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2014/10/24 10:00 · ニュース解説 · 15 comments

mineoでiPhoneが使えないっていう話について何かコメントないですか的なメールを結構たくさんもらってて、さすがに放置できないので軽く。

現状を整理すると、具体的な問題はmineo+iOS8。症状は、一瞬アンテナピクトが立つけれどすぐに圏外になる、とのこと。

なんとなーく原因に想像がついちゃったので、以下妄想。

iPhoneってもともと、かなり変な作りをしてあります。かなり低レイヤの部分にまでへんてこりんなカスタマイズを入れてあるようです。

このために、iPhoneを扱うキャリアは、iPhoneのためだけにネットワークの設定をいじくったり、あるいは専用の接続先を用意したりと苦心して、iPhoneが正常に動作するようにいろんな仕掛けをしているようです。

本来、3GPP標準の理念としては、「どのようなネットワークであっても動作するよう端末が必須機能を柔軟に実装する」という原則があり、だからこそ3GPP系端末はローミングが容易にできるわけですが、iPhoneに関してだけは本当に力関係が逆で、ネットワークがiPhoneの特殊な実装に合わせていかなきゃならないんですね。こればかりはAppleの異常な自己肥大を批判したくなりますが、まあ、これだけ世界中で支持されるプロダクトを作った以上このくらいの無茶を通したくなるのもしょうがないかもしれません。

で、どうもiPhoneって、割と上位レイヤのサービスのアクセシビリティを見て、ダメだったら低レイヤでネットワークを蹴っ飛ばす、みたいなことをするらしいんです。

一旦IPレベルで接続しても、Appleが要求するサービスへのアクセスに失敗すると、「このネットワークは出来損ないだ、使えないよ。明日ここに来てください(以下略)」みたいな感じで、ネットワークを蹴るんです。本当はあっちゃいけないことなんですけどね。

なので、おそらくiOS8で「これにアクセスできないとネットワークを蹴っ飛ばすよ」っていうサービスがいくつか追加されていて、mineoのネットワークがそのアクセスを担保できないとかなんだと思います。たぶんmineoもゲートウェイ自前で立てる感じのMVNOだと思うので、そのゲートウェイ周りにちゃんと仕掛けしておかないと、その「サービスX」が通らないんでしょう。

本当はAppleがその「サービスX」の要件を公開して対応をお願いしなきゃならないはずなんですけどね、まあそこは秘密主義のAppleです。開示を求められても「は?そんなんしらんよ?」で何も進まないでしょうね。mineoが自力でiOS8系の解析でもしなきゃ何も対応できないでしょう。

他のMVNOはその辺、偶然上手く通るようにできていたか、あるいは、裏でこっそりドコモから情報をもらっていたか(もしそうだったらたぶんApple激怒だとおもうんですけど)とかだと思います。

もしかすると今後偶然mineoがその「サービスX」の正体を突き止めてサービスを再開できるかもしれませんけど、少なくとも、Appleの秘密主義とAppleとキャリア間の超強力な秘密保持契約がある以上、難しいでしょうし、今後、同じように「サービスY」「サービスZ」が追加されていったとき他のMVNOも無事でいられるとは保証できないわけです。MVNOでiPhoneを、と思っている人は、今後も自己責任で(無責任)。でわ。

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2014/10/24 10:00 · ニュース解説 · 15 comments

ドコモがiPhoneだそうで。わーわー(棒読み)。

さんざん迷走したうえ、と言う感じですが、実はあの迷走はこのための布石だったんじゃね?とか思ったりも。ツートップ戦略なんて、ツートップ以外に対する大虐殺ですよ。狙い通りNECもパナも撤退してますし。しかし、iPhone発売が決まっていたのなら、わかるんですよね。邪魔な国内サプライヤーをなんか理由付けて叩き潰しておこう、と。そうしないとアップルノルマ達成できないし、と。サムスンやソニーなんていうグローバルメーカを潰すのは難しいから、これをあえてツートップとか言って持ち上げちゃえば、奴ら自爆すんじゃね?くらいだったんじゃないか、なんていう邪推が出来ちゃいます。シャープはともかく富士通生き残っちゃいましたねえ(ニヤニヤ)。

