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はまってる人多いんじゃないかと思って、エントリーしておきます。

Windows10で、無線LANと携帯ネットワーク(内蔵無線WAN/LTE)を同時にONにして置き、なおかつ、どちらも「自動的に接続」に設定してあるとき。
気が付くと、無線LANが切断されていることがあるんですね。自宅なのに、LTE接続で使ってることが。

頻発するので、自宅にいるときはわざわざ携帯ネットワークをOFFにしたりしていたんですけど、めんどくさいなあ、って思ってて。ネットワークアダプタのメトリックを携帯ネットワーク>無線LAN>イーサネット、の順にして、ルーティングの優先度を変えてみたりしたけど、ダメ。

調べてみたら、Windows10には、ネットワーク接続の「数」を最小化するっていう機能があるんですね。省電力のために、なるべく接続数を絞ろうとするみたい。で、スリープから復帰したときとか、たいていは無線LANが接続、その後携帯ネットワークが接続、って順番で、どうも、そのタイミングで「じゃ無線LANいらないよね」って切断してくれちゃってるみたい。

ということで、解決策は、レジストリエディタでした。

コマンド名実行でregeditを実行。
場所は、
[HKEY_LOCAL_MACHINE] -> [Software] -> [Policies] -> [Microsoft] -> [Windows] -> [WcmSvc] -> [Local]

ここに、
[fMinimizeConnections]という名前で[DWORD32]の値を追加します。値は”0″で。すでに存在している場合は、値が”1″になっていると思うので、これを”0″に変えます。

一応これで直りました。お役立てください。

値が存在していて”0″になってて、それでも同じ症状に悩んでいたら・・・わかりません(コラ)。

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どうしてスマホにハードウェアキーが無くなっていっちゃったんでしょうね、と言うお便りをいくつかいただいています。本当にどうしてでしょうね。

片方の都合はよく分かるんです。作る側の都合。可動部って一番コストがかかるから作りたくないんです。何度でも書きますが、全面タッチパネルのカマボコ板が一番低コストで誰にでも作れるんです。ボタンだのヒンジだのをつけるとそれだけでどんどん設計難度が上がっていきます。

技術の蓄積が無くても、お試しレベルで作れちゃうのがカマボコ板。凝ったデザインになればもちろん複雑な組み立てラインが必要でそれなりの会社にしか作れないでしょうが、それでも、内部設計は簡単。出来合いの配置図どおりにチップとアンテナを配置するだけで作れちゃうレベル。一方物理ボタンがここに増えていくと、つまり、電気的な接点が余計に増えていくわけです。電気的な接点は無線設計上は厄介な邪魔者。ちゃんと技術があればそれでも性能の出るものを作れますが、それでは、新興国の安物にコスト競争でとてもかなわない、と言うことなんでしょうね。

作る側としては、一台作るごとにコストの発生するハードウェアに余計な仕掛けを入れるよりは、売れば売るほどコストを回収できるソフトウェアに力を入れたほうがいい、と判断するのは、自然なことだと思います。通信環境が整っているので、実際のコーディングは地球の裏でやっても良い訳ですし、であれば、一番人件費の安い国をいつだって好きなように選べる、と言うのも、ソフト重視の流れを強く後押ししています。

もう片方の都合。使う側の都合なのですが、こちらがよく分からない。確かに、タッチパネルがひとつあればあらゆる操作ができちゃうので、物理ボタンは必須ではない、ってことはよく分かるんです。ただ、思いのほかそれを不便と思う人が少ないんですよね。

むしろ、全部タッチパネルのほうがかっこいい的な流れじゃないですか、今。よろしくないですね(個人的に)。どうしてタッチ操作しかなくてまともに使えるのかが、まったくもってわからんのです。正直、タッチ操作情報端末の黎明期(palmとかzaurusとか)からタッチ機器をそれなりに使いこなしてきたと自負する私でも、タッチ操作はメインの操作方法にはなりえない、としか言えないのです。

まず、スマホを持ったとき、片面の9割以上が「触ると反応する操作部であり操作しないときは触っちゃダメエリア」ってのが苦痛。せめてタッチ部と把持部を分けてくれればいいんだけど、全面ですからね。あと、触って操作する前に操作しようとしている対象が間違っていないかどうかを確認できないってのも苦痛。タッチして操作が入力された後でタッチ位置がずれてたと初めて分かるインターフェース。物理キーなら今指がどのキーの上にあるかを操作する前に確認できる。もちろん確認しなくたって操作ができる。完全にマニピュレータとしてデグレ。

