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総務省の災害用優先電話のページに、「着信は優先扱いはありません」という趣旨のことが書いてあるけど、これは携帯にも当てはまるの?というご質問をいただきました。

結論から言いますと、その通りです。携帯電話での優先電話の話に絞ると、もともと優先させる仕組みの一つとして、それ以外の電話を発信規制する、というのがベースの仕組みです。これは、端末の自発的な動作なので、それゆえにネットワークに一切負担をかけずに電話を規制し、規制されないものを優先させる、ということが可能になっています。

一方、着信は、ネットワークの呼び出し信号が端末に届いてそれに端末が反応する、というのが基本的な仕組みなのですが、仮にここで、端末が自発的に「被規制動作」をしてしまうと、どうなるでしょうか。「呼び出しがかかったけど、自分、規制中っすから無視っす」とかやるとどうなるか、ということです。

ネットワークとしては、呼び出したのに反応がない、というのは、単に電波が悪いだけかもしれない、と考え、再度呼び出しをかけたりなどいろんな救済を行おうとします。すると、当然ながらネットワークは余計な仕事をすることになるわけです。「ネットワークに負担をかけない」というおおもとの目的を達することができなくなります。なので、ネットワークとしては、「ここまで着信信号が来てるってことは発信側での規制をすり抜けた大切な通話に違いない」という前提で着信信号はすべて通すし、端末も「ネットワーク様がそうおっしゃるなら大切な通話に違いない」と規制を無視して応答する、ということになります。

しかしこれでは、着信通話だけでネットワークが大変なことになってしまいはしないでしょうか。心配ですね。そこで仮に、呼び出し先の電話番号が、優先電話か規制対象の電話か、というのをネットワークで判断できるものとしてみましょう。であれば、規制対象の電話であればそもそも呼び出すのをやめてしまえば、ネットワークの負担はなくなりますね。このようにすれば、着信でも優先制御ができることになります。これができないのであれば、今のシステムは非常に片手落ちですね。

では、もしこの仕組みが実現したとします。ある大災害の日、優先電話を持っている、たとえば災害救助隊が、ある倒壊した家屋の住人が中にいないかどうか電話をかけてみようとしました。ところが、その家の住民は当然ながら優先電話なんて持っていません。なので、救助隊のかけた電話は相手方ネットワーク上で「呼び出し先は規制対象だから呼び出さないよ」と判断されて、相手まで呼び出し信号が届かなくなってしまいます。そう、こんなことが起こってはならないので、今はわざと片手落ち状態にしてあるんです。

基本的に、「優先電話を持っている人とそのネットワークが電話をかけるかどうかの判断の権利を持っている」というのが今の優先電話システムの大前提。この前提を実現するために「発信側のネットワークが通してもよいと判断した発信は、着信側の判断で落としてはいけない」ということにつながります。もちろん、交換機が大輻輳を起こしているときはさすがにこの限りではありませんが、それでも、交換機は優先電話からの発信の可能性を考慮して最後のリソースを残しておくように設計されていることが多いようです。

また、細かい話になるのですが、電話は事業者をまたぐ通話が結構あります。その時、発信が優先だったかどうかというのを相手方に伝えることは、一般的にはできません。もしそういったインターフェースを普通の事業者間接続で開放するといろんな悪用の方法があるためです。緊急電話でさえ、緊急電話専用の交換台からしか緊急着信をさせることはできません。ですので、発信者が優先だったかどうか、ということで着信可否を判断するというのも、実際のネットワークでは実現不可能となっています。

