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iPhone5でパケ詰まりが大流行らしいですが原因はなんでしょうか、と言うお便りをいただきまして、元祖パケ詰まり博士の無線にゃんが解説します。なんだよパケ詰まり博士って。

検索するといろんな情報があるようですが、現象としては、どうやらau限定で、LTEと3Gの境界で報告されている例が多いようです。いろんな説が出ていて、「800MHzを豪奢にLTEに使ったので3Gが細った説」「Qualcommチップのバグ説」「個体差説」等々。ちょっとだけ考えてみます。

と言っても、たいてい、パケ詰まりなんてのはネットワークが原因でおこるものです。元祖パケ詰まりと言えば、2000年初頭に話題をさらった使い放題PHSパケット(AIR-EDGE)のパケ詰まり。あのころは固定回線常時接続が引けない集合住宅などがまだ多く、常時接続需要が一斉にAIR-EDGEに流れ込んで、盛大なパケ詰まりを発生させていました。

原因はシンプルで、要するに集合住宅などで同じ場所で一斉に多くの端末がアクセスするために、無線チャネルがあふれていたり、あるいは地域ごとの接続サーバの許容量を超えていたり、と言うことが発生していただけです。

さてiPhoneのパケ詰まりの件で気になるのが、LTE-3Gの境界で、と言う症状ですね。LTE→3Gへの遷移が起こった時、と言うことになるかと思います。こういうことが起こるのは、要するにLTEのエリアの端っこ。たとえば、電車とかでみんな一斉に移動していると、みんなが同時にエリアの端っこを通過します。

と言うことは、結構な数の端末が一斉にLTEから3Gに遷移することになります。3Gに遷移すると、当然LTE→3Gハンドオーバが行われるわけですが、iPhoneの場合はoptimizedハンドオーバに対応していないので、この場合、いわゆる「ランダムアクセス」が行われます。[追記]WCDMAでもハンドオーバ時はランダムアクセスがあります。

端末から基地局への「最初の一発目」の信号は、どうやっても基地局から制御することはできません。ですので、言ってみりゃあてずっぽうで短い信号を一発送り、基地局がそれを受けられたら即座に返答してちゃんとしたリソース制御が始まります。このあてずっぽう信号は、普通はみんなの通信開始契機がずれているのでぶつかることは稀ですが、「みんながほぼ同時に通信を開始しようとするような状況」が生じると盛大にぶつかり合って、なかなか一発目の信号が届かず、通信が開始できないということが起こります。

つまり、LTEのエリアの端っこをみんな同時に通過することで、3Gへのハンドオーバが一斉に起こって、その時の最初のランダムアクセスがぶつかり合ってなかなかチャネルの割り当てが行われない、と言うことが起こっているんだろうと思います。昔に書いた、地下鉄での混雑の後半に書いたような一斉アクセスが地上でも起きている、ってことです。で、たいていはチップの独自実装として一定回数ランダムアクセスが失敗するとしばらくお休みしちゃう、と言う動作をします(ネットワーク保護の観点で)。このチップの動作がおそらくパケ詰まりの原因。

要するにLTEのエリアの端っこ(と言うよりたぶん「穴」)があちこちにあることがそもそもの原因かと思われます。さっさと穴ふさげ、ってのが、事業者に対して求めることでしょうね。auでの問題が多くソフトバンクでの報告が少ないのは、この穴の多さじゃないでしょうか。なんだかだでauの方は2GHzLTE局数も少なく、人口の多いところでもまだ穴がたくさんあるんじゃないかと思われます。

また、上のような理由ならauのAndroidでも起きてもよさそうですが、そこもやっぱり、AndroidはLTE800MHzを掴めるので穴に落ちにくいということもあるでしょう。また、iPhoneは非対応でAndroidは対応といわれるOptimizedハンドオーバは、eCSFBと同じように先に個別チャネルを割り当てる方式(すなわち「ランダムアクセス」が必要ない)みたいなので、ランダムアクセスのぶつかり合いによる輻輳が起きにくいのかもしれません。