だと思うんだけど、いまいちこれを理解してくれる人がいないんですよね。なんで?タッチ操作なら全部できるし好きなところ押せるから便利だしフリックとかなんとかの新しい操作もできるじゃん。と言う感じで。もちろんその通りだから、タッチパネルをやめろなんていうつもりは無くて、タッチパネルを物理キーの置き換えにしちゃうのをやめろ、って話なんですけどね。理想の端末インターフェースの組み合わせは、Advanced W-ZERO3[es]。懐かしい。把持すべき場所はハードキー主体で誤操作なし、画面はタッチ操作可能。さらにQWERTYキーまで隠し持って。あれはWMだったのでタッチ操作が貧弱でしたが、あの形でAndroid作れたらかなりいいものになると思うんですけどねぇ。きっと売れないんでしょうねぇ(苦笑)。

質問への回答じゃなくて愚痴になっちゃいましたが、いろんな事情があるんでしょうね、と言うお話。ほんとに愚痴だなこれ。

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2013/6/14 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)

地下鉄のトンネル内で駅に着く前に電車が止まると、車両によっては圏外になったりすることを見たことがあります、地下鉄の駅間カバーとかってどんな感じで作っているんでしょうか、と言う質問をいただきました。

まず、前にも似たようなことを書いた気がしますが、地下鉄の携帯カバーについての基本。地下鉄など需要はすごくあるけどスペースが全然ない、と言うような場所をカバーするために、JMCIAと言う組織があります。これは、トンネルや地下街などの携帯電話カバーを、事業者みんなで協力して整備しましょう、っていう組織。

と言うのも、たとえば地下鉄の場合、鉄道会社としては他人の装置をおかせたくなんてない、っていう事情があり、置く装置をできるだけ少なくしたいという事情があります。そこで、みんなで共用できるものは共用しましょう、ということで、JMCIAが出てきます。

具体的にどんな感じで置いているのか、と言うところについてですが、代表的なものを説明してみます。これ以外にもあるかもですが、私はあまり聞いたことがないです。

1つ目。トンネルの入り口に、奥に吹き込むように基地局(またはレピータ)アンテナを設置。あんまり主流ではなさそうですが、あるというウワサを聞いたことがあります。これは簡単なことで、入り口から奥に向かって電波を吹き込むことでトンネルの奥までカバーするようなもの。なので、一番奥、あるいは(反対側も同じ処置をしていない場合は)反対側の出口近くは電波が届かないことが往々にして起こります。

2つ目。トンネルの中の随所に、アンテナを設置。実際には、基地局から出たアンテナ線を共用の装置でたくさんに分割し、分割した信号線の先にさらに増幅装置+アンテナを設置するようなやり方。これを、トンネル内に一定間隔で置いておきます。すると、その個別の装置からのカバーエリアは狭くてもそれが細かく置いてあるので結果としてトンネル内をしっかりをカバーできます。難点は、一つの基地局の信号をたくさんに無理やり分割するのでノイズがすごく上がり、電波は良くても品質が下がりやすくなる、ということ。

3つ目。今はもうほとんどこの方式じゃないかと思うんですが、漏えい同軸ケーブル方式。トンネル内に長ーい同軸ケーブルを這わせるんですが、そのケーブルに、じんわりと電力が空中に漏れるように隙間を作ってあります。その隙間から漏れた電力が、そのものズバリ、携帯電話の電波と言うわけです。分割・増幅なんてことをしないのでノイズも上がらないし、その割にはしっかり遠くまでカバーできます。普通にアンテナを置くと円形に出ていく電波を一旦無理やり同軸ケーブルに閉じ込めて、ところどころに抜け穴を作ってあげるというイメージですね。すごく細長いエリアを作っているようなものです。実はやっていることの本質は1つ目の「片側から吹き込んであげる」と全く同じことだったりします。なので短所も質的には同じ。ただ、手前を漏れにくく奥を漏れやすく、みたいな使い方で割と奥まで一定して届かせるといったやり方が常套手段となっているので、奥の方が届きにくいという短所はカバーされています。

