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2011/9/23 10:00 · 技術解説 · (No comments)

概念的な説明に終始したOFDMの技術解説、今回は、FAQ形式でOFDMの技術について解説してみたいと思います。

Q. OFDMはたくさんのサブキャリアを並べると聞きますが、それだけたくさんの搬送波を作る無線機は大変ではないですか?
A. OFDMのサブキャリアは、実際にその周波数で発振する搬送波が存在するわけではありません。純粋に数学的な処理であたかもそういった搬送波があるように見せかける技術です。たくさんの搬送波の元を数学的に作っておいて、それを逆フーリエ変換(IFFT)と言う処理を通すことで、たくさんの搬送波が隙間無くびっちりと並んだような単独の無線波を作ることが出来ます。

Q. フーリエ変換ってなんですか?
A. 高校あたりの教科書をご覧下さい。ごめんなさいうそです。一つの波形があって、その中にどんな成分の周波数が入っているかなー、ってのを調べるのに便利な数学的変換手法の一つです。よく、「時間ドメインのデータを周波数ドメインのデータに変換する」などと表現されます。FFTでは、各成分ごとにその成分の「特性」を得ることが出来るので、その「特性」からデータを復元できます。成分同士が影響を及ぼさない関係がOFDMで言うところの「直交したサブキャリア」です。実際にそういうキャリアがあるのではなく、FFT処理上便宜的に分割した成分のことをサブキャリアと呼びます。逆フーリエ変換はこの逆で、各成分にデータを乗せた「特性」を与え、それを集めて一つの波形にするときに使われます。

Q. ガードインターバル(GI)ってなんですか?
A. GIは、OFDMのシンボルごとに挿入されるもので、あるシンボルと次のシンボルが、マルチパス(反射などにより違う経路を通る電波)の伝播遅延などで重なってしまい潰しあってしまうことを防ぐためにあります。送信するときは逆フーリエ変換をした後に、一旦シンボル位置で波形をぶった切って、そこに自身のシンボルを延長するように(後端を頭にくっつける=サイクリックプレフィックス)挿入します。

Q. ガードインターバルってどう働くんですか?
A. GIを含んだ波形を受信した無線機では、このGIに相当する分をシンボルの先頭(あるいは後端)から単純に削り取ります。すると、一つ前の(あるいは一つ後の)シンボルと(マルチパスなどで)重なってしまっていた部分がきれいにそぎ落とされます。このそぎ落とした信号について、GI部分を詰め詰めに詰めなおしてからフーリエ変換(FFT)することで、重なった部分のないきれいな信号部分を取り出すことが出来ます。GI削りでそぎ落とせないくらい深く重なってしまっている場合は、GIが想定するよりもマルチパス遅延が大きすぎる、つまり、セル半径を大きくしすぎ、と言うことになります。つまり、無線が届く範囲を大きくしたければGIを大きくすれば良い、と言うことになります。

Q. でも、シンボル同士の干渉は、前後の別シンボルだけじゃなく、自分自身と潰しあうことも起こるんじゃないの?
A. ここで、サブキャリアが純粋に数学的な存在だということが活きてきます。確かに、位相のずれたマルチパス同士は自身のシンボルでも潰しあいますが、それを純粋な数学的な存在であるサブキャリアに戻す(フーリエ変換する)と、時間的なずれはきえて周波数特性(=データ)だけが見えるようになります。

Q. じゃぁOFDM以外でもGIを導入すれば良いのに。
A. OFDMでは、非常に狭いサブキャリアをたくさん並べる、と表現しますが、「搬送波占有帯域が狭い」ということは、「シンボルレートが遅い」と言うことです。シンボルレートが遅いということは、1シンボルがとても長いということです。GIを使ってシンボル干渉をなくす方法は、シンボルレートが相当に長くないと使えません。OFDMではたとえば1シンボルは数十マイクロ秒に及びますが、たとえば占有帯域5MHzの非OFDMな信号であればシンボルレートは0.2マイクロ秒です。もし、これに、シンボルと同じ長さ(0.2マイクロ秒)のGIを付与(つまり速度を半減させる)したとしても、それがカバーできる伝送遅延はわずか60メートル分です。シンボルレートが遅いOFDM以外ではあまりに効率が悪いためGIは用いられないのです。

