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そうそう昨日ちょこっと書いたのですけど、アナログ停波がもう間もなくですね。ずっと先の話だとぼんやり思ってたのに、後一ヶ月しかない。びっくり。

テレビ放送とはいえ電波オタク的には一大イベントですからね。何十年?60?年くらい途切れることなく送信され続けてきたテレビ放送波が全国で一斉に(一部除くけど)恒久的に停まる、ってことですからね。

アナログテレビ放送はその名のとおり、アナログ変調を使っています。アナログ変調は、言ってみれば「電波の性質そのものを情報として送る」と言うものです。たとえば強弱とか周波数とか。ってことは、わずかな外乱であっても、情報は確実に変化してしまい、またそれを取り除くことも出来ません。

一方デジタル放送では、デジタル変調をします。情報は0/1のビット列として準備され、量子化された電波の性質に対して割り当てることで伝送されます。強弱とか周波数とか位相とかが直接情報なのではなく、それらを量子化したものに対して一定のビット列を割り当てるわけで、その量子化幅に収まる範囲であれば外乱を受けても情報は変化しません。さらに、デジタルコーディングにより、一定量以下であればビット情報そのものが変化してしまっても変化する前のビットを推論できるようになっています。このため、デジタルは画質が良好で難視聴にもなりにくいとされているわけです。

ただ逆に、デジタルの場合、復調によるビット復元やコーディングによる補償でさえも復元仕切れなかった破壊ビットが出てしまうと、画質全体に破局的な影響を与えます。電波状況が悪いときに良く見る、画面の中に四角いゴミがついて、それが1~2秒の間ぼこぼこと生物のように生長したり移動したりする、いわゆるブロックノイズです。また、エラーの出た位置によっては、数秒の間画面が描画できなくなることさえあります。

逆にアナログはそういったことは起こらず、外乱がある場合は画面にぼんやりとした波が出たり砂嵐をオーバレイしたような画面になる感じだけど、一発破局みたいなことは起こりません。こういったことが、デジタルとアナログの重要な違いなんですね。

ぶっちゃけ、デジタルは画質も良いし電波が比較的弱くても高画質を保てるという利点がある代わり、ある一定以下の電波品質だととたんに見られたものじゃなくなるんですよ。要するにバルクの電波品質に対する画質の変化も、デジタル的な遷移をしてしまう。だから、もし万一、ほんの数メートル離れたところで計測してもデジタルが正常に視聴できるレベルなのに実際にアンテナを建てられる位置ではわずかに「閾値」を下回ってしまう、と言う場所があると、公的な調査では「視聴可能」と結論されつつ実際には難視聴になってしまう、と言うことが起こりうるわけなんですよ。

えぇ、私の家がそうなんですけど。

元々私の家はアナログ難視聴で(近所の変電所のせいで)、難視聴対策をしてもらってた地域。しかし、デジタル化に当たって再調査したところ「デジタルであれば難視聴にならないと分かったので難視聴対策ケーブルは引っこ抜きます」と宣言されました。

ところが、(自腹数万円かけて)アンテナを建ててみたところ、映らない。いや、映るんです、一応。でも、数分に一度、かなりでかいブロックノイズを食らうような状態。本当に映るか映らないかの閾値ぎりぎりのところにいて、それこそ風が吹いたとか車が通ったとかそんな些細な出来事で映らなくなるようなレベル。東京タワー方向に変電所があるためその影響なんですが、逆に、全く別方向、東京タワーとは方位角で30度もずれているような近所のマンションを狙っても似たような品質で映るんです。要するに、マンション壁による反射波を受けても同じと言う程度の品質なんですよ。

さすがにありえないと思って難視聴対策しているところ(東京電力様!)に頼んでみたんですが、「デジタル化したので難視聴はありえない」の一点張り。近くの路上測定ポイントでは確かにデジタル視聴可能閾値を何とか上回っているので、文句も言えない。と言うのが去年の今頃のやり取り。

そんなわけで、アナログが停まると同時にケーブル再送信も停まり、我が家は地上波をほぼ見られない状態になります。いや、ブロックノイズを我慢しながら見るとか言う選択肢はあるっちゃあるんですけどね。

スカイツリーからの送信が始まれば、大丈夫なんですよ。送信位置が変電所に全く被らなくなるので。なので、スカイツリーに期待なんですが、アナログ停波からスカイツリー以降まで半年もあるとか、もう、いろいろと移行プランの設計ミスをしてますよね。普通は同時でしょう、こういうことは。まぁ、デジタルで東京近郊で難視聴になるなんて想像もしてない方々が設計しているのでしょうね。

ってことで、光を引っ張るなら、デジタル再送信をやっているところが良いなぁ、と言うことで、フレッツが選択肢に上がらざるを得ない。と言うことでかなり前からフレッツを検討しつつ、KDDIには何度かデジタル再送信サービスしないのーと要望を送ってたんですけど、ガン無視。

そんなことをしてたら、やはり「再送信継続お願いしますだー」と何度も頼んでいたケーブルテレビのほうから、月額数百円でデジタル再送信だけのサービスを、旧難視聴エリアの人限定で始めますよ、とDMが来まして。要するに私の家と同じような難視聴がエリア内に多発していたんでしょうね。東電補償は打ち切られたけどケーブルテレビが救済策として自前で始めることにしたみたい。スカイツリー稼動まではこれでお茶を濁すしかなさそうです。

アナログ停波で、私の家のごたごたよりもはるかに大きな影響を被る人が多発しそうな気がします。と言うような一大イベントであるアナログ停波。しっかり追っかけたいと思います。でわ。

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http://blog.rocaz.net/2011/06/1207.html