これから、いよいよ三社の中でどこが一番いいのか、なんていう議論が始まるんじゃないかと思うんですが、まぁそれぞれ一長一短あるんですよね。ドコモ参入となると、800MHz対応っていううわさもほんとかもしれないし、そうなるとエリアはKDDIが強そう。TD-LTE対応っていううわさが本当だとソフトバンクも結構強みがでるし。

上の両方のうわさが本当だとした場合の、今のところの私の印象はこんな感じ。

システム ドコモ=ソフトバンク>KDDI 通信システム、規格
エリア KDDI>ドコモ>ソフトバンク LTE通信できるエリアの広さ
容量 ドコモ>KDDI≒ソフトバンク LTEの通信容量
スペック ドコモ>ソフトバンク≒KDDI 通信速度等のインフラスペック
iPhone経験 ソフトバンク>KDDI>ドコモ iPhoneのサポート品目充実度
料金 ソフトバンク>KDDI≒ドコモ? よくわかんない

でわ。

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ちょっと古いネタですが、auの障害の時に音声もつながらなくなったのはどうしてでしょうか、という質問をいただいています。というのも、CDMA2000はデータと音声が独立したシステムなので仮にデータが輻輳しても音声には影響は出ないのではないか、ということからです。

普通に考えれば確かにその通りなのですが、そもそもLTEと旧システムが連携しているということを考えるとちょっと問題が複雑になってきます。

LTEが障害で全く使えない、完全にゼロ、という状態であれば、すべての端末は3Gに落ちてしまい、あとは3Gの輻輳だけが問題になってきます。CDMA2000であればシステムが独立しているので影響は出にくいかもしれません。もちろん、データ(EVDO)側が完全に輻輳でつながらないと、音声系(1x)のデータ回線に切り替わるということも起きるので(iPhoneの○印が出るアレ)、これが原因で輻輳ということは考えられますが、それでもデータ用チャネルよりは音声用チャネルを優先制御するくらいのことはやっているはずなので、この状況での影響は出にくいでしょう。

しかし、先ほどの記事の音声連携の仕組みを見るとわかるのですが、音声着信の信号(ページング)はLTE上で送信され、LTE上でそれに応答するのが連携システムの基本です。もしLTEが障害で信号がほとんど通らない状況だとすると、このページングが端末まで届かないため、音声着信ができないということになります。また、発信でも最初のネゴ(どの周波数が利用可能か、など)はLTE網を経由して他網と通信します。このため、LTE障害で信号が通らないとこれもアウトです。

上記の「ページング」や「ネゴのための信号」、実はどちらもLTEにおける特定装置を経由します。すなわち「MME」なんですね。ってことは、MMEが落ちるとどちらもダメになってしまうんです。先日のau障害はまさしくMMEの障害だったため、音声通話ができないというユーザが出てくる可能性が確かにあったわけです。当初、障害箇所はMMEっぽいという発表、それでも音声に影響ありませんと書いてあったのを見て私は「そんなわけないんだけどなぁ」と思ったくらいです。

もちろん、完全に全端末を3Gに落とせればこのタイプの通話不良は回避できるんですが、そもそもそういったこと(たとえば端末を強制Detachさせること)を制御できるMMEが死んじゃってるので、MMEが落ちたことに気づかずに在圏したままの端末はほどほど残ってしまうことになります(通信をしようとしてMMEからの応答がなくて3Gに落ちる、というような契機がないと普通はMMEが落ちていることに端末は気づかない)。いっそ全基地局の電波を止めるくらいのことをすればよかったんでしょうがそこまでやる大胆さをKDDIは持ち合わせず、半端にLTEに残ってしまった端末が音声不可になっていたものを思われます。実は私の端末もしばらくの間、LTEの電波つかんでました。

