スマートフォン 表示
メールフォームでよろづ質問受付中
スマートフォン速度統計への人柱ご協力をお願いします。
2011/6/16 23:59 · ニュースコメント · 1 comment
U.S. Clears Google Bid on Nortel Patents
googleがノーテルの特許処分に入札するかもの話で、独占禁止法抵触の可能性ありとして審査中だったというお話、司法当局からは問題なしのお墨付きをもらったそうです。こうなると、基礎特許を持たないgoogleの対抗Appleは戦々恐々でしょうね。ノーテルと同じように通信技術の基礎特許を数多く持つノキアとの戦いで完敗したばかりで、これ以上の知財リスクは避けたいでしょうから、あるいは少々無理をしてでも入札に参加するという可能性もあるでしょう。Appleはノキアに敗れ年間数億ドルの特許料を払うことになってしまったわけで、それを考えればgoogleの入札額9億ドル以上での入札はリーズナブルだと結論する可能性も十分にあると思います。
Apple、米国で SIM ロック フリーiPhone 4を発売
そういえばこの話題について、「これって日本で使えるんでしょうか」っていう質問を頂いていて、えーと、超原則論的はダメなはずだけど、一度は技適を通過しているハードウェアと同じ設計のものなので、大丈夫なんじゃないかな。ほら、技適マークは画面表示でもOKみたいな話があったじゃないですか。技適っつっても全台検査するわけじゃなくて、携帯電話端末みたいな膨大な数が出る無線端末に対しては「設計に対して認定を出す」って言う仕組みなので、「同じ設計です」なら大丈夫そうな気がする。画面にマークを出すくらいならたいした手間じゃないだろうし、と言うか多分世界各国の認定標識を出すようにしてるんじゃないかと思うので。型式・設計が同じですよと言うことが容易に分かるのならOKじゃないかなぁ。あ、これはBTやWiFiの話。3G部分に関しては、アメリカのナントカ言う日本の技適相当の検査に合格していれば日本の技適を通過したものと見なすという協定があるので大丈夫。なはず。
TerreStar Picks Dish as Opening Bidder in Auction
あれっ、Terrestarが破綻してた?完全にニュース取りこぼしてた。半年も前に破綻してたっぽい。大体雰囲気は某ウィルコムと同じ、事業は順調に進んでいるけど目前の債務返済に目処が立たず日本で言う再生法みたいなのを申請していた、って言う感じ。で、今回、Dishって言う会社が約14億ドル(1000億円くらい?)で買うことに。Terrestarと言えば、静止衛星軌道から超狭スポットビームで携帯電話のセルを構築することで難置局エリアをカバーすると言う異色のローカル事業者。AT&Tと組んで相互にエリアを補完できる仕組みも確立し、いよいよ携帯セルも宇宙から打つ時代が来たなぁ、なんて思ってたら資金破綻とな。がっくし。私が一押ししたのが裏目に出たか。私が潰した会社リストに加えなきゃ・・・。華麗な復活を期待します。
UQ WiMAXが100万契約突破、一部MVNOで機器の割引サポートも
あー、UQもようやく100万ですか。イーモバのときは100円PCとかいうアグレッシブな施策もあって1年半ちょいでの100万だったので、それよりは鈍い立ち上がりですが、逆に100円PCみたいな釣りなしでこの期間で100万契約は結構すごいのかも。というか、モバイルインターネット需要が全く尽きる気配がないことがすごいのかも。UQが一気に伸びてじゃぁそれがイーモバのシェアを食っているのかというとそういうわけでもないし。私なんぞは趣味のオモチャと割り切ってモバイル端末を買い集めているわけですが、みんな、何に使ってんの?ほんとに。私みたいなキモい電波オタクが何百万人もいるの?ちょっとこわい。
tweet TWEET
2011/6/16 23:59 · ニュースコメント · 1 comment
2011/6/15 23:59 · ニュースコメント · 2 comments
6日ドコモの障害、位置登録信号増加の通勤時間帯に発生