そういうわけで、交換機の混雑で着信が受けられない、という事態でない限り、基本的には着信はすべて通すし、端末も、着信信号に関しては規制状況に関係なく通常通り応答するようになっています。こういう関係は結構昔に決められたので、たぶん今後、いろんな技術革新、たとえばIP交換網によるIP相互接続が基本になってさまざまな付加情報を発着信信号に乗せられるようになり、優先の扱いが容易になる、というようなことがあったとしても、おそらく変えることはないのではないでしょうか。そうやって発着信相互の事業者でいろんな情報をすり合わせするよりも、「発信側ネットワークがすべて判断する」としておく方がシンプルですし、結果的にはおそらく統計効果で細かい制御をした場合と大して変わらないことになりそうな気がします。

ということで優先電話と着信の話でした。

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NTT東西・NTT Com・NTTドコモ、通信料金の請求を一本化
請求一本化による顧客満足の面もあるだろうし、ファイナンスに委託分はとりっぱぐれがない(譲渡した時点で回収完了)ことによる貸し倒れリスクのヘッジという二つの意味がありそうですね。委託側(東西、コム、ドコモ)に貸し倒れリスクがなくなった分、それを割引原資に回す、という考え方での割引もあり得なくもないですが、NTT系の料金未回収率は1%とか2%とかの超低率だったはずなので、あまりそちらでは期待できないかも。
ドコモ、宅内向けフェムトセルサービスマイエリアを終了
うーん、独自コンテンツとかはともかく、在圏情報連動サービスとかはいろいろ広がる可能性があるのにもったいないなぁ。まぁそもそもからして、フレッツ限定で、しかもフレッツの1セッションを食っちゃうというひどい仕様だったので、利用者が全然増えなかったのが問題ですね。ソフトバンクやKDDIは一般の回線でVPN張って好き勝手やれてるのに、ドコモだけこんなお堅い対応しかできなかったのが、せっかくのフェムト連動サービスが活かせなかった原因。とはいえ、そういった連動サービスをするのにフレッツの1セッションを食って固定と連携できることも重要な要素だったと考えれば、仕方がないのかもしれません。