ちなみにその他のいくつかの説について簡単に。「800MHzをLTEに使いすぎて3Gが細った」説は間違いです。元々、auがLTEに使っている800MHz帯の15MHzのうち10MHzは、今年7月までドコモが使っていた帯域なので、auが3Gで使える残りの帯域5MHz自体は太りも細りもしていません。2GHzで5MHzをLTEに割り当てた分については、こちらも実は、今年6月のPHS制御チャネル移行で2G帯5MHzが新たに使えるようになっているので、実質プラマイゼロだったりします。なんだかだでauはLTE開始にあたって3G帯域を全く減らさずに対応できてたりします(と言うか逆に元々それだけ少ない割当で3Gを全部捌いていたのが異常な状態だったと言えるんでしょうけど)。

Qualcommチップバグ説は、何とも言えないですが、ないとは断言できないところ。やっぱりLTE-CDMA2000のチップはマイナー系なので、バグが残りやすい傾向は強いはずです。内部的には全く親和性のないステートマシンが好き勝手に動いている状況でしょうから、それぞれの内部的なタイミングが延々とずれて、片方が通知信号を出したときにはもう片方は耳を閉じてる、みたいな状態が続いて連携が途切れている、と言うようなことは起こりうるとは思います。先ほどの「しばらくお休み」の実装がLTEとの相互遷移を考慮していないプアな作りなのかもしれません。

端末の個体問題と言う可能性もないとは断言できません。端末を取り換えたら直った、と言う報告が、検索すると出てくるので。たとえば、アンテナ感度の個体差が大きい場合は起こらないとも限りません。ハンドオーバするかどうかを決めるのは、端末が受信した電波の強さなのですが、たとえばこれがある一定の中にばらついていて、ハンドオーバするには弱すぎる(または強すぎる)受信レベルでハンドオーバが起動することで悪影響がある、と言う可能性もあります。

まぁ、上記の理由に限らず、無線でTCPをやるときは、パケ詰まりは永遠について回るテーマですね。いくつかの運の悪いパケ遅延・パケロスの重なりが雪崩式にパケ詰まりに発展する、と言うのは、PHSパケット時代にいやという程体験させていただきました。TCPはそれほどパケ遅延・パケロスが高くない前提で作られているので、無線のように遅延・ロスが日常茶飯事と言う伝送路にはあまり向かない方式だと私は思います。TCPに対してHARQみたいなモードを提唱しているところもあるようですが、標準技術になるにはまだまだ時間がかかりそうです。と言うことで、パケ詰まりについてでした。

[追記]ソフトバンクでもiPhone4S以前からiPhone5に変えたら多発しているというご指摘をたくさんいただいたため、「au限定」ではなさそうです。どっちにしろこの考察が正しいなら、ランダムアクセスが同時多発するLTE→3GハンドオーバであればWCDMAであれCDMA2000であれ理屈上は同じように発生するものと思われます。昔のメディアの山の手線一周調査とかを見てもソフトバンクは3G時代からハンドオーバ時にブチ切れるのは当たり前だったみたいなので、声が上がりにくいのだけなのかも。

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とある大きなイベントでの話、と言うことで、お便りをいただきました。その人はなんでもソフトバンクの「優先携帯電話」を持ってそこに行ったそうですが、無線が輻輳して全く使えなかったそうです。同じくドコモ、auも優先電話を持っていて、そちらは問題なくつながったのに、と。優先電話をわざわざ持って行ったのにつながらないのは納得がいかない、どういう理由があるんでしょうか、と言うご質問。

いやぁ、私もソフトバンクを貶すのは大好きなのでこういうネタには食いついちゃいますが、なんというか、こればっかりは運ですよね。この場合はたまたまソフトバンクでした、ってことで。とはいえ、そもそもどうしてそんなことになるんや!と言うご立腹には何らかのお答えを用意しましょうということで本日のネタ。

まず、無線における優先電話ってのがなんなのかっていう話を軽くおさらいしておくと、前にも似たようなことを書きましたが、基本的には「優先的につないであげる電話」ではなく、「他の電話に接続禁止の信号を送っているときも優先電話は無視できる」と言う仕組み。なので、「他の電話が接続禁止」と言うのが前提条件になります。

これでどうして「優先」になるのか。話は簡単で、他の電話は接続禁止信号を受けているので接続しません。接続しないということは、その分無線容量や回線容量に空きができます。なので、接続禁止信号を無視できる優先電話はその空きを使って通信できます、と言う仕組みになっているわけです。