こういうの詳細に発表するの珍しいですね。ドコモにしては大規模な障害だったからでしょうね。このクラスの障害を頻発している某事業者にも公表してみて欲しいところですが、そこには期待しない。さて、内容的には、軽度の障害によるわずかな負荷上昇が起こり、それが通勤時間帯だったことで大規模障害へと繋がった、と言うシナリオで合っていたみたいです。誰か褒めて。最初の障害も、ソフト更新のための一部片系切替がなぜか全部切替になってしまったと言うある意味想定外な出来事がきっかけみたいですが、時勢柄「想定外」じゃ許されない空気も強くて、次の株主総会とか大変でしょうね。
AppleとNokiaが和解、Nokiaの特許収入は年間数億ドルか
ノキアの特許ライセンスを払わないアップルに痺れを切らしてノキアが吹っかけた特許訴訟、アップル反訴するも事実上ノキアの完勝で終了。ノキアはもちろんこれで終わりですが、アップルにとってはまだまだ手ごわい相手が山ほど残っています。モトローラは既に係争中ですが、クアルコム、エリクソンという携帯基礎技術界の巨人がまだ動きを見せないのはアップルにとっては非常に不気味でしょうね。あるいはこの結果をみて、動きを決めるかも知れません。基礎技術では負けてはいない国内の雄、NECと富士通はどうするのかな。でもNEC、富士通の持ってるような基礎の基礎みたいな技術はチップにライセンス料が乗ってたりするから関係ないのかな。
アリババソフトバンクとのアリペイ売却交渉は困難極める=報道
あれ、米Yahooは和解か、って報道されてたのに、ソフトバンクが、と言うより孫先生が合意に後ろ向きだそうで。まぁ、中国での決済市場支配ってのはあまりに魅力的すぎる施策で、それがパァになっちゃうわけだから、何とか駄々こねたいというのは仕方がないですね。と言って中国政府に喧嘩売るわけにもいかないから、駄々こねるだけこねて有利な和解条件を引っ張り出したところで折れる、と言うところなんでしょう。でも相手が政府だから、早めに片つけないと「じゃぁソフトバンク持分は没収ね」なんて平気で言われかねないから、怖いんですよね、あの国。チャイナリスクってことで。
消費者庁、next media に特定電子メール法違反で措置命令
普通この手の非常識スパマーはこういった行政措置をとられる前にとっとと会社をたたんで逃げる(というか最初から会社登記しない・実体もない)のが常套手段だったんですが、ここは真面目に登記して長期的に運営していたようで、御用となりました。スパム防止法が全く実効上機能しないだろうとは作られた当初から言われていて、と言うのは上のように「実体がない」「月単位で名前を変えて逃げる」と言うことが行われていたからで、今回のように行政措置にまで至ったのは珍しい例といえるでしょうね。スパム防止法、対象を「メールの送信者」じゃなくて「メール内でURLによりリンク誘導されたサイトの運営事業者あるいはそのサイトのサーバ管理事業者」にまで広げるべき。スパム事業者に宣伝業務委託した時点でアウト、そんなサイトにサーバを貸していたレンタルサーバ屋もアウト、って感じで。第三者が嫌がらせ目的で嫌がらせ対象者のサイトのURLを書きまくってスパムしまくった場合は偽計業務妨害も適用できるって条件付きで。
ソフトバンクが携帯Wi-Fiルーター006Z発売、新料金プランも
なんとまぁ。昨日、「1.5G対応端末が増えないから1.5G活用のための苦肉の策でWiFi変換しちゃってんだな」と書いたら、今度は、1.5Gにしかつながらない専用端末&専用プランとな。ある意味新しいかも。基地局数公約のために(従来の2Gエリアを壊さないように)1.5Gの変な小型オムニセルをアホみたいに置きまくっていたけど1.5G対応端末は安くは作れず、という状況、どうせ余ってるならアホみたいに安く売っちまえ、というのが、1.5GアクセスのWiFiであり、この意味不明なプランです。いや、イーモバより遅くてエリアの狭いSBMの1.5Gとイーモバのセットをイーモバよりも高く使うくらいなら、イーモバ単体使うんですけど、普通に考えて(苦笑)。1.5Gは設計むちゃくちゃの数稼ぎ局ばかりだからエリア連続性は期待できず、イーモバエリアに頼らざるを得ないというところもあるのでしょうね。ところで、SBMとイーモバ、異なる事業者の加入者情報をUSIM一枚に入れるというのは本当に新しいやり方。電波法的にはUSIMと無線局を切り離せる問題について結構めんどくさい整理をしていたはずですが、このデュアル事業者USIMについてその辺の整理のつけ方も興味深いなぁ。誰か教えて(ガビー)。
tweet TWEET