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ドコモ、“半自動”の公衆無線LAN接続アプリ
勝手につないでくれるアプリって言ってるのに「半自動」とか強調するとかひどいなーと思って記事を読んだら本当に半自動で笑った。いや、昨日のニュースのタイトルだけ読んで、au Wi-Fi SPOTの自動接続ツールと同じものをようやくドコモも作ったかー、と思ってて記事の内容は全然読んでなかったんですが、この記事のタイトルにつられて読んでみたら全然違うものでした(苦笑)。いや、つなぐときにボタンを押す、ということも「半自動」ですけど、事前にユーザIDとパスワードを自分で入れなきゃならないってのもめんどくさいですよね。au版の方は自動で3G認証して3G認証データでWi-Fiに入れるようになってる(っぽい)ので本当に全自動なんですよね。私もau Wi-Fi SPOTのユーザIDとパスワード知らないで使えてますから。ドコモはまだWi-Fi認証と3G認証が連携できてないのかな?
議論を呼ぶ無線LAN SDカード標準化–Eye-Fiが意義を唱える理由
要するにEye-Fiの独自実装と全く異なるものが標準として作られそうになっててあわててるってことですよね。いつの時代も、標準技術にない先進的なものを作るとこういう目に遭わされることが多いようです(笑)。Eye-Fiも「外から見れば単なるSDカードだけど中ですごいことをやってる」というのを目指していたのでI/F標準をいじくろうなんて気はさらさらなく、だからこそレガシー標準活用という道を選んでいたのに、そもそもの標準がWi-Fi内蔵メモリーに合わせて改定されますよ、ということになれば、当然非標準にならざるを得ません。まぁ、こんな抗議活動に精を出す前に新標準対応製品を一秒でも早く作ることが良い結果を招くことは数々の事例が示しているんですが、やはり感情的に捨てられない部分もあるのでしょうね。ところでSDIOってどこ行ったの。
NTTドコモとウォルト・ディズニー・ジャパンがDisney Mobileondocomoブランドのスマートフォン及びサービスの提供を共同で推進
ぶほっ。これはひどい。そこまでソフトバンクを全方位攻撃しなくても。ソフトバンクの独自ブランドの2柱だった「iPhone」と「ディスニーモバイル」がそれぞれauとドコモに破られました。どうすんだこれ。いや、なんとなく、ドコモはそんなに本気は出さなくて、スポンサーだからお付き合いでやってるくらいな気がするんだけど(ソフトバンクみたいにMVNO形式の完全独立ブランドを目指しているわけではない?)、それでも、ねぇ。まぁ、元々カスタムの効きやすいスマホだし、dメニューをディスニーメニューで置き換えるなんてこともなさそうなので、単なるデコスマホくらいのイメージでしょうかね。でも名称が思い切りかぶせにいってて、結構ひどいなぁ。
IPSTAR、希望月だけ1.5万円で使える衛星通信サービスを開始
IPSTARといえば去年の大震災の時には携帯電話各社の緊急バックホールとして大活躍したIPベースの衛星通信サービス。まさにそういう一時的な用途を想定した新しいプランを作りました。ただ気になるのが、やっぱり帯域。みんなの希望月がきちんと分散するのなら悪くないのですが、やっぱりみんなが使う時って集中するわけじゃないですか。要するに、災害が起こったらみんな一斉に使うわけで。それでいて、使う月以外はコストゼロで維持できるというのであれば、必然的に利用者数は多くなり、それが災害時に一斉に通信を行うことで帯域が逼迫する、そういうことが何となく起こりそうな気がします。少なくとも、携帯電話などの1次的なアクセス回線事業者のバックホールの用途に使うにはあまりに不安があります。そろそろやっぱり「セル式衛星」も考えるべき。いや、イリジウムとかの意味での衛星携帯ではなくて、今みたいに結構広いエリアを1ビームで押さえる衛星じゃなくて、携帯電話のセルに近いレベルの小さな範囲を細いビームで繰り返しカバーするタイプの衛星システム。フェーズドアレイが比較的簡単に使えるようになってきているうえ、処理デバイスの能力も大幅にアップしているので、そういったことはよりやりやすくなっているはずなんですよね。日本の高速インターネット実験衛星「きずな」もちょっとだけそれに近い仕組みを取り入れているし。小セル式衛星が一般的になれば、周波数効率も上がるしアクセス集中問題も片付くはず。

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先日のドコモの通信障害で一躍時のキーワードとなった「制御信号」なのですが、これに関して、具体的に何を指しているのか、そしてなぜスマホではそれが増えるのか、というご質問をいただきました。

発表されたレベルだと具体的にどの「信号」を指しているのかあまり明らかではないのですが、おそらくは一般的には「シグナリング」と呼ばれているものを日本語訳したところの「信号」ということであろうと仮定して話を進めます。

ドコモの発表では、「チャットやVoIPなど」と、あたかも特定のアプリケーションがこの「信号」を発生させるかのように書かれていますが、基本的には、アプリケーションそのものは(一部の例外を除き)信号を発生させることはありません。あくまでアプリケーションはIPネットワーク上で通常のIPトラフィックを発生させるのみです。

では、実際の障害の原因となった制御信号とは一体何で、どんな時に発生するのか。できるだけ平易に説明してみます。

携帯電話がネットワークに接続する際、「今から接続したいです」という「申請」をします。これに対して、ネットワークは「その前に、あなたは誰?」などという様に確認を開始します。こういったやり取りを何往復かして、接続するための情報(接続者の属性や契約状況、ネットワークの対応状況、などなど)が一揃いそろったところで、「では接続を許可します。○○というルートを使ってIP通信を行ってください」とネットワークが端末に接続許可をすることでようやく通信が開始できるようになります。

実際にこれらのやり取り(制御メッセージ)は、通信そのものとは全く別の特別なやり方でやり取りされています。それを捌くサーバも全く別のものです(仮にハードウェアとしては一つでも、処理システムとしては独立している)。こういった、接続のための調整用の制御信号のやり取りをするシステムを、「呼処理(こしょり)系システム」などと呼びます。