Q. ずれずれの信号がぐちゃぐちゃに合成されているのに、どうやって「シンボルの開始位置」とかを検出するの?
A. OFDMを使った方式では、ほぼ例外なく「パイロットシンボル」とか「リファレンスシグナル」などと言う名前で、「既知のパターンを持ったシンボル」をOFDM信号のどこかに挿入します。受信した信号の中から、この「既知のパターン」がある場所をサーチしてそこにぴったり合わせこめば、タイミングが合うようになっているわけです。

Q. OFDMとOFDMAが違う文脈で出てくることがあるんだけど、どういう違い?
A. OFDMを使って、複数の通信を収容することを目的にした多重化を行うことをOFDMAと言います。OFDMには(数学的に)たくさんのサブキャリアがありますが、そのサブキャリアについて、どのサブキャリアをどの通信相手に割り当てるか、と言う感じで複数の人の通信を一つのシンボル期間の波形に乗せてしまうことがOFDMAです。実際には、TDMA(時間分割)を併用することが多いですし、多くの方式ではさらに進んだSDMA/PDMA(空間/パス分割、MU-MIMOなどとも呼ばれる)を併用した技術の開発も進んでいます。大抵は、時間xサブキャリアの平面状で、四角く切り取った要素ごとにユーザに割り当てるようにして多重アクセスを実現します。

Q. OFDMAで、別々の場所の複数のユーザが好き勝手に送信すると、受信したアクセスポイントではシンボル干渉が大きくなりすぎるような気がするけど?
A. そのとおりです。アクセスポイントへの到着時刻のズレは、OFDMAでは致命的な問題です。この問題を解決するために、「Timing Advanced」と言う仕組みが使われます。これは、アクセスポイントと端末の間で交換される情報で、アクセスポイントが複数の端末からのアクセス時間を計測し、早すぎる端末には「もう少しタイミングを遅らせろ」と命令し、遅すぎる端末には「もう少し早く」と指示する、そのための仕組みです。端末は、アクセスポイントに指示されたTiming Advanced値に従って、受信と送信のタイミングをわざとずらすことで、アクセスポイント到着時にすべての端末の信号のタイミングが一致するように出来ます。

あーもう質問が思いつかない。他にも質問がありましたらぜひお寄せください。勉強して分かる限りで、回答したいと思います。それでは。

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2011/9/23 10:00 · 技術解説 · (No comments)

