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またまたauがやらかしたみたいで、いろいろ解説希望のメールをもらっているわけですが。

今回の故障個所は「基地局制御装置」みたいに発表されていますが、具体的にどこと言うのはよくわかりません。が、LTEのシステムの中でそれに相当しそうなのは、たぶんMMEかなぁ、と言う気がします。もちろん、基地局の監視制御用のシステムとかの独自装置の可能性もあります。

で、確か前回もMMEが障害って言ってたなぁと考えた時にふと思った件があって。こちらの基地局数で見ると、2013/05/30現在の総基地局数(バンドごと(細かいことを言うとキャリアごとだけど現在は実質1バンド1キャリアしか入らないので)に別のノードなので「制御装置」から見えるノードの数という観点で数えた時)は、ドコモが27716局、auが46575局、SBMが23249局と、auはほぼダブルスコアで他よりも局数が多いんですよ。しかも、建設開始からの期間も短くて。

つまり、MMEであれ独自装置であれ「基地局制御装置」の故障というのは、この基地局数の急増とそれが多すぎることに起因するんじゃないか、と思うんです。

3Gだと、何年もかけて徐々に増やしていった基地局数を、auはこの1年で一気に5万近くにまで増やしているわけです。正直、正気の沙汰とは思えないペース。

普通この手のシステムって、ノード数や加入者数の増加に合わせて、容量比で使用率が○%を超えたら装置を増設しましょう、みたいな形で管理しているはずなんですね。それが全然追いついていない疑惑が出てきます。

auの基地局の急増の理由は簡単で、ほとんどの3G基地局にアドオンでLTE局を追加できる仕組みになっていたから。もちろんドコモでもSBMでもそういうタイプの局はありますが、au程徹底して既設局にLTEをゴリゴリと追加していってはいないはずです。CDMA2000を一秒でも早く収束させたいがために全エリアを強引にLTE化していこうという意思が感じられる、と言うのは前にも書いた通り。

その強引な局数の急増に対して、「制御装置」の増設が間に合わなかった、と見ます。もちろん局数増設計画と制御装置増設計画はリンクしているでしょうが、LTE開始からまだわずか半年、おそらくその計画はLTEのノウハウが貯まる前に設計した古い基準なので、いざ始めてみると全然追いつきませんでした、と言うのが今の状況なんじゃないかと思うわけです。

前回は発表は「MMEバグ」となっていましたが、ソフトなんてバグがあるのは当たり前、バグで1台2台つぶれてもいいような冗長構成をとっておくべきで、幸い、LTEはフルフラットNWなので冗長とロードバランスがやりやすいようなシステムなわけで、そういうことはやりやすいようになってるんですよね。それでも障害ってことは、MMEの台数が局数に全然追いついていない、ってことだと思うんです。バグを出すのが悪いんじゃなくて、バグが出ても誰にも気づかせないってことが重要なんですよね、前にも似たようなことを書きましたが。LTEは単に台数を増やせばこういうところをカバーできる便利なシステムで障害は顕在化しにくいシステムのはずなんですが、それでもこれだけやらかすってことは、絶対的な処理量不足とか、その辺の疑いが強いです。

そんな感じなので、昨日今日みたいなのは、もうしばらく繰り返すんじゃないかなんて思っています。んー、データ回線をauのみに依存する生活は危ないですね。昨日今日は3Gで使ってましたが、3Gの遅いこと遅いこと。ドコモ系も一つ確保しておきますかね。

そうそう、「3Gもつながらない」という質問もありましたが、私もしばらくそんな状態でした。障害そのものというよりも、LTEな端末がみんな3Gに落ちちゃったことが原因でしょうね。LTEのために3Gのキャリア数も減らしているでしょうから従来よりも簡単にひっ迫するようになっているはずです。でわ。

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2013/2/6 10:00 · 品質動向 · 1 comment

ちょっと面白い調査結果を見せてもらって。一応ほんとは出しちゃダメ的な情報だったので細かい結果やソースは伏せますが、面白いなぁ、と言う結果だったので、雰囲気だけ。

ドコモ、au、ソフトバンクの各社のユーザをランダムに抽出したアンケート調査みたいなもので、「エリアが広いキャリアはどこだと思いますか?」と言うような質問をした結果だと思ってください。その時に、各社のユーザがそれぞれどんな回答をしたのか、と言うのが面白くて。

