ケータイニュース.netの携帯電話基地局数集計、基地局wikiとの間でいろいろと差があるようですがどのような集計の仕方をしているのでしょうか、と言うご質問をいただいています。
えーと、例の基地局wikiでは、周波数指定クエリで引っかかった局数、と言うとり方をしているっぽいですね。あと、必要に応じて電力を引っ掛けたり。
ケータイニュース.netでの集計は、機械的に条件なしクエリで全免許を引っ張っています。で本文解析して必要そうなデータだけ自前のDBに格納って感じです。
で、実際に表示している免許数は、DBレコード数になります。つまり、純粋な免許数、免許番号が同一のものは1つの局としています。なので、一つの局に複数のバンドが入っている、あるいは複数のシステムが入っている、こういうものは「1局」と数えています。
実はここからさらに、入っているバンド数・キャリア数などで集計をしたいと思っているんですが、思っているだけで放置しています。すみません。いや、バンドはともかく、入っていないキャリアについても一括で免許申請している例がかなり多い(というかほとんど)なので、正確な数字はどうしても出せないというのが本音なんですが。
実際、基地局って、事業者によっていろんな形態があるので、単純に免許数で比較してもそれが即「容量」の比較に供せる、と言うものでもないんですよね。いや、この辺は勉強すればするほど、局数って本当に無意味な指標だなぁ、と気がつかされるんです。
たとえば、ソフトバンクは、ちょっと昔のPHSみたいな「重箱型」の基地局が大半。これは、モノとしては、たとえば家電みたいなかなりかっちりとした作りで単機能・単能力であまり融通が利かないもの。その代わり設置スペースは極小なのでとにかく数が置ける。
一方、ドコモ・auなんてのは、「1局」と言う単位がちょっとしたデータセンターみたいなもの。一つの筐体の中に数枚~十数枚のブレードサーバが入っているようなもので、それぞれのブレードサーバがセル/セクタをさらに複数持てるような強力な処理能力と汎用的な処理系(OS)を載せたものだったりします。しかしそれでも、このブレードサーバ何枚もの集合体一式(架)を「1局」を数えます(免許上は)。ただしドコモ・auも最近は極小スペース向けに重箱型の基地局も積極的に採用しているようです(そういうものはパワーがやや小さかったりする)。
こういったものを同じ数字で比較することにあまり意味が無いなぁ、と思っていて、だったらいっそのことそこは割り切って、ケータイニュース.netで表示しているのはそういった集合体が置いてある場所、つまり「ロケーションの数」ってことにしちゃえ、と言うのが私の考え方です。ロケーションをどれだけ確保できているか、と言うのも、事業者のインフラ力の重要な指標。さらにその「ロケーション数」に「電力」を掛け算する形で「カバー率」を算出しています(実際はもう少しだけ複雑な伝播モデルを使っていますけど)。電力というのは基地局の持つ処理能力をあらわす可能性の高い指標なので、これを採用しているわけです。
ってことで、ケータイニュース.netでの基地局数集計は、ネットワーク容量と言うよりは、ロケーションの数、と言う一つのインフラ力を表したものだと思っていただければ幸いです(そういう意味で、マクロ局(鉄塔が付随するとか)の数とマイクロ局の数は別に表示してみたりしています)。でわ。
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