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そうそう昨日ちょこっと書いたのですけど、アナログ停波がもう間もなくですね。ずっと先の話だとぼんやり思ってたのに、後一ヶ月しかない。びっくり。

テレビ放送とはいえ電波オタク的には一大イベントですからね。何十年?60?年くらい途切れることなく送信され続けてきたテレビ放送波が全国で一斉に(一部除くけど)恒久的に停まる、ってことですからね。

アナログテレビ放送はその名のとおり、アナログ変調を使っています。アナログ変調は、言ってみれば「電波の性質そのものを情報として送る」と言うものです。たとえば強弱とか周波数とか。ってことは、わずかな外乱であっても、情報は確実に変化してしまい、またそれを取り除くことも出来ません。

一方デジタル放送では、デジタル変調をします。情報は0/1のビット列として準備され、量子化された電波の性質に対して割り当てることで伝送されます。強弱とか周波数とか位相とかが直接情報なのではなく、それらを量子化したものに対して一定のビット列を割り当てるわけで、その量子化幅に収まる範囲であれば外乱を受けても情報は変化しません。さらに、デジタルコーディングにより、一定量以下であればビット情報そのものが変化してしまっても変化する前のビットを推論できるようになっています。このため、デジタルは画質が良好で難視聴にもなりにくいとされているわけです。

ただ逆に、デジタルの場合、復調によるビット復元やコーディングによる補償でさえも復元仕切れなかった破壊ビットが出てしまうと、画質全体に破局的な影響を与えます。電波状況が悪いときに良く見る、画面の中に四角いゴミがついて、それが1~2秒の間ぼこぼこと生物のように生長したり移動したりする、いわゆるブロックノイズです。また、エラーの出た位置によっては、数秒の間画面が描画できなくなることさえあります。

逆にアナログはそういったことは起こらず、外乱がある場合は画面にぼんやりとした波が出たり砂嵐をオーバレイしたような画面になる感じだけど、一発破局みたいなことは起こりません。こういったことが、デジタルとアナログの重要な違いなんですね。

ぶっちゃけ、デジタルは画質も良いし電波が比較的弱くても高画質を保てるという利点がある代わり、ある一定以下の電波品質だととたんに見られたものじゃなくなるんですよ。要するにバルクの電波品質に対する画質の変化も、デジタル的な遷移をしてしまう。だから、もし万一、ほんの数メートル離れたところで計測してもデジタルが正常に視聴できるレベルなのに実際にアンテナを建てられる位置ではわずかに「閾値」を下回ってしまう、と言う場所があると、公的な調査では「視聴可能」と結論されつつ実際には難視聴になってしまう、と言うことが起こりうるわけなんですよ。

えぇ、私の家がそうなんですけど。

元々私の家はアナログ難視聴で(近所の変電所のせいで)、難視聴対策をしてもらってた地域。しかし、デジタル化に当たって再調査したところ「デジタルであれば難視聴にならないと分かったので難視聴対策ケーブルは引っこ抜きます」と宣言されました。

ところが、(自腹数万円かけて)アンテナを建ててみたところ、映らない。いや、映るんです、一応。でも、数分に一度、かなりでかいブロックノイズを食らうような状態。本当に映るか映らないかの閾値ぎりぎりのところにいて、それこそ風が吹いたとか車が通ったとかそんな些細な出来事で映らなくなるようなレベル。東京タワー方向に変電所があるためその影響なんですが、逆に、全く別方向、東京タワーとは方位角で30度もずれているような近所のマンションを狙っても似たような品質で映るんです。要するに、マンション壁による反射波を受けても同じと言う程度の品質なんですよ。

さすがにありえないと思って難視聴対策しているところ(東京電力様!)に頼んでみたんですが、「デジタル化したので難視聴はありえない」の一点張り。近くの路上測定ポイントでは確かにデジタル視聴可能閾値を何とか上回っているので、文句も言えない。と言うのが去年の今頃のやり取り。

そんなわけで、アナログが停まると同時にケーブル再送信も停まり、我が家は地上波をほぼ見られない状態になります。いや、ブロックノイズを我慢しながら見るとか言う選択肢はあるっちゃあるんですけどね。

スカイツリーからの送信が始まれば、大丈夫なんですよ。送信位置が変電所に全く被らなくなるので。なので、スカイツリーに期待なんですが、アナログ停波からスカイツリー以降まで半年もあるとか、もう、いろいろと移行プランの設計ミスをしてますよね。普通は同時でしょう、こういうことは。まぁ、デジタルで東京近郊で難視聴になるなんて想像もしてない方々が設計しているのでしょうね。

ってことで、光を引っ張るなら、デジタル再送信をやっているところが良いなぁ、と言うことで、フレッツが選択肢に上がらざるを得ない。と言うことでかなり前からフレッツを検討しつつ、KDDIには何度かデジタル再送信サービスしないのーと要望を送ってたんですけど、ガン無視。

そんなことをしてたら、やはり「再送信継続お願いしますだー」と何度も頼んでいたケーブルテレビのほうから、月額数百円でデジタル再送信だけのサービスを、旧難視聴エリアの人限定で始めますよ、とDMが来まして。要するに私の家と同じような難視聴がエリア内に多発していたんでしょうね。東電補償は打ち切られたけどケーブルテレビが救済策として自前で始めることにしたみたい。スカイツリー稼動まではこれでお茶を濁すしかなさそうです。

アナログ停波で、私の家のごたごたよりもはるかに大きな影響を被る人が多発しそうな気がします。と言うような一大イベントであるアナログ停波。しっかり追っかけたいと思います。でわ。