つまり、「制御信号」と呼ばれているものは、この呼処理系の信号のことです。一方、実際のトラフィックは全部ひとまとめに「ユーザデータ」とか「トラフィック系」とか呼ばれます。これは、無線ネットワークとしては単にカプセル化されたビット列を右から左に流しているだけのシステムです。

呼処理系とユーザデータの一番大きな違いは、まさにその部分です。ユーザデータは一過性の、ただ目の前を通り過ぎるビット列であって、その中身を一切関知する必要がありません。だから、サーバのリソースも、そのビット列が通る瞬間だけ浪費され、通り過ぎれば瞬時に解放されます。

一方、呼処理系は、相手との会話が今どんな状況か、相手のIDはなんだったか、処理しているメッセージの内容はどんなだったか、というのを、全部のやり取りが終わるまで覚えておかなければなりません。人間の知覚では一瞬に近いやり取りですが、莫大な数の相手をするサーバから見れば、この「覚えておかなければならない時間」というのは非常に長い時間です。それぞれの相手向けのセッションの一つ一つが「ステートマシン」(自分の状態を覚え変化させる仮想機械)を持ち、リアルタイムに処理を行っているわけですから、サーバのリソースの消費特性はユーザトラフィックを捌くのとは全く別物になります。

たとえば、ユーザトラフィックであれば、大量のパケットが大量に到着した場合、それを格納できるサイズのメモリを用意して待ち行列に放り込んでおけば、あとは一つの処理プログラムが逐次処理をして待ち行列を消化してくれます。しかし、呼処理であればそうはいきません。大量に来た呼処理メッセージの一つ一つをそのオーナーのステートマシンに渡さなければならないし、それぞれのステートマシンが複雑な制御処理を行う必要があります。偶然、何万分の一でしか起こらないようなタイミングのバッティングというものが、莫大な数のステートマシンが同時に動くことで起こる可能性が高まります。もちろん、振り分け処理部が輻輳を起こしてメッセージをステートマシンに渡すのが遅れてしまうと、期待した時間内にメッセージの返答が来ないように見えてしまうため、さらに再送を繰り返すなどで大量のメッセージを生み出してしまうことも起こります。

つまり、ステートマシンそのものが大量にあることで、それ自身が呼処理メッセージ(制御信号)をさらに多く生み出し混雑を加速させることが起こりうるわけです。これが、単なるユーザトラフィックの輻輳よりも制御信号の輻輳が恐ろしいところです。

さて、こういうものが制御信号です、としたうえでドコモの発表に立ち戻ると、「VoIPやチャットが」と言うのは明らかにおかしいことがわかりますね。VoIPやチャットのアプリが使うのはあくまでIP上のデータ、つまりビットが右から左に流れるだけのユーザトラフィックです。アプリそのものが原因であるということは絶対にありえません。

そうではなくて、そういったアプリが定期的に起動して、新着メッセージの有無を確認しようとIPパケットを送信する、その時に、OSは「お、IPパケットが出るからちょっとネットワークにつなぎましょうか」という感じで、毎回ネットワーク接続を起動するんです。当然、接続するための下準備である呼処理が開始されます。つまり、「IPパケットを何度も定期的にやり取りするタイプのアプリ全般が輻輳の元の原因」であって、間違っても「VoIPだから悪い」というわけではないんです。ちょっとドコモにしては軽率な誤りです。

スマートフォンというのは特にこの辺が面倒で、何らかのIPパケットのやり取りが発生しそうになると、自動的にネットワーク接続を開始(復帰)させようとします。スマートフォンではたいていはIP Always Onなので、IP接続の再起動ということはしないのですが、パケット通信では通信トラフィックがない場合は「休止状態」となっていて、これを「アクティブ状態」に復帰させる必要があります。ゼロスタート程ではないにしろ、この復帰手順でもそこそこの量の制御信号が必要とされます。これを、わずか数パケットを送るために定期的に起動されていては確かに制御信号の量は大変なものになります。