KDDI、「iPhone5」参入の衝撃
は?なにそれ。まじで。いや、昨年暮れくらいに本気で検討しているというウワサが結構業界内でも聞こえていたんで、お、そろそろ本気かな、と思っていたら、今年度に入ったくらいからぱったりとウワサが途絶えたので、あ、やっぱりやめたのかな、と思ってたんですけど、機密度を増量(当社比200%)して続行していたんですかね。でも結局は料金だと思うんですけどね。iPhoneを選んだ人の話を聞くと、流行っているから、って言う理由の次に、「他のスマホより維持費が安いから」って言う理由が多いんですよね。まぁいまさら定額料の多寡で通信量を調整する必要もなく、本当に戦略的にどう値付けるか、って言うだけの問題でしょうから、KDDIとしてはわざわざソフトバンクより高い値付けをする理由が無いとは思うんですけど、まぁあの会社ですから(笑)今回もそういう空気読めない値付けをやるんだろうなぁ。他のスマホが売れなくなるからーとか何とか言いながら。そうなったらなったで、安くて低品質のソフトバンクか高くてちょっとだけエリアが広いKDDIか、って言う選択肢になるわけで。品質やエリアを気にする人が無線品質最低のiPhoneなんて買うとは思えないけど。
ウィルコム、2011年秋冬モデル10機種を発売
そうそう、ウィルコムが久々に大きなリリースをしました。一挙10機種はDDIポケット時代から通算しても最大規模じゃないでしょうか。まぁ、内容的にはどっちかと言うと音声通話特化機種で、ガジェット好きにはあまり面白くない内容かも知れませんが、むしろ、ウィルコム、PHSと言う方式を考えると、これは非常に状況にマッチしたラインナップだと思います。というか、PHSがデータ通信方式として遅れをとり始めた段階でこのくらいの方向転換をすべきだったのに、その判断が出来なかったことがウィルコム破綻の原因。ソフトバンクのダイナミックな経営手法のおかげといえそうです。この中で気になるのは、やっぱりちっちゃいものクラブ的にストラップフォン。というか、今のウィルコム端末をこれに変えようと言う気まんまん。次に、固定電話型端末。ずーーーーーーーっと前からウィルコムにはこれが必要だと私は主張し続けてきたんですが、ようやく、って感じです。移動に弱いけど音質はよく料金も安い、と言うPHSの特徴を考えれば、据え置きで使ってもらうのがベスト、なんてことはバカでも思いつくはずなんですが、過去の経営陣はそのバカ以下でしたってことですね。MNPが始まるとちょっと面倒ですが、店舗受付電話をこの機種で070番号にすれば0120的な通話無料相手として大きく認知される可能性が無きにしも非ず。欲を言えば、これをもう少し発展させて、モジュラーケーブルコネクタをつけてアナログ電話変換アダプタ型PHSになれば完璧。回線はPHSだけど電話機は好きに選べる、となれば、応用は大きく広がりますよ。後継機種で乞うご検討。
10分でスマートフォンを充電!NTTドコモ、CEATEC JAPAN 2011で超速充電バッテリを展示
5アンペア(笑)。笑うしかないような大電流充電対応バッテリ。セルが大電流充電対応のものとしていますが、まさか蓄電コンデンサが入っているわけでもないでしょうから、リチウムナントカバッテリをカリカリにチューニングしたものなんでしょうね。提供価格として「5000円ではお話にならない」とのコメントなので、2~3000円での提供が期待されます。と言っても、これ、端末ごとに特化したジャケットになるのかな。全てのドコモショップに全ラインナップの在庫がある状態は難しいでしょうから、買いに行ったけど売ってない、見たいな状況がしょっちゅう起こるんじゃないかと勝手に心配。ジャケット型にするのは他事業者ユーザに流用されないようにとか考えてそうだけど、ソフトバンクの兄弟モデルとかauのacroユーザとかは同じものが使えちゃいそう。
UQの通信障害、一部で復旧
今回の障害はさすがにひどいですね。台風早退して自宅でまったりしてて、ふと気がついたらWiMAXが接続失敗してるって言うアイコンが出てて。何度再接続を手動でやっても繋がらなくて。ネットで見てようやく障害発生していることに気がついて。でその範囲が東日本全部ってんだからひどい。どうも落ちたのは認証関係っぽいですね。前のドコモの障害と同じ。ただ、今回は完全に落ちてたみたい。原因はよく分からないんですが、台風が全く無関係ではないような気がします。この障害が起こるちょっと前に台風がらみであちこちで多発的にサービスが落ちてたみたいで、おそらくそれが復旧した瞬間に認証アテンプトがどどっと流れ込んで、耐え切れずに認証サーバが落ちちゃった、とか言う感じかなぁ、と予想。要するに前のドコモの認証障害とほぼ同じことが起こったと推定。ドコモの障害から何かを学んでおくべきだったんでしょうけど、アクセスと認証が切り離されたWiMAXなら大丈夫でしょ、なんて高をくくっていたのかなぁ。落ちてる間は3Gで乗り切っていましたが、こういう意味で、全く独立した別系統のシステムにデュアルで対応している端末/サービスは強いですね。LTE+WCDMAとかだと半端に認証系とか共有出来ちゃうからこういうとき両落ちしちゃうかも知れなくて危ない。

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2011/9/22 10:00 · ニュース解説 · (No comments)

申請はmmbiの1社、V-Highマルチメディア放送のソフト事業者と言うニュースに関して、マルチメディア放送も実はつまずきかけているんじゃないでしょうか、と言うご質問をいただきました。

実際、ソフト事業者として合計8社の枠を設定して募集したにもかかわらず、応募したのはハード事業者のmmbiだけと言う結果、これは市場の熱がすっかり冷めてしまったんじゃないかと言う見方をしてしまうのも仕方がありません。

これにはいくつかの理由が考えられます。まず、本当にマルチメディア放送がビジネスになりうるのか、まだ全く見通しが立たない現時点で参入に踏み切れないからではないか、と言うもの。最も保守的な見解として。

そりゃ、(携帯電話の周波数のように)確実に金になると分かっているのなら、必至で枠を取りにいきますが、このソフト事業はまだ誰も踏み込んだことの無い領域。どちらかと言えば携帯電話のコンテンツプロバイダに近いところ。ある日、「iモードと言う情報を有料で配信するシステムを作るので、コンテンツ作りたい人集まってくださーい」と突然誰かが言い始めて、おっ、そりゃ儲かりそうだ、と飛びつけるかどうかです。iモードに対応した機器がまだ世の中に一台も出ていない段階で。