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http://blog.rocaz.net/2011/06/1207.html

えーと、まぁ余り取り上げたくない、ちょっとアレなUID危険論サイトなんですけど、auのEZとPCサイトビューアのIPが統一されるという話で「もうダメだ」と展開している件について、「どこまでダメになるんでしょうか」と言う質問をいただきました。

この中で、まぁ前からこの人が主張しているのは「今のUIDを有効に保っているのは『脆弱な』3条件」と三つを上げていますが、いや、その三つをこそ、ケータイキャリアは死ぬ気で守ってるんですよね。決して『脆弱な』なんて形容詞をつけてよいような甘い体制ではないです、私の知る限り。はっきりいってあの辺の仕組みを守るために各事業者が(超関係者外秘情報につき省略されました)

と言うことで、端末もコンテンツも厳しい審査の上に展開されることで脆弱な3条件を守っています。逆にいえば、審査を通っていない勝手コンテンツは当然ながらUIDやIPの無謬性も保証してもらえません。信用は出来るけど信頼してはいけない、と言うもの。だから「まっとうな非公式」はしつこいほどに「個人情報やクレジット情報を入力するな」と警告表示したりしているわけです。と言うことで、以下はあくまで審査通過レベルのきちんとした作りのコンテンツ(TCP/IPレイヤのIPをノーチェックだったりHTTPSでサーバ処理をバイパスするなんていうインチキをやらない前提)の話。

そんなわけで、auがこの記事に書いているほど甘い考えを持っているはずがありません。と言うより、私は事実は逆であると考えます。つまり、今まで、「ゲートウェイによるID付与と加入者認証・端末認証・他」で守ってきたドコモ・ソフトバンクに対して、「端末によるID付与と端末・契約の強固なひも付け(例のセルフSIMロック)」という形でのUID保護を行ってきたau、しかしさすがに端末任せの現状はまずいと考え(はっきり言って私でも破る方法が思いつくレベル、いくつかの重要なキーが必要ですけど)、ゲートウェイ付与方式に転換するもの、と私は見ます(あくまで想像です、事実は異なる可能性は低くないです)。

実は、この辺の仕組み、auが一番遅れてるんですよ。ドコモが最初に契約ベースのゲートウェイ付与方式を取り入れ、ウィルコムがそれを一歩進めてどんなブラウザを使っても契約ベースで同じUIDが付けられる仕組みを作り(その代わり処理が重過ぎて一般サイトには通知できないらしいけど)、ソフトバンクも一時ものすごく混乱をきたした(公式網に変な端末が入れたり)もののほぼドコモと同じ仕組みへ移行、出来てないのはauだけと言う状況になっています。

で、auが今度、EZとフルブラウザのIPを統一し、HDML対応をやめる、と言うことをやるわけで、この二つを合わせてみれば、EZとフルブラウザを同じゲートウェイに収容しつつ、ブラウザでの偽装を許さない形でのUID付与をゲートウェイで行うようになる、フルブラウザでも偽装不可能なUID通知が始まる、あるいはそのスマートフォンへの拡張も考えている(SPモード対抗として)、と読めるのですよ。

実際、ウィルコムも、一般向けに提供されていないので知る人は少ないのですが、ケータイブラウザもフルブラウザもスマートフォンも(公式向けは)すべて同じゲートウェイに収容し、同じUIDを発行しています。私は単にauもその方式に移行するだけだと思ったわけで。技術的には簡単なんですよ。リクエストに含まれるUIDに関するオプションやパラメータを一旦跡形もなく剥ぎ取り、加入者データベースに問い合わせて正しいUIDをくっつける。それだけ。たったこれだけで誰にも偽装できないUID付与が可能。auの古い端末は自発的に端末IDを送ってしまいますが、多分それはゲートウェイで一括剥ぎ取りし、加入者データベースから引っ張ってきて付与するという仕組みに移行するのだろうと思うのですよ(端末IDは加入者データベースからも引けますし)。

あるいは、au端末に積んであるフルブラウザを試験した結果、UID偽装ができる設定やスクリプトなどは動かせないと結論して、単にIPがもったいないから統合しただけかもしれません。この可能性もほどほどに高いと思うので「上のようなことをやっているんだ!」とはさすがに断言は出来ないところなのですが。しかしauがUIDの仕組み上一番遅れているし一番破る敷居が低いのも事実なので、そろそろ手を入れたんじゃないかと思いたいところ(苦笑)。

まぁ実際に始まってみないとなんともいえないですけど。auが世紀のチョンボをやったのか、単にIP節約体制に入ったのか、あるいは過去最高にセキュアなUID付与体制が整ったのか。いずれでしょうね。ゲートウェイ、ブラウザ動作などについて、「検証」を楽しみに待ちたいところです。

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先日、某社の障害に関して、「認証関係が怪しい」と言うお話をした際に、「そもそも携帯電話ネットワークの認証系とはどういったものでしょうか」と言うご質問をいただきました。例によって私の不得手な領域のお話なので、勉強しながら解説したいと思います。

認証と言うのは要するに「本人確認」のことなのですが、携帯電話システムにおける「本人確認」とは何を指すのかと言うところから。たとえば、ネットバンキングをする場合、個人のログインIDとパスワードを入力します。この場合、「ログインIDとパスワードを知っているのは本人だけ」と言う前提のもとに、その両方が一致した場合はそれを入力したのは本人とみなす、これが「認証」です。

では携帯電話では誰が認証されているのでしょうか。下世話な話になりますが、携帯電話を使うには、お金を払わなくてはなりません。お金を払っていない人が携帯電話ネットワークを勝手に使うことを防ぐ、それが携帯電話での認証の最初のモチベーションです。