また、一部のアプリでは特に面倒な「例外」があって、というのが、ネットワークからのパケット着信がありうる、ということです。これにはいくつかのタイプがあるのですが、細かい違いを割愛すると、ネットワークから何らかのデータを端末に送りつけるときには、端末が休止状態や完全な切断状態でも強引にパケット接続をさせることができる機能。端末の定期送受信とは同期せずに好き勝手にパケットを送りつけてくるアプリがあると、これも制御信号を逼迫させます。VoIPやチャットなどは特にこのタイプの通信を多発させやすいため、ドコモがあえてやり玉に挙げたのかもしれません。

古い携帯電話では、パケット接続の起動・切断は比較的明示的に行われるもので、大体、「接続してから切断するまでに発生するユーザトラフィック」というのがモデル化されていました。これを「コールモデル」と言うのですが、ネットワークの装置を設計するときは必ずコールモデルを立て、呼処理に回すリソースとトラフィック処理に回すリソースをうまくバランスさせたりするわけです。

ところが、スマートフォンは、こういった固定的なコールモデルが全く通用しない。突然のヒットアプリの出現でコールモデルがリアルタイムでゴロリと変わる。古い携帯電話では、キャリア自身が機能追加しない限り変わらなかったトラフィックの発生の仕方が、スマートフォンではキャリアのあずかり知らぬところでひっくり返される可能性が出てきたんですね。これが、ドコモの見誤りの最大の原因。ひいては、ドコモがいろんな装置を独自開発していたことがかえって仇なした例とも言えるでしょう。グローバルベンダは海外の多数の例に基づき、いろんな状況に対応できる柔軟なシステムを作りますが(その分マージンが大きく無駄ともいえるんですが)、ドコモの独自開発では、おそらくドコモ自身のコールモデルに基づき可能な限り効率的なものを目指そうとしていたのでしょう。それが、いつの間にか変わっていたスマートフォンのコールモデルに対応できなくなっていた、と考えられます。

特定のアプリが悪いのではなく、そもそもスマートフォンに対しては、ネットワークの作り方に関する考え方を変えなければならない、ということなんですね。コールモデルは常に変動するものという前提で作らないと、今回のような手痛い障害を起こしうる、と。ドコモは、今まさにスマートフォン移行でこの苦しみを味わっているところです。

ということで、制御信号とな何か、と、ドコモの障害とはなんだったのか、についてのお話でした。

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2012/1/30 23:59 · ニュースコメント · 3 comments

総務省がプラチナバンド900MHz帯申請の4社を公表、2月下旬に決定
ってことで結局全社申請しちゃいましたね。これがタダで手に入る最後のチャンスかもしれないと考えれば当然だし、何と言っても、日本から出る最後のグローバルバンドとなる可能性が高く、ここが取れれば事業の有利性は格段に高まります。1GHz以下という特性の良さ、というのは案外大した恩恵はなくて、ってのは、結局特性が良い分セルラー展開するにはいろいろと余計なお金がかかる、ということは前にも書いた通り。それよりも、おそらく世界で最も普及したバンドの一つである「バンド8」を日本国内で使えるという恩恵の方がはるかに大きいはずです。何しろ、海外で売っている端末、アナログ部材を変える必要がないんですから。もちろん細かい国内規定へのアラインは必要なので、その点で多少の手間はかかるかもしれませんが、今のところ、LTEでも軽微な変更、WCDMAでなら変更不要、という方向で規格化の話が進んでいるようで、まさに「スーパープラチナバンド」と言えるバンドです。おそらく今後、キャリアを限定せずに出てくるLTE/WCDMA/GSMな端末の99%はこのバンドに対応するはずなので(何しろほとんどの国が採用しているバンド8-GSMに対応する必要があるわけですから)、端末の調達性は他のバンドに比べると比較にならないほどよくなるはず。逆に残った700帯はゴミ同然なんですけど(苦笑)。性能的に有利な700と900を対にして2GHz帯(バンド1)と全く同じ構成にしてシフトするだけで使えるようにする、なんていうアイデアもあったんですが(=ドコモ提案、個人的にはお気に入りのアイデア)、それが採用されればみんな平等に微妙な調達性で痛み分けしましょうって感じでこんな申請競争も起こりにくかったのでしょうけどねぇ。今のように「プラチナの900」と「ゴミ同然の700」と並べると、そりゃ900がほしいよなぁみんな、って感じです。ゴミの700どうするんでしょね。