えーと、まぁ余り取り上げたくない、ちょっとアレなUID危険論サイトなんですけど、auのEZとPCサイトビューアのIPが統一されるという話で「もうダメだ」と展開している件について、「どこまでダメになるんでしょうか」と言う質問をいただきました。

この中で、まぁ前からこの人が主張しているのは「今のUIDを有効に保っているのは『脆弱な』3条件」と三つを上げていますが、いや、その三つをこそ、ケータイキャリアは死ぬ気で守ってるんですよね。決して『脆弱な』なんて形容詞をつけてよいような甘い体制ではないです、私の知る限り。はっきりいってあの辺の仕組みを守るために各事業者が(超関係者外秘情報につき省略されました)

と言うことで、端末もコンテンツも厳しい審査の上に展開されることで脆弱な3条件を守っています。逆にいえば、審査を通っていない勝手コンテンツは当然ながらUIDやIPの無謬性も保証してもらえません。信用は出来るけど信頼してはいけない、と言うもの。だから「まっとうな非公式」はしつこいほどに「個人情報やクレジット情報を入力するな」と警告表示したりしているわけです。と言うことで、以下はあくまで審査通過レベルのきちんとした作りのコンテンツ(TCP/IPレイヤのIPをノーチェックだったりHTTPSでサーバ処理をバイパスするなんていうインチキをやらない前提)の話。

そんなわけで、auがこの記事に書いているほど甘い考えを持っているはずがありません。と言うより、私は事実は逆であると考えます。つまり、今まで、「ゲートウェイによるID付与と加入者認証・端末認証・他」で守ってきたドコモ・ソフトバンクに対して、「端末によるID付与と端末・契約の強固なひも付け(例のセルフSIMロック)」という形でのUID保護を行ってきたau、しかしさすがに端末任せの現状はまずいと考え(はっきり言って私でも破る方法が思いつくレベル、いくつかの重要なキーが必要ですけど)、ゲートウェイ付与方式に転換するもの、と私は見ます(あくまで想像です、事実は異なる可能性は低くないです)。

実は、この辺の仕組み、auが一番遅れてるんですよ。ドコモが最初に契約ベースのゲートウェイ付与方式を取り入れ、ウィルコムがそれを一歩進めてどんなブラウザを使っても契約ベースで同じUIDが付けられる仕組みを作り(その代わり処理が重過ぎて一般サイトには通知できないらしいけど)、ソフトバンクも一時ものすごく混乱をきたした(公式網に変な端末が入れたり)もののほぼドコモと同じ仕組みへ移行、出来てないのはauだけと言う状況になっています。

で、auが今度、EZとフルブラウザのIPを統一し、HDML対応をやめる、と言うことをやるわけで、この二つを合わせてみれば、EZとフルブラウザを同じゲートウェイに収容しつつ、ブラウザでの偽装を許さない形でのUID付与をゲートウェイで行うようになる、フルブラウザでも偽装不可能なUID通知が始まる、あるいはそのスマートフォンへの拡張も考えている(SPモード対抗として)、と読めるのですよ。

実際、ウィルコムも、一般向けに提供されていないので知る人は少ないのですが、ケータイブラウザもフルブラウザもスマートフォンも(公式向けは)すべて同じゲートウェイに収容し、同じUIDを発行しています。私は単にauもその方式に移行するだけだと思ったわけで。技術的には簡単なんですよ。リクエストに含まれるUIDに関するオプションやパラメータを一旦跡形もなく剥ぎ取り、加入者データベースに問い合わせて正しいUIDをくっつける。それだけ。たったこれだけで誰にも偽装できないUID付与が可能。auの古い端末は自発的に端末IDを送ってしまいますが、多分それはゲートウェイで一括剥ぎ取りし、加入者データベースから引っ張ってきて付与するという仕組みに移行するのだろうと思うのですよ(端末IDは加入者データベースからも引けますし)。

あるいは、au端末に積んであるフルブラウザを試験した結果、UID偽装ができる設定やスクリプトなどは動かせないと結論して、単にIPがもったいないから統合しただけかもしれません。この可能性もほどほどに高いと思うので「上のようなことをやっているんだ!」とはさすがに断言は出来ないところなのですが。しかしauがUIDの仕組み上一番遅れているし一番破る敷居が低いのも事実なので、そろそろ手を入れたんじゃないかと思いたいところ(苦笑)。

まぁ実際に始まってみないとなんともいえないですけど。auが世紀のチョンボをやったのか、単にIP節約体制に入ったのか、あるいは過去最高にセキュアなUID付与体制が整ったのか。いずれでしょうね。ゲートウェイ、ブラウザ動作などについて、「検証」を楽しみに待ちたいところです。

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「ネット監視法案」について、危険なものなのでしょうか、と言う質問をいただきました。ネット監視法案と言えばあの有名社長もtwitter上で顔を真っ赤にして怒っていた件ですけど(笑)。

基本的には、ネット監視法案と言われている部分は「通信事業者は警察に指示されたら30~60日間ログを保管しないとダメですよ」と言うところです。容疑者や関係者の足取りを追っかけるために、通信ログの保管義務を明文化したといえます。

これに対して、「個人の通信内容をいくらでも盗聴できる、とんでもない」と危険性を過剰に煽る人が多々いるのが現状なのですが。

はっきり言って、この改正がなくても、今現在でも警察の要請によるログ保護なんてずっとやってきていることなんですよね。というか、「まっとうな」通信事業者であれば、警察とはそもそも協力関係を持っているしその上で万一の犯罪捜査協力のために平時にログをどのくらい過去に遡って保管すべきかと言う話し合いも持っているし、もちろんそれに沿ってログは大切に保管してあります。別に個別の警察の要請なんてなくても、まっとうな事業者ならみんな当然やっていることを、「まっとうじゃない」事業者にも要請ベースで義務付ける、ただそれだけのことです。