そもそも無線だと、最初に「今から発信しますよ」と言う信号が出るのですが、その信号自体が無線容量を食いつぶします。なので、たとえば固定電話のように交換機で優先電話からの発信を優先的に受け入れる処理と言うことをするだけでは不足で、他の電話がその「今から発信しますよ」信号を送らなく(送りにくく)してあげる、と言うことで差をつけるしかないわけです(もちろん携帯電話でも交換機で優先非優先処理は行っていますが)。

こう考えると、「優先電話」でも接続できなくなってしまうケースがあることに気が付きます。

一つ目。混雑しているのに接続禁止(規制)がかからなかった場合。これは完全にオペレーションのミスですが、普通の電話に対して規制がかかっていなければ、優先電話と普通の電話の差は(ほぼ)ありません。普通の電話の使用で無線が非常に混雑してしまえば、優先電話と言えども、無線信号を送ることさえできずに立ち往生します。冒頭の質問者のケースでは、きっとこれが起こっていたものと思われます。

二つ目。規制はかかっていたものの、やっぱり無線が混雑してしまった場合。規制がかかったとしても、規制がかかる前からつながっていた回線は切れるまで規制対象とならないため、無線の使用は続きます。また、規制がかかった後も、たとえば、同じような優先端末が大量に通信を始めれば、同じように無線は混雑するでしょう。なかなか起こらないとは思いますが、こういったケースでも優先電話がつながらない、と言うことが起こります。

そのほかにもいろんなケースがあるでしょうが、こんな感じで、その時・場所によっては、やっぱりどうしてもつながらないケースと言うのは出てきます。それが起こらないように調整するのがオペレーションの腕の見せ所ですが、こればっかりは天気予報と同レベルの不確実さのある現象を先読みする、と言うスキルが必要なわけで、まぁ時には失敗はするよね、と言うことなんですよね。ってことで、「運が悪かったですね」と言う結論になるわけで。

一方で、たぶんどこのキャリアも持っていると思うんですが、あるエリアで突発的にトラフィックが増えたりした場合に自動で規制がかかるような仕組みがあったりするんですが、この自動規制がどういうトラフィックの変動のときに発動するのか、と言うアルゴリズムに関しては、キャリア独自の技術力と言う面もあるとは思います。ただ、やっぱりイベント会場とかだと、事前に予測して何時ごろにどのくらいの規制をかけよう、と言う様に計画するはずなので、イベント情報の取りこぼしがあったり予測を間違えたりなんていう単純なミスでどこのキャリアも同じようなことをやらかす可能性はありそうです。

と言うことで、なぜ優先電話なのにつながらないなんていうことが起こるのか、と言うお話でした。

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2012/11/26 10:00 · その他技術ネタ · 1 comment

AXGPスマホの連続待ち受け時間短すぎ、燃費が悪すぎじゃないですか、なんででしょうか、と言うご質問をいただきました。

え、ほんとかいな、と思って、とりあえず公表されているスペックでの連続待ち受け時間を調べてエクセルに貼り付けてみたんですが、これが思った以上の差が出ていてビックリ。

待ち受け時間の差=消費電力の差、と単純に考え、LTE(AXGP)待ち受けが3G待ち受けの何倍の消費電力になるのか、と言うのを並べて計算してみた結果。ドコモのXi端末だと、1.3倍~1.7倍程度に大体おさまっている感じ、auのLTE端末は、1.1倍~1.3倍くらいでちょっと成績が良いみたいですが、これは測定方法の差と言ってもいいくらいの大した差じゃありません。しかし、ソフトバンクAXGP端末だと、2.4倍~2.6倍。なんじゃこりゃ。

まず、そもそもの話として、LTEは消費電力が大きい、ここは良いですよね。これは、古くはPDCから3Gに方式が移った時も同じでしたが、要するに新しくて広い帯域を使って復調のための演算量の多い方式は、例外なく消費電力が増えます。これが、無線デバイス、演算デバイスの効率化によって徐々に旧方式と同等程度の消費電力に落ち着いていく、と言うのが、新方式が根付いていく流れです。逆にその辺まで行かないと「新方式なんて待ち受け時間短いだけで使えねーよ」ってことになってなかなか一般にまで受け入れられないものなんですが。