と言っても、携帯電話で通話するたびに運転免許証の顔写真を見せて本人確認をするわけにもいきません。そこで、携帯電話では「その端末を持っているのは本人だけ」と言う前提のもと、端末に対してそれが本物かどうかの確認を行います。

で面倒な話はしたくないので、ここで先回りしておきますが、多くの方式では実際には端末そのものではなく、端末の中に入っている「SIMカード」が本物かどうかを確認します。古い方式ではそうでない場合も多いのですが、もうめんどくさいのでどっちの場合はどうとかSIMを入れ替えたらどうとかの話は無視して、端末本体とSIMカードを合わせて「端末」と今後書くことにします。

で、端末が本物かどうかをどうやって見分けるのか。これを流れに沿って書いていきます。

ある人が携帯電話に加入します。そのとき、その人に貸し出す端末には、ある特定の「ID」と「パスワードっぽい知識」が中に(生のデータが絶対に読み込めない仕組みで)書き込まれています。ショップで加入手続きをすると、携帯電話会社の方でその貸し出した端末のIDをもとに、「加入者情報サーバ」にそのIDがこれこれこういうオプションをつけて加入しましたよ、と書き込みます。

次に加入した人が、携帯端末を使おうとするときです。携帯電話の無線ネットワークは、アクセスしたいという人はとりあえず一旦受け入れることになっています。そのとき、端末は自分の「ID」を無線ネットワークに伝えなければなりません。無線ネットワークはその直後、「加入者情報サーバ」に対して「なんかこのIDのヤツが使いたいと言って来たんすけど」と問い合わせます。

そこで加入者情報サーバは、よしそいつの確認は任せろ、と言うことで、「お前、本当に「ID」本人なら、この質問に答えられるよな?」と言う感じの質問を端末に対して投げつけます。ここで端末が本人であれば、「パスワードっぽい知識」からその質問に答えることが出来ますので、端末は「はい、答えは○○っす!」と元気に返答します。

加入者情報サーバは答えを照合し、合っているっぽかったら、無線ネットワークに対して「あいつ本人に間違いないわ、世話してやってくれや」と伝えて、役目終了。後は無線ネットワークがその人が本人との前提でいろんなサービスを伝える、と言うことになります。

この「端末が本物かどうか見分ける」と言うのが、加入者情報サーバの「認証」の機能です。そのため、加入者情報サーバを含む一連の設備を「認証系」と言ったりします。

また、加入者情報サーバは、各IDの端末が今無線ネットワーク上のどのへんにいるかと言うことを大雑把に覚えておくという役目も持っています。外から電話がかかってきたとき、その電話を受けた交換機の人は、加入者情報サーバに対して「あいつ今どこ?」と聞き、加入者情報サーバは「あのへんにいるから呼んでみな」と応えるわけです。それに対して交換機は「あのへん」の無線ネットワークに呼び出しを頼み、無線ネットワークが無線一斉呼び出しの仕組みを使って、「おーいIDさーん」と呼びかけて応えがあったらつないであげる、と言う仕組み。さらにMNPに関しても加入者情報サーバが対応し、交換機から「あいつ今どこ?」と聞かれたとき「あ、MNPでよそ行ってるわ、宛先教えるからあっちに聞いてみ」と答えることでMNPが実現しています。

このため、通話の発信・着信のとき以外にも、端末と認証系での会話の機会があります。それは、電源を入れたときと、無線ネットワーク上での「あのへん」から「このへん」に移動した場合。このとき端末は、「今ここにいますよ」と言う情報を加入者情報サーバに伝えます。加入者情報サーバはその通知を受け取って、端末がどこにいるかを覚えておくわけです。ちなみに「あのへん」「このへん」の地域の大きさは、事業者のポリシーや地域特性にもよるのですが、各市区町村が10個以上には分かれていないけど1個以上をまたがることもない、という程度の大きさになっているようです。

さてもう少し深い話。上のような仕組みとはいえ、実際には何千万加入者がいて秒間何十何百と言う認証リクエストをさばかなければなりません。とても一台でそれをこなすのは無理です。そこで一般には加入者情報サーバも機能を切り分けて複数のハード/ソフトでいろいろと手分けをします。

まず、標準的な技術として、各無線ネットワークのある程度の大きさ(上の「あのへん」「このへん」)ごとに「出張所」を設けます。ある端末がある出張所の下に入ってきて「ここにいるよ」と宣言したら、加入者情報サーバから出張所に加入者情報を一時的にダウンロードします。その後は、その端末がその出張所管理エリアから出ない限りは、すべての認証作業は出張所が代わりに行うことになります。

次に各事業者・ベンダごとの構成の話になりますが、基本的にこの手のシステムでは、「端末と会話する係」と「データベースを持つ係」は分離してあったりすることが多いようです。端末と会話する係(フロントエンドサーバ)はひたすら端末との会話処理を行い、必要なときだけデータベースを持つ係に情報をもらう、と言う役割分担を行うわけです。

また、データベースを持つ係(データベースサーバ)も、持っている加入者情報(レコード)の数が増えると処理負荷がどんどん増えます。さすがに一人で何千万もレコードを持っていては大変なので、ここでもたとえばIDの範囲によって何台ものサーバで分担することになります。IDの上5桁が00001番から01000番まではAサーバ、01001番から02000番はBサーバ、みたいに分けてしまうわけです。で、フロントエンドサーバは、問い合わせのあったIDによって、どのサーバに問い合わせるかを振り分けます。