2011/6/15 23:59 · ニュースコメント · 2 comments
Reliance Communications protests BSNL move to cut interconnection
またまたインドで謎の騒動。最大手の電話網事業者BSNLが、3番手か4番手の携帯電話事業者Reliance関連グループの携帯電話との相互接続を一方的に断ち切った模様。どうも、接続料金の話し合いがもめているようで、いくらかは既に支払われているものの、いくらかは裁判沙汰にまでなっているようで、この交渉期限が切れたことを理由にBSNLが一方的に相互接続を切った、と言うのがあらすじ。いや、接続料金でもめるのは分かるけど、いきなり切ったらだめでしょ。そこは暫定協定を、BSNL側から持ち掛けないと。一応最大手として公共インフラを維持しているわけなんだから。生活に影響のある一方的なサービス停止は、たとえもめている相手でも話し合いながら避けなきゃ、と日本に住んでいる私は思っちゃうんですけど。まぁ相変わらずインドはお役所も事業者もかなりむちゃくちゃをやる国なんだなぁ、ということで、インド進出をお考えの皆様は十分ご注意を。
探査機はやぶさがギネスに認定
あんまり関係ないんだけど、「はやぶさ」の日本への最大の貢献は、やっぱり「日本には総合的な技術力があるんだぞ」という広告塔として、だと思うんですよね。宇宙開発って特定分野で突出していてもダメ、あらゆる技術分野の技術力が総合的に高くないと進められないというもの。確かに、デジタルデバイスやソフトウェアに関しては、日本の技術は既に韓国や台湾・中国に遠く置いていかれてしまっていますが、一方、電気回路、機械工作、制御工学といった基礎的な技術は日本がまだ世界トップクラス。それを世界に発信する広告塔が「日本の宇宙開発」だと思うんですよ。決して短期的・中期的な利益を求めるのが目的じゃなくて。もちろんそれに付随して、そういった基礎技術を「継承していく」と言う意味で、宇宙開発を途絶えさせてはならないとも思うわけで。それは基礎技術どれに対してもいえることで、「一旦やめます」と言った技術は、後でどんなにカネを注ぎ込んでもまず元通りには復活しない。かなり後退したところからの再出発になっちゃう。ドキュメントに残せないノウハウは技術者と一緒に散逸しちゃう。財政も大変だけど、お金は出て行っても別の記番号のお札で代替できる。けど技術は代替できない。ってことも考えに入れて欲しいところ。あぁ死ぬほど関係ないや、これ。
無線電波で電池レス通信、ルネサスが近距離無線技術を開発
2年ほど前、ノキアが環境電波から電力を取り出して動く携帯電話を開発しているというニュースが出たとき、いくらなんでもジョークニュースだろうとコメントしましたが、結局は、そこから大きく修正され、ノキアデバイス部門を受け継いだルネサスは、マイクロワット級電力で動く超近距離無線システム、というところに落ち着かせたみたいですね。当初はミリワット級の電力の取り出しが可能と言っていた環境電波に関しても、「マイクロワット級なら取り出し可能」と当時の私の試算と同程度のところまで下方修正。まぁそりゃそうだ。ただ一方、これだけの超低電力で駆動できる無線周波数回路を開発したということは、素直にすごいことだと思います(もちろん商業ベースで、という条件付きですけど)。無線LANやBTのフリができるみたいですが、たぶんアドレスやプロファイルやデータ長は固定とかでしょうね。ジェネリックなプロトコルを動かしたらマイクロワットなんぞじゃ足りないと思う。けど、電池を気にせず持ち歩く用途の応用がいろいろ出てきそうでおもしろそうです。
ソフトバンク、FON使わせません
FON云々はどうでもいいんだけど、アクセス網に1.5GのHSPAを使っているってことが驚き。というか、iPhoneや一部のAndroidなどのグローバル調達分が1.5G帯などのマイナーバンドに対応していない(させられない)ので、1.5G帯を最大活用するための苦肉の策なんでしょうね。ドコモやauなら端末の方をきっちり改造して帯域を最大活用することを考えるわけですが、さすが「技術を持たないソフトバンク」、システム的に端末は対応しているはずのライセンスバンドをわざわざアンライセンスバンドに変換なんて、ライセンスバンド運用の責任を持つ事業者では思いもつかない解決案、ある意味そのぶっ飛んだ発想は褒めるしかありません。
tweet TWEET