ということで、LTE障害なのに音声影響はなぜの話でした。あ、上の推測は全部憶測ですよ、念のため。

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さて長いことサボってちょっと質問が溜まり気味の今日この頃。ってことで、古い話題ですが、iPhone5発表&KDDIとSBMがLTE始めますに関連した質問を山のようにいただいてる中で一番多い質問、「eCSFBってなんですか?」っていうものを取り上げてみます。

これは、ちょっと前に書いた、LTEと旧システムの連携方式の一つです。で、そんな中でも、KDDIが「超速いよ」と自慢しているとかで、質問がたくさん来ているようで。

仕様書もあんまり細かく読むとめんどくさいので簡単に、3GPPのStage2部分のみを読んでみた感じ。

WCDMAのCSFBでは、LTE上で発信を開始したり、着信(ページング)を受けたりすると、LTE上で「PSハンドオーバしますよ」と言うメッセージを投げた後、WCDMAに遷移し、制御チャネルを張って発信手順を踏みなさい、と書いてあります。これが、ふつーのCSFB。

で、e (Enhanced)のついてないCDMA2000のCSFBも大体同じことが書いてあります。PSのハンドオーバと言う手順を経ないだけで、基本的にはLTEを手放してCDMA2000の通常の音声発信手順でつなげばー、って感じ。

で、問題のeがついているタイプのCSFBですが、UEはLTE上で発信手順を済ませてCDMA2000の通話チャネルの情報をもらい、CDMA2000に遷移した後、UEはCDMA2000通話チャネルを「レジュームする」と書いてあります。ってことは、あたかもそれまでCDMA2000通話チャネルがあったかのようにふるまえ、ってことみたいです(電波悪くて瞬断したとかハンドオーバした直後みたいに)。つまり、端末も基地局もあたかも通話チャネルが前からありましたよーって感じで送受信を先に始めちゃうってことですね。そりゃ速いわな。

WCDMAにももう少し速いタイプのCSFBがあるようですが、UEがWCDMAに遷移した後にいろいろやんなきゃいけない手続き(たとえば位置登録エリア情報を見て最適な交換機を選ぶとか)をLTE上で出来るけど、基本的には制御チャネルを張って発信手順を開始する、ってところは同じみたいなので、「レジューム」しちゃうタイプのCSFBをするCDMA2000には速さでは到底かなわないでしょうね。

ただ、普通に考えると、たとえば単純に通話用の個別トラフィックチャネルを割り当てるとしても、フレームのオフセット位置?みたいな、タイミングに依存した情報を一致させることが不可欠で、ってことは、そのタイミング情報を非常に高精度でやり取りしなきゃならん、ってことになります。となると、非同期のWCDMAは、こういった処理とは相性がよろしくない。同期のCDMA2000だからこそできる芸当なのかもしれません。

まぁそんな感じみたいです。単にLTE上で信号やり取り済ませてちょっと早いよ、ってだけかと思ったら意外とアクロバティックなことをしているみたいです。あれですね、こないだの新機種発表で言ってたOptimized Handoverもこれと同じ感じなんでしょうね。仕様書読んでないけど。まぁ、そもそもKDDIはとっととCDMA2000をやめたい空気バリバリに出してるんで、この機能も短命に終わるんじゃないかと思いますけど。でわ。

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うわーしばらくニュース見てないうちに大変なことに。

ソフトバンクとイー・アクセスが経営統合ですって。まぁ実質、ソフトバンクによる買収なんでしょうけど。やっぱりオーナーが安定株主の会社は強いですね。どんなにギリギリまで余力を吐き出しても絶対に買収されたりしないっていう安心感から常時全力勝負ができるという強みがあります。

んなことはどうでもよくて、この影響です。正直、イーモバの加入者状況はあまりよろしいものではなさそうで、加入者速報をしなくなった辺りからちょっと経営的にも怪しげな感じがしていたくらい。なので、そもそもの顧客基盤吸収と言う効果は限定的かもしれません。