そう考えれば、まぁせいぜい3割~5割増程度で済んでいるLTEは結構頑張っている方だと思うんです。LTEは準備段階からガッツリデバイスメーカが関わっているし、(3Gでの経験から)仕様策定のかなり初期からバッテリ寿命に関する議論がものすごく盛んだったので、なかなかいい感じにできた、と言えるわけです。

では、ドコモ・KDDIのLTEとAXGPの燃費の差はいったい何か。FDDとTDDの差でしょうか。

実際には、単なる待ち受け状態に関しては、FDDとTDDの差はほとんどありません。LTEのフレームは、10個のサブフレームが集まってできていますが、この中のどこのサブフレームのどの辺の位置に待ち受け用のチャネル(ページングチャネル)があるのかが予め決まっています。一方、TDDでは、この10個のサブフレームのうちのいくつかを上り用にする、と言う形でTDDを実現しています。当然ながら、この上り用にするサブフレーム位置は、待ち受け用情報の無い場所が選択されます。要するに、待ち受けるだけなら、実はFDDかTDDかの違いは(ほぼ)出ないような作りになってるんですね。

となると考えられる原因としては、「1 TD-LTEデバイスがすごくこなれてない」「2 ひょっとして両面待ちしてない?」の二点になります。

1については話は簡単。TD-LTEはまだ世界でもマイナーな仕様です。変復調・シグナリングに関してはFDD-LTEとほぼ共通なので、その辺が消費電力増大に関係がある可能性は低いですが、アナログデバイスに関してはFDD-LTE用に比べれば出ている数は圧倒的に少ない。なので、まだまだ性能が詰め切れていない可能性は存分にあります。で、まだ燃費が悪いのかも、と言う説。

問題は2。TD-LTE=AXGPでの3Gとの連携についてはAXGPのサービスインのころから言及されていて、要するに、ドコモやKDDIがやっているようにLTEオンリー待ち受けで3Gでの音声発着信に対応する仕組みは備わっていますよと宣言されていたので、本来はこの疑いは「ナシ」です。しかし、緊急地震速報、災害情報が絡むと途端に話が面倒になります。AXGPは多分これらに対応していません(相互接続・配信システム的な意味で)。すると、これらの情報を取得するには、端末はAXGP待ち受けと同時に3Gも定期的に見る必要があります。これは3Gに在圏(位置登録)して3Gのページングチャネルを受信するのと同義です。前に連携の話とかでも書いたようにLTE-3G連携システムでの在圏情報は排他なので、実際問題として緊急地震速報受信ON/OFFでAXGP+3G待ち受けかAXGP待ち受けかを変える、なんていう動作は(標準仕様上も)現実的ではなく、この対応のために、常時両面待ちをしている可能性があります。

上記はすべて妄想なので、本当の答えはわかりません。私としてはハズしていると思っています。思ってはいるんですが、3G待ち受け電力を1とし、LTEオンリー待ち受けの電力が(ドコモ・KDDIの例から)1.5程度と考えると、足すと2.5。ソフトバンクのAXGP待ち受けの電力とぴたりと符合しちゃうから、ちょっと気持ち悪いんですよね。と言うことで中の人の情報待ちです(えぇ~)。

と言うことで、なぜAXGPが燃費が悪いのかについて答えのない一言でした。

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2012/11/26 10:00 · その他技術ネタ · 1 comment

SIMフリー版のiPhone5が買えるようになったんですが、どうやら、「2GHzの3Gだけ」と言うよくわからん縛りがあったりするようです。これに関して、「850MHz(Band5)帯でドコモの800帯はカバーできてるけどなんで?」と言うご質問と、「LTEも2GHzが対応してるのになんで?」と言うご質問をいただいています。憶測交じりで解説。

800MHz帯は世界中で大人気の帯域なので、あらゆる国でいろんな使い方がされています。日本も例外とならず、米国とほぼ同じような使い方をしています。で、米国で使われている「Band5」と言うのがあるのですが、これが実は、ドコモが使っている「Band19」をすっぽりとカバーしているため、Band5対応の端末はドコモ帯域に完全に対応しています。