しかもマルチメディア放送の事業者は一応認可事業、だめそうだからやーめた、ってことを簡単にやっていいものではありません(ケンカ上等で平気でやっちゃう人もいますけど)。なので余計に及び腰にならざるを得ないでしょう。

一方、うがった見方をすれば、mmbiの方式、ISDB-Tmmのシステム的な部分をよくよく調査した結果、こんなの商売になるか、とそっぽを向かれた可能性もなきにしもあらず。そもそも、なんだかだでISDB-Tmmって、現行のデジタルテレビ放送そのままなんですよね。ちょっといじくってるけど、やれることはほぼ現行そのまま。MPEG動画のキャスティングと限定された型のファイルのキャスティングだけ。地上波と全く同じ。じゃぁ、普通の地上波でやってもいいじゃん、と。むしろ、地上波と競合する分、それに勝てるコンテンツを作らなきゃならない、そんなの無理じゃん、と。

選定当初から、私は「純IP放送」のMediaFLOと「動画限定放送」のISDB-Tmmを比べ、後者は現行テレビの再生産に過ぎず、新たなサービスを行うなら当然前者、「無線を使ったIP放送と言う新しいメディア」を興すべきだ、と主張していたわけですが、結局当局の判断は後者。その結果が、結局はハード事業者とソフト事業者が同一人物で独占という、現行テレビ放送の再生産にしかならなかったわけで。もちろんこのシステム的な理由で参入が少なかったのかどうかには疑問が残るものの、MediaFLOが当選していればまた状況は違ったんじゃないかなぁ、と思わざるを得ないんですよね。

ともかく、まずはmmbi自身による放送サービスのビジネス性と、携帯電話へのデバイスの搭載がどの程度になるのかを見極めるというフェーズが当分続くのかなぁ、というのがマルチメディア放送の現状。ドコモが肩入れしているとはいえ、ここまで肩透かしな募集結果が出ると、ちょっと今後が気になる状況なわけですが、まずはサービス開始を待ちたいところです。それでは。

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2011/9/22 10:00 · ニュース解説 · (No comments)

Google+ Opened to Public
招待制だったGoogle+がオープンになるみたいですね。せっかくだから登録してみようかな。いまさらgoogleに個人情報吸われる心配しても仕方ないですもんね、Android使っちゃってる時点で。

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メールで頂いた疑問についての話です。頂いた質問の趣旨は以下のとおり。

イオンSIMを使っているが、ある場所で圏外となるため、エリア要望を出そうと思った。サービスのページでは「エリアはドコモのページで確認しろ」となっているためドコモのページで確認してみるとエリア内。なので、そこからエリア要望をドコモに送付したら、ドコモから「イオンSIMの人の要望は受け付けていません、提供元の日本通信にどうぞ」と門前払い。インフラ整備はドコモがやっているはずなのに、ドコモが受け付けないのはおかしいのではないか。

と言う感じ。ドコモのエリアのことをドコモに問い合わせて何が悪い、って事なんですが。

この話、二つの面での謎解きが出来そうです。一つが「事業者としての責任分界点」、もう一つが「顧客サービス」。

まず、責任分界点の話。要するに、MVNOとしてサービスをする事業者と、そのMVNOにネットワークを貸すMNO事業者の間で、どのように責任を分担しているか、と言う話です。

MNOは、MVNOに対してネットワーク機能の一部を貸すことを責任として負っています。ですから、ネットワーク、つまり、回線やエリアに関しては、MVNOに対して説明する責任を負っているわけです。しかし、MNOはMVNOの加入者に対しては何も責任を負っていません。MVNO加入者に対しては、MVNO事業者が窓口となる責任を負っているわけです。

このような責任の分界になっている理由の一つは、MNO事業者と末端加入者との間に契約関係が無いからです。エリアの確認となると、当然ながら、その加入者がどのエリアでどのように移動した結果なのか、と言う点も確認する必要が出てくることがあります。しかし、MNOは末端加入者のそういった情報を自由に扱ってよいという許諾をもらっていないので、やりたくても出来ません。

ですから、この場合は、契約関係のあるMVNOが窓口となり、MVNOが加入者の代わりにMNOに対して調査することを許諾し、MNOが調査した結果をMVNOに伝えて、最終的に末端契約者に情報が提供される、と言う形式を取るしかないわけです。