また、保管要請と開示命令はまた別物なので、警察が好き勝手に盗聴できるなんてデマも全くの嘘。電気通信事業法が改正されない限りは、従来どおりの「通信の秘密」の義務は維持されます。結局今までと同じ。「保管はしているけど秘密は守る」「事業法上の開示可能な場合のみ開示できる」、これを事業者みんながやりますよ、と言うだけです。

今までもこういった警察への自発的協力はほとんどの事業者が行ってきたことで、逆に私は不思議なんですよ、なぜわざわざこれが法制化されたのか、ってことが。となると、「法制化しないとログを保管してくれない非協力的な事業者が出てきた」ってことがまず第一に考えられます。となると、真っ先に怒り狂ったあの社長の会社が疑われざるを得ませんね(笑)。

と言うのは冗談で、いくらあの会社とはいえ、某スマートフォンの通信量があまりに膨れ上がりログ保管コストが高騰してしまったため従来どおりの協力関係をぶち壊してコスト削減のためにログ破棄を始めたなんてことはさすがに無いとは思うので、やはりそういった歴史的な自発的協力関係を知らず、ログなんぞ知ったことか、と土足で参入する新規事業者が増えてきた、と言うことが考えられます。個人的には、こんなことも法制化しないとならないほど、通信事業者の良識が崩れてきているんだなぁ、なんて残念に思うところです。

通信事業っていろんな利害関係がからまっているものなので、基本的にあらゆる官庁と良好な協力関係を維持しながら営むもの、と言うのが私の意識なんですけど、やっぱり新参にはそういった「古い常識」は通用しないのでしょう。まぁ不況のご時勢、義務でもない社会貢献のために保管用ディスクを毎月何百本も買わなきゃならないなんてのは、頭のよろしい企業家の皆さんにとっては馬鹿馬鹿しい無駄コストとしか見えないのも無理もありません。

と言うことで、監視法案は危険なのかについて、私の意見でした。でわ~。

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東電の持っているKDDI株に、孫先生が興味を示していて、さらにトヨタがKDDIと縁を切りたいのでトヨタ持分も孫先生に譲ろうとしているという話が某ゴシップ経済誌に載ってたけど、実際はどうなんですか、なんていう質問を頂いています。

この辺の裏話は全く分かりませんが、もし私が孫先生で、もしトヨタがKDDIを手放したいと思っているのなら、間違いなく手をつけると思います(笑)。

もちろんお値段によりけりなんですけど、東電持分の8%ちょいとトヨタ持分の11%ちょい、合わせれば20%の議決権、それが今なら4000億程度で手に入るとなれば、そりゃぁまずはツバつけときますよ。ソフトバンクグループの純利益が数千億出ていて(もちろんそれは帳簿マジックなんですけど)、そんな「優良グループ」が「ちょっとKDDI支配したいから4000億ほど貸して」と言って断る銀行もまずいません。

だって、もし同じ支配率を実現するためにTOBかけたら、どんだけカネがかかることか。今市場価格が割安になっているのでプレミアの上乗せはかなりアグレッシブでないとならず、対抗TOBも考慮したプレミアをつけると多分同じだけ買い集めるのに6000~8000億はかかりますよ、きっと。それが破格の4000億。そりゃぁよだれも出ます。

競争相手を資本的に取り込んで競争をうやむやにするというのは孫先生は過去に何度も見せてきた手法でもありますし、もし東電保有分に関してソフトバンクに対する交渉のテーブルが用意されていて、なおかつトヨタ持分の放出まで、なんて話があるのなら、やりますよ。

問題は、トヨタが本当にそんなことを考えているのか?と言う点。こればっかりはトヨタの中の人じゃないと分かりませんけど、いろんな人に聞いた感じのイメージでは、少なくとも現場レベルではそんな空気は全くなさそう。お互いにいろんなシステムの開発で出向し合ってたりするみたい。KDDIもほどほどに配当を増やしているし、営業シナジーもそこそこあるみたいだし、特にトヨタの財務が切羽詰っているわけでもないので、トヨタがKDDIを切り捨てるってのは余りなさそうな話に思えます。

と言うか、トヨタがKDDIを売り払うって、何年かおきに必ず経済ゴシップ誌で出るネタなんですよね。日本一のメーカであるトヨタの資産リストを眺めてると必ずぶち当たる「なんだこのでかい額は」ってのが(不振の)KDDI株なもんで、ゴシップ屋さん的にはそれを「負の遺産」と書き立てて煽るのが通例になっている感じです(笑)。

と言うことで、東電保有分8%だけでもとって役員を送り込む(んで端末・サービスをスパイするとか)くらいのことはするかもしれませんし、それだけでも価値はありそうですけど、トヨタ分まで買って筆頭に、と言うのはちょっと可能性の低い確率な気がします。が、あえて、もしそういうことがあったら、と言うのをちょっと考えて見ますと。

まぁ20%ではちょっと心もとないので、ここは一つ、40%ほどとっちゃったと考えて見ましょう(えぇ~)。要するに完全に一体経営ができるレベル。ソフトバンクもKDDIも固定網と携帯電話網を持っていて、これだけでは特にシナジー効果はないかもしれません。むしろ二重ネットワークで二重投資になるだけです。と言って、加入者だけをごっそり奪い取るにしても、それを収容するキャパシティがソフトバンク網にはありません。