ドコモユーザでは、ほとんどのユーザが「ドコモ」と回答。auと答えた人は少数、ソフトバンクと答えた人はほぼゼロ、と言う感じ。

auユーザでは、やはりほとんどが「au」と回答し、残りが「ドコモ」と答えています。こちらもソフトバンクと答えた人は極々少数。

ところが、ソフトバンクユーザだけは、半分が「ドコモ」と答え、4割が「au」と回答、「ソフトバンク」と答えた人は1割しかいないんですね。

これって、まぁ実際にソフトバンクのエリアが狭いことは仕方がないとしても、ソフトバンクユーザってそれをちゃんと理解しててソフトバンクを使ってる人が多いってことなんですね。逆にドコモ・auユーザはよく訓練されている(笑)というか。

実際、私の感覚としてもドコモ≧au>>ソフトバンク、って感じなので、調査結果がおかしいとは思わないんですが、「エリアが狭いっていう自覚があるのにそれでもソフトバンクを使う」ってことは、エリア以外の満足度が、実はソフトバンクってすごく高いんじゃないかな、とも思うわけです。逆に、もしドコモやauで、エリアっていう化けの皮がはがれでもしたら、一気に瓦解する可能性もある、ってことで。

エリアって実際に目に見えるものじゃなくて正直「言ったもん勝ち」の世界なんですよね。日本の津々浦々までエリアを実地確認出来るような人なんて普通はいなくて、あくまでWEB上のエリアマップをうのみにするしかないし、エリアマップなんていくらでも嘘を描けます。

実地確認したとしても実はそこにはいろんな欺瞞が隠れる要素があります。端末上に「エリア内」を示すアンテナマークを表示するかどうか、って、比較的簡単なパラメータ調整でいくらでもいじくれるんです。実際には全く通信できないような超弱電界でも、端末に対して「まだ留まれ」と指示することができるんですよ。実際には順番は逆で、端末が最初に受信したネットワークパラメータの中に「電波をあきらめて圏外になる閾値はこのくらいですよ」って書いてあるんです。その閾値を下回らない限り、圏外表示にはならない。もちろん、超弱電界環境だと、実際の通信は失敗しまくるのですが(失敗した結果圏外表示になることもありますが)、表示が圏外になってもならなくてもどうせ使えないなら、嘘でもアンテナマーク立てておけばエリアがあるかのように見せかけられるわけです。そんな非常識なことをやっている事業者は(今のところは)ないみたいですが。

閑話休題。そんなわけで、実際のエリアは及ばないとはいえ、それがわかってても使いたいと思う魅力がソフトバンクにはあるのかもしれないなぁ、と言う面白い調査結果でしたっていう話でした。実際どの辺がポイントなのかなぁ。料金も端末もほぼ横並びなのになぁ。あれですか、お父さんですか。あの犬アホっぽくていいよね。

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2013/2/6 10:00 · 品質動向 · 1 comment

ということで、今日はKDDI LTE800MHzのレビューです。マップみるとエリア広いなーと言うのは前に書いた通りなんですが、実際にド田舎に行くとどんな感じか、ってことで。

まぁぶっちゃけ実家の方に行ってきたんですけどね。マップ見て実家が圏内なのはわかってるんですが、その他、ほどほどにド田舎を圏内一円くらいのスケールでうろうろしまくった結果どんな感じだったか、ってのを体感レビューしておこうというお話です。

そもそもソフトバンクは3Gさえも届いていないような場所をうろついたのとソフトバンクの端末持ってないってのもあるので、あくまで比較対象はドコモってことになりますが、そんな感じで。

まず、県の真ん中辺の山間部周囲1kmに4世帯という実家。エリア内になっているのはわかっていましたが、マップ自体が相当盛ってるんじゃないの?と言う疑いも無きにしもあらずなので、実際に見てみると、ほどほど。アンテナ表示は2本/最大4本と言う感じ。とりあえずLTEから落っこちるってことは実家内では起こっていません。