さてここで障害の話。たとえば、Aデータベースサーバへのアクセス負荷が何らかの原因で急上昇してしまったとします。いろんな原因が考えられますが、たとえばデータベース内のデータがぶっ壊れたのでミラーから書き戻すプロセスが走っているとか、Aサーバの繋がっているスイッチのポートが軽く壊れちゃったとか、そういう状況。すると、Aデータベースへの問い合わせに対する反応が少しずつ遅くなります。一つ一つはわずかな遅れでも、それは徐々に蓄積していきます。それがついに「端末/無線ネットワークが痺れを切らすほどの待ち時間」になると、端末か無線ネットワークから「聞こえなかったかな?もう一回問い合わせ送るね」と言う余計なことが始まります。この余計なことがさらに負荷を押し上げます。

で、この「聞き直し」でもダメだったら、端末は本人確認が失敗したということで「接続失敗」となるわけです。しかし端末を使っている人はいきなり「失敗です」と言われても納得行かないわけで、たいていはもう一回試してみます。この「もう一回」をいろんな人がやり始めることで、さらにさらに問い合わせ数が増え、Aサーバ周りの負荷が増大していくことになります。

ここでこの問い合わせ失敗による接続失敗が起きているのはAサーバに保存されている加入者、IDが00001番から01000番までの人に限られていることがポイント。先日の某社の障害で、「関東で契約したうちの○○万人が対象」ってことは、多分この分割したデータベースサーバのどれかが落ちていた状態だったのでしょう。また、他の地域で使ってたりMNPしてたりしても影響を受けたのも、そういった場合の返答をするのもこのサーバの役割だったからです。

また、朝の通勤ラッシュ時間帯と言うことも障害に拍車をかけます。先ほども書いたとおり、「あのへん」から「このへん」に移動すると、そのときも端末は加入者情報サーバへ自分の位置を登録しようとします。このとき同時に、通話のときと同じ「認証」も走るし「出張所へのダウンロード」も発生するため、実は単なる通話以上に負荷がかかります。そして通勤ラッシュ時と言うのは、とんでもない数の人がそこそこ長い距離を一斉に移動すると言う時間帯。つまり、とんでもない数の人が相当な頻度で一斉に加入者情報サーバへ負荷をかけるという意味です。軽い障害による軽い負荷上昇でも、この時間帯に起これば大規模障害の引き金になりかねないというわけです。

と言うことで、余り細かい技術やインターフェースや用語にこだわらずに大雑把に説明してみましたが、いかがでしょうか。逆に、全部の用語をきっちり説明しろと言われても結構厳しいので、今日のところはこの辺でご勘弁をお願いいたしたく候。でわ。

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東電の持っているKDDI株に、孫先生が興味を示していて、さらにトヨタがKDDIと縁を切りたいのでトヨタ持分も孫先生に譲ろうとしているという話が某ゴシップ経済誌に載ってたけど、実際はどうなんですか、なんていう質問を頂いています。

この辺の裏話は全く分かりませんが、もし私が孫先生で、もしトヨタがKDDIを手放したいと思っているのなら、間違いなく手をつけると思います(笑)。

もちろんお値段によりけりなんですけど、東電持分の8%ちょいとトヨタ持分の11%ちょい、合わせれば20%の議決権、それが今なら4000億程度で手に入るとなれば、そりゃぁまずはツバつけときますよ。ソフトバンクグループの純利益が数千億出ていて(もちろんそれは帳簿マジックなんですけど)、そんな「優良グループ」が「ちょっとKDDI支配したいから4000億ほど貸して」と言って断る銀行もまずいません。

だって、もし同じ支配率を実現するためにTOBかけたら、どんだけカネがかかることか。今市場価格が割安になっているのでプレミアの上乗せはかなりアグレッシブでないとならず、対抗TOBも考慮したプレミアをつけると多分同じだけ買い集めるのに6000~8000億はかかりますよ、きっと。それが破格の4000億。そりゃぁよだれも出ます。

競争相手を資本的に取り込んで競争をうやむやにするというのは孫先生は過去に何度も見せてきた手法でもありますし、もし東電保有分に関してソフトバンクに対する交渉のテーブルが用意されていて、なおかつトヨタ持分の放出まで、なんて話があるのなら、やりますよ。

問題は、トヨタが本当にそんなことを考えているのか?と言う点。こればっかりはトヨタの中の人じゃないと分かりませんけど、いろんな人に聞いた感じのイメージでは、少なくとも現場レベルではそんな空気は全くなさそう。お互いにいろんなシステムの開発で出向し合ってたりするみたい。KDDIもほどほどに配当を増やしているし、営業シナジーもそこそこあるみたいだし、特にトヨタの財務が切羽詰っているわけでもないので、トヨタがKDDIを切り捨てるってのは余りなさそうな話に思えます。

と言うか、トヨタがKDDIを売り払うって、何年かおきに必ず経済ゴシップ誌で出るネタなんですよね。日本一のメーカであるトヨタの資産リストを眺めてると必ずぶち当たる「なんだこのでかい額は」ってのが(不振の)KDDI株なもんで、ゴシップ屋さん的にはそれを「負の遺産」と書き立てて煽るのが通例になっている感じです(笑)。

と言うことで、東電保有分8%だけでもとって役員を送り込む(んで端末・サービスをスパイするとか)くらいのことはするかもしれませんし、それだけでも価値はありそうですけど、トヨタ分まで買って筆頭に、と言うのはちょっと可能性の低い確率な気がします。が、あえて、もしそういうことがあったら、と言うのをちょっと考えて見ますと。