一番おいしいのは、KDDIの持つ物理的なリーチの積極活用。中継網と市内網。中継網は日本でも随一の海底網+地上幹線網をもち、市内網は日本1、2位のケーブルテレビ連合を手中にしているという豪華絢爛さ。制度的に動きの取れないNTTグループを追い上げるのにこれほど恵まれた条件はありません。とはいえサラリーマン社長が指揮を執るKDDIではそれらを余り有効活用できていませんが、もし孫先生が独裁的に指揮を執れるなら、一気に市場をひっくり返すような大博打も出来ます。たとえば、既にケーブルの届いている家庭には、ソフトバンクケータイとセットであればほぼ無料に近い形でケーブルサービスの一部を提供する、とか。ソフトバンクのBB回線のネックは、物理線をNTTに借りているため最低原価を下回った「一発逆転」サービスを提供できないこと。同軸ケーブルでは少なくともその枷から開放されます。さらに、同軸更改時に光化することでさらにNTTを追い上げる芽も見えます。もちろん、ソフトバンクグループのバランスシート拡大パワーを使った各CATV連合への支配率強化も忘れてはいけません。

また、「周波数」もおいしいところです。もちろん周波数だけ奪取しても何もなりません。ただKDDIは既に800MHzなどの使い易い周波数をLTEへ向けてマイグレーションしつつあります。一方ソフトバンク傘下のWCPはTD-LTEへ向けて発進。そう、ソフトバンク携帯サービスの負荷分散先として、この「二つのLTE網」は非常に有望です。大収容力のLTEを、800MHz、1.5GHz、2.5GHzと三系統も一時に手に入るのであれば、それだけでもKDDIを手に入れるに十分な理由となるかもしれません。加えてKDDI傘下のUQもTD-LTE化すれば4系統(しかも端末はWCPと同一バンドで対応可能)。800MHz帯のCDMA2000はさっさと停波してLTE化、2GHz帯のCDMA2000は分社化して海外ファンド辺りに二束三文でポイ(ここで無駄なダブりネットワークを処分)。

KDDI LTEサービスは予定通り始める、だけど、本当に魅力的なプランはソフトバンクモバイルサービスとして提供する。ソフトバンクのスマートフォンには、通話用の2GHz-WCDMAとデータ用のLTE(3バンド対応)が載る。LTEのバックボーンにはもちろんKDDIの骨太幹線網を使うことで、ドコモを圧倒するデータ通信スピードを実現する。同時に、各家庭への同軸のリーチを使って、各家庭にWiFiを配し、屋内スループットでもトップを狙う。ソフトバンクになればこのくらいのことは出来そうです。いまいちソフトバンク自身の網が活躍していませんが(苦笑)。

NTT対抗軸として巨大グループ誕生と言う面白いシナリオが見えはするものの、まぁ余り実現性はないなぁ、と言うことであえてでかい妄想をおっぴろげてみましたが、それにしてもKDDIの東電持分、どこ行くんでしょうね。住商が、って話もあるけど、あれもまだウワサレベルだし。案外KDDIが自分で買っちゃったりして(去年も結構な額の自社株買いしてたし)。と言うことでソフトバンクがKDDIを買収する妄想でした。でわ~。

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先日発表のデータ通信満足度市場調査の結果について、コメントをば。
携帯市場を牽引するデータ通信端末、顧客満足度はNTTドコモが3連覇

ドコモ強し。総合でも一つ抜けたトップだし、エリアの広さはまさに他を寄せ付けない圧倒的スコア。その他、ドコモが強いのは、「品質」系と「サポート」系。エリア、品質、サポート、まさにドコモがここ数年力を入れてきた部分が如実に結果に反映されています。「速度」と「品質」はやっぱり別物なんですよ。いくら速くても繋がらないとかパケロスだらけとかではダメ。もちろん圧倒的に速ければパケロスなんぞさらに上のレイヤで補償できちゃうわけですが、品質が落ちている時は速さもある程度落ちているわけで。品質最重視と言うドコモの方針、これは、最近お昼頃自動発動している接続規制にも現れています。品質が落ちる前に緩やかに規制をかける、これは品質を守る最良の施策です。とにかくあらゆる方策で品質を守るドコモ、技術的裏づけ、資本的裏づけを考えるに、この圧倒的強さは当分揺るがないでしょうね。

二位のUQは、何しろ「速度」で飛びぬけていて、ついで「回線機能性」系統が高いスコアをつけ「料金」系もほどほど、で二位になっています。これも大体特徴をうまく捉えている感じですね。最も潤沢に周波数を使いサービス上の制限も皆無、料金も準最安。エリアの狭さを他の特徴が大きくカバーしています。そのエリアも、徐々に充実してきているようで、総合では三位以下を今後引き離す方向に向かうのではないでしょうか。ただ、やはりさすがに都心では混雑の声が聞こえ始めています。UQは既に3波を使い切っているようなので、容量確保のためにはセル割り打ちが必要ですが、そのときは必ず屋内・ビル陰補償が必要になります。そういったケアをしながら容量確保が進められるのかが今後の満足度維持の課題でしょうね。

意外と言っては失礼なんですが、KDDIが三位。どの項目でも一位をつけていないのに満遍なくスコアは高い感じ。速度がUQについで満足度が高いのは、WiMAXハイブリッドのおかげもあるんでしょうけど、やっぱりマルチキャリアEVDOの実力でしょうか。ケータイニュースのほうで集計している「最高速度」の方では、三社中では常にKDDIが圧倒的なトップ。平均は三社中二位でもそれはシングルキャリアな端末が足を引っ張っている結果で、実効トップスピードは頭一つ抜けている感じ。それが、KDDIの速度満足度を上げているんでしょうね。その他は、まぁよくも悪くも「セカンド・ドコモ」と言う感じ。