で、速度計測してみたところ、30Mbps出ました。都会の自宅よりはるかに速いってなんだよ。ちなみに、その実家には何度もゴネまくって引いたADSL(YBBの一番高いやつ)しか入ってなくて、最大1Mbps。ドコモはHSDPAで最大1.5Mbps、と言う土地なので、30Mbpsは全く異次元の速度。7GB制限さえなければ実家の回線本当にLTEにしちゃったほうがよさそうなんですけど、これ。

市街地から自宅まで、車で約40分ほどですが、その間もLTEが途切れる場所は一か所もありません。ドコモLTEは最初の20分でアウトです。マップ上はもう少し伸びているんですが、実際には届いていません。ひどい。あと、実家は前よりもドコモの入りが悪くなってレピータ入ってます。レピータの室内アンテナのある部屋以外ではドコモは使えなくなっています。これまたひどい。基地局の位置変えたりしたのかなぁ。局位置変えなきゃならないほどの災害とか反対運動とかない土地なんだけど。

実家からさらに奥地に向かって車で40分ほど行くとちょっとした観光地があるんですが、そこに行く道すがらだと、KDDI LTE800MHzは大体6割ほどがエリア、残りは3Gエリア。もちろん観光地もLTE圏内、計測してみると20Mbps弱。ドコモはもちろん全域LTE圏外。いやここに向かう道路沿い、前回の帰省ではKDDIは3Gさえも満足に入らなかったんですよ。それが全域エリア化どころか6割はLTE化していたことに驚愕しました。

市街を挟んで実家とは反対方向に高速道路で30分ほど行ったところの観光地(?)にも行ったのですが、こちらは道中・現地含めて完全にLTE圏内で、現地での計測ではまたもや30Mbps超えを見せてくれました。こちらに関しては、ドコモLTEも9割ほど圏内でしたが、現地は圏外だったので速度比較不可能。

あと、市街のど真ん中にあるショッピングモール、ここで計測してみると、20Mbps弱。一方ドコモLTEは30Mbpsを記録。どうやらショッピングモール内にドコモ屋内局があるようで、KDDIの方は屋外からの吹き込みのみっぽいです。少し前まではここでも品質が悪かった、とは実家住みの家族の証言なので、ドコモ、面的エリアの拡大は遅れてるけど、こういった屋内などの実利用での品質重視の対策を今は積み重ねている段階みたいですね。で、1.5GHzが全国解禁されるのを待って全周波数を郊外含めて一斉に整備していく、と言う感じなんじゃないかなぁ。何度にも分けて整備するのは無駄なコストですしね。

ただまぁ、今回の実家帰省でわかったんですが、やっぱりKDDIのLTE最強すぎ。次のiPhoneはKDDIのLTE800にも対応するという噂もあるし、VoLTEの開始も近いという噂もあるし、完全にCDMA2000を捨ててLTEを基盤インフラにする準備を整えつつある感じです。

あと、ドコモのLTEをずっと使っている実家の家族の証言で「とにかく電池の減りが速すぎる」と言う話があったんですが、KDDIのLTEの方はLTEと3Gがバタつくようなところを通過しても特に電池の減りが速いような印象はありませんでした。お買いもので市街まで出て戻って(その間特に触らず)だと、100%→98%くらい。で、電池の減りが速すぎるというドコモの方は、と言うと、実家と市街の往復だけでほぼ空っぽ、出かけるときは事前にフル充電が必要、と言うひどい有様。まぁ、端末が一年経過モノのARROWSってこともあるんですけど、なんか絶対パラメータ間違えてるよ、ドコモ。

そんなわけで、KDDI LTEのド田舎本気レビューでした。

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2012/12/10 10:00 · 品質動向 · 11 comments

LTEエリア状況図について、「バンドごとの整備状況も知りたい」と言う要望をたくさんいただき、スクリプト改修して一カ月ほどかけて再集計しました。別に一日で再集計くらいできるんですが、サーバ負荷とか気にしちゃうチキンです。