インフラでいうと、イーモバのインフラは、結構良いんですよ。前にもどこかで書きましたが。無用な基地局数競争なんていう土俵に乗らなかった分、セオリー通りにきれいなインフラが作られています。ただ、やっぱり地方で弱いのは相変わらずですし、面的な拡大はあるころから急減速していることを考えると、ソフトバンクのエリアを面的に補完するという意味はそれほど強くなさそうです。

やっぱり重要なのは、厚み、つまり周波数でしょうね。イーモバが持っている周波数を全部ソフトバンクが使えるようになる、と。この件で、ソフトバンクは900MHzも700MHzもまんまとゲットできたことになります。いや正直、700MHz事業者選定の時点ではこの辺の話の大枠はほぼ決まってたんじゃないかなーなんておもうわけで、なかなかうまいことやったもんです。

で、「そもそも700の割り当ては900割当にならなかった事業者に限ると言う決まりはどうなんだ」、と言うご質問もいただいているのですが、これはもう過去の事例を見ればわかる通り、割り当て時のルールそのものは、割り当て後の再編にはほぼ適用されないという慣例が出来上がっています。また、経営統合とはいえ事業者は違うんですと言い張ればこれまた遡上適用すべきと言うことになったとしても問題なし。どっちにしろ、この辺のルールは適用されないし、適用されないことをとっくに行政との間でも調整・確認済みだろう、と言うのが私の考え。その程度の調整もせずに認定事業者同士の合併をするなんてことは考えられないので。

あとは、1.7G帯域の話ですね。iPhoneで使えるとか使えないとかそういう話。一応、理屈上は使えるはずです。ただし、日本の1.7Gのバンド9そのものには対応していないので、米国のバンド3対応で、って形(つまりイーモバのLTE基地局で「この電波はバンド3ですよー」と報知する)。ただ、もしこのやり方だとうすると、ちょっと気になる点が二つ。

一つは、PHS共存規定。バンド3は、PHS共存規定がありません。つまり、バンド3のみ対応の移動機はPHS共存規定である送信特性試験を通していません。一方、バンド9はもちろんこの規定が適用されていて、ちゃんと試験されています。つまり、バンド3に対応した、と言う宣言だけでは、日本の電波法規定に合格していることが確定できていないということです。これは現状まだクリアできていない問題だと私は思っています。[追記]ゴメン嘘書いた。Release11からバンド3にもPHS共存規定が追加されてましたね。一応この問題はクリアされてます。[追記2]無線特性に関する規定はRelease番号関係なしに最新版適用、っていう3GPPルールがあるので、仮にiPhoneがRelease9/10ベースだとしても無線規定だけはその時点での最新版仕様書が適用対象となります。ので、iPhoneのバンド3は多分PHS共存規定をクリアしているはず。

もう一つは、バンド3が、バンド9よりも2dB程受信感度が低いということ。要するに、電波の飛びが悪くなるってことです。ざっくりいうと、バンド9の受信感度を100%とすると、電波の受信感度が6割ほどに落ちます。それに伴ってエリアも狭まることになります。イーモバは、受信感度100%を前提にエリア設計していますから、それを、6割程に落ちたiPhoneが使うと、あちこちが穴ぼこだらけになる恐れがあります。

しかしまぁ、なかなかどうして、思い切りがいいですね。ってことで、次の買収の仕掛け先は、KDDIってことになるんでしょうけど。おそらくその辺が一つの区切りで、歩調を合わせて電波行政に大きな見直しが入る、みたいな感じで裏では進んでいるような気がします。

と言うことでお久しぶりでした。もうしばらく忙しそうです。でわ。

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先日、VoLTEの音質の話を書いたところ、その直後?にSamsungとLGがVoLTE端末を作りました、と言うニュースがありました。で、これに関して、「どういう方式なのでしょうか、OTTでしょうか」というようなご質問がありましたので、タイムリーなうちに記事にしておきます。