と言うことで、地下鉄も漏えい同軸で作ってると思うんですが、それでも駅に近づくと圏外になる、と言う辺りがなぜと言うのは不思議です。が、そもそも漏えい同軸と言うのは、ケーブルから離れるとあっという間に電波が弱ります。あんまり飛ばないんですね。特に軸方向。

と言うことで、漏えい同軸ケーブルの「始まり点」と「終わり点」がどこにあるか、と言う辺りで、ケーブルの始まり点がホームの電波が届くよりも奥にせざるを得なかったような駅間では、ホーム前で停車したりすると、電波が届かないエリアができている可能性はあります。こればっかりは、トンネルの構造などによるのでどうしようもない場所ってのは出てきます。トンネル内の電源用の溝とかを活用してるんだと思いますが、この出入り口をホームぎりぎりに置かなきゃならない理由なんてそもそも無いですからね。できる範囲でやるとなると、どこかに穴はできるでしょうね。

JMCIAの事業計画を見ると、駅構内のセル分割なんてのもあるようで、もしホーム内のセルを分割すれば、ホームからトンネルにしみこむ範囲ももう少し広がることになると思うので、こういった穴も徐々に埋まっていく可能性はあると思います。まぁなんにしろ、JMCIA頑張れー、と言うことで。何もしていないくせに後から来てtwitterで自慢して自分の手柄にするようなどっかのインチキ社長なんぞに負けるなー。

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2013/6/14 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)

またまたauがやらかしたみたいで、いろいろ解説希望のメールをもらっているわけですが。

今回の故障個所は「基地局制御装置」みたいに発表されていますが、具体的にどこと言うのはよくわかりません。が、LTEのシステムの中でそれに相当しそうなのは、たぶんMMEかなぁ、と言う気がします。もちろん、基地局の監視制御用のシステムとかの独自装置の可能性もあります。

で、確か前回もMMEが障害って言ってたなぁと考えた時にふと思った件があって。こちらの基地局数で見ると、2013/05/30現在の総基地局数(バンドごと(細かいことを言うとキャリアごとだけど現在は実質1バンド1キャリアしか入らないので)に別のノードなので「制御装置」から見えるノードの数という観点で数えた時)は、ドコモが27716局、auが46575局、SBMが23249局と、auはほぼダブルスコアで他よりも局数が多いんですよ。しかも、建設開始からの期間も短くて。

つまり、MMEであれ独自装置であれ「基地局制御装置」の故障というのは、この基地局数の急増とそれが多すぎることに起因するんじゃないか、と思うんです。

3Gだと、何年もかけて徐々に増やしていった基地局数を、auはこの1年で一気に5万近くにまで増やしているわけです。正直、正気の沙汰とは思えないペース。

普通この手のシステムって、ノード数や加入者数の増加に合わせて、容量比で使用率が○%を超えたら装置を増設しましょう、みたいな形で管理しているはずなんですね。それが全然追いついていない疑惑が出てきます。

auの基地局の急増の理由は簡単で、ほとんどの3G基地局にアドオンでLTE局を追加できる仕組みになっていたから。もちろんドコモでもSBMでもそういうタイプの局はありますが、au程徹底して既設局にLTEをゴリゴリと追加していってはいないはずです。CDMA2000を一秒でも早く収束させたいがために全エリアを強引にLTE化していこうという意思が感じられる、と言うのは前にも書いた通り。

その強引な局数の急増に対して、「制御装置」の増設が間に合わなかった、と見ます。もちろん局数増設計画と制御装置増設計画はリンクしているでしょうが、LTE開始からまだわずか半年、おそらくその計画はLTEのノウハウが貯まる前に設計した古い基準なので、いざ始めてみると全然追いつきませんでした、と言うのが今の状況なんじゃないかと思うわけです。

前回は発表は「MMEバグ」となっていましたが、ソフトなんてバグがあるのは当たり前、バグで1台2台つぶれてもいいような冗長構成をとっておくべきで、幸い、LTEはフルフラットNWなので冗長とロードバランスがやりやすいようなシステムなわけで、そういうことはやりやすいようになってるんですよね。それでも障害ってことは、MMEの台数が局数に全然追いついていない、ってことだと思うんです。バグを出すのが悪いんじゃなくて、バグが出ても誰にも気づかせないってことが重要なんですよね、前にも似たようなことを書きましたが。LTEは単に台数を増やせばこういうところをカバーできる便利なシステムで障害は顕在化しにくいシステムのはずなんですが、それでもこれだけやらかすってことは、絶対的な処理量不足とか、その辺の疑いが強いです。