まぁ20%ではちょっと心もとないので、ここは一つ、40%ほどとっちゃったと考えて見ましょう(えぇ~)。要するに完全に一体経営ができるレベル。ソフトバンクもKDDIも固定網と携帯電話網を持っていて、これだけでは特にシナジー効果はないかもしれません。むしろ二重ネットワークで二重投資になるだけです。と言って、加入者だけをごっそり奪い取るにしても、それを収容するキャパシティがソフトバンク網にはありません。

一番おいしいのは、KDDIの持つ物理的なリーチの積極活用。中継網と市内網。中継網は日本でも随一の海底網+地上幹線網をもち、市内網は日本1、2位のケーブルテレビ連合を手中にしているという豪華絢爛さ。制度的に動きの取れないNTTグループを追い上げるのにこれほど恵まれた条件はありません。とはいえサラリーマン社長が指揮を執るKDDIではそれらを余り有効活用できていませんが、もし孫先生が独裁的に指揮を執れるなら、一気に市場をひっくり返すような大博打も出来ます。たとえば、既にケーブルの届いている家庭には、ソフトバンクケータイとセットであればほぼ無料に近い形でケーブルサービスの一部を提供する、とか。ソフトバンクのBB回線のネックは、物理線をNTTに借りているため最低原価を下回った「一発逆転」サービスを提供できないこと。同軸ケーブルでは少なくともその枷から開放されます。さらに、同軸更改時に光化することでさらにNTTを追い上げる芽も見えます。もちろん、ソフトバンクグループのバランスシート拡大パワーを使った各CATV連合への支配率強化も忘れてはいけません。

また、「周波数」もおいしいところです。もちろん周波数だけ奪取しても何もなりません。ただKDDIは既に800MHzなどの使い易い周波数をLTEへ向けてマイグレーションしつつあります。一方ソフトバンク傘下のWCPはTD-LTEへ向けて発進。そう、ソフトバンク携帯サービスの負荷分散先として、この「二つのLTE網」は非常に有望です。大収容力のLTEを、800MHz、1.5GHz、2.5GHzと三系統も一時に手に入るのであれば、それだけでもKDDIを手に入れるに十分な理由となるかもしれません。加えてKDDI傘下のUQもTD-LTE化すれば4系統(しかも端末はWCPと同一バンドで対応可能)。800MHz帯のCDMA2000はさっさと停波してLTE化、2GHz帯のCDMA2000は分社化して海外ファンド辺りに二束三文でポイ(ここで無駄なダブりネットワークを処分)。

KDDI LTEサービスは予定通り始める、だけど、本当に魅力的なプランはソフトバンクモバイルサービスとして提供する。ソフトバンクのスマートフォンには、通話用の2GHz-WCDMAとデータ用のLTE(3バンド対応)が載る。LTEのバックボーンにはもちろんKDDIの骨太幹線網を使うことで、ドコモを圧倒するデータ通信スピードを実現する。同時に、各家庭への同軸のリーチを使って、各家庭にWiFiを配し、屋内スループットでもトップを狙う。ソフトバンクになればこのくらいのことは出来そうです。いまいちソフトバンク自身の網が活躍していませんが(苦笑)。

NTT対抗軸として巨大グループ誕生と言う面白いシナリオが見えはするものの、まぁ余り実現性はないなぁ、と言うことであえてでかい妄想をおっぴろげてみましたが、それにしてもKDDIの東電持分、どこ行くんでしょうね。住商が、って話もあるけど、あれもまだウワサレベルだし。案外KDDIが自分で買っちゃったりして(去年も結構な額の自社株買いしてたし)。と言うことでソフトバンクがKDDIを買収する妄想でした。でわ~。

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先日発表のデータ通信満足度市場調査の結果について、コメントをば。
携帯市場を牽引するデータ通信端末、顧客満足度はNTTドコモが3連覇

ドコモ強し。総合でも一つ抜けたトップだし、エリアの広さはまさに他を寄せ付けない圧倒的スコア。その他、ドコモが強いのは、「品質」系と「サポート」系。エリア、品質、サポート、まさにドコモがここ数年力を入れてきた部分が如実に結果に反映されています。「速度」と「品質」はやっぱり別物なんですよ。いくら速くても繋がらないとかパケロスだらけとかではダメ。もちろん圧倒的に速ければパケロスなんぞさらに上のレイヤで補償できちゃうわけですが、品質が落ちている時は速さもある程度落ちているわけで。品質最重視と言うドコモの方針、これは、最近お昼頃自動発動している接続規制にも現れています。品質が落ちる前に緩やかに規制をかける、これは品質を守る最良の施策です。とにかくあらゆる方策で品質を守るドコモ、技術的裏づけ、資本的裏づけを考えるに、この圧倒的強さは当分揺るがないでしょうね。

二位のUQは、何しろ「速度」で飛びぬけていて、ついで「回線機能性」系統が高いスコアをつけ「料金」系もほどほど、で二位になっています。これも大体特徴をうまく捉えている感じですね。最も潤沢に周波数を使いサービス上の制限も皆無、料金も準最安。エリアの狭さを他の特徴が大きくカバーしています。そのエリアも、徐々に充実してきているようで、総合では三位以下を今後引き離す方向に向かうのではないでしょうか。ただ、やはりさすがに都心では混雑の声が聞こえ始めています。UQは既に3波を使い切っているようなので、容量確保のためにはセル割り打ちが必要ですが、そのときは必ず屋内・ビル陰補償が必要になります。そういったケアをしながら容量確保が進められるのかが今後の満足度維持の課題でしょうね。