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2012/1/30 23:59 · ニュースコメント · 3 comments
2012/1/30 10:00 · 事業考察 · (No comments)

このまえKDDIが発表した移動・固定コンバージョン戦略について、改めてちょっと書いてみたいと思います。いや個人的には自宅がauひかりだし、借り物じゃない移動と固定(アクセス線)を持っている唯一の事業者という意味で、本当のFMCに一番近い事業者だと思っているので、ちょっと興味はあるんです。

発表されたことをおさらいすると、まず一番上に「スマートパスポート構想」というのがあり、移動、準移動、固定などなどが共通のIDで共通のコンテンツやサービスを利用できる、というところを目指しているような感じ。で、その構想を実現するための個々のサービスとして、割引サービス「スマートバリュー」、コンテンツパック「スマートパス」、共通ID「au ID」という三本柱がある、という感じ。

一言で言ってしまうとたったこれだけのことなんですが、ここから発展してどんなことが起きることを想定しているのか、ということを考えてみます。

まず、アクセスサービス事業者として最終的に目指している(っぽい)ところは、「1契約だけで家庭の固定ネットワーク(インターネット+電話)と家族全員分の携帯電話(スマートフォン)とそれらが対応したすべてのアクセスサービスを利用できるようにする」という感じかと思います。

正直、FTTHや提携CATVを引っ張ったからと言ってスマホをいきなり1500円近くも割り引いちゃうのはでかすぎる。これは逆に、「スマホが割り引かれる」から一歩進めて、「1家族契約に○○円のオプション料金でスマホが持てるよ」というところに向かおうとしているのかな、という感じ。

もちろんその「1家族契約」には、FTTHまたはCATV接続権と公衆Wi-Fi接続権が基本的についてきている。そこにスマホ(=3G/4G接続権)をオプションで足す、という考え方になるのかな、と。いや、まだそこまで踏み込んだ説明はない気がしますが、固定・移動を統合していく、かつ、家族を1単位と考える、という発表内容から考えれば、将来はこの方向に行くのだろうな、と思います。

以前に某所で「今FMCと言っている事業者は単なる料金割引でしかFMCを実現できていない、つまらない」と発言したことがありますが、上のような考え方なのであれば、別契約をそれぞれ割り引くという考え方から単一契約のオプション化という形で、契約上の変化は感じられる気がします。まぁそこはあくまで契約書/請求書の上だけの話で、請求書だけで実現してきた従来のFMCからさほど変わるところではないのですが。

しかし、これに加えて出てきている話が、マルチデバイス、つまり同じコンテンツを異なる機器、異なるネットワーク経由で利用できるようにする、という構想。たとえばスマホで買った動画がFTTH経由でも見られるとか、親が買ったアプリを子供が別のスマホから使う、そういうことを想定しているようです。