そして昨年二位のイーモバイルが、四位にまで下降。しかも僅差の四位ではなく、意外と差のついた四位になっています。何より、通信速度が、(PHSであるウィルコムを除くと)大きく引き離された最下位で、これが評価を引っ張っています。多コード割当、多値QAM変調、DC化、などなど標準上の拡張はいち早く取り入れていても、結局それらは絶対容量を食いつぶすだけの拡張なので、そもそもイーモバイルの速度が出なくなった原因である容量不足がそのままである以上、速度は向上しないんですよね、理屈上。端末価格関係だけは上位ですが、サービス料金系はほぼ最下位。まぁあれだけインセがらみの騙しプランを満載にしてりゃぁ、満足度も下がります。インセは盛りたいけど現金はない、と言う厳しい台所事情も見えてきているという感じでしょうか。

五位はソフトバンク。なんというか、全くみるところがない感じ。全体的にじんわりと悪いスコアを重ねての五位。エリアはイーモバイルにさえ大きく離されての五位、品質系もウィルコムが下にいるだけのダントツの五位。ソフトバンク定額データはイーモバ借りだけなので、エリア評価の低さはイーモバのせいなのか、と考えても、イーモバよりも圧倒的に低いのが説明がつかない。ただ、都心部では、明らかに地下・屋内はイーモバよりもエリアが狭い傾向が強いので、都心部の法人ユーザからの低評価が効いているのかも知れません。そもそも自社で定額データを一般向けに出していないのはソフトバンクだけなので、それでこのスコアなら良しとすべきなのかも知れません。

最下位は順当(?)にウィルコム。料金系もエリア系もほどほどのスコアなんですが、通信速度と品質がとにかくめちゃくちゃに低い。PHSだから仕方がないんですけど、PHSだからこそ、適用するアプリケーションを厳選・制限して品質を高く保ち勝負していく、みたいな施策が必要なはずなんですが、おそらく他社と同等のソリューションにPHSを持って行ってガチンコ勝負してこういう状態なんだろうなぁ、と。一般のアプリケーションで扱うデータ量が無駄に増えてきている以上、そういった土俵での勝負は避け、少データ低呼損みたいな要求条件のところに持っていくべきですね、今後のPHSは。ピークレートが限界なPHSデータは大きな戦略転換が必要なはずです(データ放棄も含め)。

と言うことで各社の結果について軽くコメントをつけて見ました。しかしドコモ強いなー。

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2011/5/31 10:00 · 事業考察, 技術解説 · 2 comments

TD-LTEについて、これからの時代はLTEとの共運用を考えないといけないと思いますよ、と言うことを何度か書いてきて、しかし、ちょっとだけ、説明不足な部分もあり、誤って伝わってしまった部分もあったりするみたいなので、この件だけ再度取り上げて解説します。

TD-LTEとふつーのLTEの違いは、前の解説で書いたとおり、基本的には無線インターフェースのフレーム構成と、その制御メッセージ(のオプションの使い方)程度で、それ以外のほとんど(無線ソフトウェアを作るうえで一番面倒の多いRRCソフトウェアなど)は全く共通です。

このため、端末のベースバンドチップや、基地局のベースバンドユニットなどはLTEとTD-LTEの両方をサポートできるようになるのが当たり前で、LTE用BBチップやBBユニットでTD-LTEを無視するのは手抜きする価値さえないほど些細な省力化となるかもしれません(言いすぎ;笑)。もちろんRF周りは専用チップ/ユニットが必要になりますし、一番面倒な局間同期の問題、それと端末としては送受信間時間差計測/レポートなどちょっと面倒な実装が必要になるので、そういった技術がパッケージ化されて普及するまではまだ時間がかかるとは思いますが、いずれ(5年とかのスパンで)そういったものは当たり前の技術になっていくはずです。

一方、インフラ設計・建設と言う面での共存の可能性については、これは局さえ出来れば全く問題がないはずです。なぜなら、LTEネットワークの最大の特徴である「分散制御アーキテクチャ」があるためです。LTEでは無線ネットワーク制御機能を完全に基地局にまで分散化しているため、LTEネットワーク(SAE)は無線技術に何を使っているかについて全く知る必要もないし制御する必要もないのです。

基地局は移動管理用の装置(サーバ)である「MME」との間でS1と言う制御用のコネクションを確立しますが、このS1メッセージには、FDDであるかTDDであるかによる差が出ません(ハンドオーバ用に端末がTDDをサポートしているかどうかを伝えるフラグとかは入っているけど、これは透過的にターゲットMME/基地局に転送されるだけ)。ので、同じMMEにFDD基地局をぶら下げてもTDD基地局をぶら下げても問題が無いように出来ています。

つまり、端末さえ対応していれば、同じネットワークにFDD-LTE基地局とTDD-LTE基地局を混在させ、その間でハンドオーバすることも全く問題がないように出来ているのがLTEのアーキテクチャの特徴の一つです。

では、実際のエア環境でFDD基地局の出す電波とTDD基地局の出す電波が混在することには問題がないのか?いくらフレーム構成が似ていても違うものは違うのだから干渉するのではないか?と言うような疑問もあるかと思います(実際そういう趣旨の質問も頂いています)。

これに関しては、FDDだろうとTDDだろうと、同じ周波数で電波を出せば混信するのは当然で、逆に、TDDはTDD用の周波数帯域、FDDはFDD用の周波数帯域をそれぞれ使うのが大前提です。3GPPの仕様では、いくつかの帯域ではFDDバンドとTDDバンドが重なっている場合もありますが、基本的にはバンドクラスとしてはTDDとFDDは明確に区別しています。

また、各国の電波法相当の規定では(ごく一部の例外を除き)やはりTDDとFDDは明確に区分され、同じ周波数帯域でFDDとTDDを混在して使うことは事実上不可能とされています。TDDとFDDでは、無線技術やバックホール/バックボーンが非常に近くても、守らなければならない電波法相当の規定は全く違うものになります。その意味で、同じ国で同じ周波数帯域にTDD/FDDが共存するということはまずありえないと思ってください。