意外と言っては失礼なんですが、KDDIが三位。どの項目でも一位をつけていないのに満遍なくスコアは高い感じ。速度がUQについで満足度が高いのは、WiMAXハイブリッドのおかげもあるんでしょうけど、やっぱりマルチキャリアEVDOの実力でしょうか。ケータイニュースのほうで集計している「最高速度」の方では、三社中では常にKDDIが圧倒的なトップ。平均は三社中二位でもそれはシングルキャリアな端末が足を引っ張っている結果で、実効トップスピードは頭一つ抜けている感じ。それが、KDDIの速度満足度を上げているんでしょうね。その他は、まぁよくも悪くも「セカンド・ドコモ」と言う感じ。

そして昨年二位のイーモバイルが、四位にまで下降。しかも僅差の四位ではなく、意外と差のついた四位になっています。何より、通信速度が、(PHSであるウィルコムを除くと)大きく引き離された最下位で、これが評価を引っ張っています。多コード割当、多値QAM変調、DC化、などなど標準上の拡張はいち早く取り入れていても、結局それらは絶対容量を食いつぶすだけの拡張なので、そもそもイーモバイルの速度が出なくなった原因である容量不足がそのままである以上、速度は向上しないんですよね、理屈上。端末価格関係だけは上位ですが、サービス料金系はほぼ最下位。まぁあれだけインセがらみの騙しプランを満載にしてりゃぁ、満足度も下がります。インセは盛りたいけど現金はない、と言う厳しい台所事情も見えてきているという感じでしょうか。

五位はソフトバンク。なんというか、全くみるところがない感じ。全体的にじんわりと悪いスコアを重ねての五位。エリアはイーモバイルにさえ大きく離されての五位、品質系もウィルコムが下にいるだけのダントツの五位。ソフトバンク定額データはイーモバ借りだけなので、エリア評価の低さはイーモバのせいなのか、と考えても、イーモバよりも圧倒的に低いのが説明がつかない。ただ、都心部では、明らかに地下・屋内はイーモバよりもエリアが狭い傾向が強いので、都心部の法人ユーザからの低評価が効いているのかも知れません。そもそも自社で定額データを一般向けに出していないのはソフトバンクだけなので、それでこのスコアなら良しとすべきなのかも知れません。

最下位は順当(?)にウィルコム。料金系もエリア系もほどほどのスコアなんですが、通信速度と品質がとにかくめちゃくちゃに低い。PHSだから仕方がないんですけど、PHSだからこそ、適用するアプリケーションを厳選・制限して品質を高く保ち勝負していく、みたいな施策が必要なはずなんですが、おそらく他社と同等のソリューションにPHSを持って行ってガチンコ勝負してこういう状態なんだろうなぁ、と。一般のアプリケーションで扱うデータ量が無駄に増えてきている以上、そういった土俵での勝負は避け、少データ低呼損みたいな要求条件のところに持っていくべきですね、今後のPHSは。ピークレートが限界なPHSデータは大きな戦略転換が必要なはずです(データ放棄も含め)。

と言うことで各社の結果について軽くコメントをつけて見ました。しかしドコモ強いなー。

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先日ドコモの規制の話を書いたら、いろんな反応を頂いたのですが、ちょっといろいろと用語が錯綜していて間違って伝わっている風もあったので、ここでカンタンに整理。

接続規制 (access control)
接続への試み(アテンプト)を規制すること。報知情報(SIB2SIB3)に規制率を含め、これを受信した端末は、アテンプト時に乱数を生成し、その乱数値が規制率以下であれば自発的にアテンプトを取りやめる。このときiモード端末であれば「しばらくお待ちください(パケット)」と表示される。[追記]普通にLTEの動作を書いちゃいました、WCDMAですよね、当然(笑)。でもWCDMAも大体似たようなもんです(報知情報受信→端末が自発的に黙る)。ご指摘ありがとうございます。

帯域規制/速度規制 (bandwidth control)
ユーザごとにパケットの通信速度を制御すること。交換機側で帯域を絞る方法と、基地局で割当無線リソースを絞る方法がある。いずれも標準化されていない独自技術となる。利用量の多いユーザへのダウンロード速度を絞ることで他のユーザのダウンロード速度を確保することが目的。接続可否とは無関係。

接続輻輳 (access congestion)
基地局/交換機の処理リソースを超える接続が行われている状態。処理リソースを超えた接続要求に対して基地局/交換機は接続拒否を行うことで接続を破棄する。輻輳していることが事前に端末に通知されていない状態。この状態に陥ると、接続に長い時間がかかったり「接続に失敗しました」などの表示とともに接続が破棄される。この状態ではアテンプトは通常通り行われるため、適切な接続規制をしないと輻輳は加速的に進むことになり、最悪の場合は設備障害などを起こす可能性もある。

帯域輻輳 (bandwidth congestion)
ある基地局における無線リソースの利用率が常に100%に近く、多くのユーザがダウンロードのための無線リソースの割当行列を作っている状態。ユーザ(端末)に対するダウンロードデータが局のパケット交換バッファに到達すると、その情報に従って基地局は順次ユーザにダウンロード用の無線リソース(時間/コード/etc)を割り当てるが、1局に対してあまりに多くのユーザからのダウンロードが同時に行われると待ちユーザ全員に対応する無線リソースが割り当てきれなくなり、待っているユーザの行列が長くなる。この行列が長くなると各ユーザの割当タイミング間隔が非常に長くなるため、ダウンロード速度の低下や顕著なパケットロスの上昇がみられるようになる。適切な接続規制や帯域規制を行わないとこの状態に陥る。