しかしここから非常にややこしい話なのですが、実は、帯域のMHzの数字が同じでも、実はそのまま使えるというものではありません。こればかりは本当に理不尽でわかりにくい仕組みなのですが、端末が動作できるかどうかは、MHzの数字ではなく、バンド番号(上でいう5とか19)で決まっています。

なぜこんなことになっているのかと言うと、実は、バンド番号ごとに別々の端末テスト規定があるからです。たとえば、同じく850MHz近辺の送受信ができる端末を作ったとしても、最終的には「Band5用テスト」だけをパスしたものは、Band5でしか動作せず、Band19では動作してはいけないという決まりがあるのです。

なので、この端末の場合は、最終試験で、Band5のテストとBand19のテストを両方パスして各国の公的機関に認定をもらわなければなりません。たとえば、単に二つ分のテストをパスさせるための準備やらお布施やらがもったいないというだけの理由で、Band5だけのテストで済ませちゃえ、と言う理由でのBand19非対応もあり得てしまうんです。

実際にはもう少しめいどい話がBand5とBand19にはあって、実はこの二つのバンド、テスト規定のパス基準が違います。Band19の方が思いっきり厳しい規定になっています(日本の電波法規定がものすごく厳しいからなんですが;そもそも似たような帯域なのに日本向けのバンド番号が独立しているものが多いのもこの理由)。しかもBand19なんて世界でドコモしか使っていません。なので、Band19をパスさせるってのは、どうせドコモで使われることがないんならできればサボりたいネタの一つなんですね。もちろん、知っている人は知っていると思いますが、Band5とBand19の両対応端末を作る場合の特例的な緩和措置があるので、規定そのものの厳しい基準を通さなきゃならないってほどでもないんですが、それでもめんどいものはめんどい、ってことです。iPhoneみたいに莫大な数が売れちゃう端末ともなると、それをサボれば1台3円のコストダウンだったとしても大変な利益寄与ですから、やっぱりそっちに向いちゃうんじゃないかと思います。

とかなんとかいう、非常に細かい話もあって、同じ800帯なのにサポートできてないなんて話もあるんですが、まぁこれもあと1年もすればデバイス価格がぐーんと下がってあっさりとサポートするようになると思います。今ははっきり言ってLTE対応デバイスは売り手市場で高止まりしてるんですよね。この辺が落ち着けば、たぶん。

さてもう一つ、バンド的には対応しているはずの2GHz帯で、なぜかドコモのLTEが使えない話なんですが、普通に考えれば、ドコモがiPhoneからの接続を弾いている、と言うことになるかと思います。めんどくさいですから。たとえば、単にXi端末でない端末IDからの接続はLTEからデタッチさせちゃうなんてのは簡単。ただ、iOSの新しい版だとつながるなんていうウワサもあるみたいですが、iOSのアップデートだけで治るのであれば、ドコモは弾いたりしてないけどiPhone側が対応してなかっただけ、と言うことも考えられます。

と言うことで、ドコモ網でのiPhone利用に関するお話でした。

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こんな質問をいただきました。「新BSチャンネルのIF周波数とソフトバンクULTRASPEEDが干渉して問題を起こしているようですが、ほかのCSチャンネルのIF周波数でも、たとえば2GHz帯に丸かぶりのところがあって干渉問題を起こしてもおかしくない気がしますが、そんな話は聞きません。なぜでしょうか」

はい、最初に答えを書きますと、私もわかりません(笑)。なので、ここからは推測とすごく古いもんやりとした記憶だけで憶測を書きまくります。たぶん間違っていますので、信じないでください。

今回問題となっている新BSチャンネルが1.5GHz帯に干渉する話、まずはなぜこんなことが起こっているのかを簡単にご説明。

衛星放送は、12GHzとかなんとかいうものすごく高い周波数を使っています。一般のTV放送が500MHzとかその程度ですから、24倍も高い周波数です。まず普通に考えて、一般の個人が購入できるような無線機器では、こんなに広い周波数幅を扱えるようなものはほとんどないし、非常に高価なものになってしまいます。

ってことで、衛星放送では、アンテナに入った直後に、周波数変換をします。12GHzの周波数帯を、一気に1GHzくらいにまで落とします。おおよそ10GHzくらい、ざっくりと引き算しちゃうわけです。実は周波数の世界では周波数をざくっと引き算しちゃうという処理は案外簡単にできちゃうもので、衛星放送の受信アンテナはこの機能を備えていて、ケーブルに出てくるときにはすでに1GHzのオーダーの電波に変わっています。