つまり、TDDである=異なる周波数バンドである、と言うこと。LTEで同じ場所に異なる周波数帯域の基地局を置く、と言うのと同じです。周波数バンドの違う局を置いてみたらたまたま無線区間はTDDでした、ってくらいの扱いなんですよね。つまりその意味では、エア環境でTDDとFDDが混在することには全く問題ないということです。

TDDを使うメリットは、貴重なペアバンドを持つFDDの周波数帯域を食いつぶすことではなく、ペアになれないバンドを有効に高効率で使うということ。だからFDDとは完全に違うバンドで運用するのは大前提。FDDはペアバンドを持つ強みとして広範囲を連続的にきれいにカバーできると言う特徴があり、その特性が弱いTDDはその中で特に利用の多いホットスポットをカバーするために「点」で置いていく。つまりオフロード用WiFiと同じ使い方でFDDの弱点を補うのが、TD-LTEの正しい使い方だと考えます(中国のようにTD-LTEで面カバーしなきゃならない事情のところもありますけど)。

これと同じことをWiFiでやろうとすると、WiFi専用のバックボーンを構築・維持しなきゃなりませんし、もしLTEとの間でハンドオーバしようとするとかなりややこしい独自の仕組みをたくさん入れて、それでも不安定なシステムの手綱を独自に操らなきゃならない。しかし、TD-LTEなら同じシステム上で同じ振る舞いをしますから、ネットワークへの追加投資も不要だし基地局同士が直接会話できるので不安定にもなりません。LTEの容量をサポートするベストパートナーはやはりTD-LTEだと思います。


↑別周波数セルを追加するのと同じようにスポット的にTD-LTEを追加できる。

さて最後になりましたが、今日本でTDD向け帯域をがっぽり持っている事業者2社、これについて、実際にTD-LTEをどのようにすれば使えるのか、を考えてみたいと思います。

まずはソフトバンク&ワイヤレスシティプランニング(WCP、旧ウィルコムXGP)。持っているバンドは2545MHz~2575MHzの30MHz。このバンドは、先日米国WiMAX事業者のClearwireが無理やりに国際標準にねじ込んだ「2496MHz~2690MHz」(2.6G帯)にきっちりと含まれています。また、この2.6G帯はClearwireがTD-LTEで使うことを示唆していることからおそらく国際的なTD-LTEの標準バンドになるものと見込まれており、その意味では非常に大きなボリューム効果を狙えます。

2.6GHz帯(日本的には2.5G帯)の日本での技術条件は、WiMAXかXGPか802.20であること、となっていますが、これは当時としてBWAに必要な周波数利用効率を出せるTDD技術がこれらしかなかったから。TD-LTEは当然同じOFDMAファミリーとして同程度の効率が出せますから、ここにTD-LTEを加えることは実に自然です。2GHz TDD帯でも一旦TD-CDMAが頓挫したのち多くの技術が追記されて門戸が広げられたという実績があり、技術の追記のハードルはそれほど高くありません。遠からずそれは実現するでしょう。

問題は、ソフトバンク自身がなかなかLTEを始めないこと。ソフトバンクがLTEを始めてしまえば相乗効果が見込めるため、比較的安くTD-LTEを始められます。逆に、WCPが先陣を切ってSAEを整備してしまうというのも一つの解。WCPがSAEを構築し、TD-LTEを開始。SAEが安定した頃、一足遅れてソフトバンクがSAEの網機能の一部を借りるという形で(FDDの)LTEを開始、と言う形が考えられます。おそらく今のソフトバンクの動きから言って、このやり方を狙っているのではないかと考えられます。

SAEの網機能の貸し借りが制度上どのように扱われることになるのかはまだちょっと分かりませんが、逆に「制度上は何も決まりがない」と見ることもできます。自由なタリフ設定での貸し借りが可能になるとみてよいかと思います。また、SAE機能だけを切り出して貸し出すことを「一風変わったMVNO」と整理することも出来るはずです。ここに制度的な問題はほとんど起こらないでしょう。

さて次に、KDDI & UQ。持っているバンドは2595MHz~2625MHzと、同じく国際2.6G帯にすっぽりと入っているため、標準上の問題はありません。また、日本のBWA規定にTD-LTEが組み込まれることについても上記のとおりですので、おそらくこちらも問題がないでしょう。

実際の運用に関しては、これはSB&WCPと逆になるでしょう。KDDIは既にLTE基地局の建設を始めており、SAEそのものは既に構築完了しているものと思われます。であれば、UQがKDDIのSAE網機能を切り出して借りる形でTD-LTEを実現する、と言うのが可能な形になるかと思います。制度上も、SB&WCPと同じ形で整理可能になるとみます。

問題があるとすれば、UQの方針。いつまでもWiMAX/2に固執する姿勢を崩しません。大株主であるKDDIが既にLTEに向かっており利用可能なSAEが目の前に転がっているというのにUQがそれに歩調を合わせないのはいかにも理不尽で、KDDI以外の株主(特にインテル)からの意向がLTE化を強く阻んでいるように感じます。米国で撤退がほぼ確定した以上、インテルとしては日本で何とか元を取りたいと考えているのかもしれません。

欲にまみれた株主が一事業者の方針を狂わせて世界的動向から乖離させていく、なんていうと違う会社のことを言っているような感じですが、多分、UQの状況ってそんな感じなんじゃないかなぁ、なんて思うんですよね。全くフリーに市場的技術的優劣を論ずれば今後はTD-LTE(-Andanced)と言う答しか出てこないはずですもん。