MVNOがMVNOであり単なる代理店ではない理由はこういったことにあります。MVNOはMNOに対して自分の顧客の情報を一切開示する必要が無いのです。開示しなければならないのは、自分が借り受けるネットワークに対して接続するであろう端末の情報だけ。MVNOは責任を持ってその端末と加入者の情報を管理し、それらを契約で保護することが必要なわけです。

と言うことで、もしドコモが直接の問い合わせに対して答えてしまうと、MVNOに対する越権行為になります。契約関係なしで調査を行うと個人情報保護法違反になる可能性さえあります。と言うことで、ドコモ的には「やりたくてもやれない」と言うのが答え。

それからもう一つ、顧客サービス的な視点で考えると、たとえばドコモは、エリアの不満に対して48時間以内の駆けつけサービスを行っています。これは、ドコモの加入者に対する特別サービスです。ドコモの加入者以外の人にはそういったサービスを行いません。

そして、MVNO加入者は当然ドコモの加入者ではありません。そして、ドコモから見れば、MVNOは立派な「競合事業者」です。MVNOとは、MNOも含めて公平に競争することが前提で作られた制度ですから、当然です。競合事業者の満足度向上のために自社のリソースを消費するかというと、それはありえません。ドコモがソフトバンク加入者に対してエリア調査をしてあげるようなものと同じ話です。たとえネットワーク自体は同じものとしても、タテマエ上は「別の通信網による別の通信サービス」なんですよね。本当は「ドコモのネットワークを使っています」なんて書いちゃうこともよろしくない、と言うレベルのもののはず。なんせ競合事業者のインフラの評判にただ乗りしようってんですから。

そんなわけで、ドコモとしては、ライバル会社に手を貸してあげるなんてもってのほか。一方、大切な顧客であるMVNO(日本通信)様から問い合わせがあれば、そりゃもう手取り足取りサポートします。「顧客である日本通信」と「競合である日本通信」をきっちりと割り切る必要がある、と言うことですね。

と言うことで、イオンSIMのサービス利用者がドコモに問い合わせをしても冷たくあしらわれるのも、道理と言えば道理なんですね。とはいえ、そこで逆にドコモとして暖かく対応することで、ドコモのイメージアップにつなげ、ドコモネットワーク利用のMVNO利用者の満足度を上げる、と言う間接的な満足度アップにつなげるという芽もあるのに、もったいないなぁ、と思う気持ちも無きにしも非ず。と言うことでMVNO加入者へのドコモの対応についてでした。

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2011/9/20 23:59 · ニュースコメント · 1 comment