ドコモは、高級な自律規制システムを使って接続規制を行い、輻輳状態が生じるのを防いでいる、と言うことです(もし規制が本当なら)。こういった規制を行わず各輻輳状態に突入するのが良いのか(繋がるけど低品質)、規制をすることで輻輳を防ぐほうが良いのか(繋がりにくいけど高品質)、これは各事業者のポリシーの問題なので、このこと一つをとって「事業者の勝ち負け」を論ずるのは間違いです。

ちなみに一つ情報を頂いていまして、やはり5月中旬から日中に規制がかかるようになったという方なんですが、その方の場合は、高層ビルのオフィスで、ドコモの屋内基地局が設置されているという環境のようです。昼休みに外に出たら規制はかかってないっぽいとのこと。

また、国産スマフォは規制されてるけど海外モデルはそんな画面は出ないとのことですが、規制の仕組みは国際標準だし特定端末を狙い撃ちにするということも不可能なので、多分UIだけの問題だと思います。ドコモ謹製メッセージを出している国産スマフォに対して、多分海外スマフォは黙ってアテンプトを破棄しているだけだと思います。とはいえ、カスタマイズの甘い海外スマフォは非常に行儀の悪い動きをするらしく、OSから結構短い間隔でアテンプトを繰り返してさりげなく接続に成功してしまうのではないかと想像できます。

そういえば私の職場も高層とまではいえないけどそこそこ高いところ・・・だけどドコモの屋内局なんて入ってたかな?入ってないはず・・・だけど、わかんないや。でもちょっと職場から離れると平気っぽいんですよねぇ。

ってことで。

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メールでご質問をいただきました。こちらの記事で、KDDIがLTEとWiMAX両方の投資を継続すると述べていて、これが実に無駄に感じるがどのような意義があるのか、という趣意のご質問。

記事中では、3Gネットワークの破たんの問題を、どんなにたくさん投資をしようとそれが「いつ」だけの問題であり、どの事業者も必ず破たんに直面する、と、思いがけず鋭い指摘が見られます。実際、スマートフォンの流行で無線ネットワーク事情は一変してしまい、従来の「需要を容量以内に収める」という基本的な考え方は過去のものになりつつあります。容量は容量、需要は需要、もし需要が容量を超えたら、容量を超えた需要は(どうせお金にならないので)切り捨てて良し、という方向になりつつあります。

そういうわけで、全事業者がスマートフォンの大量導入で完全にその方向を向いてしまった以上、氏の指摘する「誰もがいつかは直面する」という指摘は的を射ていると感じました。で、KDDIではそれをどう考えているかというと、LTEとWiMAXへの負荷分散がライセンス事業者としてのまず最初の解であると考えている、というお話となります。

二重投資が無駄か無駄じゃないかというと、たとえば需要がさほど伸びない状況で単にユーザに豪奢なメニューを提供するだけのための二系統ネットワークであれば、これは完全に無駄ですが、今は、容量がまったく追いつかない状況。とにかく使える帯域は使い切るというのが絶対に必要になります。となると、他社との奪い合いの起こらないライセンス帯域への投資は何より最優先すべきことで、その片方がたまたまWiMAXでした、という話に過ぎないと考えます。

もちろん、個人的にはここには大きな無駄が潜んでいると感じます。ぶっちゃけ、ソフトバンクの言うように、2.6G帯はTD-LTEへと向かうべきだと思うわけで。WiMAXはワールドワイドではほぼ失敗が確定し、ここからWiMAX/2対応モジュールを作る会社は大きく狭まるはずです。このままWiMAXに投資を続ければ、待っているのは端末価格の高騰による競争力激減。そういう意味では、WiMAXへの投資は将来の莫大なコストをひっぱってくるという意味で「大きな無駄」かもしれません。

また、TD-LTEの有線ネットワーク部分はLTEと100%互換なので、ネットワークの共有可否という意味で、TD-LTEではなくWiMAXへ投資するのは大変な無駄です。WiMAXへの投資は、もちろんエリア拡大を淡々と続けつつ、いずれはWiMAX3波のうち1波、2波と徐々にTD-LTEへとシフトしていくというのが、当面はまさに「二重投資」に近い状況となりますが、将来的には様々な部分で大きな投資抑制を引っ張ってこれるはずです。

そういう意味では、ソフトバンクが余った帯域でTD-LTEに向かっているのはセンスが良いのですが、一方、ソフトバンクはFDDのLTEをどうも当面はやらないつもりらしくて。LTEを(も)やるという約束でもらった1.5G帯も、そっくりHSDPAに使い切っている模様。ということは、重要な「TDDとFDDでの有線ネットワーク共有」という恩恵が活きず、ちょっと片手落ちと見えます。HSDPAの有線系インターフェースはLTEとはあまり互換がないので。

ドコモはどうもそういうことはあまり考えてなくて、ライセンスFDD帯域でのLTE一本で突き進む感じ。そもそもTDD帯域も持っていないし。とはいえ、ドコモはKDDIをはるかに超えるアグレッシブな投資を非公式に計画しているという話もあるので、たとえば800MHz帯でLTE面カバーしつつ2G帯/1.5G帯で10MHz x 2 & 15MHzシステムによる超マイクロセル展開ですさまじい容量を確保する、という方向かもしれません。まぁそんな変態じみた投資をするにしても、さすがドコモ大先生、としか言わざるを得ませんけど。

最後に、KDDIが無線LANへの負荷分散を考えているというお話も記事中にちらりと出ていたのが気になります。フレッツスポット1万APを「少ない」と切り捨てているところから、今後、少なくとも1万を超えるAP数のサービスを開始することが予想されます。なんとなくだけど、ほどほど大きなAP数を持つ独立系無線LAN事業者を複数一斉に買収するんじゃないかという臭いがします(笑)。