最後にオマケでドコモ。ドコモとグループ会社は今のところTDDなバンドを持っていないため、まず何かをやろうとしているというところは感じ取れません。が、世の中にはまだ余っているTDDなバンドはあるんですよね。それをとりにいこうとしているかどうか。なんとなくですが、なさそうです(笑)。3.5GHz帯についてもFDDペアバンドを推しているようですし、あくまでFDDで広範に分厚いネットワークを築いていこうという感じがします。まぁそうなれば、3.5GHz帯のペアバンド間の挟まれた余り領域をTDDとして誰かがまとめて使えば、全部をTDDにしてしまって事業者間で同期調整が必要になるようなうっとおしい事態は避けられますので、理想的と言えば理想的かも知れません。なんとなく、ドコモとKDDIがペアバンドを取り、間の領域をソフトバンク系がTDDで頂く、と言う形になりそうな気がします、3.5帯については。

と言うことで長々と書いてしまいましたが、TD-LTEと(FDD)LTEの共運用についてでした。でわ~。

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2011/5/31 10:00 · 事業考察, 技術解説 · 2 comments

先日ドコモの規制の話を書いたら、いろんな反応を頂いたのですが、ちょっといろいろと用語が錯綜していて間違って伝わっている風もあったので、ここでカンタンに整理。

接続規制 (access control)
接続への試み(アテンプト)を規制すること。報知情報(SIB2SIB3)に規制率を含め、これを受信した端末は、アテンプト時に乱数を生成し、その乱数値が規制率以下であれば自発的にアテンプトを取りやめる。このときiモード端末であれば「しばらくお待ちください(パケット)」と表示される。[追記]普通にLTEの動作を書いちゃいました、WCDMAですよね、当然(笑)。でもWCDMAも大体似たようなもんです(報知情報受信→端末が自発的に黙る)。ご指摘ありがとうございます。

帯域規制/速度規制 (bandwidth control)
ユーザごとにパケットの通信速度を制御すること。交換機側で帯域を絞る方法と、基地局で割当無線リソースを絞る方法がある。いずれも標準化されていない独自技術となる。利用量の多いユーザへのダウンロード速度を絞ることで他のユーザのダウンロード速度を確保することが目的。接続可否とは無関係。

接続輻輳 (access congestion)
基地局/交換機の処理リソースを超える接続が行われている状態。処理リソースを超えた接続要求に対して基地局/交換機は接続拒否を行うことで接続を破棄する。輻輳していることが事前に端末に通知されていない状態。この状態に陥ると、接続に長い時間がかかったり「接続に失敗しました」などの表示とともに接続が破棄される。この状態ではアテンプトは通常通り行われるため、適切な接続規制をしないと輻輳は加速的に進むことになり、最悪の場合は設備障害などを起こす可能性もある。

帯域輻輳 (bandwidth congestion)
ある基地局における無線リソースの利用率が常に100%に近く、多くのユーザがダウンロードのための無線リソースの割当行列を作っている状態。ユーザ(端末)に対するダウンロードデータが局のパケット交換バッファに到達すると、その情報に従って基地局は順次ユーザにダウンロード用の無線リソース(時間/コード/etc)を割り当てるが、1局に対してあまりに多くのユーザからのダウンロードが同時に行われると待ちユーザ全員に対応する無線リソースが割り当てきれなくなり、待っているユーザの行列が長くなる。この行列が長くなると各ユーザの割当タイミング間隔が非常に長くなるため、ダウンロード速度の低下や顕著なパケットロスの上昇がみられるようになる。適切な接続規制や帯域規制を行わないとこの状態に陥る。

ドコモは、高級な自律規制システムを使って接続規制を行い、輻輳状態が生じるのを防いでいる、と言うことです(もし規制が本当なら)。こういった規制を行わず各輻輳状態に突入するのが良いのか(繋がるけど低品質)、規制をすることで輻輳を防ぐほうが良いのか(繋がりにくいけど高品質)、これは各事業者のポリシーの問題なので、このこと一つをとって「事業者の勝ち負け」を論ずるのは間違いです。

ちなみに一つ情報を頂いていまして、やはり5月中旬から日中に規制がかかるようになったという方なんですが、その方の場合は、高層ビルのオフィスで、ドコモの屋内基地局が設置されているという環境のようです。昼休みに外に出たら規制はかかってないっぽいとのこと。

また、国産スマフォは規制されてるけど海外モデルはそんな画面は出ないとのことですが、規制の仕組みは国際標準だし特定端末を狙い撃ちにするということも不可能なので、多分UIだけの問題だと思います。ドコモ謹製メッセージを出している国産スマフォに対して、多分海外スマフォは黙ってアテンプトを破棄しているだけだと思います。とはいえ、カスタマイズの甘い海外スマフォは非常に行儀の悪い動きをするらしく、OSから結構短い間隔でアテンプトを繰り返してさりげなく接続に成功してしまうのではないかと想像できます。

そういえば私の職場も高層とまではいえないけどそこそこ高いところ・・・だけどドコモの屋内局なんて入ってたかな?入ってないはず・・・だけど、わかんないや。でもちょっと職場から離れると平気っぽいんですよねぇ。

ってことで。

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面白い視点の質問をいただきました。っていうかすっかり忘れてた、って言うお話なんですけど、「一般電話・公衆電話からPHSにかけたときは距離別料金になっていて長距離は携帯宛よりも高い。070MNP化で携帯にかけたつもりで長距離PHSになってしまう恐れもある」と言うコメント、そしてどうしてそういう料金体系になっているのか、と言うご質問です。

加えて、うがった視点として、「ウィルコムが安い通話料金を実現するための原資としてそういった高額な料金を残しているのでは」とのコメントもついてましたので、まずはこの視点から。