BSNL May Cancel $1 Billion GSM Network Upgrade
BSNLが10億ドル分のGSM投資を取りやめるかも、と言うニュースタイトルで、え、次世代へってこと?なんて思ったんですが、そうじゃなくて、どっちかと言うと政経的な理由みたい。BSNLが国営ってこともあるんでしょうけど、今まで、BSNLのネットワーク投資のための競争入札で、国策でいくつかのベンダを恣意的に落選させたりなんてことを繰り返していたために、10億ドル投資の今回の競争入札に対して反応が極めて悪い模様。インド政府の気まぐれにベンダが嫌気がさしてきているってことみたいです。突然の免許召し上げとかなんとか、インドは中国に勝るとも劣らない政治リスクの高い国のようですので、なかなか巨額の投資となると動きにくいのかもしれないですね。
米特許制度が先願主義に転換へ、オバマ大統領が改正案に署名
ようやく米国が国際的なスタンダードとも言える先願主義に移行することになりました。これってどっちが良い悪いの問題じゃないんですよね。むしろ、先願主義ってのは、イノベーションが出願を前提として出願準備と平行で進めなきゃならないって言う面で、資金にもリソースにも限界がある個人や零細企業には不利な制度なんですが、何しろ他の国ではこぞって先願主義を採用しているので、米国とその他で特許の持ち主が違うねじれ状態がしばしば生じうるという面倒な状態だったわけです。米国以外のみんなが先発明主義に移行しても良いんですけど、まぁ、米国さえ移行すればほぼみんな統一ってことを考えれば、米国が移行するのが自然だったわけで。日本企業が米国特許をとりやすくなる効果は大きいと思いますので、不況の最中ですが、皆さん頑張ってくださいねー。
モバイル決済サービスGoogle Wallet、正式に提供開始
Googleウォレットが始まりました。これが日本に広がるかどうかは、結局は、現時点で日本で大きなシェアを持っているEdyやSuica系との共運用が出来るかどうか、と言うところに行くんじゃないかと思うんですけどね。いや、Google自身が日本中の小売店ネットワークを開拓していくって言う解もあるとは思うんですが、Googleってそういう泥臭いことあまりやらないイメージ。それよりは普及済みのシステムとの共運用を通して利用可能なシーンをまずは急拡大し、その後徐々にGoogleウォレット直接つなぎこみ小売店を増やしていく、みたいな感じかなぁ、と。このサービス開始を受けて今後海外モデルスマホもNFC対応が増えてくると思いますが、相変わらずFelica系システムへの標準対応の道筋は見えないので、日本のキャリアがその部分だけカスタマイズを入れて、Felica系は独立アプリで操作みたいなことになるのかなぁと思います。まぁどっちにしても、なんだかだでNFC系はシステムごとに独立したアプリで、TypeA/B系とFelica系は標準AndroidにAPIが提供されてるかどうかくらいしか差が出てこない感じになりそうですけど。
ドコモとボーダフォン、法人営業関連で事業提携
ドコモとボーダフォン、なんていうビッグネームが並ぶこの発表ですが、ドコモの発表資料まで読んでも、いまいち誰が何を提供する提携なのかが分からない感じ。ボーダフォンが多国籍企業向けソリューションでドコモネットワークを売るってことはなんとなく分かるんだけど、ドコモが多国籍企業に何を売るのかが分からない。案外、ボーダフォンのソリューションの代理店的なことをさせてもらえるってだけな気がします。ボーダフォンは多国籍ソリューションを売って儲ける、ドコモはボーダフォンのソリューションのネットワークを提供して通信料金をもらう、ついでに日本中心の多国籍企業にはドコモが営業してマージンを少し頂く、そういう感じな気がします。どっちかと言うと、ボーダフォンが日本での提携先としてドコモを選んだ、と言うニュースなのかな。方式的にはドコモかSBMかEMだけど、エリアと品質で言えばドコモ一択ですからね。ボーダフォンが選ぶとしたらドコモしかありえなかったわけですが、そういう理由でしょうか。

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2011/9/20 23:59 · ニュースコメント · 1 comment
2011/9/20 10:00 · フィクション · (No comments)

前回:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [03]

3/11 19:30

担当の埼玉南部、呼量の減りが安定してきているように見える。ネットワークへの影響が少ないなら、なるべく顧客インパクトを減らすために早め早めで規制を解除してあげたいところ。

3/11 19:31

こんな広域の災害は初めてだから、今後どんなパターンになるのかあまり良く分からないけど、各々の判断でやっちゃって良いって言われたよね。このくらいならちょっと規制緩めても大丈夫だよね。大丈夫かな?大丈夫だよね。よし、やっちゃうぞ。ぽちっ。

3/11 19:31

ぽちっと言っても、専用のGUIなんてインストールしている暇なかったから、コマンドラインで入れるんだけどね。き・せ・い・り・つ、6・0・%・に・ダ・ウ・ン、っと。Enterターンっ。

3/11 19:33

データの収集は10分に1回しか取れない(それでも平時の数倍のペースだけど)から、結果が出るまでしばしまて。こわいなー。

3/11 19:43

あー。なんだこれー。

3/11 19:51

おーおーおー。

3/11 20:05

先ほどのオペの結果、予想通り呼量は急増、だけど、危ういところで平時のピークアワーを下回るレベルでストップ、一安心。でもレベルの低いアラームが出てる。なんだろ。

3/11 20:09

大宮辺りの局が2局ほどチャネル使用率80%超えしちゃったのが警告が出てたみたい、でも、完全に溢れたわけじゃないので大丈夫。多分。でもアラーム一覧画面の黄色マークアラームログは恥ずかしいかも。

3/11 20:15

運用の部長が助っ人エリアに紙束を持ってくる。どうやら先ほど引っ掻き回して見つけた原発事故対応マニュアル。10部ほど印刷してきたから、次の事態に備えて、少しでも手空きのある人はちょっとずつ読んでおいて欲しいとのこと。重いよ。重すぎるよ。逃げたい。