こうなると、「契約が一つにまとまる」効果が出てくるような気がします。つまり、基本的にコンテンツやサービスのオプション契約は基本契約(家族契約)にひも付き、あとはそのライセンシングの問題として処理できるわけです。たとえばあるサービスは家族につき1契約で全員が利用できるし、あるコンテンツは○台分ライセンスが含まれててそれを超えたら使うスマホの台数分のライセンスが必要ですよ、というような形で、家族単位ですっきり整理できる。従来のように「個別契約&割引」でこのようなことを実現しようとすると、家族割引相手の誰かがこのコンテンツを買っていてなおかつそれ以外でそのコンテンツを無料利用している契約が○個以下なら自分はそのコンテンツの代金を割り引いてもらえます、なんていう超めんどくさい形態になってしまいます。しかもそれがコンテンツ・サービスごとに。

また、私が昔言ったような「機能的なネットワークの統合」というところはまだあまり感じられないのですが、それを間接的に実現できるのが「au ID」という考え方だと思うわけで、これは、ネットワークが認証するIDを使って、デバイスのアプリ経由で連携を持たせる、というある意味逆転の発想。ネットワークノード同士がID連携するのではなく、ネットワークノードは真面目に端末の相手だけして、端末がそれぞれのネットワークノード上の自分のIDを一つの統一IDで統合する、というアイデアだと思います(違ってたらゴメン)。

このアイデアが成立するのなら、実は、こういった考え方は何もKDDIだけに実現できるものでもないんですよね。ぶっちゃけ、資本関係さえなくてもいい。何しろノード同士が会話する必要はなく、その上位のID管理アプリケーションサーバさえ統一したものが置いておけるなら何でもいいんです。いや、今回の話の中で、全く資本関係のないケイ・オプティコムやその他CATVが入っているのが不思議だったんですが、このように考えれば、それら提携先は単に土管に徹し、その上を「勝手にau IDが飛び交っている」という状態であっても統合サービスとして成立しうるわけです。

たとえば、今、OCNが独自のスマホ向けIP電話サービスを始めていますが、これはOCN管理のIDがどのスマホでも利用できる、という形。考え方は同じですよね。OCNがハブとなって統一IDと利用アプリを準備し、それをドコモやNTT東西に配ることで同じような統合サービスを行うことは不可能ではないはずです。あるは、OCNがVNO、MVNOとなって統合してもいい。東西とドコモが「うちは単なる土管です」と言い張れば、NTT法もバイパスできるかも(※先日ドコモMVNOの日本通信がそういうコンセプトを発表しちゃいましたね)。あるいはソフトバンクが、FTTHのアクセスに使っているNTT東西と組み、こういったサービスを行っていくことも可能でしょう。もちろん、接続料やアプリライセンス料などの「売り上げの取り分」でもめることは容易に想像でき(笑)、そういった「社間のもめごとが起こらない」という点が1社体制であるKDDIがこういったサービスで一歩先を行ける最大の根拠となるのかなぁ、と個人的には考察します。M&Aで会社コレクションしていただけじゃなかったのね、と。

ということで、KDDIの統合サービスについての考察でした。

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2012/1/30 10:00 · 事業考察 · (No comments)