まず大前提的なお話として、依存型PHSシステムの元々のカタチから。依存型PHSでは、PHS基地局は「NTT固定電話機」とほぼ同じ扱いです。アクセスチャージの発生のし方も、固定電話と同じ。つまり、「PHS基地局(PHS端末)から発信するときはアクセスチャージがかかる」けど「着信は無料」なんですよ。もっと正確に言うと、実は依存型PHSでは、「着信のときもPHS事業者からNTT東西に一部のアクセスチャージ(網機能利用料)を払わなきゃならない」ってことになっています。この場合、NTT東西は発信元の事業者からもアクセスチャージを取れるし、ウィルコムからもわずかながらも料金をとることができる、二重取り状態です。ただ、PHSがNTTの網機能(特に位置管理機能など)を利用しているという立場なので、NTTに制御機能に関する利用料を払わなければならないのはズルでもインチキでもありません。

つまり、ウィルコムは、いくら着信を受けても、実入りはゼロどころか着信すればするほど赤字なんです(苦笑)。なので、この辺の通話料を原資にウィルコムが割引をしているということは絶対にありえません。

ちなみに、さすがにこの状況はウィルコム一人負け確定ですから、ウィルコムも大転換を図りました。それが「ITXの導入と独自相互接続」です。ITXで独自網を作り、携帯電話各社と直接相互接続に踏み切りました。このため、携帯電話各社からウィルコムへの通話に関してはウィルコムは着信接続料収入を得られるようになりました。ただし、NTT東西を通る着信(つまり相互接続している携帯電話以外のすべての発信元からの着信)に関しては、いまだに一銭も取れないし料金の決定権もないし赤字を垂れ流しているという状態です(ひょっとすると一部のIP電話などとはそろそろ相互接続しているかも)。

さてではここまでの前提を確認した上で、長距離料金がなぜあんなことに、のほうへ。上のお話からも分かるとおり、(一部の相互接続済み事業者との間を除いて)実は長距離だろうが短距離だろうが、PHS事業者には料金決定権どころか料金に影響を与える決定ができる権利さえありません。長距離料金が高額である犯人は、ウィルコムではないということです。

となるともう犯人はNTT東西しかいませんね(苦笑)。そもそも、NTT東西の加入電話(not ひかり電話)、今でも距離別料金になっています。そして県外通信は、長距離通信事業者の設定によります。PHS基地局は原則としてNTT東西の加入電話と同じ位置づけなので、遠くからPHSを呼んだ場合は、真面目に呼び元地域のNTTに一旦着信し(ここでNTTから発信事業者へ着信アクセス料発生)、加入電話向け中継事業者網を通って(NTTcom、KDDI、SBTのどれか、ウィルコムの契約による)(ここで中継料発生、中継事業者がNTT東西へ請求→代理で回収)、端末がいる場所のPHS基地局に着信するわけです。このアクセス料、中継料をすべて積み上げた結果が発信者に課せられるアクセスチャージで、それを原価として発信事業者が料金を設定します。たとえば、NTT東西の加入電話&公衆電話は、真面目に距離別料金を課している、その結果が長距離高額な料金体系と言うわけです。

まぁ犯人も何も、そもそも「PHSはNTT東西の加入電話扱いである」ってことが原因で、NTT東西の加入電話に対しては、原則として発信地域NTTにまずつなぐ、ってのが原則だから、こういうことになっているわけです。MNPに参加できなかった理由もこれで、「070はNTTへ」と言う決まりがあり、NTTがMNPに対応する義理が無かったからなんですね。今も直接接続している事業者以外は「070はNTTへ」の原則に従った接続をしています。

ってことで、逆に言えば、070MNPが始まるタイミングで、この「070はNTTへ」と言う決まりが消えることが想定されます(というか消さないとMNPが実現できない)。ウィルコム自身が相互接続用の関門交換機を用意し、各電話事業者はそこに直接つなぐことになるわけです。このとき、この関門交換機での「アクセスチャージ」は、(ようやく)ウィルコム自身が決定権を持てるようになります。ここまで来て、距離別料金が撤廃される素地が整うわけです。

と言っても、結局PHS宛通話料金の決定権は発信事業者にありますから、どのように設定しても誰も文句は言えません。また、ウィルコムの関門交換機が各県1個くらいあれば安くも出来るでしょうが、東京と大阪にしかありませんとかだとそこまでの中継料は発信事業者負担ですから、高止まりしてしまう可能性も十分にあるとお知り置き頂いておいたほうがよろしいかと思います。

というわけで、高い公衆電話→PHS料金で儲けているのはNTT東西で、しかしMNPとは「070はNTTへ」と言う非常に大きな原則を元から取っ払うという意味であり、つまりPHS着信料金の決定権をNTTから剥奪することであり、これを機にPHS宛通話料の格差は多分一斉に改正されるだろうと考えられます(安くなる部分もありますがもちろん一部では高くなることもありうる)。ので、多分、MNP後の、携帯だと思ってかけたら遠距離PHS宛で大損した、みたいな話は(あまり)起こらなくなるのかなぁ、と。もちろん事業者別の格差は今でもあるので、0036とかでドコモだと思ってかけたらauだった、高い料金を取られた、と悔しがるのと同じくらいの格差は当然残るとは思いますが。以上、PHS宛通話料の不思議についてでした。でわ~。

↑ごめん、すごい大嘘書いた。一般加入&公衆電話発料金は着側が決めて良いんだった。でも、その原価になる接続料は「発地域NTT局に入ってから着地域PHS基地局」の距離別でNTT東西が決めるので、ややこしくなっているそもそもの原因は「070はNTTへ」と言う原則のせいです、と言うのは間違いではないです。でも嘘書きました。ごめんなさい。

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