ちなみに、「OTT」というのは「Over The Top」のことで、一般的には、キャリアが提供しているインターネット接続サービスよりも上のレイヤでいろいろやるような人やサービスのことです。たとえば、NTTcomの050plusなんてのは典型的なOTT IP電話サービスです。要するに、「The インターネット」の相互接続性を頼りにしたサービス一般ですね。

一方、そうではない、「非OTT」なのは、たとえばキャリアのインターネット接続サービスそのものだったり、普通の電話サービスだったりです。キャリアが独自に相互接続性を保証することでEnd-Endの通信が成り立つようなもの。インターネット接続サービスは、キャリアがIXか一次プロバイダかに直接接続することで接続性を保証しますし、電話は、キャリア内の交換網で電話同士を接続し、キャリア外に向けては、相手キャリアとの直接相互接続で接続性を保証します。もちろんキャリアがOTTを提供してもいいわけで、特にドコモなんぞは「土管化を避ける!」みたいな旗を掲げていろんなOTT的サービスに参入していますね。

さて、本来の意味でのVoLTEは、「非OTT」です。基本的な仕組みはVoIPなので、IPルートさえ通ればどこにでもつながる、と言うのが本来の形のように思えますが、VoLTEの基本は、VoLTE音声トラフィックは「The インターネット」には直接出ていくことはなく、キャリア内で交換され、他キャリアには相互接続点でのみ出ていく、と言うのが形になります。「The インターネット」は、原則論としてどこの誰のノードを経由するかを送信側が限定することはできません。だから、潜在的にありとあらゆる品質劣化を受ける可能性を持っています。VoLTEはキャリアグレードの電話サービスとして、そういう危険エリアにトラフィックをさらすことなく交換を完結させることになっています(そういう意味では、ソフトバンクの「The インターネット」経由のフェムトなんてのは、キャリアグレード品質を保証できないOTTに近いサービスと言えます)。

ってことで、「ちゃんと標準化されたVoLTE」なら、非OTTのはず。です。で、今回の発表を見ると、まずは韓国LGU+に供給し、ついで米国MetroPCSにも提供する、となっているので、これはおそらく各キャリア独自のOTTではなく同じ標準に従ったVoLTE、つまり非OTTのVoLTEではないかなぁ、と思います。あくまで私の推測ではありますが。

ちなみに、3GPPでのVoLTEの仕様自体は相当前に固まっていて、2010年時点で端末への実装のガイドライン的なものもいろいろとできていたりするので、今年のこのくらいの時期に本物のVoLTE端末が出てきても全然不思議ではないです。どっちかと言うとインフラの対応の方がずっと遅れることが予想されていたので、LGU+やMetroPCSのような割と小規模でチャレンジングなキャリアが先行してようやくインフラ導入にこぎつけた、というような感じではないでしょうか。

ということで、簡単ですが私なりの所感を書かせていただきました。

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アイサットフォンと電波天文の干渉という問題について、結論として「電波望遠鏡の近くで使わないように」ということに落ち着いていますが、衛星って広く電波が降ってきているものなのに近くで使わないだけでOKなんですか、と言う質問をいただいていました。ちょっと回答が遅くなってしまいましたが、今日は簡単に。

アイサットフォンはインマルサットを使った電話サービスの一つ。なので、基本的に従来のインマルサットの周波数帯を使います。

で、もともとインマルサットは、地上局は固定や船舶がメイン、また、移動局でも指向性が高いアンテナを持ち、非常に限られた使用者しかいないようなものなので問題視されていませんでしたが、アイサットフォンのように指向性の低いアンテナで個人が自由に持ち歩けるようなタイプとなってしまうと、電波望遠鏡の近くでの干渉が問題になってきたのではないかと思われます。

ここで、なぜ「近くだけ」問題になるのか、と言うと、周波数配置がポイント。インマルサットの周波数は、地上→衛星の周波数バンドと衛星→地上の周波数バンドのうち、地上→衛星のバンドが電波天文学用バンドに非常に近いんです。逆に、衛星→地上は非常に広い範囲に強い電波をばらまくことになってしまうので、電波天文学用バンドから離れた方のバンドを使う様にした、と言うのが真相だったかもしれません(情報不明瞭)。