先日、某社の障害に関して、「認証関係が怪しい」と言うお話をした際に、「そもそも携帯電話ネットワークの認証系とはどういったものでしょうか」と言うご質問をいただきました。例によって私の不得手な領域のお話なので、勉強しながら解説したいと思います。

認証と言うのは要するに「本人確認」のことなのですが、携帯電話システムにおける「本人確認」とは何を指すのかと言うところから。たとえば、ネットバンキングをする場合、個人のログインIDとパスワードを入力します。この場合、「ログインIDとパスワードを知っているのは本人だけ」と言う前提のもとに、その両方が一致した場合はそれを入力したのは本人とみなす、これが「認証」です。

では携帯電話では誰が認証されているのでしょうか。下世話な話になりますが、携帯電話を使うには、お金を払わなくてはなりません。お金を払っていない人が携帯電話ネットワークを勝手に使うことを防ぐ、それが携帯電話での認証の最初のモチベーションです。

と言っても、携帯電話で通話するたびに運転免許証の顔写真を見せて本人確認をするわけにもいきません。そこで、携帯電話では「その端末を持っているのは本人だけ」と言う前提のもと、端末に対してそれが本物かどうかの確認を行います。

で面倒な話はしたくないので、ここで先回りしておきますが、多くの方式では実際には端末そのものではなく、端末の中に入っている「SIMカード」が本物かどうかを確認します。古い方式ではそうでない場合も多いのですが、もうめんどくさいのでどっちの場合はどうとかSIMを入れ替えたらどうとかの話は無視して、端末本体とSIMカードを合わせて「端末」と今後書くことにします。

で、端末が本物かどうかをどうやって見分けるのか。これを流れに沿って書いていきます。

ある人が携帯電話に加入します。そのとき、その人に貸し出す端末には、ある特定の「ID」と「パスワードっぽい知識」が中に(生のデータが絶対に読み込めない仕組みで)書き込まれています。ショップで加入手続きをすると、携帯電話会社の方でその貸し出した端末のIDをもとに、「加入者情報サーバ」にそのIDがこれこれこういうオプションをつけて加入しましたよ、と書き込みます。

次に加入した人が、携帯端末を使おうとするときです。携帯電話の無線ネットワークは、アクセスしたいという人はとりあえず一旦受け入れることになっています。そのとき、端末は自分の「ID」を無線ネットワークに伝えなければなりません。無線ネットワークはその直後、「加入者情報サーバ」に対して「なんかこのIDのヤツが使いたいと言って来たんすけど」と問い合わせます。

そこで加入者情報サーバは、よしそいつの確認は任せろ、と言うことで、「お前、本当に「ID」本人なら、この質問に答えられるよな?」と言う感じの質問を端末に対して投げつけます。ここで端末が本人であれば、「パスワードっぽい知識」からその質問に答えることが出来ますので、端末は「はい、答えは○○っす!」と元気に返答します。

加入者情報サーバは答えを照合し、合っているっぽかったら、無線ネットワークに対して「あいつ本人に間違いないわ、世話してやってくれや」と伝えて、役目終了。後は無線ネットワークがその人が本人との前提でいろんなサービスを伝える、と言うことになります。