そんな感じなので、昨日今日みたいなのは、もうしばらく繰り返すんじゃないかなんて思っています。んー、データ回線をauのみに依存する生活は危ないですね。昨日今日は3Gで使ってましたが、3Gの遅いこと遅いこと。ドコモ系も一つ確保しておきますかね。

そうそう、「3Gもつながらない」という質問もありましたが、私もしばらくそんな状態でした。障害そのものというよりも、LTEな端末がみんな3Gに落ちちゃったことが原因でしょうね。LTEのために3Gのキャリア数も減らしているでしょうから従来よりも簡単にひっ迫するようになっているはずです。でわ。

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相手に何か話しかけるとき、なんとなく「 あ、」ってつけちゃいませんか。あ、今日はしょーもない話です。

たとえばコンビニのレジで。読み取りが終わって店員が袋詰めをしていて、で、支払いという段になったとき、店員が袋詰めの手を休めるのを見計らって「nanacoで」と言いたいとき、ついつい「あ、nanacoで」って言っちゃいませんか。私は言っちゃいますが。

この「あ、」、無線通信でいうところの「ランダムアクセス」に近い役割を果たしてるんですよね。あるいは、衝突型通信におけるフロー制御的な。

相手が聞ける状態にあるかどうかわからない、そもそも自分が話していいターンなのかわからない、その時に、瞬間的に「あ、」と言って相手の反応を確かめる、あるいは、その「あ、」が相手の言葉と衝突しないかどうかを確かめる、そういう役割があると思うのです。

「あ、」と言って相手の反応を見る、その時、その「あ、」に反応して相手が聞く体制になるかどうかを確かめる、また、言われた方も、「あ、」という言葉を聞いて、あ、この人は今から何かしゃべるんだな、と判断して聞くモードになる、っていう暗黙のプロトコルが成立しているように思うんですね。

「音波」という無線通信を行う場合に、やっぱりこの「あ、」は、ランダムアクセス、あるいは、フロー制御(RTS/CTS)として非常に重要な役割を果たしているんですよ。

一方、1対1で会話が成立していてほぼ連続的に会話が続いている状態ってのは、トラフィックチャネルが1対1で成立している状態なわけで、いちいち「あ、」を挟む必要はありません。必要なのは、あくまでしばらく会話が途切れたり、会話がなかった相手に話しかけるとき。無線ドーマント状態からの復帰でもランダムアクセスによりチャネル割り当てが必要なのと同じですね。

このエントリの一番最初の行にも「あ、」を使いました。これは、相手に対して何らかの問いかけをして相手の反応を待っている状態、という前提に対して、ちょっと待って、もう少ししゃべるのでしゃべらないで聞いて、の意味であり、この「あ、」によって、もう少しだけしゃべる時間のリソース割り当てを確保するための手順だったのです。

「あ、」(connection request)→「(目線、しぐさ)」(connection accept/assignment)→「(本文)」というプロトコルが成立しているんです。この手順の開始のきっかけが「あ、」なわけで、この「あ、」を省略して相手に話しかけるというのは、リソース制御型通信や衝突回避の仕組みを備えない衝突型ネットワークと同じで、古い世代のやり方に過ぎないわけです。

といって、ついつい「あ、」と言っちゃうことを正当化してみる今日のお話。

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2012/12/20 10:00 · その他技術ネタ · 1 comment

LTEがジャミングに対して脆弱性があると聞いたんですがどうなんでしょうか?と言うご質問をいただきました。脆弱性ってなんじゃろ、って検索してみたら、あぁ、そのことかぁ、っていう感じだったので、今日はそのお話。

どうもどこぞでセキュリティ専門家だかセキュリティオタクだかが、LTEはジャミングに弱いという発言をしたらしくて、内容は、「LTEはわずか1%の制御信号に頼っていてこれをジャミングするだけでネットワークを不全にすることができる」と言うようなことを言ったとか言わないとか、っていう話みたいです。

最初に言っておきますが、全帯域の中のわずか数%以下の制御信号に通信制御をすべて依存してしまっているのはどんな通信方式でも同じです。逆に、制御信号を80%とか取って実際のトラフィックは20%しか使えませんなんていう民生の通信方式があったら見てみたい(苦笑)。まぁそんなわけで、どんな通信方式であっても、わずかな制御信号で全体を制御しているのは当たり前のことで、これ自体がLTEで新たに出てきた脆弱性と言うわけではありません。