ということで、LTEとWiMAXへの投資は二重投資かのお話でした。でわ~。

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いまさらですが、計画停電と携帯電話サービスの話。

計画停電は、携帯電話の基地局や交換局にも問答無用で襲い掛かっている模様で、実際に予備電源を備えていない基地局が停止しているらしいという話も聞こえてきたりします。今回、具体的にどういう影響があるのかをもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

まず話のベースとしては、今回の計画停電に関しての電話取材結果イーモバ等補足)と、少し前に総務省が決定した予備電源を有しない携帯電話基地局設置の容認と言うあたりになるかと思います。

まずは総務省の決定事項について。2008年、総務省は「予備電源」、つまりバックアップ電源を持っていない基地局を設置しても良いよ、と発表しました。これは逆に言えば、それ以前は必ず予備電源が必要であったということです。電気通信設備規則では、携帯電話基地局については必ず予備電源を持っていなければならないとルール化されています(UQやウィルコムについては後で)。また、この義務の緩和後は、特に屋内や地下などの対策に関しては、屋外・地上に出れば予備電源具備局に接続できる場合に限り予備電源不要とされました。

また、公表されていないガイドラインとして、最低3時間通常動作ができるだけの容量を持つべし、と言う決まりもある模様。こちらは強制規則ではないためあくまで各事業者の努力目標となりますが、原則としてこれを守ることになっています。

で、これに対する電話取材結果を見れば、大体そのとおりになっています。一社を除いて(苦笑)。ドコモ・KDDI・イーモバイルはガイドラインどおり、最低3時間の動作が保証されていますが、ウワサ程度に聞いたところではソフトバンクだけはコスト削減のためにガイドラインを無視して動作時間保証の出来ない適当なUPSを使っているようで、電力の小さい局なら長時間動くけど大きい局だとガイドラインにはるかに届かない、みたいな事が起きるようです。このため、この取材に対するコメントもあやふやで「数時間は動くと思うけど地域や状況によって使用できなくなるかも」と言う答えになってしまっています(計画停電3時間であれば大丈夫とほぼ断言しているドコモ・KDDI・イーモバイルとは非常に対照的)。

そもそも、先日まで行われていた計画停電、タイムテーブル上では3時間40分になっていましたが、しかし実際に行われたのは、○時20分の開始時刻に対して次の正時、つまり[○+1]時ちょうどでした(どこの地域も同じだったのかな?私の自宅所属グループと隣接別グループは例外なくこうでした)。つまり、計画停電は最長でも3時間に抑えられていたんです。これ、通信設備の予備電源ガイドライン「3時間」を考慮した設定だったのではないかと私は考えています。3時間であれば、(ガイドラインを守っている会社の設備なら)確実に役務提供を継続できる、と言うわけです。守っていない会社のことはしらん、と言うことになるんでしょうが(苦笑)。

さてこういうわけで、夏場に計画停電がもし再開されても(一社を除いて)安泰だなー、と思っちゃうのですが、ちょっと気になることがあって。予備電源、つまりバッテリそのものの問題が気になるんです。元々、携帯電話基地局の予備バッテリは、普通は使用されないものと言う前提です。短期間で充放電を繰り返すものではなく、常に一定以上の容量を維持して、その生涯で1回か2回の不測の停電に備える、そういう種類のものです。そういう要求仕様で作られたバッテリに対して多回数の充放電は深刻なダメージを与えるのではないかと私は考えています。ぶっちゃけ、夏を乗り越えられないんじゃないの?くらいの。

特に夏場は深刻で、何しろ非常に高温の環境でのかなり深い放電です。なんかいろいろ劣化しそうですよね。携帯電話基地局(の特に古くて大出力のもの)は、基地局そのものと付帯設備を小さな建屋に収納し、建屋をエアコンで冷やしているものも多いのですが、停電時はエアコンも減力運転(あるいは停止)せざるを得ないはずなので、外気よりもさらに高温の環境に晒されることになりそうです。これがほぼ毎日です。生涯に数回くらいしか来ないと思ってた長時間停電が毎日。ほらやっぱりいろいろ劣化しそう。

と言うことで、この夏、計画停電が再開したとき、大丈夫だと思ってたキャリアでももしかすると局所的な停波が(計画停電の終わり際とかで)ぽつぽつと出てくるかもしれません。また、万一制御局のバッテリが上がってしまったら、地域丸ごと圏外と言うこともありえます(さすがにこれは対策されるでしょうけど)。とにかく何をとっても今回の災害は想定外だらけで、今年中は携帯電話サービスに関しても何が起こるかわからないですよ、と脅しめいたことを書いておいてみたりします。

さて後回しにしていた、ウィルコムとUQの件。元々、携帯電話ではないPHSとBWAは、予備電源具備の対象外でした。「携帯電話は重要通信を扱うけど他はそうじゃないから」と言うことなんですけど、ご存知のとおり、PHSでも緊急通報は出来ますし災害用優先電話も各省庁や警察消防に提供されています。ただPHSはとにかく基地局数が膨大で、一度「不要」と言ったものを後から義務化するのはさすがに無理です。ので「不要」と言う規則自体には変更はありませんが、ウィルコムは一応官庁などからの要望に自発的に応える形で、重要なエリアについては一定割合で予備電源を設置してきました。と言うわけで、東京都内や地域の役所近辺とかだと予備電源があって停電中もつながったりするみたいですが、基本的には無理、と思っていたほうが良いでしょう。また、UQはそもそもそういった重要通信をBWA上で提供していないので、基本的に予備電源は持たないようです。

と言うことで、計画停電による携帯電話サービスへの影響について、ちょっとだけ突っ込んでみました。でわ~。

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