この「端末が本物かどうか見分ける」と言うのが、加入者情報サーバの「認証」の機能です。そのため、加入者情報サーバを含む一連の設備を「認証系」と言ったりします。

また、加入者情報サーバは、各IDの端末が今無線ネットワーク上のどのへんにいるかと言うことを大雑把に覚えておくという役目も持っています。外から電話がかかってきたとき、その電話を受けた交換機の人は、加入者情報サーバに対して「あいつ今どこ?」と聞き、加入者情報サーバは「あのへんにいるから呼んでみな」と応えるわけです。それに対して交換機は「あのへん」の無線ネットワークに呼び出しを頼み、無線ネットワークが無線一斉呼び出しの仕組みを使って、「おーいIDさーん」と呼びかけて応えがあったらつないであげる、と言う仕組み。さらにMNPに関しても加入者情報サーバが対応し、交換機から「あいつ今どこ?」と聞かれたとき「あ、MNPでよそ行ってるわ、宛先教えるからあっちに聞いてみ」と答えることでMNPが実現しています。

このため、通話の発信・着信のとき以外にも、端末と認証系での会話の機会があります。それは、電源を入れたときと、無線ネットワーク上での「あのへん」から「このへん」に移動した場合。このとき端末は、「今ここにいますよ」と言う情報を加入者情報サーバに伝えます。加入者情報サーバはその通知を受け取って、端末がどこにいるかを覚えておくわけです。ちなみに「あのへん」「このへん」の地域の大きさは、事業者のポリシーや地域特性にもよるのですが、各市区町村が10個以上には分かれていないけど1個以上をまたがることもない、という程度の大きさになっているようです。

さてもう少し深い話。上のような仕組みとはいえ、実際には何千万加入者がいて秒間何十何百と言う認証リクエストをさばかなければなりません。とても一台でそれをこなすのは無理です。そこで一般には加入者情報サーバも機能を切り分けて複数のハード/ソフトでいろいろと手分けをします。

まず、標準的な技術として、各無線ネットワークのある程度の大きさ(上の「あのへん」「このへん」)ごとに「出張所」を設けます。ある端末がある出張所の下に入ってきて「ここにいるよ」と宣言したら、加入者情報サーバから出張所に加入者情報を一時的にダウンロードします。その後は、その端末がその出張所管理エリアから出ない限りは、すべての認証作業は出張所が代わりに行うことになります。

次に各事業者・ベンダごとの構成の話になりますが、基本的にこの手のシステムでは、「端末と会話する係」と「データベースを持つ係」は分離してあったりすることが多いようです。端末と会話する係(フロントエンドサーバ)はひたすら端末との会話処理を行い、必要なときだけデータベースを持つ係に情報をもらう、と言う役割分担を行うわけです。

また、データベースを持つ係(データベースサーバ)も、持っている加入者情報(レコード)の数が増えると処理負荷がどんどん増えます。さすがに一人で何千万もレコードを持っていては大変なので、ここでもたとえばIDの範囲によって何台ものサーバで分担することになります。IDの上5桁が00001番から01000番まではAサーバ、01001番から02000番はBサーバ、みたいに分けてしまうわけです。で、フロントエンドサーバは、問い合わせのあったIDによって、どのサーバに問い合わせるかを振り分けます。

さてここで障害の話。たとえば、Aデータベースサーバへのアクセス負荷が何らかの原因で急上昇してしまったとします。いろんな原因が考えられますが、たとえばデータベース内のデータがぶっ壊れたのでミラーから書き戻すプロセスが走っているとか、Aサーバの繋がっているスイッチのポートが軽く壊れちゃったとか、そういう状況。すると、Aデータベースへの問い合わせに対する反応が少しずつ遅くなります。一つ一つはわずかな遅れでも、それは徐々に蓄積していきます。それがついに「端末/無線ネットワークが痺れを切らすほどの待ち時間」になると、端末か無線ネットワークから「聞こえなかったかな?もう一回問い合わせ送るね」と言う余計なことが始まります。この余計なことがさらに負荷を押し上げます。