となると、地上→衛星バンドが電波天文学に干渉することになります。つまり、地上移動局が発する電波。もちろん地上移動局だって不要発射を十分に抑えるようにフィルターを持っていますが、それでも(電波天文学的には)結構大きなレベルの不要発射を出してしまいます。

電波望遠鏡は言ってみれば巨大なパラボラアンテナなんですが(なので古い衛星通信用アンテナを流用したりもする)、いくらパラボラと言っても、周辺からの漏れ込みをゼロにするということはできません。パラボラ面の横から受信素子に直接入っていくような電波もあるでしょうし、ななめ方向にも割と強いゲインを持つサイドローブを持っていたりもします。そういうところにアイサットフォン端末がいて、これが衛星に向かって電波を発射すると、電波望遠鏡にも影響を与えてしまうことになります。具体的には、背景ノイズレベルが上がってしまい、観測解像度が下がってしまうわけです。

ってことで、アイサットフォンは電波望遠鏡の近くで使っちゃだめですよ、ってことになります。日本で大きな電波天文台と言うと、まず何を置いても野辺山ですね。あと、確か山口と茨城に割と大きいやつ、岩手水沢+小笠原父島+鹿児島薩摩川内+石垣島のVLBIあたりが大きな観測所です。ってことで、この近くに行くときは、出来ればアイサットフォンは電源OFFでよろしく。

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ウィルコムのALL ITX化が済んだという情報。なんだか公式発表されないのが腑に落ちないのですが(NTTへの配慮とか?)、転送時の発信元電話番号が通知されるようになったことを確認できました。これで結構便利になります。

今、メインの回線はウィルコム定額プランGに誰とでも定額をつけてあるので、転送先をドコモのメイン回線にしても転送通話料はかかりません(のはず)。誰定でも通話料かかるようです。しょっく。まぁ、そこまで電話がかかってくることはないので誰定は外してしまった方が安くなるとは思うのですが、気分的な問題で。

で、少なくとも転送番号表示が可能になったということは、ALL ITXが完了したということのはず。というのは、ITX化局と非ITX局が混在すると、番号通知の際にインターフェースの不整合が起こってしまうので、そういう状況が起こりえない、ということが確定するまではサービスできないからです。

さて、ALL ITXが達成すると、ほかにも(潜在的に)できることがいろいろと出てきます。まず、ぶっちゃけMNPには相当近づきます。というか、070もMNPに参加しましょうという総務省のお達しはたぶんウィルコムからの申し入れで、それを実現する大前提は、1局の漏れもなくITX化することです(1局でも非ITX局があるとその局配下の通話は誤った通話先につながってしまう)。これができるようになることがおそらく直近の効果。

あとは私の妄想レベルの話になりますが、ライトメールとSMSの相互互換が可能になる可能性が出てきます。後は細かい点だと、現在はできない「発信中(呼び出し中)」のハンドオーバができるようになり、今までよりも移動中の発着呼に強くなるかもしれません。これができないのは、もう本当に単純にNTT交換機の機能制限のせいだと聞いたことがあるので。それと、PHSのPS-IDをたくさん持たせた端末でたくさんのセッションを同時に張る、なんてこともできるようになるかも(無線機は一台で)。要するに、音声とパケットの同時接続とか。

また、ITXからの光ファイバの足を直接貸し出すサービスも考えられます。というか、すでに自治体向けにそれに近いサービスをしていますが、すべてのPHS収容局舎がITX化しているということは、おそらく日本でも有数の広さのIP網を持っているということです。下手するとNTT東西のフレッツよりも広いところさえあるかも、くらいの話。NTT東西が変な品質規定のために光もADSLも足を出せないような田舎にも、光か銅線の足を出してIP系サービスを提供できるかもしれません。まぁユーザには直接恩恵はありませんが。

ってことで、ウィルコムのALL ITX化についての簡単なコメントでした。

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