となると、一般のTV放送と比べてもせいぜい2~3倍の周波数ですから、従来のケーブルなどが再利用できるようになります。ほとんどの場合、宅内配線にはほとんど手を入れずに衛星放送を受信できるようになりますし、古い配線を使っている場合でも比較的安価なケーブルを追加で引けば簡単に受信できるようになる、というのが、この周波数変換の恩恵となります。で、この変換後の周波数を「IF周波数」と言っているわけです。

さて、今回問題が起こったのは、新しく追加されたBSの周波数です。衛星の周波数を追加する、ということなんですが、先ほども書いた通り、アンテナ自体は単に「周波数の引き算をしているだけ」なので、空から新しい周波数が飛んで来ればそれも単に一緒に引き算してケーブルに出力することになります。で、この引き算した結果の周波数が、たまたまソフトバンクがULTRASPEEDをやっている1.5GHz帯にぴったり重なったわけです。

普通は、家庭用の受信系統であっても、そう簡単に外には漏れないように作るわけですが、やっぱりいろいろと手抜きをする余地もあるわけで、そういうところから、この1.5GHzのケーブル内電波が、空中に飛び出してしまう事案が出てきてしまった、ということですね。

さてここまでが確認された問題。一方、結構前から、CS放送として放送されている電波があります。これも、同じようにパラボラアンテナで周波数シフトされるわけですが、その中の一部は、確実に2GHz帯、つまり、3G携帯で使っている周波数帯に重なっているものがあります。もちろんその周辺、たとえば、1.9GHz帯のPHSにかぶっているものもあります。

とすると、こういった周波数がなぜ今まで問題を起こさなかったのか、が疑問に思えるのも当然です。私も、あれ、確かに言われてみれば、という感じです。ということで以下憶測。

まず、歴史的に、1.9GHzや2GHzが使われ始めるのが早かった、ということがあります。110度CSが本格放送を始めるより早くから、この周波数帯がPHSや携帯電話に使われることがわかっていました。このため、110度CSに対応したブースターは最初から与干渉を考慮した設計になっていたことが想像できます。

一方、BSの方は、アナログ放送のころから同じ周波数帯で、非常に歴史が古く、逆に1.5GHz帯が携帯電話に使われる見込みとなったのはごく最近のことです。となると、古いBS対応ブースターは与干渉に関して非常にルーズな作りになっていたことが想像できます。

1.5で問題が起きて2Gで問題が起きない本質は、たぶんこの辺かなぁ、という気がします。

問題を起こす場合、とにかくまずはブースターによってIF周波数がブーストされなきゃならないわけで、BSだけを前提としたブースターは基本的にはCSの高い周波数帯はカットしている(あるいは適当にブーストはかかるけど増幅率は弱い)と思われ、こういった古くてたくさんばらまかれたブースターが2G帯を汚す確率は比較的低いわけです。一方、そんな古くてたくさんあるブースターは例外なく1.5GHz帯にかぶるBS-IFはフルパワーでブーストしてくれるので、それこそちりも積もればの要領で結構な汚染をばらまいている可能性があります。

先ほども書いた通り、そもそも110度CSは開始が遅かったこともありますし、それより早くにやっていたその他のCSも経度が違ったりマニアックなチャンネルだったりで普及度は決して高くなく、CS-IFに対応したブースターはかなり限られたところにしか置かれていないでしょう。一般的なTVが当たり前のようにCSチューナを内蔵するようになった最近になれば、すでに2GHzが携帯に使われることを知っているわけで、与干渉に慎重な「お行儀のいい」ブースターとなっているはず。「数が少ない」「与干渉源となることが予めわかっていた」という二つの理由から、CS-IFによる2GHzへの影響はかなり少なく済んだのではないかと考えます。

以上私の憶測以上妄想未満の考えですが、えー、なんというか、ちゃんと真相を知っている人がいたら教えてください(笑)。いや、古い記憶をたどると、CS-IFによってPHSだか2GHz携帯だかが影響を受けちゃってちょっと困ったなぁっていう話を聞いたことがあったような気がして、それもなんだかすごくレアな古いCSブースターだからしょうがないよね、みたいな話があった気がして、こんな憶測になってるんですけど、この辺が完全に記憶違いかもしれないので。