で、この「聞き直し」でもダメだったら、端末は本人確認が失敗したということで「接続失敗」となるわけです。しかし端末を使っている人はいきなり「失敗です」と言われても納得行かないわけで、たいていはもう一回試してみます。この「もう一回」をいろんな人がやり始めることで、さらにさらに問い合わせ数が増え、Aサーバ周りの負荷が増大していくことになります。

ここでこの問い合わせ失敗による接続失敗が起きているのはAサーバに保存されている加入者、IDが00001番から01000番までの人に限られていることがポイント。先日の某社の障害で、「関東で契約したうちの○○万人が対象」ってことは、多分この分割したデータベースサーバのどれかが落ちていた状態だったのでしょう。また、他の地域で使ってたりMNPしてたりしても影響を受けたのも、そういった場合の返答をするのもこのサーバの役割だったからです。

また、朝の通勤ラッシュ時間帯と言うことも障害に拍車をかけます。先ほども書いたとおり、「あのへん」から「このへん」に移動すると、そのときも端末は加入者情報サーバへ自分の位置を登録しようとします。このとき同時に、通話のときと同じ「認証」も走るし「出張所へのダウンロード」も発生するため、実は単なる通話以上に負荷がかかります。そして通勤ラッシュ時と言うのは、とんでもない数の人がそこそこ長い距離を一斉に移動すると言う時間帯。つまり、とんでもない数の人が相当な頻度で一斉に加入者情報サーバへ負荷をかけるという意味です。軽い障害による軽い負荷上昇でも、この時間帯に起これば大規模障害の引き金になりかねないというわけです。

と言うことで、余り細かい技術やインターフェースや用語にこだわらずに大雑把に説明してみましたが、いかがでしょうか。逆に、全部の用語をきっちり説明しろと言われても結構厳しいので、今日のところはこの辺でご勘弁をお願いいたしたく候。でわ。

tweet TWEET
第1回重なった30の不手際
障害がどのようにして起こってどのように連鎖して行ったかが良く分かる面白い読み物。銀行に限らず、携帯電話事業者でも同じように、加入・解約処理や課金処理などは夜間バッチで行っているため、震災時のような通信集中時には大量の課金情報とコールログの処理で相当な負荷になるはずですが、幸い今回どの事業者も問題を起こしていません。もちろん、携帯電話事業者では通常のサービス提供用のサーバと夜間バッチ処理用のサーバは分けてあるので、もし夜間バッチが過負荷になっても何日もかけて処理すれば良いだけでサービスに影響は出ないようになっています。みずほの、夜間処理と昼間のオンラインを同じハードを共用するという運用は決してほめられたものではないですね。また、記帳処理と為替送信なんていう全然要求レベルの違うサービスを同じハードでシーケンス処理していたなんて、ちょっと呆れるしかないです。なんかみずほって大銀行としての自覚が足りない感じですよね、昔から。3メガでもみずほだけは口座作ってないです、なんかヤだから。
IMFにサイバー攻撃、外国政府関与の可能性—米メディア報道
IMFも攻撃とかもう意味が分からない(笑)。ただ手口(?)から言って、明らかに職員の誰かが不注意でトロイを招きいれたっぽいですよね。とにかくアホみたいにトロイをばら撒いておけば、重要な情報を持った企業や機関にもいつかは当たるわけで、そういう意味では、長い間続いてきた不正プログラムバラマキは、いつかこういう実を結ぶことを期待した、非常に気の長い戦略だったのかも、ともいえるわけで。職員の意識の低さ、システムにそういうものの侵入を許す甘さはアウトですが、脆弱性をダイレクトアタックで破られちゃうような技術的な甘さを残していた某社や某社よりはまだ同情の余地がある・・・かな?
アップル、Verizon版iPad 2をMEID重複で自主回収– AllThingsD報道
なにこれ、超ウルトラ大チョンボじゃないですか。CDMAのほうでは、USIMで認証する仕組みとMEIDで認証する仕組み両方が備わっているんだけど、CDMA版iPhone/iPadはUSIMスロットがないのでどうやらMEID認証タイプ。つまりMEID重複ってのは、「同じ加入者が二人いる」ってこと。GSM/WCDMAで言えば全く同じ内容を持つUSIMが2枚世の中に出回っちゃったという状態。USIMでは、通信事業者が責任を持って加入者IDを管理するわけですが、CDMAのMEID方式では(イーサネットアドレスのように)デバイスメーカが責任を持って重複を回避する仕組みです(デバイス埋め込みなので)。とはいえそれで今までちゃんと出来てたわけで。契約や料金や個人情報にまで及ぶ大問題、いくらなんでもこれはやっちゃいけないチョンボ。でも、あまり大きく問題視はされずに流されそうな雰囲気(笑)。
tweet TWEET
2011/6/13 10:00 · ひとりごと · 1 comment