ということで、以下に自動出力図を。

全バンド合計
LTEエリア

2.1GHz帯
LTEエリア

ドコモ
KDDI

SBM
EM

プラチナバンド (700~900MHz帯)
LTEエリア

ドコモ
KDDI
SBM EM

以下その他

1.5GHz帯
LTEエリア

ドコモ KDDI SBM EM

1.7GHz帯
LTEエリア

ドコモ
KDDI SBM
EM

凡例
: iPhone5
: iPhone5S/5C
: Android
: Android(一部)

一応毎日更新ですが、免許情報が更新される月3回くらいしか情報は反映されないと思います。

一応このエントリから常時最新情報画像を参照していますので、参考にどうぞ。

[追記]バンド幅変更をするときの暫定的な状態だと思って無視してたんですが、共存不可能な2キャリア分の免許を1局にブチ込んだまま放置するという暴挙があまりに多くなってきていたので、計数方法修正。ちょっとDB負荷上がっちゃったけどたぶん大丈夫。
[追記]ダブルカウントしてね?(特にKDDIバンド別)というメールが20通を超えたので補足。えーと、マルチバンド基地局というものがありましてですね。そうでなくとも設備の一部を共用する基地局は免許を一つにまとめましょうという決まりがあってですね。なので「全ロケーション」に中のいくつかは一つのロケーションに複数バンドの基地局がおいてあるんです。慎重に「ロケーション数」という記述にしたのはそういう理由からです。
[追記]面グラフなら面積比例にした方がよくね?と言うご意見いただき、面積比例に直しました。
[追記]端末対応状況アイコン表示してみましたが、たぶん間違ってます。間違いご指摘いただければと思います。

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2012/12/10 10:00 · 品質動向 · 11 comments

iPhone5でパケ詰まりが大流行らしいですが原因はなんでしょうか、と言うお便りをいただきまして、元祖パケ詰まり博士の無線にゃんが解説します。なんだよパケ詰まり博士って。

検索するといろんな情報があるようですが、現象としては、どうやらau限定で、LTEと3Gの境界で報告されている例が多いようです。いろんな説が出ていて、「800MHzを豪奢にLTEに使ったので3Gが細った説」「Qualcommチップのバグ説」「個体差説」等々。ちょっとだけ考えてみます。

と言っても、たいてい、パケ詰まりなんてのはネットワークが原因でおこるものです。元祖パケ詰まりと言えば、2000年初頭に話題をさらった使い放題PHSパケット(AIR-EDGE)のパケ詰まり。あのころは固定回線常時接続が引けない集合住宅などがまだ多く、常時接続需要が一斉にAIR-EDGEに流れ込んで、盛大なパケ詰まりを発生させていました。

原因はシンプルで、要するに集合住宅などで同じ場所で一斉に多くの端末がアクセスするために、無線チャネルがあふれていたり、あるいは地域ごとの接続サーバの許容量を超えていたり、と言うことが発生していただけです。

さてiPhoneのパケ詰まりの件で気になるのが、LTE-3Gの境界で、と言う症状ですね。LTE→3Gへの遷移が起こった時、と言うことになるかと思います。こういうことが起こるのは、要するにLTEのエリアの端っこ。たとえば、電車とかでみんな一斉に移動していると、みんなが同時にエリアの端っこを通過します。

と言うことは、結構な数の端末が一斉にLTEから3Gに遷移することになります。3Gに遷移すると、当然LTE→3Gハンドオーバが行われるわけですが、iPhoneの場合はoptimizedハンドオーバに対応していないので、この場合、いわゆる「ランダムアクセス」が行われます。[追記]WCDMAでもハンドオーバ時はランダムアクセスがあります。

端末から基地局への「最初の一発目」の信号は、どうやっても基地局から制御することはできません。ですので、言ってみりゃあてずっぽうで短い信号を一発送り、基地局がそれを受けられたら即座に返答してちゃんとしたリソース制御が始まります。このあてずっぽう信号は、普通はみんなの通信開始契機がずれているのでぶつかることは稀ですが、「みんながほぼ同時に通信を開始しようとするような状況」が生じると盛大にぶつかり合って、なかなか一発目の信号が届かず、通信が開始できないということが起こります。

