためです。おそらくこれに大いに頭を痛めた結果、いっそメタル全廃と吼えまくってみるか、と言うのが今回の「光の道」の一件だと思っています。

ちょうどソフトバンク社長室長の嶋氏と新進党同期当選である原田原口氏が総務大臣になったタイミングで一気に仕掛けた、と言うことでしょう。で、原田原口氏の事実上更迭で一気に逆転され、今度は意見広告作戦に出た、と言うことだと思います(そうでなければ、こういった意見広告は議論の始まった今年前半から出てしかるべき)。その後原田原口氏は部外者であるにも関わらず度々議場に出てきては未練たらしくソフトバンク案を推す発言をしている模様ですが。ソフトバンクのプレゼンでは「NTTへの天下り一覧」などと個人名のリストまで掲げてWEBで公開するといういやらしいことをしていますが、政治的便宜を一番活用しようとしていたのはソフトバンク自身じゃないの?、と言うのが私の所感です。

私はこの件に関しては、どんな事情があってもソフトバンク案を認めない立場です。と言うのは、内容が嘘だらけと言うこともありますし、にもかかわらず大臣に直接接触して強引に押し込もうとしていたという手続き論的な不誠実さも際立つからです。今回タスクフォースがまともな結論を出してくれたことに一応ほっとはしていますが、万一、今後ソフトバンクの意見広告に騙された人たちが議論を蒸し返すようなことになったら大変です。それでもしソフトバンク案が採用されたら、将来的に毎年何千億円の赤字を税金で補填し続ける会社が日本の通信の毛細血管を支える、と言う通信業界の閉塞時代の到来を意味します。光、同軸、無線など多様なアクセスシステムが多様な価値観で競争し続ける社会こそが私の理想で、その多様性を潰しなおかつ自身も潰れるというソフトバンク案は全く考慮に値しません。

NTT以外の光や同軸や無線が1400円で提供できるか?・・・出来ません。しかし、NTT光だけは税金による補填で1400円で提供可能となれば、他の光や同軸や(固定目的の)無線は全滅です。光は1400円で使えるようになる代わり、「本当の光の価格」との差額を税金として負担することになります。ソフトバンクは「税金を使わない」としつこく言いますが、ソフトバンクがしつこく繰り返す部分こそ一番疑わなければなりません。赤字が出てきたら、なんだかだと議論した上で「政府が出資してるんだから」と言う理由で税金で補填と言う話になるしかないんじゃないかと思います。これは、JR民営化や郵政民営化やJAL再建のごたごたを見てればまずそうなるよなぁ、と。

そんなわけで、こんな駄文ごときでソフトバンクの意見広告に対抗できるとは思いませんが、こういう意見もありますよー、と言うことで掲載させていただくことにしました。ではー。

反論が出てるようだけど一言だけ。
携帯電話網の番号管理と固定電話網の番号・所管管理の手間と複雑さと責任は全然ちがうって。それで「携帯電話網での実績と経験が~」とか言われても、ねぇ。その他突っ込みどころ満載だけど、以前のバトルで、突っ込みを入れると論点をずらして突っ込みに答えない人だとわかっているので、無視。どっちが正しそうかは皆さんで判断してください。

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