以上、BS-IFとCS-IFによる携帯への影響についてでした。

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2012/4/24 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)

今日は質問いっこだけの短いエントリ。

Xi対応端末はXiとFOMAの両方の電波を受信するので待ち受け時間が短いという話を聞いたけど本当でしょうか、というご質問。

前にもLTEの質問に答えるの回である程度なぜバッテリの持ちが悪いのか、という話は書きましたが、一方で、この「両待ち受け説」には全く触れていませんでしたね。というかそんな説があったのか。

この辺については、LTE他システム連携の話で本当に一言だけで触れていたのですが、他システムと連携するLTEは、LTEシングル待ち受けが原則です。デュアル待ち受けをすることもできないわけではありませんが、よほどの理由がない限りやりません。それは、まさに「バッテリライフが極端に短くなるから」という理由です。

他システムと連携する(というか音声肩代わりさせる)タイプのLTEでは、LTE側に音声着信信号が飛んできます。その着信信号を受けた端末が、即座に音声対応システムを立ち上げて音声通話を開始する、そのために、音声セッション情報を音声システム(ドコモでいえばFOMA)とLTE(Xi)の間で共有するために、連携システムが作られています。この辺の話は、LTE音声着信率の話でも詳しく書いてあります。

ということで、「両待ち受け説」は基本的に間違い。LTEとWCDMAで着信連携をする、という前提でネットワークを作っているところは両待ち受けはしないはずです。ただ、たとえばとりあえず適当なEPCとLTE局を買ってきて適当にばらまいて本当に仮のLTEサービスを突貫で始めちゃうみたいなことをやる事業者だと、WCDMA側の連携システム対応が間に合わずにしばらくは両待ち受け、なんていう状態もなくはないですが、いまどきのUMTSコアはたいていはいつでも対応できるのでソフト買ってね状態だと思うしもちろんEPCも適当なの買ってきてもたいていは連携対応してるとは思うしインターフェースも標準化されてるからベンダが違ってもつながっちゃうと思うし。

そんなわけで、Xiでバッテリ消費が大きい話の補足でした。

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2012/4/24 10:00 · その他技術ネタ · (No comments)

いやぁ、夜中の緊急地震速報、驚きました。だいぶ時間もたってきて、ちょっとは落ち着いて警報音を聞けるようになってるんじゃないかと思ってたけど、やっぱり無理ですね。心臓が危なかった(苦笑)。

さて、解約したはずのEVOで緊急地震速報がという話を以前に書きましたが、えーと、鳴りましたね、解約、というか、機種変更して放り出してあった、EVO。単純な速報端末として使えますね。まぁそれ以外に鳴るやつらがいるので使い道はないんですけど。しかしまぁ、随分な実装です(笑)。

単純な速報端末と言えば、放送や有線接続を使うタイプはどうなのか、というと、まず放送に関しては、少なくとも携帯電話の緊急地震速報と同じく片方向なので、輻輳の心配もないし速報性も高い。あと有線に関しても、もちろん、上位のスイッチでの輻輳の可能性はありますが、最終的には一本の線の中を各ユーザ向け信号が流れることになるので輻輳もないし、常時接続なのでコネクション立ち上げのタイムラグもなし。ってことなので、使わなくなった携帯電話を速報端末とするよりは、やっぱり放送か有線の専用端末を置いてある方が品質は良いはずです。少なくとも、携帯電話は、報知情報の送信インターバルという問題と端末の間欠受信のインターバルという二つのタイムラグ要因があるわけで、常に受信機/回線を開きっぱなしの放送や有線には速報性ではかないません。と言ってもその二つにない「持ち歩ける」=「外出先でも」という特徴こそが携帯電話に求められているわけですけど。

ってことで、EVOは鳴りました、ってことで。同じauでもSIM機のSIM抜けとか、ドコモやソフトバンクのSIM抜け端末はどうだったんでしょう。純粋な無線上の仕組み的には鳴らすことはできるけど、あとはSIMなし状態の動作の実装次第。もし身近でそういう端末がなってたりしたらぜひご報告を。