つまり、LTEのエリアの端っこをみんな同時に通過することで、3Gへのハンドオーバが一斉に起こって、その時の最初のランダムアクセスがぶつかり合ってなかなかチャネルの割り当てが行われない、と言うことが起こっているんだろうと思います。昔に書いた、地下鉄での混雑の後半に書いたような一斉アクセスが地上でも起きている、ってことです。で、たいていはチップの独自実装として一定回数ランダムアクセスが失敗するとしばらくお休みしちゃう、と言う動作をします(ネットワーク保護の観点で)。このチップの動作がおそらくパケ詰まりの原因。

要するにLTEのエリアの端っこ(と言うよりたぶん「穴」)があちこちにあることがそもそもの原因かと思われます。さっさと穴ふさげ、ってのが、事業者に対して求めることでしょうね。auでの問題が多くソフトバンクでの報告が少ないのは、この穴の多さじゃないでしょうか。なんだかだでauの方は2GHzLTE局数も少なく、人口の多いところでもまだ穴がたくさんあるんじゃないかと思われます。

また、上のような理由ならauのAndroidでも起きてもよさそうですが、そこもやっぱり、AndroidはLTE800MHzを掴めるので穴に落ちにくいということもあるでしょう。また、iPhoneは非対応でAndroidは対応といわれるOptimizedハンドオーバは、eCSFBと同じように先に個別チャネルを割り当てる方式(すなわち「ランダムアクセス」が必要ない)みたいなので、ランダムアクセスのぶつかり合いによる輻輳が起きにくいのかもしれません。

ちなみにその他のいくつかの説について簡単に。「800MHzをLTEに使いすぎて3Gが細った」説は間違いです。元々、auがLTEに使っている800MHz帯の15MHzのうち10MHzは、今年7月までドコモが使っていた帯域なので、auが3Gで使える残りの帯域5MHz自体は太りも細りもしていません。2GHzで5MHzをLTEに割り当てた分については、こちらも実は、今年6月のPHS制御チャネル移行で2G帯5MHzが新たに使えるようになっているので、実質プラマイゼロだったりします。なんだかだでauはLTE開始にあたって3G帯域を全く減らさずに対応できてたりします(と言うか逆に元々それだけ少ない割当で3Gを全部捌いていたのが異常な状態だったと言えるんでしょうけど)。

Qualcommチップバグ説は、何とも言えないですが、ないとは断言できないところ。やっぱりLTE-CDMA2000のチップはマイナー系なので、バグが残りやすい傾向は強いはずです。内部的には全く親和性のないステートマシンが好き勝手に動いている状況でしょうから、それぞれの内部的なタイミングが延々とずれて、片方が通知信号を出したときにはもう片方は耳を閉じてる、みたいな状態が続いて連携が途切れている、と言うようなことは起こりうるとは思います。先ほどの「しばらくお休み」の実装がLTEとの相互遷移を考慮していないプアな作りなのかもしれません。

端末の個体問題と言う可能性もないとは断言できません。端末を取り換えたら直った、と言う報告が、検索すると出てくるので。たとえば、アンテナ感度の個体差が大きい場合は起こらないとも限りません。ハンドオーバするかどうかを決めるのは、端末が受信した電波の強さなのですが、たとえばこれがある一定の中にばらついていて、ハンドオーバするには弱すぎる(または強すぎる)受信レベルでハンドオーバが起動することで悪影響がある、と言う可能性もあります。

まぁ、上記の理由に限らず、無線でTCPをやるときは、パケ詰まりは永遠について回るテーマですね。いくつかの運の悪いパケ遅延・パケロスの重なりが雪崩式にパケ詰まりに発展する、と言うのは、PHSパケット時代にいやという程体験させていただきました。TCPはそれほどパケ遅延・パケロスが高くない前提で作られているので、無線のように遅延・ロスが日常茶飯事と言う伝送路にはあまり向かない方式だと私は思います。TCPに対してHARQみたいなモードを提唱しているところもあるようですが、標準技術になるにはまだまだ時間がかかりそうです。と言うことで、パケ詰まりについてでした。