話は実は逆なんですね。3G、CDMA系の方式が、ジャミングに強すぎたんですよ。これはもう、変調方式レベルで暗号+周波数拡散しちゃってるんだから当たり前の話なんですよ。だから私も、通信方式としてLTEとかのOFDM系を指して「あんな干渉に弱い方式にしちゃうなんて」と常々言ってきたわけで。そもそも、CDMAはアホみたいに干渉に強いんですよ。

だから、LTEになって、人並みに干渉に弱くなっただけで、「同じ周波数の電波を近くで使われると通信が邪魔されちゃうよ」と言う無線通信の原則通りのことが起こっているだけです。むしろ、古い方式よりもシンボル長がめちゃくちゃ長くなっている分、短周期の干渉に対してはかなり強くなっています。

これに対して、意図的に邪魔してやろうとして干渉波を発する、つまりジャミングしようとすれば、簡単にできちゃうのは古い方式もLTEも同じ。むしろ、「意図的なジャミングを寄せ付けない」と言う方式があるのなら見せてほしいものです。どんな方式であっても、無線通信と言うのはジャミングされたらおしまいです。

とはいえ、LTEにはLTE特有の、ジャミングに対する脆弱性があります。LTEの○○○と○○○は○○○の○○○となっていて○○○の○○○に○○○しているので○○○を○○○に○○○するだけで○○○に必要な○○○と○○○を○○○できてしまいます。書いてから思ったんですが、これって書いちゃダメな気がしてきた。ので、伏字にしました。専門家の皆さんはわかると思いますし、非専門家でも標準仕様書や教科書をぼーっと眺めているだけで気づく程度のことなので伏せる意味があるかどうかはわかりませんが、一応無線にゃん的良心。

このLTE特有の干渉脆弱性は、同じOFDMでもほかの方式では見られなかったりします。もちろんほかの方式はそれはそれで狙い撃ちできるジャミング弱点があるんですが、なんというか、LTEの弱点は素人が狙いやすいんですよね。少なくとも、3Gをジャミングするよりもはるかに簡単に周囲を通信不能にすることができますし、下手すればPDCやGSMを無力化するよりも簡単かもしんない、と言う感じ。

と言うことで、まぁ無線通信なんてのは所詮こんなもんですよ、ってことで、ビジネスコンティニュイティを考えるなら有線も含めた方式間冗長化は必ず考えておくべきですよ、ってことです。私も、WCDMAがどこまで現役として残るのかはわかりませんが、メイン回線は原則WCDMAで引っ張る予定。もちろん冗長にPHSを引っ張りつつ、って感じで。それでわ~。

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2012/12/20 10:00 · その他技術ネタ · 1 comment
2012/12/14 10:00 · その他技術ネタ · 22 comments

先日のKDDIがETWSを広告配信に使っていたという問題、「ETWSには『その他』として地震津波以外の情報を伝えるようにできている」「商業配信に使ってもいいらしい」と言う意見をたくさんいただきました。

まず、種別について。種別(WarningType)として、以下の5つが定められています。

0地震
1津波
2地震と津波
3テスト
4その他

地震、津波はいいですね。テストも、システムのテスト用と言う意味で問題ありません。問題は「その他」。この「その他」なら、広告にでもなんにでも使っていいはず、と言う考え方。残念ながらこれは間違いです。この種別での「その他」は「その他(の警報)」を意味しています(正確には、「その他(other)の場合は、警報内容はすべて警報本文中に記載してあるものとする」と言う規定となっています)。つまり、「その他」は、地震、津波以外の何らかの天災や人災を緊急警報として通知したい場合に使うことが想定されています。たとえば集中豪雨やテロ・戦争などです。世界のどこで使われるか分からないiPhoneが、「その他(の警報)」を受け取ったら、それがどんな災害なのか判別不可能である以上、ユーザにその警報を知らせて内容からの判別を促す、という実装は間違いとは言えません。

また、これとは別に、警報音を鳴らすか、強制表示するか、と言うことを示すフラグもあり、これが強制指示でなければ表示してしまったiPhoneの実装が間違いではないか、と言う話にもなるかもしれませんが、これも違います。