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総務省の災害用優先電話のページに、「着信は優先扱いはありません」という趣旨のことが書いてあるけど、これは携帯にも当てはまるの?というご質問をいただきました。

結論から言いますと、その通りです。携帯電話での優先電話の話に絞ると、もともと優先させる仕組みの一つとして、それ以外の電話を発信規制する、というのがベースの仕組みです。これは、端末の自発的な動作なので、それゆえにネットワークに一切負担をかけずに電話を規制し、規制されないものを優先させる、ということが可能になっています。

一方、着信は、ネットワークの呼び出し信号が端末に届いてそれに端末が反応する、というのが基本的な仕組みなのですが、仮にここで、端末が自発的に「被規制動作」をしてしまうと、どうなるでしょうか。「呼び出しがかかったけど、自分、規制中っすから無視っす」とかやるとどうなるか、ということです。

ネットワークとしては、呼び出したのに反応がない、というのは、単に電波が悪いだけかもしれない、と考え、再度呼び出しをかけたりなどいろんな救済を行おうとします。すると、当然ながらネットワークは余計な仕事をすることになるわけです。「ネットワークに負担をかけない」というおおもとの目的を達することができなくなります。なので、ネットワークとしては、「ここまで着信信号が来てるってことは発信側での規制をすり抜けた大切な通話に違いない」という前提で着信信号はすべて通すし、端末も「ネットワーク様がそうおっしゃるなら大切な通話に違いない」と規制を無視して応答する、ということになります。

しかしこれでは、着信通話だけでネットワークが大変なことになってしまいはしないでしょうか。心配ですね。そこで仮に、呼び出し先の電話番号が、優先電話か規制対象の電話か、というのをネットワークで判断できるものとしてみましょう。であれば、規制対象の電話であればそもそも呼び出すのをやめてしまえば、ネットワークの負担はなくなりますね。このようにすれば、着信でも優先制御ができることになります。これができないのであれば、今のシステムは非常に片手落ちですね。

では、もしこの仕組みが実現したとします。ある大災害の日、優先電話を持っている、たとえば災害救助隊が、ある倒壊した家屋の住人が中にいないかどうか電話をかけてみようとしました。ところが、その家の住民は当然ながら優先電話なんて持っていません。なので、救助隊のかけた電話は相手方ネットワーク上で「呼び出し先は規制対象だから呼び出さないよ」と判断されて、相手まで呼び出し信号が届かなくなってしまいます。そう、こんなことが起こってはならないので、今はわざと片手落ち状態にしてあるんです。

基本的に、「優先電話を持っている人とそのネットワークが電話をかけるかどうかの判断の権利を持っている」というのが今の優先電話システムの大前提。この前提を実現するために「発信側のネットワークが通してもよいと判断した発信は、着信側の判断で落としてはいけない」ということにつながります。もちろん、交換機が大輻輳を起こしているときはさすがにこの限りではありませんが、それでも、交換機は優先電話からの発信の可能性を考慮して最後のリソースを残しておくように設計されていることが多いようです。

また、細かい話になるのですが、電話は事業者をまたぐ通話が結構あります。その時、発信が優先だったかどうかというのを相手方に伝えることは、一般的にはできません。もしそういったインターフェースを普通の事業者間接続で開放するといろんな悪用の方法があるためです。緊急電話でさえ、緊急電話専用の交換台からしか緊急着信をさせることはできません。ですので、発信者が優先だったかどうか、ということで着信可否を判断するというのも、実際のネットワークでは実現不可能となっています。

そういうわけで、交換機の混雑で着信が受けられない、という事態でない限り、基本的には着信はすべて通すし、端末も、着信信号に関しては規制状況に関係なく通常通り応答するようになっています。こういう関係は結構昔に決められたので、たぶん今後、いろんな技術革新、たとえばIP交換網によるIP相互接続が基本になってさまざまな付加情報を発着信信号に乗せられるようになり、優先の扱いが容易になる、というようなことがあったとしても、おそらく変えることはないのではないでしょうか。そうやって発着信相互の事業者でいろんな情報をすり合わせするよりも、「発信側ネットワークがすべて判断する」としておく方がシンプルですし、結果的にはおそらく統計効果で細かい制御をした場合と大して変わらないことになりそうな気がします。

ということで優先電話と着信の話でした。

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