[追記]ソフトバンクでもiPhone4S以前からiPhone5に変えたら多発しているというご指摘をたくさんいただいたため、「au限定」ではなさそうです。どっちにしろこの考察が正しいなら、ランダムアクセスが同時多発するLTE→3GハンドオーバであればWCDMAであれCDMA2000であれ理屈上は同じように発生するものと思われます。昔のメディアの山の手線一周調査とかを見てもソフトバンクは3G時代からハンドオーバ時にブチ切れるのは当たり前だったみたいなので、声が上がりにくいのだけなのかも。

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2012/12/4 10:00 · 品質動向 · (No comments)

ケータイニュース.netの方でやってるスマートフォンスピードテストですが、最近意外と協力者が多くてたくさんデータが集まっています。

と言っても、なんだか夜中の3時とか早朝とかに狙ったように測定して速度アップを目論む(笑)ような人もいたりしますが、そういうところを除いてもおおざっぱに傾向が出ていて面白いので、最近の傾向をメモっといてみます。

まず、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの3社の速度を単純に比べると、KDDI>ソフトバンク>ドコモ、と言うのがおおざっぱな傾向。ただし、KDDI、ソフトバンクの二社は先ほど書いたような明らかな統計アップ狙いの怪しい計測が多いため(笑)、全体の平均速度そのものは直接重要な指標とは言えない気がします。

一方、時間帯別の速度についての統計も公開していますが、こちらを見ると面白い傾向が出てきます。

まずドコモですが、どんな時間であってもかなり安定した一定速度が出ています。ただし、その一定速度が他の二社を大きく下回っている。ここまで時間帯に影響されず安定した速度を出しているということは、何か結構特殊なことをやってるんじゃないかとさえ思えるほど。と言っても、時間を超えてトラフィックを平準化するような技術は存在しませんから、ドコモユーザの特性と言う面もあるのかもしれません。

KDDIは、ドコモとは真逆で、時間帯による速度差が非常に大きく出ています。速いときは他の二社を圧倒的に上回る速度だけど、遅いときはがっくり落ちる、みたいな。この業界にいるとよく見る、時間帯によるトラフィック量の推移グラフをきれいにひっくり返した形の速度分布になっていて面白いですね。

ソフトバンクがちょうどドコモとKDDIの中間くらいの傾向。時間帯による差もほどほどにあるけどKDDIほど顕著ではなく、上はそんなに速くもないけど下もそんなに遅くもならない、と言う感じ。なんか、ソフトバンクとKDDIが、事業者イメージ的に逆なのが面白いです。イメージ的に、ソフトバンクは品質差が激しいけどピークを攻めるけどKDDIはそこまで攻めきれず半端にドコモに追従して中間くらいの品質とスペックになっちゃう、みたいなイメージだったんですけど。

で、もう一つ公開していますが、iPhoneの時間帯別速度比較。ちょっと意外なんですが、こちらもKDDI>ソフトバンクになってます。いろんなところで言われていますが、KDDIのiPhoneは2GHzLTEしか使えないのでエリアも狭く速度も遅い、とされていて、ってことは、LTEがつかめる率も低いはず、つまり平均速度も落ちるはず、ってことなんですが、2GHz一本に注力しているソフトバンクよりも速かったりするのはちょっと不思議。

ただ、実は別に基地局数統計で、2GHzLTE局数を帯域幅別に集計中(まだ半分くらい)だったりするんですが、2GHzLTEでもKDDIの10MHz幅局数の比率が結構高いっぽいんですよね。ソフトバンクはせいぜい1%くらいなんですがKDDIは1割以上はある感じ。もうちょっと集計が進んだら公開しますが、KDDIのiPhoneでも75Mbpsなエリアは結構広がりつつあるような感じです。この辺が、エリアが狭くても速度自体を底上げしているかもしれません。

あとは、実際に測定すると表示されるんですが(ちょっとデータベース負荷高いので常時表示はしてませんが)、そのキャリア・その時間の詳細グラフを見ると、たとえばKDDI AndroidだとLTE対応と非対応で大きく二つの山ができていたりするのが見えたりします。まだ非対応が圧倒的に多いのですが、速度計測結果に関してはLTE対応端末の普及率と言うのも大きな要因になりそうです。買い替え需要が旺盛なiPhoneの場合はLTE対応率が高くなるので、iPhoneを持つKDDI・ソフトバンクの結果がドコモよりも高い、ということも考えられます。ドコモも、LTE対応率の低い昨年秋冬くらいの端末が買い替えられていくと、徐々に追いついていくんじゃないかなぁ、と言う感じ。