さて、前々から、ワイヤレスシティプランニング(WCP)がTD-LTEに向かうだろうと言うことを言っていて、そのために技術条件をTD-LTE可となるように変えるんじゃないかと話していた件。

しかし、先日、WCPは、いわゆる「高度化XGP」で整備を再開します、と発表しました。つまり技術条件を追加せず、XGPの高度化したものを使おうと言うことになったわけで、ちょっと個人的には「あれれ?」と思ったのですが、改正された「高度化XGP」を見ていてちょっと気になる点が出てきて、いろんなインチキが隠れているっぽいと言うことに気がつきました。

そもそも高度化XGP、以前某所では、「帯域の20MHz化、上りSC-FDMA化などなどは元々XGPの標準仕様に入っていたものでたいした意味はない」と説明したのですが、こっそりもう一つ、ものすごく重要な変更がされていることにいまさらながら気がつきまして。

それが、下りバースト長と上りバースト長の変更。これは、もともとのXGP規格には含まれていません。具体的には、下りバースト長は625 x m usec以下、上りバースト長は625 x n usec以下、でm+nは2、4、8、16のいずれか、と、ごっそりとフレーム構成が変わってしまっています。

元々、XGPはPHSとアンテナを共用すると言う前提で、上下バースト長をPHSと厳密にそろえていました。と言う経緯から考えると、この改変は歴史的にも規格的にも非常に奇妙なんですね。上下タイミングがそろわなくなると言うだけでなく、上下バースト長の合計が5msecだけでなく10msecも許されている、と言う点が特に奇妙なんです。PHSとの共運用性をまるっきり無視。

さて一方のTD-LTE。こちらは、別のところで解説したとおり、フレーム長は5msecまたは10msecで、1msecのサブフレームを単位にさまざまな構成が許されています。実はこの構成の中にいくつか、上の「下りバースト長は625 x m usec以下、上りバースト長は625 x n usec以下」と言うところにぴったりと当てはまるものがあるんです(ポイントは「以下」の2文字)。

つまり簡単に言ってしまえば、TD-LTEそのものであっても、高度化XGP技術基準を満たしてしまう構成が存在してしまうと言うことです。その他のスプリアスとか副次発射などは余り詳しく調べてはいませんが、3GPPの基準どおりに作ればおおむね高度化XGPの基準を満足できそうな雰囲気。

つまり、TD-LTEと高度化XGP、制度上は同じものに見えてしまう、と言う「制度互換」状態が成り立っているっぽいんですよね。すごい盲点でした。

となれば後は簡単。TD-LTEをそのまま持ってきて高度化XGPの技術基準に適合していることを確認すればそのまま使えます。まだ細かい規定の互換性までは調べていませんが、もし軽い齟齬があっても試験条件を整えるだけで多分クリアできるレベルのものだと思います。

と言う感じで、実は今作っているのは既にTD-LTEそのものかもしんない、と言うことに気がついてしまったお話。ただし、本当に細かい点まで「制度互換」が成り立っているのかは確認していないので、特に無線送信特性規定に関しては何か引っかかるものがあるかも知れず、その辺にだけは何らかの独自カスタマイズを施しているかもしれません(海外のTD-LTE端末を買ってくるだけでは電波法違反状態、つまりグローバル調達も相互ローミングも原則不可)。