警報を鳴らすかどうかのフラグは、
0指示なし
1鳴動せよ
表示を強制するかどうかのフラグは、
0指示なし
1表示せよ

いずれも、0が指示された場合は、「どちらでもよい」なのです。となれば、「その他(の警報)」であり、天災・人災の恐れのあるメッセージを受け取ってしまった以上は、ユーザの安全のために表示する、と言う仕様であるほうが、グローバル端末として自然ですし、少なくともiPhoneの実装は間違いではありません。

一方、「商業利用を禁じない」と標準文書に書いてあるからKDDIの仕様は適正だ、と言う意見も見ますが(山ほどたくさん)、これも標準の読み間違い。その一文はいわゆる「Stage1」と言う文書群のひとつに書いてあります。Stage1は標準動作を定めるものではなく、標準を定める前提条件の取りまとめです。簡単に言えば、標準を作るときはここに書いてあることに従わないとだめよ、と言う条件集。Stage1に「禁ずる」と書いてあった場合は、誰かが提案したとしても「Stage1に禁止って書いてあるだろ」で議論はおしまい、提案書はゴミ箱行き、そういう意味を持つのがStage1です。つまり、ここに書いてある意味は、「ETWSが商業利用可能となるような拡張の提案があったとしても、それをStage1を理由に拒否することは無いですよ」と言う意味です。

そして、ETWSは確かにそのように作られています。WarningTypeに100以上もの予約領域があり、この予約領域のいずれかをたとえば「広告」や「メルマガ」と言う様に定義可能になっています。しかし重要なのは、現状は定義されていないと言うことです。機器の実際の実装の参照となるのは、実際に出来上がった仕様である「Stage3」です。そのStage3には、上に書いた通り、5通りの警報種別しか定義されていません。

KDDIは、もし広告配信に使いたいのであれば、WarningTypeに「広告」と言う種別を追加するという標準提案をし合意を得なければならなかったのです。これを怠った上で、勝手に「Other」とは「その他の用途すべてだ」と読み間違い、さらには国内だけで「Otherのときは警報じゃないので無視してね」なんて密室合意でことを進めるやり方は国際標準の基本理念からは程遠い所にあります。

わざわざStage1に「商業利用するための拡張は禁止しませんよ」と書いてあるんだから、拡張のための提案をすればよかっただけの話なんですよ。ただそれをやらずに勝手に別の用途に使っていたことが今回の問題の根っこです。なんというか、お粗末な話で、いかにも国際動向・国際コンセンサスを軽視する日本企業らしいなぁ、とは思ったのですが。

と言うことで、グローバル端末に標準外の実装制限を課すのではなく、標準から読めるあらゆる動作を想定したシステムの使い方をすべきで、それで目的を達成できないのであれば標準をきちんと定義してから使うべき、と言うのが私の考えです。でわ。

[追記]2012年10月に「5つ以外は緊急じゃないから表示しないでね」とか後付でちゃんと標準提案して記載しましたよなんて某所で某氏が言ってるらしいですが、いくらなんでも「ならOK」はないよ・・・Release9のStage3 functional freezeは2009年でっせ・・・。3GPPのReleaseとかStageとかFreezeって概念を知らない人はこんな弁明でころっとだまされちゃうんでしょうけど・・・。端末の動作規定を決める「Stage3」が「機能面で確定」するのが「Stage3 functional freeze」、それ以降は、バグ修正以外の動作の規定の追加は禁止。なぜなら、その時点で端末を作り始めた人が後の改定で動作不良を起こす恐れがあるから。「IDによる動作を追加する」なんて完全に新機能扱いです(標準の世界では)。だから、件の「追記」ももちろんRelease9に遡上適用されるようなものじゃありません。っていうかあの件ってKDDIが完全に標準手続きを無視して強引に押し込んだ話を仕方ないなぁってドコモ・SBMが嫌々受け入れたっていう話なのに、どうしてドコモがあんなにKDDIを擁護するのかよくわからん・・・。

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2012/12/14 10:00 · その他技術ネタ · 22 comments
2012/12/6 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)

LTEとWCDMA(あるいはCDMA2000)の間でハンドオーバできることについて、WCDMAやCDMA2000ができた当時なんてのはLTEなんて方式は存在しないはずだったのにどうしてできるの?と言うご質問をいただきました。今日はそんな話。