と言うことで、最近の速度測定結果の傾向についてでした。

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2012/12/4 10:00 · 品質動向 · (No comments)

とある大きなイベントでの話、と言うことで、お便りをいただきました。その人はなんでもソフトバンクの「優先携帯電話」を持ってそこに行ったそうですが、無線が輻輳して全く使えなかったそうです。同じくドコモ、auも優先電話を持っていて、そちらは問題なくつながったのに、と。優先電話をわざわざ持って行ったのにつながらないのは納得がいかない、どういう理由があるんでしょうか、と言うご質問。

いやぁ、私もソフトバンクを貶すのは大好きなのでこういうネタには食いついちゃいますが、なんというか、こればっかりは運ですよね。この場合はたまたまソフトバンクでした、ってことで。とはいえ、そもそもどうしてそんなことになるんや!と言うご立腹には何らかのお答えを用意しましょうということで本日のネタ。

まず、無線における優先電話ってのがなんなのかっていう話を軽くおさらいしておくと、前にも似たようなことを書きましたが、基本的には「優先的につないであげる電話」ではなく、「他の電話に接続禁止の信号を送っているときも優先電話は無視できる」と言う仕組み。なので、「他の電話が接続禁止」と言うのが前提条件になります。

これでどうして「優先」になるのか。話は簡単で、他の電話は接続禁止信号を受けているので接続しません。接続しないということは、その分無線容量や回線容量に空きができます。なので、接続禁止信号を無視できる優先電話はその空きを使って通信できます、と言う仕組みになっているわけです。

そもそも無線だと、最初に「今から発信しますよ」と言う信号が出るのですが、その信号自体が無線容量を食いつぶします。なので、たとえば固定電話のように交換機で優先電話からの発信を優先的に受け入れる処理と言うことをするだけでは不足で、他の電話がその「今から発信しますよ」信号を送らなく(送りにくく)してあげる、と言うことで差をつけるしかないわけです(もちろん携帯電話でも交換機で優先非優先処理は行っていますが)。

こう考えると、「優先電話」でも接続できなくなってしまうケースがあることに気が付きます。

一つ目。混雑しているのに接続禁止(規制)がかからなかった場合。これは完全にオペレーションのミスですが、普通の電話に対して規制がかかっていなければ、優先電話と普通の電話の差は(ほぼ)ありません。普通の電話の使用で無線が非常に混雑してしまえば、優先電話と言えども、無線信号を送ることさえできずに立ち往生します。冒頭の質問者のケースでは、きっとこれが起こっていたものと思われます。

二つ目。規制はかかっていたものの、やっぱり無線が混雑してしまった場合。規制がかかったとしても、規制がかかる前からつながっていた回線は切れるまで規制対象とならないため、無線の使用は続きます。また、規制がかかった後も、たとえば、同じような優先端末が大量に通信を始めれば、同じように無線は混雑するでしょう。なかなか起こらないとは思いますが、こういったケースでも優先電話がつながらない、と言うことが起こります。

そのほかにもいろんなケースがあるでしょうが、こんな感じで、その時・場所によっては、やっぱりどうしてもつながらないケースと言うのは出てきます。それが起こらないように調整するのがオペレーションの腕の見せ所ですが、こればっかりは天気予報と同レベルの不確実さのある現象を先読みする、と言うスキルが必要なわけで、まぁ時には失敗はするよね、と言うことなんですよね。ってことで、「運が悪かったですね」と言う結論になるわけで。

一方で、たぶんどこのキャリアも持っていると思うんですが、あるエリアで突発的にトラフィックが増えたりした場合に自動で規制がかかるような仕組みがあったりするんですが、この自動規制がどういうトラフィックの変動のときに発動するのか、と言うアルゴリズムに関しては、キャリア独自の技術力と言う面もあるとは思います。ただ、やっぱりイベント会場とかだと、事前に予測して何時ごろにどのくらいの規制をかけよう、と言う様に計画するはずなので、イベント情報の取りこぼしがあったり予測を間違えたりなんていう単純なミスでどこのキャリアも同じようなことをやらかす可能性はありそうです。