3/11 20:30

埼玉の呼量は再び落ち着いてきた。

3/11 20:35

原発マニュアルを読んでみたけど、大雑把に言うと、「関係省庁からの電話口を確保せよ」「事故原発近辺から避難せよ」と言う以外はたいしたことは書いてない。ようするにどうしようもないから逃げろってことか。まぁそうだよね、たかがケータイ屋が出来ることなんてそんなもん。

3/11 20:40

東北のほうからのアラームが響く回数は再び小康状態になってる。落ちるべき局はほぼ落ち終わったという感じかな。というか、これほど長く停電し続けるなんて全く想定外。一体どこがどう壊れているのやら。

3/11 20:41

停電断で落ちちゃった局は、5000くらいらしい。停電前に「消えた」基地局は500くらい。会議スペースの机椅子を全部片付けて巨大な紙(B0が4枚分くらい?)に東北のエリアマップが印刷して広げ、リストを見ながら止まった局に印をつけつつ、それにより電波が届いていないであろうエリアを手作業で調べている。

3/11 20:41

一応、即座にエリア再計算するシステムはあるんだけど、これだけ大規模なさまざまな理由による停波なんて想定していないので、停波局の入力やエリア外になってしまったエリアのマークと理由のマークなんてのは、その準備だけで何日もかかるだろうし、手作業で確認するのが一番速いのかな。

3/11 21:00

少し前に時間ずれを伴ってバタバタとたくさんの人が入ってきた。ネットワーク装置ベンダの担当者諸氏の模様。どうやら21:00ちょうどから、全ベンダ+当社による運用対策会議を開くということ。

3/11 21:01

公共交通全滅状態でどうやら歩いてきたらしい。この時間にここに来たってことは、ここに泊り込む覚悟なのかな。

3/11 21:03

なぜか会議に呼ばれた。担当エリアが落ち着いているなら別のオペも手伝って欲しいからって。行ってくる。

続き:フィクション連載「震災の日」~ある携帯電話事業者社員のつぶやき [05]

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2011/9/20 10:00 · フィクション · (No comments)

セブン-イレブン 23区1200店に非常用電話と言うニュースに関して、災害時に繋がりにくくならない回線ってなんなんでしょう、と言う趣旨のご質問をいただきましたので、簡単に。

えー、ざっくりと言ってしまうと、基本的には、日本の通信事業者は法令に従って「災害時優先電話」の仕組みをみんな備えています。なので、災害時に繋がりにくくならない電話としては、どの事業者の回線を使っても同じです。

もちろんNTT東西も優先電話システムを持っていますので、その回線をセブンイレブンに引っ張って配備すればOK。これで疑問は解決ですね。よかったよかった。

・・・と言いたいところですが、法令ではもう一つ決まりがあって、それは、「優先電話が置けるのは法令で定められた対象だけ」となっています。それは、救急・消防、警察、自衛隊、ライフラインインフラ事業者、新聞・通信・放送事業者、その他の防災機関、と言う感じになっています。どう考えてもセブンイレブンはこれに該当しません。

それはそうで、元々法令で優先電話を決めたのは、こういった機関の通信を確保したいからで、こういった機関以外にも無節操に優先電話をばら撒いていては、そもそもの「優先したい」と言う目的を達成できなくなります。優先電話同士で輻輳が起きてしまうからです。

さてこういった縛りがある中で、どうやってセブンイレブンへの災害用電話配備を成し遂げたのか。私は、二つの方法のどちらかだと思っています。

一つ目は、NTT東日本の独断で、セブンイレブンの1500店舗を「その他の防災機関」に指定した、と言うもの。対象の指定は、実は事業者の判断に委ねられています。もちろんあんまり外れたことをやると怒られるんでしょうが、災害時の通信用スポット、と言う考え方であれば、それがたまたまセブンイレブンでした、と言い張ることはさほどおかしいこととは思えません。

もう一つは、公衆電話。実は、公衆電話は、優先電話に指定されています。それは、災害時などの通信用スポットとして機能させるため。また、公衆電話自体は事業者自身の持ち物なので、「優先電話を該当しない団体に与えた」と言うことになりません。であれば、そういった「公衆電話」がたまたまセブンイレブン1500店舗にくまなく配備されているんです、と言う言い分でこのサービスを実現することが出来ます。

と言うことで、上記のどちらかで実現しているんだろーなー、とは思うのですが、ここから先はよく分かりません。多分後者かなぁ、と言うくらい。と言うことで、災害用電話のコンビニ設置のからくりについての考察でした。でわ。

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