LTEの他システム連携の話で書いた通り、LTEでは、旧来の方式との連携機能を大きな特徴の一つとしています。しかし、こういった方式では、LTEだけにそんなしくみを入れこんでもダメで、旧方式の方にもそれを受け入れる素地が無きゃできない、と言うのは直観的にもっともな話で、質問者さんの疑問につながるのも当然と言えば当然です。

まずはLTE側の都合だけを言うと、そもそもLTEを作る段階ではWCDMAやCDMA2000は世に出ていますから、それに合わせて、必要な情報を扱える仕組みを備えればよろしい。もちろん情報だけでなくチャネルの構成や測定方式の仕様に関してもある程度昔の方式に合わせこめるように作らなきゃならない部分もあるんですが、これはもう新しく作る方式なので、振る舞いとかの特徴も十分にいろんな会社にノウハウが溜まっていますから、ガッチガチに作りこまなくても最大公約数程度の妥協点で作りこみは可能なんですね。

さて、それはわかった、では、WCDMAやCDMA2000側の方の事情はどうなっとるんだ、と言う話です。

先に答えを書いてしまうと、元々、古い方式の方も拡張しやすいように作ってありました、ってことになります。

WCDMAやCDMA2000は、たとえば、後に出てくる何か新しい方式と連携しなくちゃいけない、なんていうモチベーションではなく、単に、あとで新しい機能を追加したくなった時も簡単に追加できるようにしとこう、と言う単純な理由で拡張可能に作ってあります。そのおかげで、たとえばHSDPAとかそういった大胆な拡張が同じシステムの上で出来るようになっています。

ものすごく話をシンプルにしてみます。たとえば、LTEと連携するために、3G網経由でLTE網側に何か情報を伝えなきゃならない、と言うことになった時。3Gの方で何をするかと言うと、新しいメッセージを作っちゃいます。簡単に書くと、メッセージは、そのメッセージが何のメッセージなのか、と言うのを意味する通し番号(識別子)がふってあるのですが(たとえば3は位置登録要求、8は音声通話発信要求、とか)、最初に仕様を作った段階で、48以上は使ってない予約領域、みたいにしてあるんですね。なので、じゃぁ新しいメッセージには48番を使おう、もう一個必要だから49も使っちゃえ、と言う感じで増やせます。一方、そういう番号のことを知らない古い端末は、そういう自分が知らない番号のメッセージが来ても無視する、ってことも最初から決めてあります。なので、古い端末の動作がおかしくなったりせず新しい機能を追加できるんです。

また、メッセージの内容自体にも工夫があります。メッセージを記述する「言語」が一般的な記述法としてあらかじめ定義してあって、その記述法にさえ従っていれば必ずデコード・解釈できるようになっているんですね。なので、すでにあるメッセージの内容を変えなければならないような場合でも、その記述法に従って変形さえすれば、古い端末はデコードした結果自分に関係のあるところだけ読み出せるし、新しい端末は新しく追加された情報を使った新しい動作ができる、っていうことになります。

こういうやり方が主流になったのは、おおよそIMT-2000がどうとか言い始めたころ。世界中の利害関係者が集まって一つの仕様を作りましょう、と言う活動が盛んになったころ、「いろんな人の要望を聞いてたらきりがないから、そもそもの記述方法を柔軟にしておいて後で順次機能追加できるようにしておきましょう」ってことになったわけです。もちろん、一般的な記述法にしたりふんだんな予約領域を取っておくってのは、情報単価的には不利ですが、それもやっぱり伝送路が強力になってきたので、わずかくらいの無駄には目をつぶって一般化することができるようになったことも大きいですね。

ってことで、案外どんな機能でもやり方次第でいくらでも追加できちゃう、ってのが、古い方式でもLTEとの連携機能を取り入れられた理由です。余談ですが、実はWCDMAができた一番最初くらいの版に、すでにCDMA2000とのハンドオーバを記述するためのコードが入ってたりします(あくまで識別子の定義程度ですが)。IMT-2000ではグローバルローミングが必須要素で、特にWCDMAの弱かった北米のことを考えるといずれCDMA2000との連携は必要かもしれない、と言うことで入れようとした形跡があるわけです。それに比べれば、シグナリング定義のほとんどを共有しているLTEとWCDMAの間のハンドオーバなんてなーんにもハードルがありません(コア間連携のハードルはすっごく高いですが)。

と言うことで、なぜ古い方式が新しいLTEのことを知ってんの?と言うお話でした。

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2012/12/6 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)