と言うことで、なぜ優先電話なのにつながらないなんていうことが起こるのか、と言うお話でした。

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2012/11/8 10:00 · 品質動向 · 5 comments

いや、自分でやっといてなんですが、例の局数まとめの数字見てるとKDDIのLTEエリアがすごいことになってそうな局数で、ちょっと期待してて、でようやくエリアマップが公開されたっぽいので見てみました、っていう話なんですが。

私が、エリアを確認するときに主にリファレンスとして使っているのが、私の実家。もちろん身元バレはいやなので公開しませんが、2000年代前半はドコモmovaとウィルコムPHSしか入っていない場所で、FOMA?au?何それ?みたいな場所だったので、各キャリアがどのくらい本気でカバーしに行ってるかが良くわかる場所なんですよね。

もちろん、その後、FOMAもプラスエリアで入るようになって(でも居間の床に置くと圏外になるけど→レピータ入れてもらいました)、それからしばらくしてauも入るようになって(こちらはとりあえず床においても大丈夫)、ウィルコムが入らなくなって(オイ)、ソフトバンクは未だにエリア端が2km先をうろうろしてて、っていう状況で、まぁこのイメージが私の中の各社のエリアの実力そのものなんですが、そこを基準にしてLTEを見てみますと、っていう話になるわけで。

ドコモLTEは、実家の最寄の役所(市役所支所=5km先)さえもカバーしてなくて、完全にアウト。一番近いエリア端が7km先です。これはひどい。ソフトバンクは、4G(AXGP)の方が実家から1kmくらいのところに端っこ、4G LTEが2km先のところに端っこがある感じでいずれも支所はちゃんとカバーしてます。なんだかだでソフトバンクはとりあえず持ってるロケーションのところまでは頑張って攻めてるってことですね。ウィルコムPHSロケーションにもちゃんとAXGPが建ってるみたい(でも実家まで届いてないけど)。ドコモ弱。

問題のKDDI。マップ見たら、3Gと全く同じでした(拡大してみると申し訳程度に端っこが30メートル縮んで見える、くらい)。拡大予定とかじゃなくて現況エリア内。本当の端っこは実家から数km山奥に入ったところにあるので、たぶん居間の床においても大丈夫。800MHz使ってるからとはいえ、これはちょっとすごいことになってるみたいです。さらに免許情報見ると、800MHzのLTE基地局はほぼ全部10MHz幅(75Mbps対応)だからうちの実家も75Mbpsエリアってことなんですけど(まぁその「ほぼ」から外すのが我が実家クオリティなんですが)。とにかくKDDIの本気っぷりが怖いです。ソフトバンクがこれ以上広がる可能性は薄いし(3Gさえ来てないし)、ドコモもなんだか全然やる気ないみたいだし、どうやらLTEはKDDIを選ぶしかないですわこれ。

ってことで、私の中のLTEエリアの実力は、KDDI>ソフトバンク>>>>>>>>>>>ドコモです。ドコモ、なんか不真面目すぎじゃない?ちびちびと850MHz帯のLTE局建てたりしてるみたいだけど、これはなんというか・・・丸2年近く先んじていてこれってのは、もはや怠慢以外の何を疑えばいいのかわからんです。

とりあえず遊び&緊急回線用のスマホは次もKDDIで安泰ですかな。っていうか実家のブロードバンド回線もLTEにしちゃえ(今は何度も断られたところをゴネて無理やり引っ張ったADSLで1Mbps未満)。なんだかだでフィーチャーフォンがドコモ以外選びようがないのでメインはドコモを使うしかないんですが、それにしても、各キャリアのエリアに対する真剣さが昔とまるっきり逆転しちゃってる感じがするんですよねぇ。ってことで各キャリアLTEエリアの私的実力見極め個人的メモでした。

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2012/11/8 10:00 · 品質動向 · 5 comments