しかし自分で書いといてなんだけど、ほんとかなぁ、これ。

tweet TWEET
2011/6/13 10:00 · ひとりごと · 1 comment
プラネックス、Wi-FiルーターMZK-WG300NXでXiが利用可能に
Xiが使えるといっても、Xi自体は踊り場付き従量プランで、PCで使うのには明らかに向いてないですからねぇ。今加入すれば完全定額も出来るみたいなんですけど、逆に今時点で加入したいと思うような魅力はまるっきりないし(WiMAXのほうがはるかに速いしエリアも広いし)。しかし、そういった魅力が整った頃に加入すると今度は従量課金が待っている、と。定額で使いたければ遅いわ狭いわの全く使い物にならない状態から加入して使い物にならない期間も料金を支払い続ける必要があるわけで。ドコモはLTEを本気で売りたくないのかなぁ。キャンペーンで釣ってきちんと投資する前に売り上げを取ることで単体収支を超良く見せようという小汚い考えが透けて見えなくもないんですよね、Xiに関しては。
tweet TWEET

「ネット監視法案」について、危険なものなのでしょうか、と言う質問をいただきました。ネット監視法案と言えばあの有名社長もtwitter上で顔を真っ赤にして怒っていた件ですけど(笑)。

基本的には、ネット監視法案と言われている部分は「通信事業者は警察に指示されたら30~60日間ログを保管しないとダメですよ」と言うところです。容疑者や関係者の足取りを追っかけるために、通信ログの保管義務を明文化したといえます。

これに対して、「個人の通信内容をいくらでも盗聴できる、とんでもない」と危険性を過剰に煽る人が多々いるのが現状なのですが。

はっきり言って、この改正がなくても、今現在でも警察の要請によるログ保護なんてずっとやってきていることなんですよね。というか、「まっとうな」通信事業者であれば、警察とはそもそも協力関係を持っているしその上で万一の犯罪捜査協力のために平時にログをどのくらい過去に遡って保管すべきかと言う話し合いも持っているし、もちろんそれに沿ってログは大切に保管してあります。別に個別の警察の要請なんてなくても、まっとうな事業者ならみんな当然やっていることを、「まっとうじゃない」事業者にも要請ベースで義務付ける、ただそれだけのことです。

また、保管要請と開示命令はまた別物なので、警察が好き勝手に盗聴できるなんてデマも全くの嘘。電気通信事業法が改正されない限りは、従来どおりの「通信の秘密」の義務は維持されます。結局今までと同じ。「保管はしているけど秘密は守る」「事業法上の開示可能な場合のみ開示できる」、これを事業者みんながやりますよ、と言うだけです。

今までもこういった警察への自発的協力はほとんどの事業者が行ってきたことで、逆に私は不思議なんですよ、なぜわざわざこれが法制化されたのか、ってことが。となると、「法制化しないとログを保管してくれない非協力的な事業者が出てきた」ってことがまず第一に考えられます。となると、真っ先に怒り狂ったあの社長の会社が疑われざるを得ませんね(笑)。

と言うのは冗談で、いくらあの会社とはいえ、某スマートフォンの通信量があまりに膨れ上がりログ保管コストが高騰してしまったため従来どおりの協力関係をぶち壊してコスト削減のためにログ破棄を始めたなんてことはさすがに無いとは思うので、やはりそういった歴史的な自発的協力関係を知らず、ログなんぞ知ったことか、と土足で参入する新規事業者が増えてきた、と言うことが考えられます。個人的には、こんなことも法制化しないとならないほど、通信事業者の良識が崩れてきているんだなぁ、なんて残念に思うところです。

通信事業っていろんな利害関係がからまっているものなので、基本的にあらゆる官庁と良好な協力関係を維持しながら営むもの、と言うのが私の意識なんですけど、やっぱり新参にはそういった「古い常識」は通用しないのでしょう。まぁ不況のご時勢、義務でもない社会貢献のために保管用ディスクを毎月何百本も買わなきゃならないなんてのは、頭のよろしい企業家の皆さんにとっては馬鹿馬鹿しい無駄コストとしか見えないのも無理もありません。

と言うことで、監視法案は危険なのかについて、私の意見でした。でわ~。

tweet TWEET