ドコモの通信障害で感じる“融合”の難しさ
うーん、ちょっと違うかなぁ。テレコムの世界も、ほとんどがデファクトスタンダートなんですよね。代表は3GPP。勘違いされている方も多いかと思うんですが、3GPPはデジュールじゃなくてデファクトなんです。そして、ITUと各国デジュールがデファクトである3GPPを参照する形でデジュール化されてるんですよね。だから、標準上もすでにデファクト・デジュール融合は一般的になっているんですよ。問題は、ドコモやNTT系は、デファクトでもデジュールでもない独自インターフェースを大量に持っていて、現役で使っていること。それを捨てられないこと。しかもたちが悪いことに、その一部は日本のデジュールに力技で押し込まれてたりするんです。しかも核心部分が隠ぺいされた状態で。だから、海外ベンダ製機器の接続性が悪かったりするんですが。そういった独自インターフェースにこだわっちゃう体質が、障害前提の考え方の不足を招き、障害が起こった時の対応のまずさにつながっているのだろうと思います。障害は起こるんです、どの事業者でも。それに対して対応できてないのが問題であって。
KDDIau one Photo Air、モニターの9割が今後も使い続けたいと回答
あぁそうこれ、私も無料だからと使ってみたんですが、便利すぎて笑える。いや、本当に写真を自動送信するだけのサービスなんですけど、撮影したらいつの間にか自宅のサーバPCに入ってるってのが、撮った写真をいちいちメールで送信したりあるいはUSBで転送したりなんていう手間を考えると圧倒的に便利で、明らかにフィーチャフォンとかよりも画質で劣ることが多いのにスマホで写真を撮る機会がものすごく増えちゃった。もちろん自宅のサーバPCは自宅内に画像を供給しているので、リビングのPCからもすぐに見られるし、加工してブログとかにも使えるし。何枚も撮ってベストなショットをさらにレタッチして、って考えると、やっぱりスマホじゃぁ限界がありますから。にゃんこの面白ポーズをさっと5連写くらいしてリビングのノートPCのふたを開けて共有フォルダを開けばもうそこにある、ってのが、本当に便利。3月1日から有料なんだけど、スマートパスの料金に込みだったらそのまま使いたいですね。単体でお金を出してまで、となると、ちょっと機能が劣ってもほかのソリューションを検討すると思うけど。
Xiスタートキャンペーン2を提供開始
割引額がちょっとずつ減って支払料金がちょっとずつ上がっていってるのに笑った。まぁなんだかだでソフトランディングさせるってことですね。その期間が9月30日までってことは、10月にはiPhone LTEかな?(無責任な妄想)。
日本通信がNTT東にサービス提供……固定とモバイルの垣根を超えたサービスを推進
あ。いや、NTTグループがKDDIのFMCに対抗していくにはMVNO経由のやり方もあるよね、っていう記事を準備してあったんですけど、先にやられた。しょんぼり。

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2012/1/26 23:59 · ニュースコメント · 1 comment

【お詫び】2012年1月25日のFOMAの音声・パケット通信サービスがご利用しづらい状況について
ちょっと最近多いですよね。確かに以前書いた考え方の違いでドコモの方が「見えやすい」のかもしれませんが、それ以前に、コトが起こってからの対策があまりに遅く、障害影響が広大化しているのを感じます。確かにドコモは加入者も多い分「不利」と言えなくもないですが、そこまで加入者を獲得するという意思があったからこその加入者数です。であれば、そこまでの加入者数を捌く義務があるんです。にもかかわらず、最近は、特に「故障を契機に容量あふれ」というタイプの障害が多すぎます。冗長構成が甘すぎるのではないでしょうか。自社開発ノードの信頼性とパワーに自惚れて分散化することをないがしろにしているのではないでしょうか。冗長は「万一のことがあった時のため」ですが、結局は「万一が起こる可能性」を軽視しすぎているのではないでしょうか。古いタイプの事業者全般に言えることだと思います。「万一は起こるもの」という前提で考えれば、1台の故障が全体に与えるインパクト%をできるだけ小さくしようというモチベーションが働くはずなのですが。ドコモではそれが長らく働いていないような気がします。
OCNで通信障害–海外向け通信がつながりにくい状態に
KDDI、25日深夜に都内で通信障害–26日午後3時に回復
偶然でしょうか、ほかの事業者も立て続けにやらかしました(笑)。いずれも古い体質の事業者。でかくて頑丈でハイパワーな装置を好むタイプですね。小さくて柔軟でローパワーな装置をたくさん並べる、というやり方が今後は「起こる障害」に対して強い構成になっていくはずで、ソフトバンク含め新興はほぼこの考えに移行しているんですが、旧国営系は考えの転換ができなくて苦しんでいるような感じですね。どうでもいいけどKDDIの障害回復が未来の日付です(笑)。

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2012/1/26 23:59 · ニュースコメント · 1 comment